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ある犬の飼い主の一日(新潮クレストブックス) サンダー・コラールト/長山さき訳
¥1,500
非常に良い(非常に良い/良好/並) ソフトカバー 初版 2023/4/25発行 ISBN9784105901882 ◆2020年 リブリス文学賞受賞作品 『ある犬の飼い主の一日』は、サンダー・コラールトが紡ぐ、静かでやさしい物語。 老犬スフルクと暮らすヘンクの一日は、何気ないけれど、心にしみる時間の連なり。小さな出来事が、人生の輝きをそっと照らします。 大切な存在を愛おしく思う気持ち、あなたにもきっと伝わるはずです。 オランダ固有の犬種コーイケルホンディエのスフルクを溺愛するヘンクの姿に、私も胸が温かくなりました。どうぞ、じんわりと心に染みる読書を。 <リブリス文学賞とは?> リブリス文学賞は、Twitterの投票で決まる読者が選ぶ文学賞です。対象は、国内の新作小説と海外の初めて翻訳された小説。投票はハッシュタグをつけて行い、「国内部門」「海外部門」のどちらかだけでもOK。本好きの声が反映される、ちょっと特別な文学賞です。 <サンダー・コラールトさんについて> サンダー・コラールトさんはオランダ出身の小説家。代表作『ある犬の飼い主の一日』はオランダでベストセラーとなり、日本でも新潮クレスト・ブックスから翻訳出版された。生と死を巧みに描き、人生の意味を探求する作風が特徴。
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欲望 (新潮文庫) 小池真理子
¥420
良好(非常に良い/良好/並) 初版 2000/4/1 発行 ISBN410144014 ◆1998年 第5回 島清恋愛文学賞受賞作品 『欲望』は、小池真理子さんが描く、心と体のすれ違いが切なく響く物語です。 主人公・類子は、満たされぬ想いを抱えながらも、正巳という青年に心惹かれていきます。愛とは何か?欲望とは何か?を静かに問いかけられるような一冊です。 島清恋愛文学賞受賞作の美しい文章に浸りながら、自分の心の奥をそっと見つめてみませんか? <小池真理子さんについて> 小池真理子さん(1952年生まれ)は、出版社勤務を経て、1978年にエッセイスト、1985年に小説家としてデビュー。恋愛小説やミステリーで活躍し、直木賞など数々の文学賞を受賞。軽井沢在住。
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軽いめまい(講談社) 金井美恵子
¥2,500
非常に良い(非常に良い/良好/並) 初版 1997/4/8 発行 ISBN4062043084 金井美恵子の『軽いめまい』(講談社)は、何気ない日常の中にふっと忍び込む違和感を繊細に描いた物語。 専業主婦の夏実が感じる「軽いめまい」は、どこか他人事ではなく、私たちの心にもそっと寄り添ってくるんです。満たされているはずなのに、ふとした瞬間に揺らぐ気持ち、そんな経験のある方には、きっと響く一冊。 2023年には英訳され、ニューヨークタイムズやアトランティック誌でも書評されるなど、国際的にも高く評価されています。 静かに、でも確かに心の奥を揺さぶるこの物語を、ぜひ味わってみませんか? <金井美恵子について> 金井美恵子(1947年生)は、高校卒業後、作家活動を開始し、1967年『愛の生活』で文壇デビュー。『タマや』で女流文学賞受賞など、多くの作品を発表。映画評論や対談集も手がけ、東京・目白で姉と暮らしている。
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個人的な体験 純文学書下ろし特別作品(新潮社) 大江健三郎
¥1,350
並(非常に良い/良好/並) ハードカバー 13版 1969/9/30発行 函・帯あり。経年による函背、天、地ヤケ・シミあり。 書籍自体は良好 『個人的な体験 純文学書下ろし特別作品』(新潮社)は、大江健三郎が自身の経験をもとに描いた、深い葛藤と再生の物語。 障害を持つ息子の誕生に揺れる主人公の心が、まるで自分のことのように響いてくるんです。人生の選択に迷うとき、そっと寄り添ってくれる一冊。 言葉の一つひとつが胸に残る、純文学ならではの味わい深さを感じてみませんか? ゆっくりと、この物語の世界に浸ってみてくださいね。 <大江健三郎さんについて> 大江健三郎さん(1935-2023)は愛媛県生まれの作家。東京大学卒業後、「飼育」で芥川賞を受賞。代表作に「個人的な体験」「万延元年のフットボール」など。1994年にノーベル文学賞を受賞し、日本文学に大きな影響を与えました。
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恋愛論(太田出版) 竹久夢二
¥690
並(非常に良い/良好/並) ≪初版≫ 1993/7/30 発行 ハードカバー ISBN4872331281 竹久夢二の『恋愛論』は、彼の恋愛遍歴を通じて芸術に対する深い思いが描かれている一冊。 特に、竹久夢二の心情が詩となって表現されている部分が切なく響いてくるようです。 竹久夢二の愛の形や悲しみが詩に込められていて、それが彼の絵画にどう影響したのかを知ることができるんですよね。 私はこの本を読んでみて、恋愛と創作が繋がる不思議な感覚に触れ、じんわり心が温かくなりました。 もし、あなたも心に響く一冊を探しているなら、この本はきっと心に残るんじゃないかと思えます。 <竹久夢二について> 竹久夢二(本名:竹久茂次郎「たけひさ もじろう」)は1884年、岡山県に生まれました。17歳で上京し、画家としての道を歩み始め、1905年に「夢二」の名で活動を開始。1914年には和装小物店「港屋」を開店し、絵画だけでなく詩や小説も手掛けました。大正ロマンを代表する画家として、独自の美人画で人気を博し、1934年に49歳で亡くなりました。
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あなたの人生の物語( ハヤカワ文庫) テッド・チャン
¥820
非常に良い(非常に良い/良好/並) 20版 2017/5/10 発行 ISBN9784150114589C0197 『あなたの人生の物語』は、テッド・チャンの名作SF短編集(全8編)で、その表題作は映画『メッセージ』の原作でもあります。 宇宙人との交信に挑む言語学者ルイーズの物語が、彼女の娘との思い出と交差しながら進んでいく作品。 読み進めるうちに、時間や言語、人生の意味についてじっくり考えたくなります。 科学的なテーマがありながら、どこか温かさや切なさがにじむ物語は、読む人の心にそっと寄り添ってくれます。 私も初めて読んだとき、こんなにも心を揺さぶられる本があるのだと感動したほど。 言語が私たちの考え方や世界の捉え方にどれほど深く関わっているのか…それを知ると、何気ない日常さえ少し特別に思えてきます。 「これから先の自分の物語」を考えたくなる、そんな1冊。ぜひ、お手に取ってみてくださいね。 <テッド・チャンについて> テッド・チャンは1967年にニューヨーク州で生まれ、台湾系アメリカ人です。ブラウン大学卒業後、SF作家としてデビュー。短編『バビロンの塔』でネビュラ賞を受賞し、その後も多数の賞を受賞。寡作ながら、現代SF界で高く評価されている作家です。
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薬を食う女たち(河出書房新社) 五所純子
¥1,000
【非常に良い】(非常に良い/良好/並) (ほぼ新品) ソフトカバー ≪初版≫2021/6/30発 『薬を食う女たち』は、五所純子さんのルポルタージュ作品です。 この本では、薬物依存に陥った女性たちの生々しい現実を丁寧に描き出し、彼女たちが抱える心の痛みや社会との関係性を考えさせられます。 読み終えると、「こうした視点が自分にも必要だった」と思わされること間違いありません。ぜひ手に取ってみてくださいね。 読んだ形跡がなく、美しい状態のため(ほぼ新品)といたしました。
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裂(講談社) 花村萬月
¥1,100
良好(非常に良い/良好/並) ≪初版≫2011/3/17発行 経年のスレがありますが、他は問題ありません。 花村萬月について ❝花村萬月(本名・吉川一郎)は、1955年生まれの日本の小説家。高校中退後、放浪生活を送り、30歳過ぎから創作活動を開始。1989年に『ゴッド・ブレイス物語』でデビュー。1998年、『ゲルマニウムの夜』で芥川賞を受賞し、以後、吉川英治文学新人賞や柴田錬三郎賞も受賞。現在は京都に在住。❞ 花村萬月さんの『裂』は、現代社会の複雑な人間関係と心の中にある「裂け目」を描いた作品です。 長編ですが、なぜだかサクッと読めてしまいます。 『裂』は、作家志望の青年と若手女性編集者の複雑な関係を軸にした物語です。 持ち込まれた原稿には、編集者自身の名前が使われ、その内容が二人の心に波紋を広げます。 文学の創作現場や、作家と編集者の繊細な駆け引きがリアルに描かれていて、文学賞の知られざる裏側などを覗ける作品です。 花村さんの鋭い筆致で描かれる緊張感は、きっと引き込まれるんじゃないでしょうか。 私自身、この本を読み終えたあと、「文学とは何か」を考えさせられました。じっくりと世界に浸りたい方に、ぜひおすすめしたい一冊です。
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眠れるラプンツェル(幻冬舎文庫) 山本文緒
¥380
良好(非常に良い/良好/並) 8版 2000/6/5 発行 『眠れるラプンツェル』は、28歳の専業主婦・汐美が主人公。 汐美は結婚して6年目、孤独な日々を送る彼女が、12歳の少年・ルフィオと出会うことで、思いもよらぬ感情が芽生えていくのです。 年齢差を超えた関係に迷いながらも、自分と向き合うことで、汐美は新たな自分を発見します。 山本文緒さんの筆致が、繊細に心の葛藤を描き出し、読んでいるうちに自分の人生にも重なる部分があるかもしれません。 日常の中に隠れた可能性や、欲望の葛藤を感じ取ることができる一冊です。 何気ない日々に疑問を感じているあなたに、ぜひ読んでほしい作品です。手に取った時に感じる不安や期待、きっと心に残るものがあるはずです。 <山本文緒さんについて> 山本文緒さんは1962年、横浜市生まれ。神奈川大学卒業後、証券会社に勤め、1987年に『プレミアム・プールの日々』でデビュー。少女小説から一般文芸へと転身し、1999年『恋愛中毒』で吉川英治文学新人賞、2001年に『プラナリア』で直木賞を受賞しました。日本を代表する作家として、多くの作品を生み出しました。2021年、58歳で逝去。
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ちくま日本文学 三島由紀夫 1925-1970(筑摩書房) 三島由紀夫
¥630
非常に良い(非常に良い/良好/並) 2版 2015/6/5 発行 この本のあとがきを書かれた、森毅さんは「三島由紀夫の長い作品は、一冊に収めるのが難しく、代表作も出版社との契約で使えなかった」と説明しています。そのため、収録されたのは短編や戯曲、エッセイが中心で、普段あまり読めないものも入っています。たとえば、「海と夕焼」を除けば、新潮文庫では読めないものが多く含まれているんですよね。 三島由紀夫の魅力は、代表作だけでなく、他の作品も楽しめるところです。たとえば、学生運動を背景にした戯曲「喜びの琴」や、短編「中世」があります。 「中世」は三島が20歳のときに書いた美しい作品で、まるで蒔絵細工のように華やかな文体が特徴。 他の作品も面白くて、満足できると思います。 三島由紀夫の代表作以外の作品に興味がある方はぜひ、読んででみてくださいね。 本書は、三島由紀夫の世界が一冊に凝縮された貴重な選集。読むことで心が揺さぶられますし、あなたの人生に新たな視点が生まれるかもしれません。 <三島由紀夫について> 三島由紀夫(本名:平岡公威)は、1925年1月14日、東京に生まれました。東京大学法学部を卒業後、大蔵省に勤務するも、9ヶ月で退職し作家の道を選びました。1949年に『仮面の告白』で作家としての地位を確立。その後、『潮騒』や『金閣寺』など数々の名作を発表しました。1970年、最後の作品『豊饒の海』を書き終えた後、自衛隊市ヶ谷駐屯地で自決。彼の作品は世界中で読まれ、ノーベル文学賞候補にもなった日本の代表的作家です。 ※ショップブログ>2025年1月15日 もチェックしてみてくださいね。
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大聖堂(村上春樹 翻訳ライブラリー)(中央公論社) レイモンド・カーヴァー/村上春樹訳
¥1,200
非常に良い(非常に良い/良好/並) 8版 2021/12/20 発行 ソフトカバー 『大聖堂(村上春樹 翻訳ライブラリー)』は、レイモンド・カーヴァーが描く短編の数々が詰まった一冊です。 この本は、質の高い文学作品が集められたカーヴァーの短編小説集で、その中でも表題作「大聖堂」は、妻の盲目の友人を家に迎える夫の物語です。 当初、夫は盲目の男性に対して偏見を抱いていましたが、大聖堂を一緒に描くという体験を通じて、互いの理解を深めていきます。普段見えないものが見えてきたり、逆に見えているはずのものが見えなくなるような不思議な体験が描かれており、その最後の一文が、物語のすべてを語り尽くすほど印象的です。 村上春樹の手による翻訳も、原作の深みを余すところなく伝えており、ページをめくるたびにその魅力に引き込まれます。 カーヴァーの作品は、日常の中に潜む小さな感動に気づけるようになり、心の中が少しあたたかくなる本です。 解説も丁寧で、お得感があり、より深くこの作品を楽しむことができます。 もしも、少しだけ心の中で迷っていることがあるなら、この本がきっと優しく寄り添ってくれるはずです。 ぜひ、この物語に触れてみてくださいね。 <レイモンド・カーヴァーについて> レイモンド・カーヴァー(1938年生まれ)は、アメリカの短編小説作家で、労働者階級の生活を描いた現実主義的な作風で知られます。カリフォルニアで創作を学び、1970年代から80年代に名声を確立。アルコール依存症を克服し、1988年に肺がんで死去しました。代表作に『愛について語るときに我々の語ること』があります。
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ゲルマニウムの夜(文藝春秋) 花村萬月
¥500
【並】(非常に良い/良好/並) ≪初版≫ 1998/9/20 発行 天、小口にシミ、ヤケあり。シミが気にならない方なら大丈夫です。読むには問題ありません。クリーニング済 『ゲルマニウムの夜』は、殺人を犯した青年・朧(ろう)が自分の過去を隠すために、修道院に戻るところから始まります。 修道院での彼は、暴力的な行為や性的な行動を繰り返し、周囲の人々に傷をつけていく様子が描かれています。 これが物語の軸となり、読者は主人公・朧がどう向き合い、どう変わっていくのかを見守ることになります。 花村萬月さんの作品には、暴力や性的な描写が多く登場しますが、それは単なる衝撃を与えるためではなく、現代における「神」や倫理、価値観の在り方を問うためのものとも捉えられています。 朧の行動を通して、人間の闇や矛盾が明らかになり、その先に何があるのか、私たちに深く考えさせてくれる作品となっています。 少し怖さも感じますが、これは花村萬月さんの初期の力強さが表れた代表作品。作家の傾向がよくわかる初期作品を読むことで、彼の作風や思想をより深く理解することができると思いますよ。 心に残る一冊、『ゲルマニウムの夜』。 ぜひ手に取って、その衝撃を感じてみてください。 第119回 芥川賞受賞作品 <花村萬月さんについて> 花村萬月・はなむらまんげつ(本名・吉川一郎)さんは1955年東京都に生まれ、幼少期に父を失い、福祉施設で過ごす。その後、放浪生活を経て、30歳を過ぎて創作活動を開始。1989年に小説デビューし、1998年に『ゲルマニウムの夜』で芥川賞を受賞しました。暴力や宗教などをテーマにした衝撃的な作品で知られています。
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青髭 ー愛する女性を殺すとはー(新曜社) ヘルムート・バルツ/林道義訳
¥1,000
【非常に良い】(非常に良い/良好/並) ≪初版≫ 1992/2/20 発行 ハードカバー 『青髭 ー愛する女性を殺すとはー』は、ヘルムート・バルツさんが書き、林道義さんが翻訳した本です。 この本は、グリム童話『青髭』をユング心理学の視点から深く読み解いています。 それは、青髭が愛する女性を殺すという恐ろしい行動の背後には、母性と女性性を抹殺するテーマが隠れているんです。 どうしてそんなことが起こるのか、物語をじっくり読み解くことで少しずつその答えが見えてきます。 心の奥底にある無意識の部分を探るこの本は、心理学に興味がある方には特に面白い内容だと感じました。 青髭の行動や物語の深層に隠された意味を理解することで、人間の心の複雑さや欲望をもっと知ることができます。 もし、物語の裏に潜む心理や人間関係に深く触れたいと思っているなら、この本はきっとあなたの心に響く一冊です。 是非、手に取ってみてくださいね。
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鍵・瘋癲老人日記(新潮文庫) 谷崎潤一郎
¥430
【非常に良い】(非常に良い/良好/並) ≪57版≫ 2020/5/5 発行 『鍵・瘋癲老人日記』は、老いと欲望という深いテーマを静かに、そして鋭く描いた作品です。 77歳の卯木督助が日記に綴る、性と老いの葛藤に共感できる瞬間がきっとあるんじゃないかと感じます。 誰しも、年齢や社会的な枠組みにとらわれず、誰もが抱える内面的な欲望や人間らしさについて、考えることがあるのではないでしょうか? この本を読むことで、谷崎潤一郎が描く人間の深い部分に触れ、あなた自身の心にも新たな気づきがあるかもしれません。 社会の目や道徳観にとらわれず、自分の中にある真実に向き合いたくなる、この一冊。 老いと欲望の真実を、あなたも感じてみてください。
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命売ります(ちくま文庫) 三島由紀夫
¥430
【非常に良い】(非常に良い/良好/並) 26版 2015/12/5発行 本書は、「命を売る」というちょっと不思議な広告から始まる物語。主人公の山田羽仁男には、次々と驚くような依頼が舞い込みます。吸血鬼の愛人になったり、暗号を解読したり…。そんな奇想天外な展開の中で、羽仁男(ハミオ)が見つけたのは「生きることの意味」だったんです。 この作品、三島由紀夫らしい美しい文章で描かれているのですが、意外と軽やかで読みやすいんですよ。人生に迷ったときにふと読み返すと、羽仁男の姿が自分と重なる瞬間があるかもしれません。私はこの本を読んだ後、自分の「命」や「生き方」をもう少し大切にしよう、と思えたんですよね。 『命売ります』は、三島作品を初めて読む方にもおすすめです。この一冊が、あなたにとって特別な時間を届けてくれますように。 <三島由紀夫について> 三島由紀夫(本名:平岡公威)は、1925年1月14日、東京に生まれました。東京大学法学部を卒業後、大蔵省に勤務するも、9ヶ月で退職し作家の道を選びました。1949年に『仮面の告白』で作家としての地位を確立。その後、『潮騒』や『金閣寺』など数々の名作を発表しました。1970年、最後の作品『豊饒の海』を書き終えた後、自衛隊市ヶ谷駐屯地で自決。彼の作品は世界中で読まれ、ノーベル文学賞候補にもなった日本の代表的作家です。 ※ショップブログ>2025年1月15日 もチェックしてみてくださいね。
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生命式(河出書房新社) 村田沙耶香
¥600
【良好】(非常に良い/良好/並) ≪初版≫ 2019/10/30発行 ハードカバー 村田沙耶香さんの『生命式』、とても印象的な一冊なんですよね。 未来の社会で、命を繋ぐために「死者を食べる」という衝撃的な儀式が一般化した世界が描かれています。 主人公の池谷真保が、価値観の変化に戸惑いながらも、生命式の意味を理解していく姿に心が揺さぶられることだと思います。 この本を読んでみると、きっと自分が持っていた常識や価値観を見直すきっかけになるかもしれません。 生命、死、そして性について、村田さんが描く新しい視点を理解することができるんじゃないかと思います。そして、何よりその美しい言葉に触れることで、心が豊かになるはずです。 新しい視点を得て、心を少し軽くするような感覚を味わいたい時にぴったりの本です。 読むことで、自分の世界が広がる感覚を感じられると思いますよ。 もし、少しでも興味が湧いたら、ぜひ手に取ってみてくださいね。
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お艶殺し(中央公論文庫) 谷崎潤一郎
¥380
【良好】(非常に良い/良好/並) 5版 2009/7/20発行 『お艶殺し』は、まるで人間の心の中に潜む欲望と葛藤をそのまま映し出すかのような作品です。 お艶と新助の複雑な心情や道を踏み外していく様子に、どこか心が引き寄せられ、気づけばあなた自身の内面とも向き合わせられているような気がすると思います。 もし、今、心の中で何かが揺れ動いていると感じているなら、きっとこの物語はあなたにぴったり。 自分の欲望と周りの期待に挟まれて苦しむ人々を見つめながら、あなた自身の選択に向き合う勇気を与えてくれるはず。 谷崎潤一郎の美しくも切ない筆致が心に深く響くんですよね。 無意識のうちに感情が揺れ動くその瞬間を、感じてみるのも醍醐味です。
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不意撃ち(河出書房新社) 辻原登
¥380
【非常に良い】(非常に良い/良好/並) ハードカバー ≪初版≫2018/11/30発行 辻原登さんの『不意撃ち』は、予測できない展開と深い人間ドラマが魅力的な短編集です。 5つの短編小説を通して、登場人物たちが予期しない出来事に翻弄される様子が描かれています。 例えば、「渡鹿野」では、デリヘル嬢と運転手が顧客の死体を発見し、その後の人生が交錯します。 物語が進むにつれ、驚きの展開が待っているので、最後まで目が離せません。 この本を読むと、人生の不確実性について考えさせられるんです。予期せぬ出来事がどれほど自分たちの運命を変えるのか、改めて気づかされることが多いのです。 また、辻原登さんの巧みな文章に触れれば、あなたの文学的感性も豊かになることでしょう。読んだ後、日常の見方が少し変わるかもしれませんよ。
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伯爵夫人(新潮社) 蓮見重彦
¥680
【良好】(非常に良い/良好/並) ≪3版≫2016/7/5発行 第29回三島由紀夫賞受賞作品 『伯爵夫人』は、蓮見重彦さんによる独特な世界観を持つ小説です。 物語は、1940年冬、太平洋戦争直前の日本を舞台に、帝大受験を控えた二朗が出会う妖艶な「伯爵夫人」から始まります。彼女は、性と闘争を教える不思議な存在で、物語は彼女が二朗に与える影響を描きつつ、さまざまな女性たちとの複雑な関係を描き出します。 注目したいのは、独特な文体と表現、そして戦時下の社会を背景にした物語の深みです。 擬態語や擬音語を巧みに使っていて、文学的要素と性の描写を融合させています。 なので、批評的な視点を養うことができると思います。 戦争前夜の日本を知ることができる貴重な一冊。 読むことで、あなたの文学的な感性が豊かになり、歴史や表現に対する理解が深まること間違いなしです。
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きことわ(新潮文庫) 朝吹真理子
¥320
【良好】(非常に良い/良好/並) ≪7版≫2014/5/30発行 第144回芥川賞受賞作品(2011年) 朝吹真理子さんの『きことわ』は、記憶と時間が交錯する美しい小説です。 物語は、別荘で過ごした幼少期の思い出を軸に、貴子(きこ)と永遠子(とわこ)という二人の女性が再び交わる25年後の姿を描いています。 年齢差があるにもかかわらず、深く結びついていた二人の関係は、時間とともにどのように変化したのか。 再会をきっかけに、過去の記憶が浮かび上がり、二人の関係の本質に迫ります。 この本を読むことで、記憶や時間の不思議さ、人間関係の複雑さを感じることができ、詩的な文章に触れることで心が洗われるような気持ちになります。 人間の記憶に対する深い理解を得られる一冊です。あの時の大切な人との関係を、もう一度考えたくなる…そんな気持ちにさせてくれる本です。
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音楽(新潮文庫) 三島由紀夫
¥400
【良好】(非常に良い/良好/並) ≪89版≫2016/7/10発行 この作品は、1960年代の東京を舞台に、心の奥深くにある悩みや葛藤を描いた物語です。 精神分析医のもとに現れた美しい女性、弓川麗子が「音楽が聞こえない」と訴えるのですが、実はそれが彼女の心に潜む複雑な感情や悩みを表しているんですよね。 三島由紀夫らしい美しい文章とともに、心理の深い部分に触れることができます。 私自身、この本を読みながら、麗子の心の変化に共感し、時にはハッとさせられる場面もありました。 三島由紀夫は、「日本文学」の中でも人間の本質に深く迫る作家だと改めて感じました。この作品を手に取れば、きっと新しい視点で人間心理や時代の空気を味わえると思いますよ。 興味を持ったら、ぜひチェックしてみてくださいね。 <三島由紀夫について> 三島由紀夫(本名:平岡公威)は、1925年1月14日、東京に生まれました。東京大学法学部を卒業後、大蔵省に勤務するも、9ヶ月で退職し作家の道を選びました。1949年に『仮面の告白』で作家としての地位を確立。その後、『潮騒』や『金閣寺』など数々の名作を発表しました。1970年、最後の作品『豊饒の海』を書き終えた後、自衛隊市ヶ谷駐屯地で自決。彼の作品は世界中で読まれ、ノーベル文学賞候補にもなった日本の代表的作家です。 ※ショップブログ>2025年1月15日 もチェックしてみてくださいね。
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杏子・妻隠(新潮文庫) 古井由吉
¥420
【非常に良い】(非常に良い/良好/並) ≪24版≫2020/3/15発行 第64回 芥川受賞作品 『杏子・妻隠』は、古井由吉が描く心の奥底を覗き込むような作品です。 『杏子』では、精神的に不安定な女子大生・杳子が出会った男子大学生との壊れやすい恋愛を描き、その孤独感と愛の繊細さが深く心に残ります。 一方、『妻隠』では、都会で暮らす若い夫婦の日常を通じて、現実感の喪失や微妙な感情が浮き彫りになります。 この本を読んでいると、人生の中で私たちが抱える感情や人間関係の複雑さに気づき、自分自身を深く見つめるきっかけになるのではないかと感じます。何気ない日常に潜む闇や、心の揺らぎに共感することで、心が少し軽くなるかもしれません。 私もこの本を読んだとき、感情の深さと心理描写の美しさに驚いたほど。現実と幻想が交錯するその世界に引き込まれ、心の奥底を探るような未知の読書体験ができる一冊です。 <古井由吉さんいついて> 古井由吉(ふるい よしきち)さん(1937年生)は、日本の小説家・ドイツ文学者。東京大学大学院修了後、立教大学でドイツ語を教え、1968年に作家活動を開始。1970年に短編小説『杳子』で芥川賞を受賞し、内向の世代の代表的存在として知られます。代表作には『聖』『栖』『親』の三部作や『槿』、『仮往生伝試文』などがあり、精神の深層を描く独自の文体で日本文学に多大な影響を与えました。2020年、82歳で逝去。