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肉体の学校(ちくま文庫) 三島由紀夫
¥520
良好(非常に良い/良好/並) 10版 2015/9/5発行 ISBN4480026304 この本は、少し複雑で心に残るお話です。 裕福で自立した女性と、若い青年の間で交わされる愛と欲望の物語。年齢や立場、社会的な背景が違う二人がどう関わり合っていくのか、その駆け引きが心を引きます。三島由紀夫の独特な視点で、経済力や性的な自由、ジェンダーの問題を静かに問いかけてくるところが、どこか不思議な感覚を与えてくれるんですよね。 私はこの本を読むたびに、少し不安になることもありますが、同時に自分の中で何かが少しずつ解けていくような、そんな気持ちになります。愛や欲望、そして人間関係の複雑さを、三島の精緻な文章で感じることができます。自分の中で何か新しい気づきが生まれるような、そんな気持ちになれる一冊です。 私のように、日々の小さな悩みや迷いの中で、自分を見つめ直したいと思う方には、この本がきっと心に響くと思います。もし、少しでも気になったら、ぜひ手に取ってみてくださいね。きっと、新しい発見があるはずです。 <三島由紀夫について> 三島由紀夫(本名:平岡公威)は、1925年東京生まれの作家で、代表作に『金閣寺』『潮騒』『豊饒の海』があります。東京大学卒業後、大蔵省に勤務するも退職し、作家活動に専念。政治的活動も活発で、1970年に自衛隊駐屯地で割腹自殺を遂げました。
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「雨の木」を聴く女たち (新潮文庫) 大江健三郎
¥720
良好(非常に良い/良好/並) 16版 2002/9/5発行 ISBN4101126151 表紙に経年のスレあり。他はきれいな状態です。 「何か心に残る物語を読みたいな」と思ったとき、この本をおすすめします! 大江健三郎の『「雨の木」を聴く女たち』は、5つの短編からなる連作小説集。 「僕」という語り手の視点を通して、人々の孤独や心の奥深くにある思いが、静かに、でも確かに描かれています。舞台はハワイやメキシコなどの異国の地。そこには、死を見つめる人や、誰かとのつながりを求める人たちがいます。 物語全体に流れる「雨の木」の存在が、どこか寂しく、けれど穏やかに心に響いてくるのです。人生のなかで感じる苦しみや希望にそっと寄り添い、「人とは?」「生きるとは?」と、ふと考えさせられるような作品なんです。 大江健三郎の作品は少し難しい印象があるかもしれません。でも、この短編集は比較的入りやすく、彼の文学の世界に触れてみたい方にもおすすめです。読後には、まるで「雨の木」が静かに滴を落とし続けるように、物語の余韻が心に残るんじゃないでしょうか。 ぜひ、静かに心に沁み込むこの一冊を、ゆっくり味わってみてくださいね。 <大江健三郎さんについて> 大江健三郎(1935-2023)さんは、戦後日本を代表する作家。東京大学卒業後、「飼育」で芥川賞を受賞。『万延元年のフットボール』など社会的・哲学的テーマを描き、1994年にノーベル文学賞受賞。晩年まで執筆を続けた。
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むかし女がいた(新潮文庫) 大庭みな子
¥410
良好(非常に良い/良好/並) 初版 1998/3/1発行 ISBN4101344124 『むかし女がいた』という本は、28篇の短編から成る、心に深く残る作品集です。すべての物語が「むかし女がいた」という言葉で始まりますが、どの話も女性たちのさまざまな生き様を描いています。 例えば、戦争を生き抜いた女性、愛人関係に悩む女性、母性や女性性に向き合わせられる女性…。その一つひとつが、彼女たちの強さや弱さ、優しさや痛みを織り交ぜながら、優しく、時には少し切ない形で描かれています。 もし、この本を読んでみたなら、きっと感じることがあると思います。 それは、「女性ってこんなにいろんな面を持っているんだな」と感じられること。それぞれの女性たちがどんな風に生き、どう考えているのかを知ることで、自分自身や周りの人々にも少し優しくなれるような気がするんです。 私がこの本を手にしたときも、過去の女性たちの生き様に触れることで、現代の自分と向き合う気持ちが少しだけ楽になったというか、何だか心が軽くなったような気がしました。 大庭みな子さんの書く言葉には、どうしても引き込まれてしまう不思議な力があるんですよね。少し詩的で、でもとても深い意味が込められているから、何度も読み返したくなるんです。 この本には、女性の持つ多面性や人間性がテーマになっているので、普段考えないようなことや、気づかなかった自分の一面に気づけるかもしれません。どんな形であれ、この本が心の中で何か大切なものを思い出させてくれる、そんな素敵な本だと思います。 もし、あなたも少し立ち止まって自分や周りのことを見つめ直してみたいなと思うのであれば、ぜひ『むかし女がいた』を読んでみてください。きっとあなたの心に何かを残してくれるはずです。 <大庭みな子さんについて> 大庭みな子(1930年-2007年)さんは、東京生まれの小説家で、アラスカ時代に文学デビュー。1968年に『三匹の蟹』で芥川賞を受賞。帰国後も多くの作品を発表し、女流文学賞、谷崎潤一郎賞などを受賞。晩年は脳梗塞により筆記が困難となりながらも執筆を続け、腎不全のため76歳で逝去。
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イエスの生涯(新潮文庫) 遠藤周作
¥545
非常に良い(非常に良い/良好/並) 77版 2024/7/15発行 ISBN4101123165 遠藤周作さんの『イエスの生涯』は、神の子としてではなく、一人の人間としてのイエスを描いた作品です。誤解され、嘲られ、迷いながらも、それでも「愛」と「同苦」を説き続けたイエスの姿に、思わず胸が締めつけられます。 宗教に詳しくなくても、遠藤周作のやわらかな語り口がすっと心に染み込みます。人間の弱さや信じることの意味を、そっと問いかけてくるような一冊です。 読み終えたあと、弱さを抱えながらも、誰かの痛みに寄り添うことの大切さに気づかされるかもしれません。 読書の時間が、そっと心に寄り添ってくれることがあります。この本も、きっとあなたのそばで、静かに語りかけてくれるはず。ぜひ、手に取ってみてくださいね。 <遠藤周作さんについて> 遠藤周作(1923-1996)は、日本の小説家。11歳でカトリックの洗礼を受け、慶應義塾大学卒業後、フランス留学。1955年「白い人」で芥川賞受賞。『沈黙』『海と毒薬』などキリスト教をテーマに執筆。晩年は文化勲章を受章。
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宰相A(新潮文庫) 田中慎弥
¥353
非常に良い(非常に良い/良好/並) ≪初版≫ 2017/12/1 発行 IABN4101334844 『宰相A』(田中慎弥)は、読んでいるうちに、じわりと背筋が冷たくなるような物語です。 主人公Tが故郷に戻ると、そこはまったく別の「日本」になっていました。白人が支配し、日本人は「旧日本人」と呼ばれ、特別な区域に押し込められている――そんな異様な世界で、Tは「伝説の救国者」として翻弄されていきます。 現実とは違うはずなのに、どこか今の社会ともつながっているような感覚。 読んでいるうちに、「もし自分がこの世界にいたら?」と考えずにはいられません。田中慎弥さんの鋭い筆致が、権力と人間の本質を浮かび上がらせています。 読後、胸の奥に何かざらりとしたものが残るような、そんな一冊です。 <田中慎弥さんについて> 田中慎弥(1972年生)さんは山口県出身の小説家。2005年『冷たい水の羊』で新潮新人賞を受賞しデビュー。2012年『共喰い』で芥川賞を受賞。『蛹』で川端康成文学賞と三島由紀夫賞を同時受賞するなど、鋭い社会批評と独自の作風で高く評価されている。
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ほとけの心は妻ごころ(角川文庫) 田辺聖子
¥415
良好(非常に良い/良好/並) 改版初版 2020/7/25 発行 ISBN4041096772 『ほとけの心は妻ごころ』は、田辺聖子さんが描く、昭和の夫婦の物語を集めた短編集です。登場する夫たちは、まあ、正直なところ「ろくでもない」と言いたくなるような人ばかり。でも、妻たちはそんな夫を切り捨てるでもなく、呆れながらも、どこか諦めと愛情が入り混じったまなざしで寄り添っています。 たとえば、美男子を気取る夫に「美しさなんて、見慣れるものよ」と静かに悟る妻の話。ワガママでどうしようもない夫を、それでも見捨てきれない妻の心の揺れ。どの物語も、思わず「わかるなあ」と頷きたくなるような、夫婦の機微を見事に描いています。 田辺聖子さんの語り口は、ユーモアがあって、読んでいると気持ちがほぐれてくるんです。 夫婦だけでなく、人と人との関係って、完璧じゃなくてもいいんだな、と思わせてくれる。大切なのは、相手の「どうしようもなさ」を、少し肩の力を抜いて受け止めることなのかもしれません。 結婚している方も、そうでない方も、「ああ、こういうことってあるよね」と共感しながら楽しめる一冊です。肩肘張らずに、くすっと笑いながら読んでみてくださいね。 <田辺聖子さんについて> 田辺聖子(1928-2019年)さんは大阪出身の作家。『感傷旅行』で芥川賞受賞後、多くの文学賞を受賞し、紫綬褒章や文化勲章も受章。ユーモアあふれる文体と古典文学への造詣で知られ、小説やエッセイ、古典の現代語訳を手がけた。
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欲望 (新潮文庫) 小池真理子
¥50
SOLD OUT
良好(非常に良い/良好/並) 初版 2000/4/1 発行 ISBN410144014 ◆1998年 第5回 島清恋愛文学賞受賞作品 『欲望』は、小池真理子さんが描く、心と体のすれ違いが切なく響く物語です。 主人公・類子は、満たされぬ想いを抱えながらも、正巳という青年に心惹かれていきます。愛とは何か?欲望とは何か?を静かに問いかけられるような一冊です。 島清恋愛文学賞受賞作の美しい文章に浸りながら、自分の心の奥をそっと見つめてみませんか? <小池真理子さんについて> 小池真理子さん(1952年生まれ)は、出版社勤務を経て、1978年にエッセイスト、1985年に小説家としてデビュー。恋愛小説やミステリーで活躍し、直木賞など数々の文学賞を受賞。軽井沢在住。
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巨女(徳間文庫) 吉村萬壱
¥550
非常に良い(非常に良い/良好/並) 4版 2023/9/25発行 ISBN9784198941499 ◆2015年 第22回 島清恋愛文学賞受賞作品 『巨女』は、吉村萬壱さんが描く、愛と献身の極限を問う物語です。 妻が巨大化していく奇妙な現象に直面する主人公。 これはただの奇想小説ではなく、愛することの重さ、そして介護の現実に静かに向き合う一冊なんですが、第11回島清恋愛文学賞受賞作でもあり、文学的感性が培われる物語だと思います。その衝撃的な世界に、一歩踏み込んでみませんか? <吉村萬壱さんについて> 吉村萬壱(よしむらまんいち)さん(1961年生)は、大阪育ちの小説家。高校教諭を経て52歳で専業作家に。2001年「クチュクチュバーン」で文學界新人賞受賞、2003年「ハリガネムシ」で芥川賞受賞。退廃的でグロテスクな作風が特徴。エッセイ執筆も。
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ジョン万次郎漂流記 本日休診(角川文庫)・黒い雨(新潮文庫)/井伏鱒二
¥600
※二冊セットです ●ジョン万次郎漂流記 本日休診/井伏鱒二 (角川文庫) 良好(非常に良い/良好/並) 19版 1995/5/30発行 天、小口に経年によるヤケあり。読むには問題ありません。 ISBN4041076013 ◆1938年 第6回 直木賞受賞作品 運命に翻弄されながらも、学ぶことで道を切り開いたジョン万次郎。その姿は、私たちにも新しい世界に踏み出す勇気をそっとくれる気がします。井伏鱒二の美しい文章で描かれるこの物語、あなたも一緒に旅しながら堪能してくださいね。 ●黒い雨/井伏鱒二(新潮文庫) 51版 1994/6/5発行 天、小口、地に経年によるヤケあり。読むには問題ありません。 ISBN4101034060 ◆1966年 野間文芸賞作品/文化勲章受章 『黒い雨』は、原爆に翻弄された人々の静かな叫びが込められた物語なんです。 姪の幸せを願う重松の想いと、避けられない運命に胸が締めつけられます。 でも、この本には絶望だけではなく、人が生きることの意味も刻まれています。過去を知り、未来を考えるために、ぜひ手に取ってみてください。 <井伏鱒二について> 井伏鱒二(1898-1993)は広島県生まれ。早稲田大学で文学を学び、同人誌でデビューしました。『山椒魚』や『黒い雨』など、ユーモアと哀感を織り交ぜた作品で知られる。直木賞や文化勲章を受章し、昭和を代表する文豪として今も愛されています。
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ちくま日本文学004 尾崎翠(筑摩書房) 尾崎翠
¥710
良好(非常に良い/良好/並) ≪初版≫ 2007/11/20発行 ISBN9874480425041C0193 尾崎翠さんは、大正から昭和初期にかけて活躍した作家です。 彼女は鳥取と東京を行き来しながら、たくさんの素敵な作品を生み出しました。『ちくま日本文学004 尾崎翠』は、そんな尾崎翠さんの代表的な作品を集めた一冊で、少し不思議で魅力的な世界を感じさせてくれます。 例えば、『第七官界彷徨』では、現実と幻想が交錯するような感覚に包まれ、まるで夢の中にいるかのような不思議な気持ちが味わえます。また、彼女の作品は、時代の移り変わりや文化の違いを鋭く描き出しており、特に地方と都市の繋がりに興味がある方にはとても面白く感じられると思います。 尾崎翠さんの作品は、読むたびに新たな発見があるので、何度でも手に取りたくなる魅力があるんですよね。読み手の皆さんにとって、きっと心に残る作品になることだと思います。 私自身も、彼女の作品に触れたとき、その深さと美しさに感動しました。 本書を手に取ることで、あなたもその魅力に引き込まれること間違いなしです! <尾崎翠さんについて> 尾崎翠さんは1896年、鳥取で生まれ、1916年頃から本格的に文学活動を始めました。1920年に大学を退学後、雑誌に短編や映画評論を寄稿し、1931年に代表作『第七官界彷徨』を発表。神経を病み筆を折り、1971年に逝去しました。
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一房の葡萄(ハルキ文庫) 有島武郎
¥320
【非常に良い】(非常に良い/良好/並) ≪初版≫2011/4/15発行 有島武郎さんの『一房の葡萄』は、心温まる成長物語です。 物語の主人公「僕」は、絵を描くのが好きな内向的な少年。 ある日、憧れの西洋人のジムが持っていた絵具を衝動的に盗んでしまいます。発覚してしまい、憧れの女性教師に連れて行かれますが、先生は優しく許してくれ、代わりに一房の葡萄を「僕」に渡します。 翌日、ジムとも仲直りし、二人は葡萄を分け合います。 この物語を読んで、罪と赦しについて考えるとともに、人とのつながりがどれほど大切かを感じることができます。 小さな失敗から学び、成長する主人公に共感できることでしょう。こんな温かい気持ちを感じたくなりませんか?
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終点のあの子(文春文庫) 柚木麻子
¥400
【良好】(非常に良い/良好/並) ≪4版≫2014/8/25発行 収録作品「フォーゲットミー、ノットブルー」第88回オール讀物新人賞受賞作品(2008年) 史上最強の「ガールズ系小説」 『終点のあの子』は、柚木麻子さんが描く、女子高生たちの青春と成長をテーマにした連作短編集です。 物語は、入学式の日に出会った希代子と朱里の交流から始まります。 朱里は芸術的な家族背景を持ち、独特な個性を放つ少女で、二人の関係は少しずつ変化していきます。作品の中では、複数の女子高生たちがそれぞれの思いを抱えながら成長していく様子が描かれているんです。 思春期ならではの揺れ動く感情や人間関係が繊細に描かれ、読むと自己理解が深まり、他者への共感力も自然に育まれます。 学校生活のリアルな空気感や、少しずつ変わっていく人々の心情に共感しながら、自分の成長と重ね合わせて読むことができるはず。 もしもあなたが、自分と同じように悩みながら成長していく登場人物たちに心を寄せたくなったら、この本はぴったりです。
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東京奇譚集(新潮文庫) 村上春樹
¥360
再入荷です。 【並】(非常に良い/良好/並) 表紙にスレあり。 ≪初版≫2007/12/1発行 村上春樹さんの『東京奇譚集』は、予期しない出来事に翻弄される人々の不思議な体験を描いた短編集です。 5つの物語には、偶然の出会いや喪失、心の奥に潜む孤独が繊細に描かれています。 例えば、「偶然の旅人」では、ピアノ調律師が過去との和解を果たす瞬間に心が動かされたり、「ハナレイ・ベイ」では、亡き息子を思う母親が遭遇する奇妙な出来事が胸に残るんです。 この本を読むことで、日常の中に潜む不思議さに気づき、喪失や孤独と向き合うという新たな視点を見出すことだと思います。 村上春樹さんの世界観に浸りながら、現実と非現実が交錯する瞬間に引き込まれることでしょう。 この奇妙で美しい物語を、ぜひ手に取ってみてくださいね。
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仮面の告白(新潮文庫) 三島由紀夫
¥550
良好(非常に良い/良好/並) 146版 2010/6/10発行 ISBN 4101050010 三島由紀夫の『仮面の告白』は、自分の本音と社会の期待に挟まれた主人公の葛藤を描いた、心にズシンと響く名作。 幼少期から青年期まで、主人公は「本当の自分」と「周囲が望む自分」の間で悩み、「仮面」を被りながら生きていきます。 三島由紀夫独特の美しい文章や深い心理描写が見どころで、読むほどに主人公の苦しみや切なさが胸にしみてくるんですよね。 自分と向き合う勇気や他人との折り合いについて考えさせてくれるこの作品。 必要なときこそ、読んで欲しいです。 <三島由紀夫について> 三島由紀夫(本名:平岡公威)は、1925年1月14日、東京に生まれました。東京大学法学部を卒業後、大蔵省に勤務するも、9ヶ月で退職し作家の道を選びました。1949年に『仮面の告白』で作家としての地位を確立。その後、『潮騒』や『金閣寺』など数々の名作を発表しました。1970年、最後の作品『豊饒の海』を書き終えた後、自衛隊市ヶ谷駐屯地で自決。彼の作品は世界中で読まれ、ノーベル文学賞候補にもなった日本の代表的作家です。 ※ショップブログ>2025年1月15日 もチェックしてみてくださいね。
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青の時代(新潮文庫) 三島由紀夫
¥420
【良好】(非常に良い/良好/並) ≪73版≫2017/8/25発行 『青の時代』は、三島由紀夫が描く、青年・川崎誠の欲望と挫折の物語です。 彼は名家に生まれ、厳格な父のもとで育ちますが、成長するにつれて自らの道を選び、金銭欲に駆られていきます。 大学時代に出会った女性との関わりから始まる彼の破滅的な人生を、三島特有の鋭い視点で描いています。 この本を読むことで、人間の欲望や挫折、そして戦後の日本社会が抱える矛盾を深く考えさせられます。 また、三島の緻密な心理描写やシニカルな文体に触れることで、彼の文学世界に魅了されることだと思います。もし、社会の変化や人間の本質に興味があるなら、きっとこの作品が心に響くはずです。 『青の時代』は、きっとあなたの心に深く響く一冊になると思います。 三島由紀夫の世界にゆっくり浸りながら、彼の言葉が織りなす魅力を感じてみてくださいね。 <三島由紀夫について> 三島由紀夫(本名:平岡公威)は、1925年1月14日、東京に生まれました。東京大学法学部を卒業後、大蔵省に勤務するも、9ヶ月で退職し作家の道を選びました。1949年に『仮面の告白』で作家としての地位を確立。その後、『潮騒』や『金閣寺』など数々の名作を発表しました。1970年、最後の作品『豊饒の海』を書き終えた後、自衛隊市ヶ谷駐屯地で自決。彼の作品は世界中で読まれ、ノーベル文学賞候補にもなった日本の代表的作家です。 ※ショップブログ>2025年1月15日 もチェックしてみてくださいね。
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みだれ髪(角川文庫) 与謝野晶子
¥320
【非常に良い】(非常に良い/良好/並) ≪初版≫2011/4/15 『みだれ髪』は、与謝野晶子が22歳の時に発表した処女歌集で、女性の恋愛感情や自己肯定感を大胆に詠んだ作品です。恋愛の情熱や心の葛藤が繊細な言葉で綴られ、特に「その子二十櫛にながるる黒髪…」といった歌は、美しさと力強さを感じさせるんです。 この歌集は、明治時代の因習に挑戦し、女性の新たな生き方を示唆するものとして高い評価を受けています。 読むと、自分の感情をもっと大切にしたくなる気持ちが湧いてくるはずですよ。 私も読んでいて、「自分を自由に表現するってこんなに素敵なことなんだ」と心が震えました。あなたもぜひ、晶子の情熱の世界に触れてみてくださいね。 目次 ・みだれ髪 ・夏より秋へ(抄) ・君死にたまふことなかれ
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猫町 他17編(岩波文庫) 萩原朔太郎
¥50
SOLD OUT
良好(非常に良い/良好/並) 26版 2022/7/25 発行 「私」は東京から北越の温泉に向かう途中、偶然「繁華で美しい町」に足を踏み入れます。 そこで出会ったのは、人間の姿をした猫たちの大群。 この『猫町』は、詩集『青猫』の感覚を引き継ぎ、幻想的な短編や散文詩、随筆を十八篇収めています。 詩人としての朔太郎の独特な視点と詩情が際立っており、魅力的な小品集となっています。
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蒲団・重右衛門の最後(新潮文庫) 田山花袋
¥370
非常に良い(非常に良い/良好/並) 89版 2022/10/30 発行 田山花袋の『蒲団・重右衛門の最後』は、”日本の自然主義文学の深み”を感じることができる一冊です。 『蒲団』では、既婚作家と若い女学生の微妙な距離感が生み出す葛藤を通して、人間の弱さや絶望を鮮烈に描いています。 『重右衛門の最後』では、社会から疎外された人物たちの深い憎しみや孤独が、思わず引き込まれてしまうほどの力強さで描かれています。 どちらの作品も、心に深く刻まれ、読むたびに新しい気づきがあるのが魅力。何度読んでも飽きません。 私が思うに、この本は単に物語を楽しむだけでなく、人間の本質に触れることができるので、人間の複雑さや痛みを感じることで、私たちが日常生活でどれだけ見過ごしている感情や思いがあるのかに気づけるのかもしれません。 きっと、読み手にも共感できる瞬間がたくさんあるはずなんです。 この作品を手に取って、あなたの心の深い部分に触れてみてください。きっと、心に残る一冊になるはずですよ。 <田山花袋について> 田山花袋(本名:田山録弥(ろくや))は、1871年に栃木県で生まれました。14歳で上京し、19歳で小説家を志し、尾崎紅葉に師事しました。博文館に勤務し、1907年には『蒲団』を発表、日本自然主義文学を確立しました。その後、『生』や『妻』など多くの作品を残し、1930年に60歳で亡くなりました。
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小銭をかぞえる(文春文庫) 西村賢太
¥50
SOLD OUT
非常に良い(非常に良い/良好/並) 4版 2011/6/5 発行 金欠で妄想に悩む主人公は、愛憎や暴力に翻弄される最底辺の男です。彼の壮絶な日々は悲惨さを超えて笑いを誘うほど。 西村賢太さんの傑作私小説2篇は、暴言を吐きながらも優しさを見せる一面が描かれています。中卒の彼は、年下の大卒の女性と同棲しており、日常の何気ないシーンがとてもユーモラスに表現されています。自宅やデパートに行く会話のやり取りが秀逸なのでクスッと笑える場面もあります。 ちなみに、私は、西村賢太さんの作品はどれも不思議と一気読みできてしまいます。 私小説であり、西村賢太さん自身が文学に詳しいため、作品中に登場する作家や作品の情報から文学の知識も得られるのが良いところであり、私にとっての西村賢太の楽しみ方の一つです。
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ちくま日本文学全集 織田作之助 1913-1947(筑摩書房) 織田作之助
¥650
良好(非常に良い/良好/並) ≪初版≫ 1993/5/20 発行 織田作之助得意の短編集です。織田作は短編の名手なので本当に面白い。 『ちくま日本文学全集 織田作之助 1913-1947』に収められた織田作之助の作品は、大阪の庶民の生活を生き生きと描き出し、そこに生きる人々の強さや弱さ、愛情や葛藤を見事に表現しているのです。 特に『夫婦善哉』では、困難に立ち向かいながらも前向きに生きる夫婦の姿に胸が熱くなります。 笑いと涙が交錯するその物語の中に、誰もが抱える日々の悩みや喜びが共鳴し、温かい気持ちになれることだと思いますよ。 大阪弁の魅力も相まって、読んでいるとまるでその場にいるような感覚に。心温まる物語を通して、あなたの心にも少しでも勇気と希望を届けてくれる一冊です。 本書には代表作『夫婦善哉』や『勧善懲悪』『アドバルーン』など名作が入っているので、楽しめます。 織田作を満喫してくださいね! <織田作之助について> 織田作之助(おだ さくのすけ)は、1913年、大阪に生まれました。旧制第三高等学校を中退後、1938年に『雨』でデビューし、1940年には『夫婦善哉』で作家として名を馳せます。戦後は無頼派作家として活躍し、評論も手掛けましたが、1947年に結核で急逝。短い生涯の中で、大阪の庶民を描き、文学に大きな影響を与えました。 ※『夫婦善哉』については、ショップブログ>2024年10月5日です。ぜひチェックしてみてくださいね!
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〖新装版〗父の詫び状(文春文庫) 向田邦子
¥450
良好(非常に良い/良好/並) 44版 2022/10/5 発行 『〖新装版〗父の詫び状』は、向田邦子さんが描いた温かな家族の物語で、傑作エッセイなんです。 父親との関係を中心に、昭和初期の家族の日常をユーモアたっぷりに、そして時には少し切なく描いています。 家族の絆や、時にぶつかり合う感情を優しく、でもしっかりと伝えてくれるこの本は、私たちの心にも温かい思い出を呼び起こすんじゃないでしょうか。 日常の中にある些細な瞬間に込められた深い意味に気づくことができる、そんな素敵な一冊です。 私もこの本を手に取るたび、家族との距離や過去を思い返すことがあります。家族に対する後悔や感謝や、時には思い悩んだことがある方にも、きっと共感できる部分があるはず。もしあなたも、心温まる家族の物語に触れて、ほっと一息つきたくなったら、この本をぜひ手に取ってみてください。 家族の中で、きっとあなたの「父の詫び状」を見つけることができるかもしれませんよ。 また、巻末の解説を沢木耕太郎さんが書いていて、これがとても面白く、解説だけでも楽しめる内容です。 向田邦子さんに興味のある方は読んでみると楽しめます! <向田邦子さんについて> 向田邦子(むこうだ くにこ)さんは、1929年に東京で生まれ、実践女子専門学校を卒業後、映画雑誌の編集者として働き始めました。1960年代からはテレビドラマの脚本家として活躍し、「七人の孫」などで名を馳せ、1980年には直木賞を受賞。その後、エッセイや小説でも成功を収めました。1981年に51歳で事故により急逝し、功績を称えて「向田邦子賞」が創設されました。
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眠れるラプンツェル(幻冬舎文庫) 山本文緒
¥380
良好(非常に良い/良好/並) 8版 2000/6/5 発行 『眠れるラプンツェル』は、28歳の専業主婦・汐美が主人公。 汐美は結婚して6年目、孤独な日々を送る彼女が、12歳の少年・ルフィオと出会うことで、思いもよらぬ感情が芽生えていくのです。 年齢差を超えた関係に迷いながらも、自分と向き合うことで、汐美は新たな自分を発見します。 山本文緒さんの筆致が、繊細に心の葛藤を描き出し、読んでいるうちに自分の人生にも重なる部分があるかもしれません。 日常の中に隠れた可能性や、欲望の葛藤を感じ取ることができる一冊です。 何気ない日々に疑問を感じているあなたに、ぜひ読んでほしい作品です。手に取った時に感じる不安や期待、きっと心に残るものがあるはずです。 <山本文緒さんについて> 山本文緒さんは1962年、横浜市生まれ。神奈川大学卒業後、証券会社に勤め、1987年に『プレミアム・プールの日々』でデビュー。少女小説から一般文芸へと転身し、1999年『恋愛中毒』で吉川英治文学新人賞、2001年に『プラナリア』で直木賞を受賞しました。日本を代表する作家として、多くの作品を生み出しました。2021年、58歳で逝去。
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ちくま日本文学 三島由紀夫 1925-1970(筑摩書房) 三島由紀夫
¥630
非常に良い(非常に良い/良好/並) 2版 2015/6/5 発行 この本のあとがきを書かれた、森毅さんは「三島由紀夫の長い作品は、一冊に収めるのが難しく、代表作も出版社との契約で使えなかった」と説明しています。そのため、収録されたのは短編や戯曲、エッセイが中心で、普段あまり読めないものも入っています。たとえば、「海と夕焼」を除けば、新潮文庫では読めないものが多く含まれているんですよね。 三島由紀夫の魅力は、代表作だけでなく、他の作品も楽しめるところです。たとえば、学生運動を背景にした戯曲「喜びの琴」や、短編「中世」があります。 「中世」は三島が20歳のときに書いた美しい作品で、まるで蒔絵細工のように華やかな文体が特徴。 他の作品も面白くて、満足できると思います。 三島由紀夫の代表作以外の作品に興味がある方はぜひ、読んででみてくださいね。 本書は、三島由紀夫の世界が一冊に凝縮された貴重な選集。読むことで心が揺さぶられますし、あなたの人生に新たな視点が生まれるかもしれません。 <三島由紀夫について> 三島由紀夫(本名:平岡公威)は、1925年1月14日、東京に生まれました。東京大学法学部を卒業後、大蔵省に勤務するも、9ヶ月で退職し作家の道を選びました。1949年に『仮面の告白』で作家としての地位を確立。その後、『潮騒』や『金閣寺』など数々の名作を発表しました。1970年、最後の作品『豊饒の海』を書き終えた後、自衛隊市ヶ谷駐屯地で自決。彼の作品は世界中で読まれ、ノーベル文学賞候補にもなった日本の代表的作家です。 ※ショップブログ>2025年1月15日 もチェックしてみてくださいね。
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美しい心臓(新潮文庫) 小手毬るい
¥50
SOLD OUT
【並】(非常に良い/良好/並) ≪初版≫2016/2/1発行 DVから逃れた私は、偶然出会った既婚者の彼との秘密の関係に救われました。彼との密会で感じた甘い感情は、私を新しい場所へと導きます。しかし、最終的に私が望んだのは、彼の死でした。 この物語は、禁断の恋を描いた不倫小説です。 恋に溺れる女性は、時に恐ろしいほど複雑ですが、その姿には可愛らしさもあり、多くの人が共感できるものだと思います。