柚香の森は小さな古本屋のオンライン書店です。主に文芸書を扱います。
読書は私達に未知の世界を体験させてくれます。忙しい毎日の中で少しでも未知の世界を楽しんでもらえたなら、
これほど嬉しいことはありません。
2023年3月1日
柚香の森
夫婦善哉 (決定版)(新潮文庫) 織田作之助
¥326
【良好】(非常に良い/良好/並) ≪初版≫ 2016/9/1 発行 しっかり者の新地の芸者蝶子は若旦那柳吉と駆落して所帯を持ち、甲斐性なしの夫を支えて奮闘する。 大阪の庶民の人情を自在な語り口で描いて新進作家の地位を確立した作品です。 柳吉と蝶子の夫婦がドタバタをくり広げる物語。 柳吉のクズ男ぷりが憎たらしいのですが、現代にもこんな男性は山ほどいるんじゃないかと思います。 面白のにほろっとしたり、泣きそうなくらい悲しいのに笑いに変えてしまう。 「好いた同士は形式はどうあれ一緒にいたい、うまいもんも食いたいし、うまいもんに格式も何もないやないか」まさに大阪男児の心意気です。 たっぷりと大阪情緒、人、地域性、喜怒哀楽を感じていただけるのではないでしょうか。
愛の重さ(ハヤカワ文庫) アガサ・クリスティー/中村妙子訳
¥711
【非常に良い】(非常に良い/良好/並) ≪2版≫ 2010/11/15 発行 アガサ・クリスティーがアリ・ウェストマコット名義で書いた小説の一つで非探偵小説になります。 主人公・ローラの兄・チャールズが小児麻痺で死んだことで、両親は悲しみに明け暮れていた。ローラは、これまで兄・チャールズが独り占めしていた両親の愛情を、今度は自分に注がれるべきだと願っていた。 そんな矢先、母親が妊娠した。10才年の離れた妹ができるが、両親の愛情は妹・シャーリーへ注がれているのを疎ましく思ったローラは教会で「どうか妹が死にますように」と祈る。 しかし、両親の留守の間に、家が火事になり、ローラは妹のシャーリーを助け出す。と同時に、妹への嫉妬がなくなり”この子を守る”という新たな気持ちが芽生えた。 月日は経ち、両親が事故で死に、妹と二人っきりになったローラはシャーリーの節目節目で妹を思いやり、心配し、進路を決めてきた。ローラのすべてをささげてシャーリーを守ってきたのだった。 知らず、知らずにシャーリーに与えるばかりの愛情は皮肉なものだった。 後に、妹・シャーリーが先に死ぬのですが、死んでからシャーリーの全容が明らかになったとき、ローラは人から与えられる愛情の重さを測ることができたのです。 幼くして両親をなくしたローラとシャーリーの姉妹の物語は、 姉妹ほど興味深い人間関係はないように思いました。
欲しいのは、あなただけ(新潮文庫) 小手鞠るい
¥337
【非常に良い】(非常に良い/良好/並) ≪初版≫ 2007/3/1 発行 島清恋愛文学賞受賞作品 主人公・かもめが好きになった対照的な二人の男性が出てきます。 19歳の女子大生かもめが好きになったのは「男らしい人」だった。 酷い言葉を投げつけられ、酷い扱いを受け、恥辱にまみれた交際が続いた果てに、男らしい人はかもめが望んでいるであろう”結婚”を決断する。 しかし、かもめが本当に欲しいものは結婚ではない。 (以下、本文より) 「責任とか、結婚とか、家庭とか。わたしが欲しいのはそんな、得体の知れないものではないのだ。わたしが欲しいのは、あなただ。あなたとの生活でもなく、あなたの子どもでもなく、あなた自身。あなたの欲望。その愛人で、わたしはあり続けたいだけ。 あなたの一部でありたい。同時に、全部でありたい。あなたの座っている車の座席、握っているハンドル、吸い込んでいる空気、吐き捨てるタバコの煙でも構わない。あなたの触るすべてのものに、わたしはなりたい。たとえばあなたの血管を、私の血液になって、流れたい。あなたに溶けて、重なっていたい。それがわたしにとって、愛すると言う事。 あなたが躰で、わたしが心。あなたが海なら、わたしは潮騒。あなたが空なら、わたしは夕焼け。あなたが問いで、わたしが答え。愛することしかできない。それがわたしの答えなのだ。 どうしてそれが、あなたにはわからない?」 ***** 激しすぎるくらい、激しいと思う。まるで「男らしい人」を責めるよう。 それでも「男らしい人」はかもめの言った意味がわからない。 かもめはわかってもらえないと判断した結果、崖から身を投げる。 (後半) 死に損なったかもめは、数年かけて大学を卒業する。 その後、就職した先で恋をします。 こんどは「優しい人」だった。「優しい人」は結婚していた。 つまり不倫。 「優しい人」だからと言って、「男らしい人」に対してあったような、かもめの感情の激しさがないわけではない。 かもめは「優しい人」に対しては、静かな、地の果てを這うような激しさを持っていた。 この作品の中に繰り広げられているのは、青春の日に費やした女性特有のヒリヒリするような痛みを伴う愛の記憶です。 「かもめ」や「男らしい人」や「優しい人」がそれぞれ抱えている孤独を共感できたから、納得して本を閉じました。 人それぞれだと思いますが、なにかしら湧き出る感情があると思います。
めし(新潮文庫) 林芙美子
¥875
〖古書〗 ≪35版≫ 1975/4/30発行 経年のヤケあり。ビニールカバーしてあります。 生き方の上で消極的な 主人公・三千代と積極的な里子は生活の拠りどころを失った女性のお話です。 里子の場合は父や母から背いてゆき、 三千代の場合は 夫からはなれて行こうとする。 三千代の夫・初之輔も、 里子の父や母も、三千代や里子を愛していないわけではない。あるいは、むしろあたたかい愛で、それぞれに三千代や里子をつつんでいるといえるだろう。 それなのに……、というのが本題であります。 三千代は結婚生活に少しも希望がもてず、夫の初之輔に不満をぶちまけるが理解されない。 「どうせ、私は、馬鹿ですよッ。朝から、晩まで、洗濯と、御飯ごしらえで、あくせくしていて、たまに、外に出て行っても、厭なことばっかり」(本文より抜粋) 夫・初之輔と別れて上京しようと決心した三千代が、その前夜、二階で寝ている夫のところから、 階下の自分の寝床へおりて行こうとし、またひきかえして暗い補子段を上りかける場面がある。 「暗い梯子段へ行き、静かに、二階へ上りかけたが、梯子段の途中で、三千代は引きかえして、暗い梯子へ行き、静かに、二階へ上がりかけたが、梯子段の途中で三千代 は思いあぐねて、腰をかけた。 二階へ上ることも出来なかったし、それかといって、降りて、 里子と、枕を並べて、寝る気もしない。 三千代は、足をふんばり、頬杖をついた。壁にしみつくような、夜更けの雨の音である。三千代は、この、暗い梯子段の空間だけが、自分の、隠れ 穴のような気がした。子供のように、心細くなって来ていた」(本文より抜粋) 切ない哀しさが、胸に迫る思いがするのですが、どうしてだろうか? 深さの知れない暗い海におちたとでもいいたいような虚無感。 救われようがないのだ。 こんな気持ちは女性ならではのもの、ではないだろうかと思う。 林芙美子さんは女性の哀しみや、切なさを生涯書き続けた人であるから、共感できる哀楽を私たちも感じることができるのでしょうね。 今も昔も変わらない女性の孤独の根底を味わえます。 大阪の地名、名所がたくさん出てきますので、大阪を味わうこともできます。
珍品堂主人(中公文庫) 井伏鱒二
¥486
【並】(非常に良い/良好/並) ≪4版≫ 1986/7/15 発行 天に経年のヤケ。小口に薄いシミあり。 骨董大好きな人の話です。 「ちゃんとした学校の先生」くずれで、趣味がいつの間にか本職になってしまった骨董狂、加納夏曆57歳。 この、通称 ”珍品堂”という主人公が骨董の売買に行き詰まっ て料理屋を始めます。 塗物は石川県、焼物は岐阜県、味噌はどこ、蕎麦粉はどこと凝りに凝った甲斐あって、料亭「途上園」は繁昌するが、金主の紹介で顧問格に迎えた蘭々女という茶の師匠に弱みを握られて、ついにはいびり出されてしまう。そして、再び骨董の道に舞い戻る、という内容です。 それだけのお話なのです。 が、しかし、 描かれる人物みな一癖あってとても面白いのです。個人的に夏目漱石の『坊っちゃん』を思い出しました。ユーモアたっぷりでゆっくり読めます。
そういうふうにできている(新潮文庫) さくらももこ
¥400
【並】(非常に良い/良好/並) ≪初版≫ 1999/7/1 発行 経年劣化 天、小口ヤケあり(写真の通りです) 読むには問題ありません。 さくらももこさんの妊娠出産の出来事を中心にしたエッセイ。 夫から妊娠のことを積極的に考えるようにと、書籍をどっさり渡されるももこさん。 「興味のない本を無理に読むと言うのは「学習」である。」という一文に共感しました。 しかし、やり過ごしているうちに問題に直面したとき、やはり「学習」せねばならないことになります。 「この腹の中に何かがいるのである。大便以外の何かがいる!!」 ももこさんが妊娠を発覚したときの衝撃をこのように話しています。 妊娠、出産期の痛みや心身の不調に直面しても、どこか冷静に現状を見ている感じがします。前向きに面白く捉え直せる精神が素晴らしくて、見習いたい部分でもありました。 経験したことがなく掴みどころのない妊娠・出産について、表現し難い機微を独特の視点でリアルに表現されていて、読んでいる私まで妊娠と出産をした気分になった。 妊娠出産した人もそうでない人も関係なく、楽しく笑えるエッセイでした。 心を明るくしたい人には面白いエッセイです。 読みやすいですし、ね!
〖古書〗千羽鶴(角川文庫) 川端康成
¥537
〖古書〗 ≪改版13版≫ 1976/5/30 発行 天に経年のヤケあり。その他はおおむねきれいです。 【前篇】の『千羽鶴』です。 【後編】『波千鳥』未刊です。 男と女の愛憎劇のようなものですが、川端康成ならではの美化して書かれていることに注目すると、安心して読めます。 三谷菊治の父の妾であり、胸に黒紫のあざのある栗本ちか子、父の茶 の仲間の夫人で、夫の死後、父の世話をうけた太田未亡人、その娘の文子を中心に、菊治と太田夫人との一夜の関係。 その太田夫人の死、太田文子への関心、文子との結びつきの運命的なことの自覚、文子の失踪というように、「太田夫人とその娘の文子を主にして」繰り広げられる。 一方で、茶室、 茶道具、茶会といった日本の茶道が、複雑な人間関係の重要性を示しています。やぼったく考えるとかなり冗長な小説ではありますが、そこは、やはり、美しい女性が大好きな川端康成の美的情緒による幻想世界の極みだと思いました。 因みに【後編】『波千鳥』のあらすじは、 三谷 菊治が「千羽鶴の風呂敷の令嬢」稲村ゆき 子を妻として、伊豆山に新婚旅行に出かけるところからはじまる。 ゆき子の長襦袢の裾に、自ら考案した「波に千鳥の模様」があるので題名となっているから、「波千鳥」は 「千羽鶴」と同じ人の象徴である。 ここで、 菊治夫妻の新婚生活がつづられ、奇怪なことに、ゆき子はいつまでも処女妻として残 っている。 栗本ちか子は急死し、太田文子 が菊治父子二代の背徳にゆかりのあるただ ひとりの人であり、九州に「永遠に彼方の人」としてある。(本書、解説より抜粋)
愛の重さ(ハヤカワ文庫) アガサ・クリスティー/中村妙子訳
¥378
SOLD OUT
【並】(非常に良い/良好/並) 3版 1976/11/15 発行 背表紙イタミあり、経年のキズ、ヤケあり 読むには問題ありません(装丁絶版) アガサ・クリスティーがアリ・ウェストマコット名義で書いた小説の一つで非探偵小説になります。 幼くして両親をなくしたローラとシャーリーの姉妹の物語。 姉妹ほど興味深い人間関係はないように思いました。 (以下、あらすじより抜粋) ローラは妹・シャーリーを深く愛し、あらゆる害悪から守ろうとした。しかしかえってそのことが、妹の一生を台無しにしていたことを知り、愕然とする。 人間の与える愛の犯し得る過ちと、その途方もない強さを描きだしたクリスティーの 愛の小説。
友情(岩波文庫) 武者小路実篤
¥350
【良好】(非常に良い/良好/並) 12版 2015/7/15 発行 武者小路実篤の恋愛と友情の王道青春小説です。 脚本家・野島(売れていない)と、作家・大宮(売れている)は、各々が尊敬し合う友人。野島は美しい友人の妹・杉子に恋をします。 そこから始まる恋愛と友情の板挟みにおける「切なさ」「苦しさ」「幸せ」「もどかしさ」すべての感情がたくさん出てきます。 恋する気持ちと友情の在り方を改めて学んだように思えます。 三人のそれぞれの『気持ち』が交差して、決心を生みます。恋と友情に悩んでいる方にオススメします。 夏目漱石の『こころ』を読んだことのある人なら、違いが面白いと思いました。
夜の光に追われて(講談社文庫) 津島佑子
¥650
【良好】(非常に良い/良好/並) ≪初版≫ 1989/9/10 発行 経年のヤケあります。 読むには全く問題ありません。 1986年第38回読売文学賞受賞作品 津島佑子:1947年東京都三鷹で父・津島修二(筆名:太宰治)、母・美知子の次女(里子)として生まれました。(2016年没) 彼女の父・太宰治は佑子が生まれた翌年に玉川上水で入水心中しました。 ***** 私小説、自叙伝ともいえる本書。 作者自身とも思われる小説家の主人公が、平安時代に書かれた『夜の寝覚』の物語を改めて書き直すことによって、物語のヒロイン珠子の悲しみに寄り添おうと試みる。 主人公が亡き息子の遺灰の一部を子の父親である男の元へ届けにいくストーリーと、「夜の寝覚」のヒロイン珠子の物語が交互に語られており、より悲しみを共感できる構造になっています。
すべて真夜中の恋人たち(講談社文庫) 川上未映子
¥239
【良好】(非常に良い/良好/並) ≪初版≫ 2014/10/15 発行 「真夜中は、なぜこんなにもきれいなんだろうと思う。 それは、きっと、真夜中には世界が半分になるからですよと、いつか三束さんが言ったことを、わたしはこの真夜中を歩きながら思い出している。」本文より 冬子(フユコ)34歳のフリー校閲者。人づきあいが苦手な彼女の唯一の趣味は、誕生日に真夜中の街を散歩すること。友人といえるのは、仕事で付き合いのある出版社の校閲社員、石川聖(ヒジリ)のみ。ひっそりと静かに生きていた彼女は、ある日カルチャーセンターで58歳の男性、三束(ミツツカ)さんと出会う。 誰がどんな恋愛をしようと勝手ではないか。そんなことばが出てきました。心の中を繊細に描いている。さすが川上未映子さんだと思う!
旅のラゴス 改版(新潮文庫) 筒井康隆
¥213
【良好】(非常に良い/良好/並) 31版 2015/10/31 発行 突然高度な文明を失った代償として、人びとが超能力を獲得しだした「この世界」で、ひたすら旅を続ける男ラゴス。 ラゴスは集団転移、壁抜けなどの体験を繰り返し、二度も奴隷の身に なります。 自分の生涯をかけて旅をする意味はとても考え深いです。
潤一(新潮文庫) 井上荒野
¥339
【良好】(非常に良い/良好/並) 3版 2018/6/10 発行 井上荒野による恋愛小説の連作短編集 第11回島清恋愛文学賞受賞作 26歳の青年・潤一と14歳から62歳まで9人の女性との刹那の愛を描いています。 まるで自分が9人の女性となり、いろんな側面の潤一と関わった気分になります。 もしかしたら、人生で、潤一のような人と一瞬でもかかわったんじゃないだろうか? そんなふうに思えました。 テレビドラマ化されています。潤一は志尊淳さん。
小説読本(中央公論文庫) 三島由紀夫
¥462
【非常に良い】(非常に良い/良好/並) ≪初版≫ 2016/10/25 発行 「小説家はなりたくてなれるものではない―」という出だしで始まります。 小説の原理を追究した長篇評論「小説とは何か」を中心に、「私の小説の方法」「わが創作方法」など、自ら実践する作り方を大胆に披瀝し編を収めている。 作家を志す人々に贈る、三島由紀夫による小説指南の書。説得力のある内容でした。 目次 作家を志す人々の為に 1(小説とは何か) 2(私の小説の方法;わが創作方法;小説の技巧について;法律と文学;私の小説作法;法学士と小説;法律と餅焼き) 3(私の文学;自己改造の試み;「われら」からの遁走)
伊藤野枝集(岩波文庫) 森まゆみ編
¥875
【良好】(非常に良い/良好/並) ≪初版≫ 2019/9/18 発行 大正時代最大のアナーキスト大杉栄とともに虐殺された、伊藤野枝の半生を描いています。 女性の解放を訴えた伊藤野枝(1895~1923年、福岡県出身)が、日本陸軍の憲兵に虐殺されて100年となります。 彼女は愛する大杉栄と無政府主義を唱え、女性の自由な活動などを説いて、信念を持って生きてきた人です。 彼女が平塚らいてうより先に巡り合ったのが、上野の学校の英語の教師・辻潤。二人は次第に心惹かれ合うようになります。二人の恋愛は学校で問題になり、辻潤はそれが原因で教職をなげうってしまう。辻潤の二人目の子どもを産んだのち、野枝は大杉栄のもとに走ることになる。 大杉栄には妻があり、愛人もいた。そして野枝も。大杉の唱える自由恋愛に破局が訪れたのは、愛人が大杉栄の首を刃物で切ったからだ。その後、野枝は大杉との生活にすべてをささげた。そして、大杉栄とともに、野枝は殺されることになる。 現代において、野枝がいたら私は友達になりたい。彼女の生きざまを物語に残したいと思うだろう。多くの女性作家が「伊藤野枝」を描きたいという衝動は、本能だと思います。 「風よ、あらしよ」(村上由佳)の映画が公開されました。 イトウノエの生きざまに共感できる人もできない人も、本書を読むと、必死で愛と信念を持って生きて来たかということが分かります。
私とは何か 「個人」から「分人」へ(講談社現代新書) 平野啓一郎
¥395
【非常に良い】(非常に良い/良好/並) 2版 2021/10/11 発行 嫌いな自分を肯定するには? 自分らしさはどう生まれるのか? 他者との距離をいかに取るか? 恋愛、家族、職場での人間関係を解消できる一冊。 悩んでいるなら読んで解消した方がいい、そんな平野さんのアドバイスが詰まっています。 目次 第1章 「本当の自分」はどこにあるか 第2章 分人とは何か 第3章 自分と他者を見つめ直す 第4章 愛すること・死ぬこと 第5章 分断を超えて
小説の誕生(新潮社) 保坂和志
¥2,630
【非常に良い】(非常に良い/良好/並) ≪初版≫ 2006/9/30 発行 ソフトカバー サイン本 (以下、まえがきより抜粋) 小説的思考とは何か?小説が生成する瞬間とはどういうものか?小説的に世界を考えるとどうなるのか? ということを、書いたのが本書です。 とりわけ後半は、書きながら自分でももう本当にどこに行ってしまうのかわからなかったが、その状態を引き受けることができたのだから、これは評論ではなく小説なんだろうと思う。
どきん 谷川俊太郎少年詩集(理論社) 谷川俊太郎
¥688
【良好】(非常に良い/良好/並) ハードカバー 29版 1991/10月 発行 大人でも子供に帰れる。 きっと幼い頃ってこういう風に純粋で、説明するにも抽象的で、でも自分の中ではこういうう風に感じているっていう『気持ち』を説明してくれるような詩集。 小学生の頃の歌の歌詞が出てきます。 この『感じ』を表現するのに、こんな感じだったなぁ。 そう、そう、そんな感じ! 谷川俊太郎さんの詩は制限なく広がってゆく人間の優しさに満ちている。
文學界 2021年5月号(文藝春秋) 文藝春秋
¥1,237
【非常に良い】(非常に良い/良好/並) ≪初版≫ 2021/5/1 発行 【創作】羽田圭介「Phantom」280枚一挙掲載 未来を案じて株取引に打ち込む華美、「使わないお金は死んでいる」と笑う恋人。 幻影に覆われた現代を描きつくす傑作誕生! 【第126回文學界新人賞発表】2800以上の応募作から選ばれた受賞作2作全文掲載 青野暦「穀雨のころ」 精緻な描写で高校生男女4人の過ごす一季節を浮かび上がらせる青春群像劇 九段理江「悪い音楽」 音楽教師ソナタは、生徒を猿だと思っている。才能に溢れるが、心が無いのだ―― 【選評】長嶋有・川上未映子・中村文則・円城塔・東浩紀 【新連載】平民金子「めしとまち」 別に美味しそうでもない“めし"と、子の成長とともに移り変わる“まち"。 神戸から贈る、とぼとぼエッセイ 【批評】千葉雅也「霊的世俗性――フーコー『肉の告白』論」 キュニコス派=ラディカルなキリスト教というラインではない「もう一人の古代人フーコー」とは? 神経症的な主体のあり方が広がる今日、フーコーの古代に「別の可能性」を探る驚くべき論考 【特集】詩とわたしたちの時代 〈対談〉谷川俊太郎×高橋睦郎「雪のように溶ける詩を目指して」 〈詩〉谷川俊太郎「なぜ生きる」/高橋睦郎「新コロナ年二年目の自画像」 〈対談〉最果タヒ×マーサ・ナカムラ「異界の創造、ことばの矢印」 〈詩〉最果タヒ「ひとで無し」/マーサ・ナカムラ「魚子と墨鼠」 〈批評〉田原「永遠の童心――谷川俊太郎の児童詩を中心に」 ジェフリー・アングルス「逗子のオルペウス」 吉田雅史「偶然と脱線のリリック――いま、ラップを読み直すこと」(Spotifyプレイリスト付き) 〈米大統領就任式詩The Hill We Climb全文〉アマンダ・ゴーマン「わたしたちの登る丘」対訳と訳者解説=鴻巣友季子 バイデン新大統領就任式での朗読が絶賛され、一躍スターとなった若き詩人。 感動を呼んだ詩を英文と、鴻巣氏による清洌な翻訳で贈る リレーエッセイ「私の身体を生きる」藤野可織 【巻頭表現】小島日和「さまがわり」 【エセー】青木耕平「『息子よ安心しなさい、あなたの親指は天国で花となり咲いている』」 【コラムAuthor's Eyes】暮田真名「川柳は人の話を聞かない」 【文學界図書室】筒井康隆『ジャックポット』(佐々木敦)/山田詠美『血も涙もある』(平松洋子)/椎名誠『階層樹海』(木谷美咲)/岸政彦『リリアン』(村井康司)/松浦寿輝『わたしが行ったさびしい町』(大崎清夏) 【強力連載陣】北村匡平/成田悠輔/高橋弘希/辻原登/綿矢りさ/落合陽一/横尾忠則/宮本輝/津村記久子/松浦寿輝/犬山紙子/柴田聡子/武田砂鉄/池田雄一/鳥澤光
小説幻冬 2022年4月号(幻冬舎) 幻冬舎
¥345
【非常に良い】(非常に良い/良好/並) ≪初版≫ 2022/4/27 発行 1st写真集『As i(アズアイ)』が好評発売中の吉野北人さん(THE RAMPAGE from EXILE TRIBE)が表紙に登場! 写真集のアザーカットと、スペシャルインタビューをお届けします。 発売を記念した今野敏さん『無明 警視庁強行犯係・樋口顕』、深町秋生さん『ファズイーター』の各特集です。 など
本は友だち(みすず書房) 池内紀
¥1,682
【非常に良い】(非常に良い/良好/並) ≪初版≫ 2015/1/9発行 本は友だちとして、著者が大切に読んできた本たちを通じて、それぞれの本に宿る魅力的な人生を綴るエッセイ集。古今の本が紹介されています。 本が好きな人や、異なるジャンルの本に興味がある人におすすめです。 著者の独自の視点や文章の流れに魅了され、新たな読書体験ができると思います。 文章が流れるようで読みやすく、幅広いジャンルの本が取り上げられていますので、ワクワクします。
愛することばあなたへ(光文社) 瀬戸内寂聴
¥211
【非常に良い】(非常に良い/良好/並) ≪初版≫ 2018/9/25 発行 人間関係について深く考えたいときや愛とは何かを改めて感じたい人におすすめの一冊です。心の充足を求めるすべての人に向けた言葉が詰まっています。 読めば読むほど心痛が和らいで、安心します。
月曜日の抹茶カフェ(宝島社文庫) 青山美智子
¥341
【非常に良い】(非常に良い/良好/並) ≪初版≫ 2023/6/20 発行 「マーブル・カフェ」が特別に開く「抹茶カフェ」を舞台に、東京と京都を行き来しながら様々な人々の人生が交差する物語。 心温まる12カ月を紡いでいく、連作短編集です。
椿の海の記(河出文庫) 石牟礼道子
¥432
SOLD OUT
【良好】(非常に良い/良好/並) ≪8版≫ 2021/1/30 発行 自伝的小説になります。 水俣を舞台にした石牟礼道子の鮮やかな記憶の描写があり、後に起こる環境破壊の前の神話的な世界の喪失に注目してみてください。 環境問題を文学的な観点から考察した小説です。日本の風土や、環境問題に興味のある方は面白いと思います。