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あの本は読まれているか(東京創元社) ラーラ・プレスコット/吉澤康子訳
¥1,100
良好(非常に良い/良好/並) 3版 2020/8/7発行 ISBN9784488011024 ソフトカバー 「たった一冊の本が、世界を動かす──そんな物語が、本当にあったなんて。」 『あの本は読まれているか』(ラーラ・プレスコット)は、冷戦時代のアメリカとソ連を舞台に、“言葉”の力をめぐる驚きの実話をもとにした小説です。 物語の中心にあるのは、かの有名な『ドクトル・ジバゴ』。 映画にもなったこの美しい愛の物語が、実は政治の道具として秘密裏に利用されていた──そんな衝撃の背景が描かれます。 自由を求める作家たち、真実を届けようと奔走した女性たちの姿に、心がふるえる一冊です。 本の力を信じたい方、歴史の裏側にある“もうひとつの物語”に触れてみたい方に、そっとおすすめしたい作品です。 「読むこと」が、こんなにも切実で、希望に満ちた行為なのだと教えてくれる小説です。どうぞ、ごゆっくりお手にとってみてくださいね。 <ラーラ・プレスコットについて> ラーラ・プレスコット(Lara Prescott)は、アメリカの小説家。デビュー作『あの本は読まれているか』が世界的ベストセラーとなり注目を集めました。冷戦下のスパイ活動と文学の力を描いた本作は、20か国以上で翻訳され、高い評価を受けています。
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愛 文学の冒険シリーズ (国書刊行会) ウラジーミル・ソローキン/亀山郁夫訳
¥1,800
良好(非常に良い/良好/並) 2版 2013/11/15発行 ISBN9784039606 ハードカバー 「“愛”とは、ここまで深く、奇妙で、美しいものなのかもしれません──」 ロシア文学の鬼才・ソローキンが描くこの物語は、どこか現実離れしているのに、なぜか私たちの心の奥にひそむ「愛」の輪郭をくっきりと浮かび上がらせてくれます。 舞台は近未来のロシア。 国が“愛”を人工的にコントロールする世界で、ひとりの男が真実の愛を求めてもがく姿が描かれています。 柚香の森では、ただ“やさしい物語”だけでなく、ときに読者の心を揺さぶり、問いかけを投げかけてくれるような本も大切にしています。 この本もその一冊。 読み終えたあと、きっと「愛って、何だろう」と静かに自分の中で問い返したくなるでしょう。 刺激的でありながら、深く考えさせられる一冊です。 人間関係に少し疲れてしまった方、愛に迷いがある方、あるいは、ただ物語のなかで何かを感じたい方に。 読書セラピーの視点からも、「内なる感情を見つめ直す旅」としておすすめします。 少し不思議で、でも心に残る──そんな物語との出会い、そっと手に取ってみませんか。 <ウラジーミル・ソローキンについて> ウラジーミル・ソローキン( 1955年生まれ)は、現代ロシアを代表する作家・劇作家。ソ連体制への風刺や過激な表現で知られ、前衛的かつ挑発的な作風が特徴。代表作に『青い脂』『愛』などがあり、国内外で高い評価を受けています。
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プラムバン(新水社) ジェシー・レドモン・フォーセット/風呂本惇子 監訳
¥1,060
良好(非常に良い/良好/並) 初版 2013/4/5発行 ISBN9784883851560 ソフトカバー 「自分の居場所が、どこにもないように感じてしまう時に――」 1920年代、アメリカ・フィラデルフィア。肌の色がほんの少し違うだけで、夢も、恋も、人生もままならない時代に、少女アンジェラは、自分が何者なのかを懸命に探し続けます。 『プラムバン』は、作者フォーセットが黒人女性として生きた痛みと誇りを、静かに、でも力強く描いた一冊。 自分の「正しさ」や「美しさ」を、外ではなく内に見出そうとするその姿に、心がふっと揺さぶられました。 わたし自身も、長いあいだ「わたしは何者なんだろう」と立ち止まってきました。 だからこそ、この本の静かな強さに惹かれ、『柚香の森』でそっとお届けしたいと願いました。 「肌の色」や「生まれ」にとらわれずに、自分を信じることの大切さ。 そんな気づきを、そっと手渡してくれる本です。 ◇ こんな方におすすめ ◇ ・自分らしさに迷っている方 ・マイノリティとして生きづらさを感じている方 ・人生の折々で「選択」に悩んでいる方へ 読書セラピーの視点からも、心の深くにそっと届く一冊です。 どうぞ、ご自分のペースで、ページを開いてみてくださいね。 <ジェシー・レドモン・フォーセットについて> ジェシー・レドモン・フォーセット(1882–1961)は、ハーレム・ルネサンスを牽引した作家・編集者。『クライシス』誌で多くの黒人作家を支援し、自身も人種や女性の葛藤を描いた作品を発表。再評価が進む文学界の先駆者です。
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なにもしてない(講談社文庫) 笙野頼子
¥1,280
【非常に良い】(非常に良い/良好/並) ≪初版≫1995/11/15発行 野間文芸新人賞受賞(1991年) かつて、私も「なにもしていない」日々に、胸の奥がざわつくことがありました。 笙野頼子さんの『なにもしてない』は、そんな時にそっと寄り添ってくれる一冊です。 手の皮膚疾患に悩み、社会から離れた部屋でひっそりと生きる「私」の物語。 何もしていない自分を責めながら、それでも確かに「ここにいる」ことを描いています。 その静かな叫びが、読む人の心を深く揺らすんです。 笙野さんの独特な文体には、一見難解さもありますが、だからこそ感じられる言葉の力、生きる実感があります。 生産性ばかりが重視される今、「ただ在る」ことの尊さに気づかされます。 もし今、あなたがふと立ち止まっているなら。この本が、あなたの存在にやさしく光をあててくれるかもしれません。 どうぞ、焦らずゆっくりページをめくってみてくださいね。
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情事の終わり(新潮文庫) グレアム・グリーン/田中西二郎訳
¥420
良好(非常に良い/良好/並) 表紙ヤケありますが、状態は良いです。 ≪47版≫2006/2/10発行 『情事の終わり』は、グレアム・グリーンが第二次世界大戦後のロンドンを舞台に、愛と信仰、嫉妬と救済を描いた一冊です。 不倫関係にあったモーリスとサラが織り成す物語は、愛の複雑さと人間の心の奥深さを静かに問いかけています。 特に、サラが神への誓いのために関係を断つ理由が明かされる場面は圧巻で、愛とは何か、自分にとっての信念とは何かを考えさせられます。 この本を読むと、人間関係や感情のもつれについて新たな視点を得られるだけでなく、グリーン独特の美しい心理描写に触れることができます。 読後には「愛」と「信仰」という大きなテーマを、自分自身に重ね合わせて考えたくなるはずです。 「深く考えさせられる物語が好き」という方に、ぜひ手に取ってほしい一冊です。
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女の一生(新潮文庫) モーパッサン/新庄嘉章訳
¥700
【並】(非常に良い/良好/並) ≪83版≫1986/5/30発行 モーパッサンの傑作長編作 フランス自然主義の代表的作家の一人。 モーパッサンの名作『女の一生』は、19世紀フランスの美しいノルマンディー地方を舞台に、一人の女性の人生を丁寧に描いた作品です。 主人公は、修道院から戻ったばかりの17歳の男爵令嬢ジャンヌ。夢いっぱいで迎えた人生のスタートでしたが、結婚、夫の裏切り、財産の喪失、親との別れなど、次々と試練が降りかかります。喜びと悲しみの波に翻弄されながら、ジャンヌは少しずつ成長していきます。 ジャンヌの物語を通じて、「人生ってこういうものかもしれない」と感じさせられる瞬間がたくさんあります。当時の女性がどんな社会的制約の中で生きていたのかも知ることができますし、ノルマンディー地方の美しい自然描写に心が癒されるはずです。 モーパッサンならではの繊細な心理描写や、人生の予測できない流れに身を任せるジャンヌの姿が、読む人の心にそっと寄り添います。 この作品は、私自身も読んだ後、じんわりと心に残りました。 「人生ってこういうものかもしれない」と考えさせられるような、静かな感動を得られる一冊です。ぜひ、あなたの本棚に迎えてみてくださいね。
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トム・ジョウンズ(一)~(四) (岩波文庫) ヘンリー・フィールディング/朱牟田夏雄訳
¥3,980
並(非常に良い/良好/並) トム・ジョウンズ(一):27版 1992/2/26発行 トム・ジョウンズ(二):24版 1997/10/16発行 トム・ジョウンズ(三):19版 1992/2/26発行 トム・ジョウンズ(四):19版 1992/2/26発行 全4巻セット 裸本 天地小口ヤケ 本文は目立ったイタミなく、全体的に概ね良好です。 18世紀のイギリスを舞台にした、古典文学の傑作『トム・ジョウンズ』。 自由奔放だけれど純真な青年トムと、彼を妬む陰険なブライフィル。 善と悪の間で揺れる人間たちの姿を、ユーモアと風刺たっぷりに描いたこの物語は、まるで人生そのもののように複雑で、あたたかく、そして痛みもあります。 特に、地の文で語りかけてくる語り手の声が、時にやさしく、時に鋭く、読者の心をそっとゆさぶります。 “本当の善さとは何か”“人はなぜ迷うのか”。そんな問いに、静かに向き合いたくなる物語です。 読み終えたとき、なんだか少し、自分にやさしくなれる気がしますよ。 <ヘンリー・フィールディングについて> ヘンリー・フィールディング(1707–1754)は、18世紀イギリスの劇作家・小説家・風刺作家であり、後に治安判事としても活躍しました。風刺喜劇で名を上げたのち検閲法により劇作を断念し、法律家へ転身。代表作『トム・ジョウンズ』を含む小説で文学史に名を残し、警察制度の先駆けも築きました。
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オルガ (新潮クレストブックス) ベルンハルト・シュリンク/松永美穂訳
¥1,360
非常に良い(非常に良い/良好/並) 初版 2020/4/25発行 ISBN9784105901653 ソフトカバー 心の奥に、少しだけ痛みを抱えている方へ── 静かに寄り添ってくれる物語をご紹介させてください。 『オルガ』(ベルンハルト・シュリンク著)は、19世紀末から20世紀のドイツを舞台に、身寄りのない少女が、時代の波に翻弄されながらも、自分の言葉を大切にして生きていくお話です。 派手な展開はありません。ただ、オルガというひとりの女性が、愛する人を想い、喪失と孤独に向き合いながら、静かに、でも確かに前を向く姿に、私は何度も心を打たれました。 「私は私」と言える強さ。 どんなときも、静かな声で語りかけてくるようなまなざし── この物語には、生きていくための知恵と、やわらかな癒しが流れています。 もし、今少しだけ心が疲れていたら。 “オルガ”を読んで、自分自身とやさしく向き合う時間を持ってみませんか。 『柚香の森』で、そんな一冊と出会っていただけたら、うれしいです。
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蒲団・重右衛門の最後(新潮文庫) 田山花袋
¥420
非常に良い(非常に良い/良好/並) 89版 2022/10/30 発行 田山花袋の『蒲団・重右衛門の最後』は、”日本の自然主義文学の深み”を感じることができる一冊です。 『蒲団』では、既婚作家と若い女学生の微妙な距離感が生み出す葛藤を通して、人間の弱さや絶望を鮮烈に描いています。 『重右衛門の最後』では、社会から疎外された人物たちの深い憎しみや孤独が、思わず引き込まれてしまうほどの力強さで描かれています。 どちらの作品も、心に深く刻まれ、読むたびに新しい気づきがあるのが魅力。何度読んでも飽きません。 私が思うに、この本は単に物語を楽しむだけでなく、人間の本質に触れることができるので、人間の複雑さや痛みを感じることで、私たちが日常生活でどれだけ見過ごしている感情や思いがあるのかに気づけるのかもしれません。 きっと、読み手にも共感できる瞬間がたくさんあるはずなんです。 この作品を手に取って、あなたの心の深い部分に触れてみてください。きっと、心に残る一冊になるはずですよ。 <田山花袋について> 田山花袋(本名:田山録弥(ろくや))は、1871年に栃木県で生まれました。14歳で上京し、19歳で小説家を志し、尾崎紅葉に師事しました。博文館に勤務し、1907年には『蒲団』を発表、日本自然主義文学を確立しました。その後、『生』や『妻』など多くの作品を残し、1930年に60歳で亡くなりました。
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イングランド・イングランド(東京創元社) ジュリアン・バーンズ/古草秀子訳
¥50
SOLD OUT
良好(非常に良い/良好/並) 初版 2006/12/25発行 ISBN4488016391 ソフトカバー 「“本物”って、なんでしょうね?」 そんな問いかけから始まる物語に、私は静かに引き込まれていきました。 イングランドの伝統や歴史をそっくりそのまま再現し、テーマパーク化する壮大な計画――そこに巻き込まれた主人公マーサの目を通して描かれるのは、「本物」とは何かという深い問いです。 皮肉とユーモアに満ちたジュリアン・バーンズの筆は、現代社会の観光や消費文化をどこか冷ややかに、けれどどこか可笑しく描き出していきます。 読んでいると、気づけば自分の価値観まで静かに揺さぶられていて…「本物らしさ」って、誰が決めるんだろう?と、考えずにはいられませんでした。 イギリス文学や社会風刺がお好きな方、そして少し立ち止まって「今の時代」を見つめ直してみたい方に、ぜひ手にとっていただきたい一冊です。 あなたも、“本物”と“偽物”のあいだを旅してみませんか? <ジュリアン・バーンズについて> ジュリアン・バーンズは1946年生まれのイギリスの作家。『フロベールの鸚鵡』で注目を集め、『終わりの感覚』でブッカー賞受賞。知的なユーモアと鋭い風刺で現代英国文学を代表する存在です。 ※丁寧な梱包を心がけております。簡易包装ですが、防水・緩衝材で保護してお届けいたします。
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白の闇 新装版(NHK出版) ジョゼ・サラマーゴ/雨沢泰訳
¥1,100
良好(非常に良い/良好/並) 初版 ソフトカバー 2008/5/30発行 ISBN9784140055434 ある日突然、目の前が真っ白に──そんな想像をしたことはありますか? 『白の闇』は、視界を奪う“白い病”によって人々の暮らしが音もなく崩れていく、衝撃の物語です。 誰もが理由も分からぬまま視力を失い、隔離された元病棟で生き抜こうとする人々。 食糧の奪い合い、支配と暴力の連鎖…。 極限状態のなかで、私たちが「人間らしさ」と呼んでいるものの正体が、あらわになっていくんです。 読むうちに、「見える」という当たり前がどれほど尊いことなのかに気づかされます。 そして、希望の光のように現れる“見える女性”の存在が、静かに、でも確かに、読む人の心にも光を届けてくれるんですよね。 この本は、癒しを与える物語ではないかもしれません。 でも、心の奥深くにある不安や問いに向き合い、気づきへと導いてくれる──そんな読書体験になると思います。 どうか、この白い世界の中で、あなた自身の「光」を見つけてみてくださいね。 <ジョゼ・サラマーゴについて> ジョゼ・サラマーゴ(1922–2010)は、ポルトガル出身の作家・劇作家。農家の息子として生まれ、高校中退後に整備工や新聞記者を経て、40代から本格的に執筆活動を開始しました。1982年の『修道院回想録』で注目され、1998年にはポルトガル語圏初のノーベル文学賞を受賞。社会批評と寓話性を融合させた独特の文体で、人間の本質を鋭く描いた作品を数多く残しました。 ※丁寧な梱包を心がけております。簡易包装ですが、防水・緩衝材で保護してお届けいたします。
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ソフィーの世界(上・下) 哲学者からの不思議な手紙(NHK出版) ヨースタイン・ゴルデル/池田香代子訳
¥50
SOLD OUT
【上下セット】 ・ソフィーの世界(上) 良好(非常に良い/良好/並) 19版 ソフトカバー 2000/7/1 発行 ISBN4140803312 ・ソフィーの世界(下) 非常に良い(非常に良い/良好/並) 14版 ソフトカバー 2000/7/1 発行 ISBN4140803320 子どもの頃、「自分って何者なんだろう?」と、ふと立ち止まって考えたことはありませんか。 『ソフィーの世界』は、そんな問いにやさしく寄り添ってくれる物語です。 14歳の少女ソフィーのもとに届いた一通の手紙「あなたはだれ?」という問いかけから、彼女の“考える旅”が始まります。 プラトン、デカルト、カント……次々に現れる哲学者たちの言葉を通して、ソフィーと一緒に世界や自分のことを見つめ直していく時間は、まるで静かな冒険のようでした。 難しいと思われがちな哲学も、物語の中では驚くほどやわらかく、親しみやすく描かれています。 読んでいると、当たり前だと思っていた日常の風景が、ふときらめいて見えてくるのです。私もこの本に出会って、「考えることは、生きることそのものなんだ」と、あらためて気づかされました。 もし今、立ち止まりたくなるような時があったなら…、ソフィーとともに、“問い”の扉を開いてみませんか。 ページをめくるたび、心の奥にあった純粋な好奇心が、そっと目を覚ましてくれるはずです。 <ヨースタイン・ゴルデルについて> ヨースタイン・ゴルデル(1952年生まれ)は、ノルウェー出身の小説家・児童文学作家で、オスロ大学で思想史を学びました。1986年から執筆を始め、1991年に発表した『ソフィーの世界』が世界的なベストセラーとなり、53か国語に翻訳されました。ゴルデルは社会活動にも積極的で、環境・発展援助を支援する「ソフィー賞」を創設しています。 ※丁寧な梱包を心がけております。簡易包装ですが、防水・緩衝材で保護してお届けいたします。
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ヴォス オーストラリア探検家の物語(上・下)(サイマル出版会) パトリック・ホワイト/越智道雄訳
¥2,550
【上下セット】 ・ヴォス オーストラリア探検家の物語(上) 良好(非常に良い/良好/並) ハードカバー 1975年 ISBN03971400452703 ・ヴォス オーストラリア探検家の物語(下) 並(非常に良い/良好/並) ハードカバー 1975年 ISBN03971400552703 カバー・少イタミ/若干ヤケ汚れ 天小口・少ヤケ汚れ 扉・若干シミ 他経年並 「自分の居場所って、どこにあるんだろう」──そんな問いを抱えたことのある方へ。 『ヴォス―オーストラリア探検家の物語』は、壮大な自然と深い精神の旅を描いた一冊です。 19世紀のオーストラリア、未知の大地を進む探検家ヴォスと、町に暮らす女性ローラ。 ふたりの心の交流を通して、「私は何者か」「この世界に自分の居場所はあるのか」といった根源的な問いが静かに胸に迫ります。 文化の狭間で揺れる葛藤と孤独、そのなかで芽生える希望。この物語には、答えよりも“寄り添い”があります。 私自身、この一冊に触れた夜、心の深いところにそっと明かりが灯った気がしました。 アイデンティティに迷うとき、きっとあなたの旅の道しるべにもなってくれるはずです。 <パトリック・ホワイトについて> パトリック・ホワイトは、20世紀を代表するオーストラリアの小説家・劇作家です。ケンブリッジ大学卒業後、詩や小説の執筆を始め、戦時中は空軍に従軍。帰国後は『ヴォス』などの傑作で注目され、1973年にノーベル文学賞を受賞しました。自然と人間の内面を深く描いた作品を多く遺しました。 ※丁寧な梱包を心がけております。簡易包装ですが、防水・緩衝材で保護してお届けいたします。
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ゴドーを待ちながら(白水Uブックス) サミュエル・ベケット/安堂信也、髙橋康也訳
¥1,100
良好(非常に良い/良好/並) 11版 2019/8/5 発行 新書 ISBN9784560071830 何かを待ち続けている――そんな経験、ありませんか? サミュエル・ベケットの『ゴドーを待ちながら』は、救いの象徴ともいえる「ゴドー」を待ち続ける二人の男、エストラゴンとヴラジーミルの物語です。 何も起こらないようでいて、実はたくさんの問いかけに満ちているこの戯曲。 帽子を使ったやりとりや、空を見上げるしぐさの中に、私たちの「希望」と「不安」がそっと重なっているように感じました。 誰かや何かを待つ時間、意味の見えない日々。 それらがまるで無駄なもののように思えるとき、この作品は静かに語りかけてくれます。 「それでも、待つことにこそ、何かがあるのでは」と。 ビブリオセラピストとして、この本がもたらす“癒し”は、形のない時間に意味を見出す力だと思います。モヤモヤした心に、やさしく風を通してくれるような一冊です。 あなたも、一緒に“待つ”時間を過ごしてみませんか? <サミュエル・ベケットについて> サミュエル・ベケット(1906–1989)は、アイルランド出身の劇作家・小説家で、不条理演劇を代表する存在です。戦後は主にフランス語で執筆し、戯曲『ゴドーを待ちながら』で世界的に評価されました。第二次大戦中にはレジスタンスに参加し、1969年にノーベル文学賞を受賞しました。 ※丁寧な梱包を心がけております。簡易包装ですが、防水・緩衝材で保護してお届けいたします。
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哀れなるものたち(ハヤカワ文庫) アラスター・グレイ/髙橋和久訳
¥1,200
良好(非常に良い/良好/並) 4版 2024/2/25発行 ISBN9784151201110 小口に汚れアリ 「私は自由である」――そんなふうに胸を張って言える日が、あなたにもありますように。 『哀れなるものたち』は、19世紀末のグラスゴーを舞台に、科学者バクスターによって命を吹き込まれた女性・ベラの物語です。 無垢な心と成熟した体を持つ彼女は、保護された世界から飛び出し、旅を通して社会の矛盾や世界の残酷さに向き合いながら、「自由とは何か」を模索していくんです。 ベラのまなざしは、読み手の心にもまっすぐ届いて、私たちが当たり前のように受け入れてきた価値観を静かに問い直してきます。 「自分の人生を選ぶ」とはどういうことなのか。 その言葉の重みが、読後も静かに胸に残ります。 この物語には癒しと気づきの力があると感じました。心がもやもやするとき、そっと手に取っていただきたい一冊です。 <アラスター・グレイについて> アラスター・グレイはスコットランド出身の小説家・画家・詩人・劇作家。グラスゴー美術学校卒業後、美術教師や脚本家としても活躍。代表作『ラナーク』『哀れなるものたち』で高い評価を受け、ウィットブレッド賞などを受賞。実験的な文体と独自の装画で、戦後イギリス文学を代表する作家と称されています。 ※丁寧な梱包を心がけております。簡易包装ですが、防水・緩衝材で保護してお届けいたします。
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夜と霧(みすず書房) ヴィクトール・E・フランクル/池田香代子訳
¥50
SOLD OUT
良好(非常に良い/良好/並) 30版 ハードカバー 2016/12/9発行 ISBN4622039702 或る心理学者の強制収容所体験 「どんな絶望の中にも、人生の意味はきっとある――」 そう静かに教えてくれる一冊があります。 ヴィクトール・E・フランクルの『夜と霧』。 それは、ナチスの強制収容所という極限の世界を生き抜いた精神科医(ヴィクトール・E・フランクル)が、自らの体験を通して綴った命の記録です。 愛する家族を失い、想像を絶する苦しみの中で、彼が見出したのは「人生が自分に何を求めているのか」という問い。その問いに向き合うことで、どんな状況でも人は心の自由を失わず、人生に意味を与えられるのだと、そっと語りかけてくれます。 苦しみや迷いの中にいるあなたにこそ、手に取っていただきたい。たった一日で読み終えられるこの本が、あなたの心に静かな光を灯し、明日へ進む力となりますように。 <ヴィクトール・E・フランクルについて> ヴィクトール・E・フランクル(1905〜1997)は、オーストリア生まれの精神科医・心理学者で、「ロゴセラピー」の創始者として知られています。ロゴセラピーとは、どんな状況にあっても人は「自分の人生の意味」を見いだすことができる――その気づきを助けることで、心の病や苦しみに向き合う独自の心理療法です。フロイトの精神分析、アドラーの個人心理学に続く「第三ウィーン学派」とも呼ばれ、世界中に大きな影響を与えました。 ナチスによって強制収容所に送られ、家族を失う極限の体験を経て生還したフランクルは、人生の意味を問い続け、『夜と霧』を執筆。その後も研究と実践を重ね、ウィーン大学やハーバード大学などで教鞭を執り、世界各地で講演活動を行いました。 生涯を通じて「どんな時にも人生には意味がある」というメッセージを伝え続け、多くの人に希望を届けた偉大な人物です。 ※丁寧な梱包を心がけております。簡易包装ですが、防水・緩衝材で保護してお届けいたします。
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あなたの正しさと、僕のセツナさ(講談社) 三輪太郎
¥380
良好(非常に良い/良好/並) ≪初版≫ 2010/6/15発行 ISBN9784062766791 「正しさ」と「切なさ」――誰もが一度は胸に抱くこの問いに、あなたはどう向き合いますか? 1985年、バブルの熱気に沸く東京。株のディーラーとして駆け抜けた「ぼく」が追い続けたのは、永遠のライバル・修一の背中でした。しかし、運命の日を境に彼は姿を消し、カンボジアへと旅立ってしまいます。 何を求めて――何を確かめたくて――彼は命を懸けたのか。 その答えを探して「ぼく」もまた、歴史に刻まれた痛みの地へ向かいます。 この本を閉じたとき、わたしは束の間、深呼吸しました。すぐには言葉にできないほど、胸の奥がざわついて。 「正しさ」ってなんだろう……そんな問いが、静かに心に残ります。 迷いや葛藤を抱えるあなたにこそ、そっと手に取ってほしい一冊です。どうぞ、あなた自身の答えを探してみてくださいね。 <三輪太郎さんについて> 三輪太郎さん(1962年生)は名古屋市出身の小説家・文芸評論家。三島由紀夫と村上春樹研究を専門とし、東海大学教授として教育・執筆に携わる。小説・評論で多数受賞歴を持つ現代文学の第一人者です。 ※丁寧な梱包を心がけております。簡易包装ですが、防水・緩衝材で保護してお届けいたします。
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三匹の蟹(講談社文庫) 大庭みな子
¥1,100
並(非常に良い/良好/並) 第5版 2003/4/21発行 ISBN4061961756 表紙に経年による汚れやヤケ、シミが見られますが、全体的に良好な状態です。 「日常がふと、息苦しく感じられることはありませんか」――そんなとき、ふと手に取っていただきたい一冊があります。 講談社文庫の『三匹の蟹・青い落葉』は、アラスカに暮らす主婦・由梨が人とのつながりに疲れ、静かに現実から逃げ出す姿を描いた短編「三匹の蟹」をはじめ、異文化の中で自我を見つめ直す物語が丁寧に綴られた全7編の短編集なんです。 火草を燃やす母系部族、舟の中で起きた浸水事故など、どれもが日常と非現実のはざまで揺れる人間のこころを、乾いた詩のような文体でそっと描き出していきます。 華やかなパーティーや穏やかな家庭の奥にある孤独や虚しさ、そして文化の違いの中で感じる戸惑いと発見…ページをめくるたびに、胸の奥の静かな場所が震えるような読書体験が待っています。 人間関係に少し疲れてしまったとき、自分を見失いそうになったとき、この本はきっと、何かに気づかせてくれるかもしれません。 1970年代に女性作家が紡いだ繊細な感性と、異文化のリアリティが響き合う物語世界へ、どうぞ足を踏み入れてみてください。 <大庭みな子さんについて> 大庭みな子さん(1930–2007)は東京生まれの作家。アラスカ滞在を基に描いた短編「三匹の蟹」で芥川賞を受賞しデビュー。古典翻案や異文化を主題に多彩な作品を残し、芥川賞初の女性選考委員も務めました。
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愛の生活(新潮文庫) 金井美恵子
¥890
≪初版≫ 1973/11/30発行 古書のため経年劣化によるヤケあり(天、小口、地) 金井美恵子さんの『愛の生活』は、日常の中にひそむ微妙な感情や愛のかたちを、まるで静かな息づかいのように描いた一冊です。 大学教師の夫Fと、少しだけ仕事をしながら小説を書いている「わたし」の、どこにでもありそうな日々。 でも、実はその中には「私はFをどんなふうに愛しているのか?」という問いがずっと浮かんでいます。この本を手に取ると、あたなも自分の中で何かしらの「愛」の形に気づくかもしれません。 読んでいくうちに、きっと心が少し軽くなり、愛や人とのつながりについて思いを巡らせたくなります。そして、金井さんの繊細で深い筆致に触れることで、日常の細かな感情をもっと大切にしたいと思えるかもしれません。 こんなふうに静かに心に響く本を探している方には、ぜひおすすめしたい一冊です。 <金井美恵子さんについて> 金井美恵子さんは1967年、19歳の時にの処女作『愛の生活』が太宰治賞候補となり、雑誌に掲載されたこの作品で注目を受けてデビューするという、非常に若くして幸福な出発をした作家であります。 詩人としても功名高く、現代詩手帖賞を受賞されています。
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タイタンの妖女(ハヤカワ文庫) カート・ヴォネガット・ジュニア/浅倉久志訳
¥50
SOLD OUT
良好(非常に良い/良好/並) 24版 2006/4/15発行 ISBN4150102627 カート・ヴォネガット・ジュニアの『タイタンの妖女』は、「人生って、なんでこんなにうまくいかないの?」と思ったときに、そっと心を軽くしてくれる一冊です。全宇宙でいちばん不運な男・マラスキと、大金持ちのランサム・フック。このふたりが宇宙を旅してたどり着いたのは、なんとも皮肉で、だけどどこか愛おしい“真実”。 ヴォネガットらしい、ちょっぴり毒のある笑いと、とびきり風変わりなアイデアが詰まっています。 難しいSFが苦手な方にもおすすめ。肩の力を抜いて、人生や運命の不思議を笑い飛ばしてみませんか? 読んだあと、きっと世界の見え方が少し変わっているかもしれないですね。 <カート・ヴォネガット・ジュニアについて> カート・ヴォネガット・ジュニア(1922–2007)は、ブラックユーモアとSFを融合した作風で知られるアメリカの作家です。戦争体験をもとに『スローターハウス5』などを執筆し、社会批判や反戦のテーマをユーモラスに描きました。
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山椒魚戦争(小学館) カレル・チャペック/小林恭二・大森望訳
¥810
良好(非常に良い/良好/並) ≪初版≫ 1994/11/20発行 ハードカバー 1994/11/20 ISBN409251008 表紙ヤケ少あり ちょっと不思議で、とても考えさせられる一冊をご紹介します。カレル・チャペックの『山椒魚戦争』というお話です。 物語は、ある島で発見された知恵のある大きな山椒魚たちが、人間に使われはじめるところから始まります。でも、彼らはだんだん力をつけて、自分たちの文明を作り上げ、ついには人間に立ち向かっていくのです。 チャペックはこの物語を通じて、「文明ってなんだろう?」「人間のやっていることって正しいの?」と、私たちに問いかけてきます。 資本主義や全体主義といった社会の仕組みにも、鋭い視線を向けていますが、それをユーモアたっぷりに描いているので、重たすぎず読みやすいのも魅力なんです。 SFが好きな方はもちろん、世の中のことをちょっと違う角度から見てみたいという方にも、きっと面白く感じていただけると思います。もし少しでも気になったら、どうぞ気軽に手に取ってみてくださいね。あなたの考え方に、ちいさな揺さぶりをくれる一冊になるかもしれません。 <カレル・チャペックについて> カレル・チャペック(1890–1938)はチェコの作家・劇作家で、「ロボット」の語を生んだ『R.U.R.』などで知られています。多彩な分野で活躍し、ナチズムにも反対。1938年12月25日、肺炎のため死去した。
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二百回忌(新潮社) 笙野頼子
¥50
SOLD OUT
良好(非常に良い/良好/並) 初版 1994/5/25発行 ハードカバー ISBN4103976012 『二百回忌』という本を手に取った時、きっとあなたも感じると思います。どこか不思議で、ちょっと怖いけれど、何だか引き寄せられるような魅力がある本だなと。 この本は、ある一族が二百年を経て再び集まる奇想天外な物語。祖先が蘇り、奇妙な親族たちと交わることで、家族や時間、社会についての深い問いを投げかけてきます。 私もこの本を読んで、ただの物語以上のものを感じました。現実と幻想が交わることで、いつもの考え方や価値観がふっと崩れて、新しい視点を得られる感覚がありました。社会や家族の在り方についても、改めて考えさせられました。どこかで“普通”を求めがちな私たちですが、ちょっと立ち止まって、自分を問い直すような、そんな本だと思います。 普通の物語では味わえないような、不思議で深い感覚。ちょっとした衝撃とともに、心に残る問いを投げかけられることでしょう。笙野頼子さんの描く、独特の世界に触れてみることで、日常に少しだけ新しい風が吹くような気がするんです。 もし、心が少し揺れるような物語を求めているのなら、ぜひ手に取ってみてください。『二百回忌』が、あなたにとっても大切な一冊になるかもしれませんよ。 <笙野頼子さんについて> 笙野頼子(本名:市川頼子)さんは1956年生まれの日本の小説家。立命館大学卒業後、1981年に『極楽』で文壇デビューし、数々の文学賞を受賞。特に『二百回忌』や『タイムスリップ・コンビナート』などが代表作。私小説と幻想小説を融合させた独自の作風で、文学界に強い影響を与えています。
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「雨の木」を聴く女たち (新潮文庫) 大江健三郎
¥510
良好(非常に良い/良好/並) 16版 2002/9/5発行 ISBN4101126151 表紙に経年のスレあり。他はきれいな状態です。 「何か心に残る物語を読みたいな」と思ったとき、この本をおすすめします! 大江健三郎の『「雨の木」を聴く女たち』は、5つの短編からなる連作小説集。 「僕」という語り手の視点を通して、人々の孤独や心の奥深くにある思いが、静かに、でも確かに描かれています。舞台はハワイやメキシコなどの異国の地。そこには、死を見つめる人や、誰かとのつながりを求める人たちがいます。 物語全体に流れる「雨の木」の存在が、どこか寂しく、けれど穏やかに心に響いてくるのです。人生のなかで感じる苦しみや希望にそっと寄り添い、「人とは?」「生きるとは?」と、ふと考えさせられるような作品なんです。 大江健三郎の作品は少し難しい印象があるかもしれません。でも、この短編集は比較的入りやすく、彼の文学の世界に触れてみたい方にもおすすめです。読後には、まるで「雨の木」が静かに滴を落とし続けるように、物語の余韻が心に残るんじゃないでしょうか。 ぜひ、静かに心に沁み込むこの一冊を、ゆっくり味わってみてくださいね。 <大江健三郎さんについて> 大江健三郎(1935-2023)さんは、戦後日本を代表する作家。東京大学卒業後、「飼育」で芥川賞を受賞。『万延元年のフットボール』など社会的・哲学的テーマを描き、1994年にノーベル文学賞受賞。晩年まで執筆を続けた。
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イエスの生涯(新潮文庫) 遠藤周作
¥480
非常に良い(非常に良い/良好/並) 77版 2024/7/15発行 ISBN4101123165 遠藤周作さんの『イエスの生涯』は、神の子としてではなく、一人の人間としてのイエスを描いた作品です。誤解され、嘲られ、迷いながらも、それでも「愛」と「同苦」を説き続けたイエスの姿に、思わず胸が締めつけられます。 宗教に詳しくなくても、遠藤周作のやわらかな語り口がすっと心に染み込みます。人間の弱さや信じることの意味を、そっと問いかけてくるような一冊です。 読み終えたあと、弱さを抱えながらも、誰かの痛みに寄り添うことの大切さに気づかされるかもしれません。 読書の時間が、そっと心に寄り添ってくれることがあります。この本も、きっとあなたのそばで、静かに語りかけてくれるはず。ぜひ、手に取ってみてくださいね。 <遠藤周作さんについて> 遠藤周作(1923-1996)は、日本の小説家。11歳でカトリックの洗礼を受け、慶應義塾大学卒業後、フランス留学。1955年「白い人」で芥川賞受賞。『沈黙』『海と毒薬』などキリスト教をテーマに執筆。晩年は文化勲章を受章。