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ぼくの大好きな青髭(中公文庫) 庄司薫
¥1,340
並(非常に良い/良好/並) 改版発行 2002/10/10発行 ISBN4122041031 経年のヤケあり、表紙に折り目あり、読むには問題ありません。 「大人になるって、こんなにも不安で、こんなにも不条理なことだったんですね。」…そんな言葉がふと胸に浮かんだ方へ、お届けしたい一冊があります。 それが、庄司薫さんの『ぼくの大好きな青髭』。 この作品は、自伝的四部作の最終章にあたる物語で、1969年、アポロ11号が月に向かった日、新宿の紀伊國屋書店を舞台に始まります。 高校時代の友人の自殺未遂をきっかけに、主人公「ぼく」は謎めいた人物「青髭」や、得体の知れない組織の存在を知り、その真相を追って新宿の街をさまようことになるのです。 ただの青春ミステリー…ではありません。夢や情熱に満ちていたはずの若者たちが、大人たちの都合や社会の仕組みによって、少しずつ形を失っていく姿。その過程で「ぼく」が感じる虚しさや怒り、そしてほんの少しの希望が、読む人の心にも静かに波紋のように広がっていきます。 もし今、あなたが「自分は何者なんだろう」と迷っていたり、「夢を持っていいのかな」と立ち止まっているなら、この本はきっと、あなたの心にそっと寄り添ってくれるはずです。 それは、50年以上も前に描かれた物語なのに、まるで今の私たちの胸の内をそのまま映しているような、不思議な感覚。 村上春樹さんの世界観がお好きな方や、1960年代の若者文化に興味のある方にもおすすめです。 青春の痛みと輝きが交差する物語に、きっと共感し、少しだけ前を向ける勇気をもらえる…そんな一冊です。 庄司薫さんによる青春小説四部作の完結編となっていますので、気になる方は、どうぞこの本を手に取ってみてくださいね。 静かな夜のお供に、そっとページをめくってみると、きっと何かがあなたの中で動き出すはずです。 <庄司薫さんについて> 庄司薫さん(本名:福田章二)は1937年生まれ。三省堂専務の息子として生まれ、幼い頃から文学に親しみました。東京大学在学中に作家デビューし、1969年『赤頭巾ちゃん気をつけて』で芥川賞を受賞。青春小説四部作で戦後の若者像を描きました。 ※丁寧な梱包を心がけております。簡易包装ですが、防水・緩衝材で保護してお届けいたします。
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膝小僧の神様(新潮社) 群ようこ
¥570
良好(非常に良い/良好/並) 初版 1993/2/15発行 ハードカバー ISBN4103674040 『膝小僧の神様』は、群ようこさんが描く、小学校時代の純粋で切ない思い出を綴った小説集です。登場人物たちの小さな冒険や恋愛、友情の中には、私たちが忘れがちな感情や成長の瞬間がしっかりと息づいています。 読み進めるうちに、あの頃の自分と再会し、心が温かくなるのを感じます。 少し疲れた心に寄り添いながら、新しい気づきや優しさを届けてくれる一冊。 過去の自分と向き合いたい方にぴったりです。ぜひ、あなたの心にも届きますように。 <群ようこ さんについて> 群ようこ(本名:木原ひろみ)さんは1954年生まれの日本の作家・随筆家。日本大学芸術学部卒業後、6回の転職を経て1978年に本の雑誌社に入社。1984年に『午前零時の玄米パン』で作家デビュー。以後フリー作家として活動を続け、『かもめ食堂』などが代表作です。
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ほとけの心は妻ごころ(角川文庫) 田辺聖子
¥480
良好(非常に良い/良好/並) 改版初版 2020/7/25 発行 ISBN4041096772 『ほとけの心は妻ごころ』は、田辺聖子さんが描く、昭和の夫婦の物語を集めた短編集です。登場する夫たちは、まあ、正直なところ「ろくでもない」と言いたくなるような人ばかり。でも、妻たちはそんな夫を切り捨てるでもなく、呆れながらも、どこか諦めと愛情が入り混じったまなざしで寄り添っています。 たとえば、美男子を気取る夫に「美しさなんて、見慣れるものよ」と静かに悟る妻の話。ワガママでどうしようもない夫を、それでも見捨てきれない妻の心の揺れ。どの物語も、思わず「わかるなあ」と頷きたくなるような、夫婦の機微を見事に描いています。 田辺聖子さんの語り口は、ユーモアがあって、読んでいると気持ちがほぐれてくるんです。 夫婦だけでなく、人と人との関係って、完璧じゃなくてもいいんだな、と思わせてくれる。大切なのは、相手の「どうしようもなさ」を、少し肩の力を抜いて受け止めることなのかもしれません。 結婚している方も、そうでない方も、「ああ、こういうことってあるよね」と共感しながら楽しめる一冊です。肩肘張らずに、くすっと笑いながら読んでみてくださいね。 <田辺聖子さんについて> 田辺聖子(1928-2019年)さんは大阪出身の作家。『感傷旅行』で芥川賞受賞後、多くの文学賞を受賞し、紫綬褒章や文化勲章も受章。ユーモアあふれる文体と古典文学への造詣で知られ、小説やエッセイ、古典の現代語訳を手がけた。
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欲望 (新潮文庫) 小池真理子
¥50
SOLD OUT
良好(非常に良い/良好/並) 初版 2000/4/1 発行 ISBN410144014 ◆1998年 第5回 島清恋愛文学賞受賞作品 『欲望』は、小池真理子さんが描く、心と体のすれ違いが切なく響く物語です。 主人公・類子は、満たされぬ想いを抱えながらも、正巳という青年に心惹かれていきます。愛とは何か?欲望とは何か?を静かに問いかけられるような一冊です。 島清恋愛文学賞受賞作の美しい文章に浸りながら、自分の心の奥をそっと見つめてみませんか? <小池真理子さんについて> 小池真理子さん(1952年生まれ)は、出版社勤務を経て、1978年にエッセイスト、1985年に小説家としてデビュー。恋愛小説やミステリーで活躍し、直木賞など数々の文学賞を受賞。軽井沢在住。
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恋愛論(太田出版) 竹久夢二
¥800
並(非常に良い/良好/並) ≪初版≫ 1993/7/30 発行 ハードカバー ISBN4872331281 竹久夢二の『恋愛論』は、彼の恋愛遍歴を通じて芸術に対する深い思いが描かれている一冊。 特に、竹久夢二の心情が詩となって表現されている部分が切なく響いてくるようです。 竹久夢二の愛の形や悲しみが詩に込められていて、それが彼の絵画にどう影響したのかを知ることができるんですよね。 私はこの本を読んでみて、恋愛と創作が繋がる不思議な感覚に触れ、じんわり心が温かくなりました。 もし、あなたも心に響く一冊を探しているなら、この本はきっと心に残るんじゃないかと思えます。 <竹久夢二について> 竹久夢二(本名:竹久茂次郎「たけひさ もじろう」)は1884年、岡山県に生まれました。17歳で上京し、画家としての道を歩み始め、1905年に「夢二」の名で活動を開始。1914年には和装小物店「港屋」を開店し、絵画だけでなく詩や小説も手掛けました。大正ロマンを代表する画家として、独自の美人画で人気を博し、1934年に49歳で亡くなりました。
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こころ(明治図書出版) 夏目漱石
¥1,200
並(非常に良い/良好/並) ≪初版≫ 1981/5/10発行 明治図書中学生文庫41 小口、天、地に経年のヤケありますが、他はきれいな状態です。 本書は明治図書の中学生文庫として、フリガナ付きで読みやすくなっています。 『こころ』は、夏目漱石が描く、心の奥深くに隠された感情や葛藤を静かに見つめる作品。 罪悪感や後悔に悩む「先生」の姿を通して、人間の心の複雑さに触れることができるんです。 実は私も、最初に読んだとき、心の中に少しずつ染み込んでくる感覚があって、何度も読み返したくなりました。 特に人との関係に悩んでいる方には、きっと何かを感じていただけると思います。新たな発見があるかもしれませんよ。 ちなみに、武者小路実篤『友情』との比較も面白いですよ! 同じ三角関係ですが、主人公の生き方が全く違います。興味があれば、両作品楽しんでくださいね! ショップ>日本文学>文庫本>友情(岩波文庫) 武者小路実篤
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恋の絵本(大和書房) 遠藤周作/長尾みのる絵
¥50
SOLD OUT
良好(非常に良い/良好/並) ≪初版≫ 1971/10/25 発行 ハードカバー B6版 「恋」をテーマに、藤周作の文と長尾みのるの絵のコラボレーションという点で、非常に魅力的な価値ある一冊となっています。言葉と絵の力で、大人の恋愛のマナー、喜びや切なさを優しく描き出していますよ。 ページをめくるたびに、心にそっと触れる言葉や絵に出会い、「恋ってこういうものかも」と感じられる瞬間が訪れるかもしれません。本書は、恋愛の楽しさだけでなく、その奥に潜む感情の機微を教えてくれる宝物のような本です。 恋の世界を覗いてみたくなったら、ぜひ手に取ってみてくださいね。 <遠藤周作さんについて> 遠藤周作(1923-1996)さんは、日本を代表する小説家。「海と毒薬」や「沈黙」などで国際的評価を得ました。カトリック信仰と日本文化を融合した作品が特徴で、芥川賞や文化勲章を受賞。「狐狸庵先生」のエッセイでも親しまれました。 <絵:長尾みのるさんについて> 長尾みのる(1929-2016)さんは日本を代表するイラストレーター・装丁家。早稲田大学卒業後、無銭世界一周旅行を経験。帰国後、イラストレーターとして活躍し、独創的な作品で児童文学や出版界に貢献しました。
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疼くひと(中央公論新社) 松井久子
¥800
非常に良い(非常に良い/良好/並) 7版 2021/9/10 発行 『疼くひと』は、松井久子さんが描く、年齢を重ねてもなお深く切ない恋と自己発見の物語です。 主人公の唐沢燿子は、70歳にして新たな恋に溺れ、人生の後半で情熱を取り戻します。 年齢を重ねた女性の視点から描かれる性愛は、社会的タブーを乗り越えて、読み手に深く共感させられます。 この物語を通して、きっと「年齢に関係なく、人生には無限の可能性があるんだ」と感じることだと思います。 『疼くひと』は、年齢を重ねても尽きることのない人間の情熱と欲望を鮮やかに描き出し、読者の心に静かな革命を起こす一冊です。松井久子さんの大胆かつ繊細な筆致が、あなたの人生観を揺さぶるかもしれませんよ。 私も、若い頃に感じられなかった感情や視点が、年齢を重ねることで見えてきました。『疼くひと』を手に取ったとき、その一歩を踏み出す勇気がもらえる気がします。 もしあなたが、これからの人生に何か新しい刺激を求めているなら、きっと心に響く一冊になると思います。ぜひ、手に取ってみてくださいね。 <松井久子について> 松井久子は1946年生まれの映画監督、プロデューサー、そして小説家です。早稲田大学演劇科を卒業後、編集者としてキャリアをスタート。その後、俳優のプロダクションを経営し、1998年に映画『ユキエ』で監督デビュー。映画『折り梅』や日米合作映画『レオニー』も手掛けました。2023年には小説『疼くひと』で作家デビューし、続編も発表。年齢に関係なく新たな挑戦を続けている人物として注目されています。
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赤い唇(集英社文庫) マヌエル・プイグ/野谷文昭訳
¥1,150
並(非常に良い/良好/並) ≪初版≫ 1994/11/25 発行 表紙の背に劣化。天、地、小口に汚れアリ。 それ以外は読書には全く問題ありません。 アルゼンチンの片田舎で起きた一人の青年の死──それは、封印されていた愛と裏切りの記憶をそっと呼び覚ます引き金でした。『赤い唇』は、美貌の青年フアン・カルロスを巡る女たちの愛憎と過去が、手紙や会話、モノローグといった多彩な形式で紡がれていく、まるで舞台のような群像劇なんです。 嫉妬、密告、そして許されぬ恋。 どろどろとした人間模様に思わず息をのむのに、読後にはなぜか胸がじんわりする…そんな、不思議な読書体験でした。 恋も人生も、思い通りにはいかないけれど――それでも、人は愛して、悩んで、生きていくんですよね。 本を閉じたあと、そんな人間のたくましさや哀しみに、心がそっと寄り添っていました。 少し変わった構成に戸惑うかもしれませんが、ページをめくるたび深みへと誘われていきます。ラテンの熱と哀しみに包まれながら、あなたの心も静かに癒されていくかもしれません。気になった方は、どうぞゆっくり開いてみてくださいね。 <マヌエル・プイグについて> マヌエル・プイグは、1932年アルゼンチン生まれの作家です。映画に夢中だった少年時代を経て、映画監督を目指しましたが、小説家に転身。1960年代から作家として名を馳せ、『赤い唇』や『蜘蛛女のキス』で国際的に評価されました。政治的理由で亡命を余儀なくされ、1990年にメキシコで亡くなりました。独自の文体と現代的なテーマでラテンアメリカ文学に大きな影響を与えました。
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余命一年、男をかう(講談社文庫) 吉川トリコ
¥690
【良好】(非常に良い/良好/並) ≪初版≫ 2024/5/15発行 もし、余命一年と告げられたら——あなたは、誰と、どう生きますか? 主人公の片倉唯は、40歳。日々を静かに積み重ねてきた女性です。けれど、ある日突然「余命一年」と宣告され、彼女の心に大きな波が立ちます。 そんな唯が選んだのは、お金で「男をかう」という、思いもよらぬ決断。 でもそれは、ただの破天荒な選択ではなくて──誰かと心を通わせたい、自分の人生にちゃんと向き合いたい、そんな切実な願いから始まるんです。 読んでいて、思わず胸がぎゅっとなりました。笑って泣いて、そして最後にはあたたかいものが残る、そんな物語でした。 人生に迷いがあるとき、自分の本音に向き合いたくなったとき。この本の言葉が、そっと背中を押してくれるかもしれません。 一緒に、“本当の自分”を探す旅に出てみませんか? <吉川トリコさんについて> 吉川トリコさん(1977年生まれ、静岡県浜松市出身)は、愛知淑徳短期大学文芸学科を卒業後、2004年に『ねむりひめ』でデビュー。以後、『グッモーエビアン!』や『戦場のガールズライフ』などがドラマ化され、映画化もされています。2021年には「流産あるあるすごく言いたい」でジャーナリズム大賞を受賞し、2022年には『余命一年、男をかう』で島清恋愛文学賞を受賞。女性や少女をテーマにした作品で注目されています。
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オペラ座の怪人(角川文庫) ガストン・ルルー/長島良三訳
¥420
【良好】(非常に良い/良好/並) ≪25版≫2016/1/20発行 『オペラ座の怪人』(角川文庫)は、ガストン・ルルーが描いた、愛と孤独、そして自己と向き合う物語。 華やかなオペラ座の舞台裏、静かな地下迷宮で繰り広げられるファントムとクリスティーヌ、そしてラウル子爵の三角関係は、心に深く刺さる感情の揺れを映し出します。 たとえば、「誰にも理解されない」と感じること、ありませんか? ファントムの切ない孤独は、そんな気持ちをそっと代弁してくれるかもしれません。そして、クリスティーヌが迷いながらも選ぶ道は、私たちが人生の岐路に立ったときに心に響くヒントを与えてくれるんです。 「今、自分自身の気持ちに向き合いたい」 そんな時に、この物語はきっと寄り添ってくれるはず。地下迷宮で奏でられる愛と苦悩の旋律に、耳を傾けてみませんか?
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早期始発の殺風景(集英社文庫) 青崎有吾
¥600
【良好】(非常に良い/良好/並) ≪初版≫ 2022/1/25 発行 「青春は、気まずさでできた密室だ――」 この一文に、思わず胸がぎゅっとなりました。 誰もが経験した“あの頃”の、言葉にできない空気。 『早朝始発の殺風景』(青崎有吾)は、そんな高校時代の繊細な心の揺れを、始発電車や観覧車のゴンドラなど、“密室”という舞台で丁寧に描き出します。 普段話さないクラスメイトとふたりきりになった時の静かな緊張や、何気ない会話の裏に潜む小さな謎。そのひとつひとつが、なぜか心に沁みてくるのです。 人との距離感に悩んだり、気まずさに戸惑ったり——でも、そんな時間こそが人と心を通わせるきっかけになることに、そっと気づかされました。 あの頃の不器用な自分にやさしく寄り添ってくれるような一冊です。 どうか、あなたの心にも静かに届きますように。 <青崎有吾さんについて> 青崎有吾(あおさき ゆうご)さんは、1991年生まれの日本の小説家・推理作家です。神奈川県横浜市出身で、明治大学卒業後、2012年に『体育館の殺人』でデビュー。2024年には『地雷グリコ』で複数の文学賞を受賞しました。彼の作品はロジカルな推理と緻密な構成が特徴で、映画や文学から多大な影響を受けています。
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友情(岩波文庫) 武者小路実篤
¥500
【良好】(非常に良い/良好/並) 12版 2015/7/15 発行 友情と恋愛、どちらも大切なのに、どうしてこんなにも心が揺れるのでしょう── 武者小路実篤の『友情』は、そんな気持ちにそっと寄り添ってくれる物語です。 親友同士の野島と大宮。互いを思いやりながらも、ひとりの女性・杉子への想いが、ふたりの心を少しずつ揺らしていきます。まっすぐな気持ちが、時に相手を戸惑わせてしまう。そのもどかしさに、きっと誰もが一度は共感するのではないでしょうか。 読後、私はふと、夏目漱石の『こころ』を思い出しました。 どちらの物語も、「正直であることのむずかしさ」や「人を思うがゆえの苦しさ」が描かれていて、どこか重なるところがあるんです。 ただ、対照的なのは主人公たちの性格です。実篤の描く野島は感情を素直に表に出しますが、漱石の“先生”は深く沈黙の中に葛藤を抱えています。この違いも、とても興味深いものです。 『柚香の森』では、文庫版の『こころ』(明治図書出版)もご用意しておりますので、ふたつの作品を読み比べてみるのもおすすめです。 → ショップ > 日本文学 > 文庫本 >『こころ』 夏目漱石 揺れる心にそっと寄り添ってくれる一冊。よろしければ、静かな読書の時間にどうぞ手に取ってみてくださいね。 <武者小路実篤について> 武者小路実篤(1885年生まれ)は、小説家、詩人、画家として活躍し、近代文学に多大な影響を与えました。『白樺』を創刊し、理想社会の実現を目指す「新しき村」を立ち上げるなど、幅広い分野で活動しました。文化功労者としても高く評価されています。 ※丁寧な梱包を心がけております。簡易包装ですが、防水・緩衝材で保護してお届けいたします。
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ピエドラ川のほとりで私は泣いた(角川文庫) パウロ・コエーリョ/山川紘矢・亜希子訳
¥450
【良好】(非常に良い/良好/並) ≪初版≫ 2000/6/25 発行 スペインの田舎で平凡に暮らしている女性が長いこと会っていなかった幼馴染の男性と旅に出る話です。 宗教色が強いようで、歯がゆい部分もありますが、燃えるような恋愛ではなく、静かに冷静に相手のこと(幼馴染みの男性)をみる恋愛です。 パウロ・コエーリョ(作者)は女性の心情を描くのがとても上手だと思います。 そのほか『11分間』という作品も女性を主人公とした興味深いものでした。 海外文学>単行本>11分間
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恋愛論(新潮文庫) スタンダール/大岡昇平訳
¥520
【良好】(非常に良い/良好/並) ≪55版≫ 2012/1/30 発行 スタンダール (1783-1842) 東南フランス、ドーフィネ地方のグルノーブルに生れる。 本名はアンリ・ベール。 1818年~1820年にかけて、スタンダールは生涯の大恋愛をしていました。 『恋愛論』は、恋愛について悩む人にぴったりの本かもしれません。スタンダールは、恋愛の始まりから深まり、最終的に結晶作用へと至る過程を、まるで自分のことのように感じさせてくれるんです。 恋の中で感じる喜びや苦しみ、その裏にある心理の動きが丁寧に描かれ、きっとあなたの心に響くはず。 例えば、恋する相手の欠点を美点に変えてしまう「結晶作用」なんて、あなたにも経験があるかもしれません。 本書を読むと、自分の恋愛観が広がり、恋愛をもっと深く理解できるようになりますよ。まさに恋愛論です。 今の自分にぴったりだと感じたら、ぜひ読んでみてください。 きっと新しい気づきが得られるはずです。
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にごりえ・たけくらべ(岩波文庫) 樋口一葉
¥360
【非常に良い】(非常に良い/良好/並) 26版 2022/5/6発行 (ほぼ新品) 文語体ですが、巻末に注釈があります。 『にごりえ・たけくらべ』は、樋口一葉が描いた、心に残る美しい短編小説です。 『にごりえ』では、女性の恋と苦悩が繊細に描かれ、過去の恋人と新しい相手との間で揺れる心情に共感を覚えることだと思いますよ。 また、『たけくらべ』では、遊女にならざるを得ない少女の純粋な恋心と社会の厳しさを描き、あなたもきっと心の中で何かを感じるはず。 この本を手は、樋口一葉が描いた深い人間の心と、その時代を生きた女性たちの強さに触れることができます。 過去の物語の中に、今の自分に必要な気づきや、共感できる何かがきっとあると思います。
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人魚の嘆き・魔術師(中央公論社文庫) 谷崎潤一郎
¥500
【良好】(非常に良い/良好/並) 13版 1996/4/30発行 『人魚の嘆き・魔術師』を手に取ると、まるで自分が谷崎潤一郎の幻想的な世界に引き込まれていくような気がします。 今、何かに心が囚われていたり、欲望と現実の間で揺れ動いている自分に、ぴったりの物語かもしれません。 「人魚の嘆き」では、冷たい美しさを持つ人魚に恋した男が、その恋が叶わぬことを悟る瞬間の切ない気持ちを感じずにはいられませんでした。 どこかで自分も、手に入らないものに心を奪われてしまうことってありますよね。 そして「魔術師」では、欲望に駆られた主人公が変身していく様子が描かれ、今の自分の感情が、まるでその物語の一部のように思えてくることもあるかもしれません。 どこかにある理想や欲望を追い求め、時にその先にどんな運命が待っているのか、そんなことを静かに考えながら読むことで、自分の心に新しい発見があるんじゃないでしょうか。
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ワセダ三畳青春記(集英社文庫) 高野秀行
¥470
【良好】(非常に良い/良好/並) 8版 2007/3/25発行 高野秀行さんの『ワセダ三畳青春記』は、早稲田大学の学生寮「野々村荘」で過ごした青春の日々を描いたノンフィクションです。 ユニークでちょっと破天荒な仲間たちとの生活は、笑いながら読めて、どこか懐かしい気持ちにさせてくれます。 この本は「自分らしく自由に生きることの素晴らしさ」や「帰る場所がある安心感」をそっと教えてくれる作品です。 肩の力を抜いて楽しめるので、忙しい毎日にちょっとした癒しを探している方にぴったりですよ。
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あとかた(新潮文庫) 千早茜
¥400
【良好】(非常に良い/良好/並) ≪初版≫2016/2/1発行 島清恋愛文学賞受賞作品 明日世界が終わるとしても、ひとは恋におちる。光と影が孤独を包む、恋愛連作短編集。 『あとかた』は、恋愛や人間関係の繊細な機微を描いた一冊です。 もしかしたら、あなたも今、心の中で揺れる感情を抱えているかもしれません。 結婚を控えた女性が変化を恐れる「ほむら」や、複雑な友人関係に悩む「うろこ」のように、この本の登場人物たちが抱える孤独や不安は、どこか自分に重なる部分があるかもしれません。 私たちが感じる小さな不安や葛藤も、この作品の中で見つけることができるんですよね。 もし、今の自分にぴったりの一冊を探しているなら、この本がきっとあなたを寄り添ってくれるはずです。
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ひつじが丘(主婦の友社) 三浦綾子
¥650
【良好】(非常に良い/良好/並) ハードカバー ≪65版≫1984/2/1発行 三浦綾子さんの『ひつじが丘』は、愛と許し、そして成長をテーマに描かれた心に深く響く物語です。 主人公・奈緒美は、愛する人との関係に悩み、傷つきながらも、希望を見つける旅を続けます。札幌や函館を舞台にした情景は、物語の切なさと美しさを引き立て、奈緒美が葛藤を乗り越え、自分の愛を成熟させていく過程に心を揺さぶられます。 この本は、愛することの難しさと尊さを教えてくれるんです。 特に「許すこと」への理解が深まり、困難な状況でも人を信じる力を与えてくれるでしょう。奈緒美が辿り着く「ひつじが丘」の意味が、読み終えた後、心に温かい灯火を灯してくれるはずです。 この物語を通じて、自分自身の愛の形を見つけてみませんか?
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わりなき恋(幻冬舎文庫) 岸恵子
¥380
【非常に良い】(非常に良い/良好/並) ≪4版≫2017/3/30発行 『わりなき恋』は、岸恵子さんが描いた大人の恋愛物語です。 70歳の女性と58歳の男性が、パリ行きの飛行機で出会い、思い出話をきっかけに恋に落ちます。二人は世界各地を巡りながら、深い愛情を育んでいく様子が描かれています。 特に、この物語は年齢に関係なく恋愛が可能であることを示し、成熟した愛の美しさを感じさせてくれるんです。 物語は、さまざまな文化や美しい景色が舞台となり、その描写に心を奪われますよ。 また、女性視点で描かれた恋愛の甘さと苦しさが繊細に表現されています。 大人の恋愛に触れることで、恋愛観や人生経験の豊かさに対する深い理解が得られますし、読むことで、きっとあなたの恋愛観も豊かになると感じられる作品。
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マチネの終わりに(文春文庫) 平野啓一郎
¥450
【良好】(非常に良い/良好/並) ≪5版≫2019/10/15発行 第2回渡辺淳一文学賞受賞作品(2017年) 平野啓一郎さんの『マチネの終わりに』は、大人の恋愛を静かに、しかし深く描いた作品です。 世界的なクラシックギタリストの蒔野聡史とジャーナリストの小峰洋子が出会い、運命に引き寄せられますが、さまざまな障害により愛は試練を迎えます。 物語の舞台は、東京、パリ、ニューヨークと国際的に広がり、恋愛だけでなく、人生の葛藤や選択を考えさせられる内容なんです。 特に、40代の主人公たちが織り成す恋愛は、切なくもあり、心にジンと残るものがあります。人生の複雑さや、自由意志と運命の交差点について深く考えさせられる一冊。 静かに、でも確実に心に残るこの作品、ぜひ手に取ってみてください。
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切羽へ(新潮文庫) 井上荒野
¥50
SOLD OUT
【良好】(非常に良い/良好/並) ≪4版≫2011/6/15発行 直木賞受賞作品(2008年) 『切羽へ』は、井上荒野さんの直木賞受賞作で、大人向けの繊細で官能的な恋愛小説です。物語は、かつて炭鉱で栄えた離島の小学校を舞台に、養護教諭のセイと画家の夫が描く静かな日常から始まります。 しかし、そこに新任教師・石和が赴任し、セイの心に動揺を与えます。夫を愛しながらも、石和に引かれていくセイの心の葛藤が繊細に描かれています。 この本を通じて、人間の複雑な感情や欲望に向き合うことができ、九州方言の美しさにも触れることができます。 日常の中に潜む危うさや、恋愛、結婚、そして人間関係の複雑さを改めて考えさせられる一冊です。
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舞姫/うたかたの記 他三篇(岩波文庫) 森鷗外
¥430
【非常に良い】(非常に良い/良好/並) ≪60版≫2018/7/25発行 森鷗外の『舞姫/うたかたの記 他三篇』は、日本近代文学の大切な一冊です。 『舞姫』では、ドイツに留学していた青年・豊太郎が舞姫エリスとの恋に心揺れ動く姿が描かれています。その感情の機微は、読み手の心にも深く響くんですよね。 また、『うたかたの記』では、画学生の巨勢とモデルのマリイとの儚い恋が綴られ、彼女の過去や異国の文化背景が物語に奥行きを与えています。 この短編集を読むと、森鷗外の美しい文語体に触れながら、人間の弱さや葛藤、愛の形をじっくりと考えさせられます。私も読み返すたびに、新しい発見があり、「どうしてこの時、この選択をしたのだろう」と登場人物にそっと寄り添いたくなるんです。 静かに流れる感情の深さに心をゆだねて、明治時代の文学の魅力を感じてみませんか? 鷗外の繊細な筆致が、あなたの心にそっと語りかけてくれると思いますよ。