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行動することが生きることである(集英社文庫)/私のお化粧人生史(中央公論文庫) 宇野千代
¥650
『行動することが生きることである』 良好(非常に良い/良好/並) 35版 2010/8/7発行 ISBN9784087480870 迷ったときこそ、一歩踏み出す勇気を——。 『行動することが生きることである』(宇野千代 著)は、90歳を超えてもなお「今を生きる」ことをやめなかった著者が、人生のあらゆる場面で掴んできた知恵を、率直に、あたたかく綴った一冊です。 「まず動くこと」がどれほど心を軽くし、生きる力になるか――ページをめくるごとに、その実感が胸に広がっていきます。迷いや失敗もすべて含めて、人生は“行動”から始まる。そんな宇野さんのまなざしは、そっと背中を押してくれるよう。 わたしも、読んでいて不思議と心に張りが戻るようでした。もし今、立ち止まっているのなら、この本をそっと手にとってみてください。宇野千代さんの言葉が、あなたの今日に寄り添ってくれるかもしれません。 『私のお化粧人生史』 並(非常に良い/良好/並) 4版 1987/8/5発行 ISBN4122011272 経年のヤケあり、本文は問題ありません。 「美しく、しなやかに生きる」──そんな言葉が、ふと胸に響いたときに、そっと手に取っていただきたいのが宇野千代さんの随筆集『私のお化粧人生史』(中公文庫)です。華やかでありながらも、自分を大切にするためのお化粧。その一つひとつに込められた宇野さんの想いや日々の心の揺れが、まるで自分の記憶のように重なってくるのです。 この本は、お化粧という身近な行為を通して、「自分らしく生きる」ことの意味を問いかけてくれます。どんな年齢でも、どんな環境でも、自分を愛し、慈しむことの大切さに気づかせてくれました。読んだあと、鏡の中の自分をちょっとだけ優しい目で見られる──そんな時間を届けてくれる一冊です。 心が疲れたとき、自分らしさを思い出したいとき、そっと寄り添ってくれる本です。『柚香の森』で、あなた自身の美しさと出会う読書を楽しんでみませんか。 <宇野千代さんについて> 宇野千代さん(1897–1996)は、山口県岩国市生まれの小説家・随筆家。1921年に文壇デビュー後、恋愛や美意識を貫いた生き方で多彩な創作活動を展開しました。日本初の女性ファッション誌を創刊し、きものデザイナーとしても活躍。晩年も執筆を続け、85歳で新聞連載を開始するなど、生涯現役を貫きました。1996年、98歳でその生涯を静かに閉じました。
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それもまたちいさな光(文春文庫) 角田光代
¥50
SOLD OUT
【非常に良い】(非常に良い/良好/並) ≪2版≫2017/1/20発行 「このままでいいのかな」――そんなふうに、ふと立ち止まってしまうとき、誰にでもあるものですよね。 角田光代さんの『それもまたちいさな光』は、そんな迷いのなかにあるあなたに、そっと寄り添ってくれる物語です。 主人公は、東京の下町で暮らす35歳の仁絵さん。目立った不満もなく過ぎていく日々のなかで、ふとよぎる将来への不安や、心の奥にある恋のためらい。その姿は、まるで自分のようで、胸がぎゅっとなりました。 大きな事件は起きなくても、日常の中に小さな選択や優しさが積み重なって、未来は少しずつ形を変えていく――。そんな気づきを、静かに届けてくれる一冊です。 今、もしあなたが立ち止まっているのなら。この物語のなかに、そっと自分を重ねてみませんか。きっと、あなたの心にも、小さな光が灯るはずです。
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蒲団・重右衛門の最後(新潮文庫) 田山花袋
¥420
非常に良い(非常に良い/良好/並) 89版 2022/10/30 発行 田山花袋の『蒲団・重右衛門の最後』は、”日本の自然主義文学の深み”を感じることができる一冊です。 『蒲団』では、既婚作家と若い女学生の微妙な距離感が生み出す葛藤を通して、人間の弱さや絶望を鮮烈に描いています。 『重右衛門の最後』では、社会から疎外された人物たちの深い憎しみや孤独が、思わず引き込まれてしまうほどの力強さで描かれています。 どちらの作品も、心に深く刻まれ、読むたびに新しい気づきがあるのが魅力。何度読んでも飽きません。 私が思うに、この本は単に物語を楽しむだけでなく、人間の本質に触れることができるので、人間の複雑さや痛みを感じることで、私たちが日常生活でどれだけ見過ごしている感情や思いがあるのかに気づけるのかもしれません。 きっと、読み手にも共感できる瞬間がたくさんあるはずなんです。 この作品を手に取って、あなたの心の深い部分に触れてみてください。きっと、心に残る一冊になるはずですよ。 <田山花袋について> 田山花袋(本名:田山録弥(ろくや))は、1871年に栃木県で生まれました。14歳で上京し、19歳で小説家を志し、尾崎紅葉に師事しました。博文館に勤務し、1907年には『蒲団』を発表、日本自然主義文学を確立しました。その後、『生』や『妻』など多くの作品を残し、1930年に60歳で亡くなりました。
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流跡(新潮文庫) 朝吹真理子
¥360
非常に良い(非常に良い/良好/並) ≪初版≫2014/5/30発行 第20回 ドゥマゴ文学賞受賞作品 「自分はなぜ、ここにいるのだろう」──そんな問いがふと胸をよぎったことはありませんか。 朝吹真理子さんの『流跡』は、言葉がゆるやかに流れ、現実と幻想の境界をそっとなぞるような物語です。 舟に乗り遅れた女、煙突を見つける会社員、夜の舟頭……どの場面も、水や雨、川といった「流れ」に満ち、時間も場所もやさしくほどけていきます。 筋を追うのではなく、言葉そのものの余韻に心をゆだねる読書体験──それはきっと、見過ごしがちな「生」の儚さや、自分という存在の輪郭を静かに浮かび上がらせてくれることでしょう。 柚香の森が、この本の静謐な美しさに惹かれた理由も、そこにあります。 どうぞ、日々の喧騒から少し離れて、あなた自身の「流跡」を、この本とともにたどってみてくださいね。
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貞操問答(文春文庫) 菊池寛
¥600
【良好】(非常に良い/良好/並) ≪初版≫ 2002/10/10発行 昭和初期、美しい三姉妹の次女・新子は、家庭の事情から上流家庭の家庭教師となります。けれど、そこで出会った雇い主の夫との心の揺らぎが、彼女の生き方を大きく揺るがすことに。 貞操を守ることは本当に正しいのか、それとも愛に正直に生きるべきなのか。 社会の規範と個人の心がぶつかり合う中で、新子の選択が私たちの心にも問いかけてきます。 『貞操問答』は、菊池寛ならではの鋭い洞察と読みやすさが魅力の作品。今を生きる私たちにも、愛と道徳のはざまで揺れる女性たちの選択は、通じる葛藤が描かれていると思いますよ。じっくりと味わってみてくださいね!
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旅のラゴス 改版(新潮文庫) 筒井康隆
¥430
【良好】(非常に良い/良好/並) 31版 2015/10/31 発行 『旅のラゴス 改版』は、SF初心者の方にもぴったりな一冊です。 特にファンタジー色が強い作品から始めるのがオススメ。初めて手に取った瞬間、「これは宝物だ」と心に決めました。 表紙を見た時、古代遊牧民の物語かと思いきや、未来の色が感じられる不思議な世界が広がっているんですよね。 集団で転移できる民族や、壁を通り抜ける力を持った男たちの姿にワクワクが止まりません。 そして、愛馬スカシウマと共にただひたすら旅を続けるラゴス。彼の孤独な旅路にどこか懐かしさと郷愁を感じる、傑作SF小説です。 読んでいるうちに、心の中で一緒に旅をしているような気持ちになります。 あなたもこの物語を手に取ったら、きっとその魅力に引き込まれるはずです。 <筒井康隆さんについて> 筒井康隆さん(1934年生まれ)は、大阪府出身の日本の小説家。同志社大学卒業後、1960年にSF同人誌『NULL』を発刊し創作活動を開始。1965年に初短編集『東海道戦争』を発表し、1960年代後半から人気作家に。1993年に一度断筆を宣言し、1996年に執筆を再開。その後、俳優としても活動。 ※丁寧な梱包を心がけております。簡易包装ですが、防水・緩衝材で保護してお届けいたします。
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小泉八雲集(新潮文庫) 小泉八雲/上田和夫訳
¥520
【良好】(非常に良い/良好/並) ≪63版≫2020/4/15発行 『小泉八雲集』は、ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)が、日本の伝説や怪談を美しい筆致で再話した作品集です。 「ろくろ首」や「耳なし芳一」など、私たちにも馴染みの深い怪談が収められています。 彼の作品は、西洋人の視点を持ちながら、日本文化の深さや神秘を感じさせてくれるので、読むたびに新たな発見がありますよ。 小泉八雲は、異文化の視点から日本の美しさを捉え直し、その神秘的な物語は心に残るものがあります。 例えば「雪おんな」では、幻想的でありながらも切ない愛が描かれ、思わず胸が締め付けられます。どこか懐かしく、けれど、新しい視点で日本の文化に触れられるこの本は、きっと心を揺さぶられることだと思います。 「こんな日本の美しさを感じたことがなかった!」と思わせてくれる一冊。 もし、あなたも未知の日本に足を踏み入れてみたいなら、この本がぴったりです。
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寺山修司 ちくま日本文学006(ちくま文庫) 寺山修司
¥670
良好(非常に良い/良好/並) 初版 2007/11/20発行 ISBN9784480425065 「帰る場所」と「家出」のあいだで、心がふわりと揺れているあなたへ── 寺山修司の言葉は、そんな繊細な心にそっと寄り添ってくれます。 『ちくま日本文学006 寺山修司』には、詩・エッセイ・戯曲・短編が贅沢に詰まっていて、彼の原風景である青森や、現実と幻想の境界をたゆたうような物語が展開されます。 「家出のすすめ」や「誰か故郷を想はざる」など、どこにもないけれど確かに“ここ”にある世界が、私たちを静かに迎えてくれるのです。 詩人であり、劇作家であり、時代の異端者でもあった寺山修司の多面性に触れることで、「自分ってなんだろう」「どこへ行けばいいんだろう」と悩む心に、新しい光が差し込むかもしれません。 もし今、立ち止まっている自分に気づいたなら、ぜひ手にとってみてください。この一冊が、あなたの「もうひとつの居場所」になりますように。
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太宰治(中公文庫) 井伏鱒二
¥800
良好(非常に良い/良好/並) 初版 2018/7/25発行 ISBN9784122066076 「人の弱さって、どうしてこんなに胸に残るのでしょうね。」 そんな気持ちにそっと寄り添ってくれる一冊があります。 井伏鱒二が、弟子であり友であった太宰治との約20年を綴った『太宰治』(中公文庫)。 昭和初期の東京や御坂峠、甲府の風景の中で、文学や酒、将棋を介した心の交流が、井伏らしい温かさで描かれています。 師弟という言葉では語りきれない、複雑で、でもどこか人間らしい関係。 太宰の孤独や脆さを、近くで見守った井伏だからこそ描けた、唯一無二のまなざし。 時に笑いを誘い、時に胸を締めつける――その筆致は、太宰に救いがあったことを私たちに教えてくれます。 太宰治の作品が好きな方はもちろん、自分や誰かの弱さに心を寄せたい方にも。 心が少し疲れたとき、そっとページをめくってみてくださいね。
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恋(新潮文庫) 小池真理子
¥480
良好(非常に良い/良好/並) 6版 2004/8/5発行 ISBN4101440166 ◆第114回直木賞受賞作品 誰もが一度は落ちる、抗えない“恋”の深淵。 小池真理子さんの『恋』は、静かに心を締めつけるような切なさと、ふと胸をよぎる虚無感を描いた物語です。 浅間山荘事件の影で起きた発砲事件を背景に、大学生の布美子が巻き込まれる、倒錯した三角関係。25年後の布美子の回想から語られるこの物語には、人間の弱さや欲望、そして孤独が、静かに、でも確かに流れています。 読んでいると、自分の心の奥底に眠る“何か”をそっと揺さぶられるようで、登場人物たちに共感できなくても、どこかで自分自身を重ねてしまう瞬間がありました。 「人を想う」という行為の純粋さと危うさに、気づかされる一冊です。 切ない恋愛や複雑な人間模様に心惹かれる方に、ぜひ手に取っていただきたいです。静かに胸に残る、忘れられない読書体験になりますように。 <小池真理子さんについて> 小池真理子さん(1952年生・東京出身)は、エッセイ集『知的悪女のすすめ』でデビュー後、小説『恋』で直木賞を受賞。恋愛や心理サスペンスを得意とし、多くの文学賞に輝く実力派作家です。人間心理を鋭く描く筆致が魅力です。 ※丁寧な梱包を心がけております。簡易包装ですが、防水・緩衝材で保護してお届けいたします。
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銀河鉄道の夜(新潮文庫) 宮沢賢治
¥50
SOLD OUT
【非常に良い】(非常に良い/良好/並) 2020/8/15発行(74版) 星空を見上げながら、「誰かの幸せをそっと願いたいな」と思ったこと、ありませんか? 宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』は、そんな夜に寄り添ってくれる一冊です。 物語は、孤独な少年ジョバンニが、親友カムパネルラと銀河を走る幻想的な列車に乗るところから始まります。旅の中で出会うさまざまな乗客とのやりとりを通して、「誰かのために生きること」や「本当の幸せとは何か」を、静かに、そして深く問いかけてくれるんです。 読み終えたあと、心にふわりと残るのは、他者を思いやるやさしさ。そして、寂しさの中にも確かな光を感じられるような、不思議な温かさなんですよね。 私自身、この本を読むたびに「本には、こんなふうに心を癒し、気づきをくれる力があるんだ」と実感します。 もし今、ほんの少しでも心が疲れていたら──この物語を、そっと手に取ってみてくださいね。 <宮沢賢治について> 宮沢賢治(1896〜1933)は岩手県花巻市出身の詩人・童話作家です。盛岡高等農林学校を卒業後、教師や農業指導者としても活動し、「羅須地人協会」を設立しました。法華経の信仰が作品に強く影響し、生前は『春と修羅』『注文の多い料理店』の2冊のみ出版。『銀河鉄道の夜』『雨ニモマケズ』などは没後に評価され、日本を代表する作家となりました。 ※丁寧な梱包を心がけております。簡易包装ですが、防水・緩衝材で保護してお届けいたします。
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あなたの正しさと、僕のセツナさ(講談社) 三輪太郎
¥380
良好(非常に良い/良好/並) ≪初版≫ 2010/6/15発行 ISBN9784062766791 「正しさ」と「切なさ」――誰もが一度は胸に抱くこの問いに、あなたはどう向き合いますか? 1985年、バブルの熱気に沸く東京。株のディーラーとして駆け抜けた「ぼく」が追い続けたのは、永遠のライバル・修一の背中でした。しかし、運命の日を境に彼は姿を消し、カンボジアへと旅立ってしまいます。 何を求めて――何を確かめたくて――彼は命を懸けたのか。 その答えを探して「ぼく」もまた、歴史に刻まれた痛みの地へ向かいます。 この本を閉じたとき、わたしは束の間、深呼吸しました。すぐには言葉にできないほど、胸の奥がざわついて。 「正しさ」ってなんだろう……そんな問いが、静かに心に残ります。 迷いや葛藤を抱えるあなたにこそ、そっと手に取ってほしい一冊です。どうぞ、あなた自身の答えを探してみてくださいね。 <三輪太郎さんについて> 三輪太郎さん(1962年生)は名古屋市出身の小説家・文芸評論家。三島由紀夫と村上春樹研究を専門とし、東海大学教授として教育・執筆に携わる。小説・評論で多数受賞歴を持つ現代文学の第一人者です。 ※丁寧な梱包を心がけております。簡易包装ですが、防水・緩衝材で保護してお届けいたします。
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私という小説家の作り方(新潮文庫) 大江健三郎
¥330
良好(非常に良い/良好/並) 2版 2006/11/10発行 表紙折れアリ ISBN4101126216 「小説家はどうやって“私”をつくるのか――」 そんな問いかけに、思わず自分のことを重ねてしまいました。『私という小説家の作り方』は、大江健三郎さんが、自らの創作の秘密や葛藤を静かに語る十章の自伝です。幼い頃の記憶、家族との日々、詩や神話、恩師の言葉……ひとつひとつの出会いが「小説家・大江健三郎」を育てていく姿に、私は心を掴まれてしまいました。物語を紡ぐことは、自分を探し続ける旅なのだと、あらためて気づかされます。誰かの言葉に励まされ、読み重ねた一冊一冊が、やがて「私」をつくっていく。その大切さを、そっと思い出させてくれる本です。 自分の物語を見つめ直したくなったら、ぜひ気軽に開いてみてくださいね。 <大江健三郎さんについて> 大江健三郎さん(1935-2023)は愛媛県生まれの小説家です。東大在学中に文壇デビューし、『飼育』で芥川賞を受賞。戦後日本や社会問題を見つめ続け、『万延元年のフットボール』など多くの話題作を発表しました。1994年にはノーベル文学賞を受賞。日本文学を世界に広げた作家として、多くの読者に影響を与え続けました。 ※丁寧な梱包を心がけております。簡易包装ですが、防水・緩衝材で保護してお届けいたします。
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阪急電車(幻冬舎) 有川浩
¥500
非常に良い(非常に良い/良好/並) 51版 2018/4/20発行 ISBN9784344415133 阪急今津線を舞台に、片道わずか15分の電車の中で、誰もが心に抱える小さな悩みや孤独が、思いがけないやさしさと出会う――そんな物語です。 元カレの結婚式に複雑な思いを抱えるOLの翔子、DV彼氏との関係に悩む女子大生のミサ、ママ友との付き合いに疲れを感じる主婦の康江……。それぞれが抱える心のもやもやが、同じ車両で交わされるささやかな言葉や仕草によって、少しずつ変わっていきます。全16話を通して描かれるのは、「他人の優しさが連鎖する瞬間」のあたたかさ。 たった14分の乗車時間でも、人は誰かの人生のきっかけになれる。そんな気づきが、ふっと胸に残ります。悩みや孤独は、誰もがひそかに抱えているものなのだと、そっと教えてくれるこの本。何気ない日常の出会いや景色が、こんなにも尊いものだったのかと、読み終えたあとに優しい視点が心に芽生えるかもしれません。 もし、今ちょっと人間関係に疲れていたり、誰かの言葉に救われたことがあるなら―― あるいは、通勤電車の中でふと「この人にも物語があるのかな」と想像したことがあるなら―― きっとこの本は、あなたの心の片隅に静かに寄り添ってくれます。 今日の帰り道、いつもの電車の中で、ちょっとだけまわりを見渡してみませんか? この一冊が、その景色にそっと物語を灯してくれるかもしれません。 <有川ひろさんについて> 有川ひろさん(旧名・有川浩)は高知県出身の作家。2003年『塩の街』でデビュー。『図書館戦争』『阪急電車』などで人気を博す。「有川」は書店で棚の前方に並ぶように「あ」行を意識してつけられたペンネーム。 ※丁寧な梱包を心がけております。簡易包装ですが、防水・緩衝材で保護してお届けいたします。
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ぼくの大好きな青髭(中公文庫) 庄司薫
¥1,340
並(非常に良い/良好/並) 改版発行 2002/10/10発行 ISBN4122041031 経年のヤケあり、表紙に折り目あり、読むには問題ありません。 「大人になるって、こんなにも不安で、こんなにも不条理なことだったんですね。」…そんな言葉がふと胸に浮かんだ方へ、お届けしたい一冊があります。 それが、庄司薫さんの『ぼくの大好きな青髭』。 この作品は、自伝的四部作の最終章にあたる物語で、1969年、アポロ11号が月に向かった日、新宿の紀伊國屋書店を舞台に始まります。 高校時代の友人の自殺未遂をきっかけに、主人公「ぼく」は謎めいた人物「青髭」や、得体の知れない組織の存在を知り、その真相を追って新宿の街をさまようことになるのです。 ただの青春ミステリー…ではありません。夢や情熱に満ちていたはずの若者たちが、大人たちの都合や社会の仕組みによって、少しずつ形を失っていく姿。その過程で「ぼく」が感じる虚しさや怒り、そしてほんの少しの希望が、読む人の心にも静かに波紋のように広がっていきます。 もし今、あなたが「自分は何者なんだろう」と迷っていたり、「夢を持っていいのかな」と立ち止まっているなら、この本はきっと、あなたの心にそっと寄り添ってくれるはずです。 それは、50年以上も前に描かれた物語なのに、まるで今の私たちの胸の内をそのまま映しているような、不思議な感覚。 村上春樹さんの世界観がお好きな方や、1960年代の若者文化に興味のある方にもおすすめです。 青春の痛みと輝きが交差する物語に、きっと共感し、少しだけ前を向ける勇気をもらえる…そんな一冊です。 庄司薫さんによる青春小説四部作の完結編となっていますので、気になる方は、どうぞこの本を手に取ってみてくださいね。 静かな夜のお供に、そっとページをめくってみると、きっと何かがあなたの中で動き出すはずです。 <庄司薫さんについて> 庄司薫さん(本名:福田章二)は1937年生まれ。三省堂専務の息子として生まれ、幼い頃から文学に親しみました。東京大学在学中に作家デビューし、1969年『赤頭巾ちゃん気をつけて』で芥川賞を受賞。青春小説四部作で戦後の若者像を描きました。 ※丁寧な梱包を心がけております。簡易包装ですが、防水・緩衝材で保護してお届けいたします。
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三匹の蟹(講談社文庫) 大庭みな子
¥1,100
並(非常に良い/良好/並) 第5版 2003/4/21発行 ISBN4061961756 表紙に経年による汚れやヤケ、シミが見られますが、全体的に良好な状態です。 「日常がふと、息苦しく感じられることはありませんか」――そんなとき、ふと手に取っていただきたい一冊があります。 講談社文庫の『三匹の蟹・青い落葉』は、アラスカに暮らす主婦・由梨が人とのつながりに疲れ、静かに現実から逃げ出す姿を描いた短編「三匹の蟹」をはじめ、異文化の中で自我を見つめ直す物語が丁寧に綴られた全7編の短編集なんです。 火草を燃やす母系部族、舟の中で起きた浸水事故など、どれもが日常と非現実のはざまで揺れる人間のこころを、乾いた詩のような文体でそっと描き出していきます。 華やかなパーティーや穏やかな家庭の奥にある孤独や虚しさ、そして文化の違いの中で感じる戸惑いと発見…ページをめくるたびに、胸の奥の静かな場所が震えるような読書体験が待っています。 人間関係に少し疲れてしまったとき、自分を見失いそうになったとき、この本はきっと、何かに気づかせてくれるかもしれません。 1970年代に女性作家が紡いだ繊細な感性と、異文化のリアリティが響き合う物語世界へ、どうぞ足を踏み入れてみてください。 <大庭みな子さんについて> 大庭みな子さん(1930–2007)は東京生まれの作家。アラスカ滞在を基に描いた短編「三匹の蟹」で芥川賞を受賞しデビュー。古典翻案や異文化を主題に多彩な作品を残し、芥川賞初の女性選考委員も務めました。
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愛の生活(新潮文庫) 金井美恵子
¥890
≪初版≫ 1973/11/30発行 古書のため経年劣化によるヤケあり(天、小口、地) 金井美恵子さんの『愛の生活』は、日常の中にひそむ微妙な感情や愛のかたちを、まるで静かな息づかいのように描いた一冊です。 大学教師の夫Fと、少しだけ仕事をしながら小説を書いている「わたし」の、どこにでもありそうな日々。 でも、実はその中には「私はFをどんなふうに愛しているのか?」という問いがずっと浮かんでいます。この本を手に取ると、あたなも自分の中で何かしらの「愛」の形に気づくかもしれません。 読んでいくうちに、きっと心が少し軽くなり、愛や人とのつながりについて思いを巡らせたくなります。そして、金井さんの繊細で深い筆致に触れることで、日常の細かな感情をもっと大切にしたいと思えるかもしれません。 こんなふうに静かに心に響く本を探している方には、ぜひおすすめしたい一冊です。 <金井美恵子さんについて> 金井美恵子さんは1967年、19歳の時にの処女作『愛の生活』が太宰治賞候補となり、雑誌に掲載されたこの作品で注目を受けてデビューするという、非常に若くして幸福な出発をした作家であります。 詩人としても功名高く、現代詩手帖賞を受賞されています。
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肉体の学校(ちくま文庫) 三島由紀夫
¥510
良好(非常に良い/良好/並) 10版 2015/9/5発行 ISBN4480026304 この本は、少し複雑で心に残るお話です。 裕福で自立した女性と、若い青年の間で交わされる愛と欲望の物語。年齢や立場、社会的な背景が違う二人がどう関わり合っていくのか、その駆け引きが心を引きます。三島由紀夫の独特な視点で、経済力や性的な自由、ジェンダーの問題を静かに問いかけてくるところが、どこか不思議な感覚を与えてくれるんですよね。 私はこの本を読むたびに、少し不安になることもありますが、同時に自分の中で何かが少しずつ解けていくような、そんな気持ちになります。愛や欲望、そして人間関係の複雑さを、三島の精緻な文章で感じることができます。自分の中で何か新しい気づきが生まれるような、そんな気持ちになれる一冊です。 私のように、日々の小さな悩みや迷いの中で、自分を見つめ直したいと思う方には、この本がきっと心に響くと思います。もし、少しでも気になったら、ぜひ手に取ってみてくださいね。きっと、新しい発見があるはずです。 <三島由紀夫について> 三島由紀夫(本名:平岡公威)は、1925年東京生まれの作家で、代表作に『金閣寺』『潮騒』『豊饒の海』があります。東京大学卒業後、大蔵省に勤務するも退職し、作家活動に専念。政治的活動も活発で、1970年に自衛隊駐屯地で割腹自殺を遂げました。
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「雨の木」を聴く女たち (新潮文庫) 大江健三郎
¥510
良好(非常に良い/良好/並) 16版 2002/9/5発行 ISBN4101126151 表紙に経年のスレあり。他はきれいな状態です。 「何か心に残る物語を読みたいな」と思ったとき、この本をおすすめします! 大江健三郎の『「雨の木」を聴く女たち』は、5つの短編からなる連作小説集。 「僕」という語り手の視点を通して、人々の孤独や心の奥深くにある思いが、静かに、でも確かに描かれています。舞台はハワイやメキシコなどの異国の地。そこには、死を見つめる人や、誰かとのつながりを求める人たちがいます。 物語全体に流れる「雨の木」の存在が、どこか寂しく、けれど穏やかに心に響いてくるのです。人生のなかで感じる苦しみや希望にそっと寄り添い、「人とは?」「生きるとは?」と、ふと考えさせられるような作品なんです。 大江健三郎の作品は少し難しい印象があるかもしれません。でも、この短編集は比較的入りやすく、彼の文学の世界に触れてみたい方にもおすすめです。読後には、まるで「雨の木」が静かに滴を落とし続けるように、物語の余韻が心に残るんじゃないでしょうか。 ぜひ、静かに心に沁み込むこの一冊を、ゆっくり味わってみてくださいね。 <大江健三郎さんについて> 大江健三郎(1935-2023)さんは、戦後日本を代表する作家。東京大学卒業後、「飼育」で芥川賞を受賞。『万延元年のフットボール』など社会的・哲学的テーマを描き、1994年にノーベル文学賞受賞。晩年まで執筆を続けた。
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むかし女がいた(新潮文庫) 大庭みな子
¥410
良好(非常に良い/良好/並) 初版 1998/3/1発行 ISBN4101344124 経年劣化、ヤケ、ムレ、少シミ汚れあり。 『むかし女がいた』という本は、28篇の短編から成る、心に深く残る作品集です。すべての物語が「むかし女がいた」という言葉で始まりますが、どの話も女性たちのさまざまな生き様を描いています。 例えば、戦争を生き抜いた女性、愛人関係に悩む女性、母性や女性性に向き合わせられる女性…。その一つひとつが、彼女たちの強さや弱さ、優しさや痛みを織り交ぜながら、優しく、時には少し切ない形で描かれています。 もし、この本を読んでみたなら、きっと感じることがあると思います。 それは、「女性ってこんなにいろんな面を持っているんだな」と感じられること。それぞれの女性たちがどんな風に生き、どう考えているのかを知ることで、自分自身や周りの人々にも少し優しくなれるような気がするんです。 私がこの本を手にしたときも、過去の女性たちの生き様に触れることで、現代の自分と向き合う気持ちが少しだけ楽になったというか、何だか心が軽くなったような気がしました。 大庭みな子さんの書く言葉には、どうしても引き込まれてしまう不思議な力があるんですよね。少し詩的で、でもとても深い意味が込められているから、何度も読み返したくなるんです。 この本には、女性の持つ多面性や人間性がテーマになっているので、普段考えないようなことや、気づかなかった自分の一面に気づけるかもしれません。どんな形であれ、この本が心の中で何か大切なものを思い出させてくれる、そんな素敵な本だと思います。 もし、あなたも少し立ち止まって自分や周りのことを見つめ直してみたいなと思うのであれば、ぜひ『むかし女がいた』を読んでみてください。きっとあなたの心に何かを残してくれるはずです。 <大庭みな子さんについて> 大庭みな子(1930年-2007年)さんは、東京生まれの小説家で、アラスカ時代に文学デビュー。1968年に『三匹の蟹』で芥川賞を受賞。帰国後も多くの作品を発表し、女流文学賞、谷崎潤一郎賞などを受賞。晩年は脳梗塞により筆記が困難となりながらも執筆を続け、腎不全のため76歳で逝去。
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イエスの生涯(新潮文庫) 遠藤周作
¥480
非常に良い(非常に良い/良好/並) 77版 2024/7/15発行 ISBN4101123165 遠藤周作さんの『イエスの生涯』は、神の子としてではなく、一人の人間としてのイエスを描いた作品です。誤解され、嘲られ、迷いながらも、それでも「愛」と「同苦」を説き続けたイエスの姿に、思わず胸が締めつけられます。 宗教に詳しくなくても、遠藤周作のやわらかな語り口がすっと心に染み込みます。人間の弱さや信じることの意味を、そっと問いかけてくるような一冊です。 読み終えたあと、弱さを抱えながらも、誰かの痛みに寄り添うことの大切さに気づかされるかもしれません。 読書の時間が、そっと心に寄り添ってくれることがあります。この本も、きっとあなたのそばで、静かに語りかけてくれるはず。ぜひ、手に取ってみてくださいね。 <遠藤周作さんについて> 遠藤周作(1923-1996)は、日本の小説家。11歳でカトリックの洗礼を受け、慶應義塾大学卒業後、フランス留学。1955年「白い人」で芥川賞受賞。『沈黙』『海と毒薬』などキリスト教をテーマに執筆。晩年は文化勲章を受章。
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宰相A(新潮文庫) 田中慎弥
¥420
非常に良い(非常に良い/良好/並) ≪初版≫ 2017/12/1 発行 ISBN4101334844 『宰相A』(田中慎弥)は、読んでいるうちに、じわりと背筋が冷たくなるような物語です。 主人公Tが故郷に戻ると、そこはまったく別の「日本」になっていました。白人が支配し、日本人は「旧日本人」と呼ばれ、特別な区域に押し込められている――そんな異様な世界で、Tは「伝説の救国者」として翻弄されていきます。 現実とは違うはずなのに、どこか今の社会ともつながっているような感覚。 読んでいるうちに、「もし自分がこの世界にいたら?」と考えずにはいられません。田中慎弥さんの鋭い筆致が、権力と人間の本質を浮かび上がらせています。 読後、胸の奥に何かざらりとしたものが残るような、そんな一冊です。 <田中慎弥さんについて> 田中慎弥(1972年生)さんは山口県出身の小説家。2005年『冷たい水の羊』で新潮新人賞を受賞しデビュー。2012年『共喰い』で芥川賞を受賞。『蛹』で川端康成文学賞と三島由紀夫賞を同時受賞するなど、鋭い社会批評と独自の作風で高く評価されている。
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ほとけの心は妻ごころ(角川文庫) 田辺聖子
¥480
良好(非常に良い/良好/並) 改版初版 2020/7/25 発行 ISBN4041096772 『ほとけの心は妻ごころ』は、田辺聖子さんが描く、昭和の夫婦の物語を集めた短編集です。登場する夫たちは、まあ、正直なところ「ろくでもない」と言いたくなるような人ばかり。でも、妻たちはそんな夫を切り捨てるでもなく、呆れながらも、どこか諦めと愛情が入り混じったまなざしで寄り添っています。 たとえば、美男子を気取る夫に「美しさなんて、見慣れるものよ」と静かに悟る妻の話。ワガママでどうしようもない夫を、それでも見捨てきれない妻の心の揺れ。どの物語も、思わず「わかるなあ」と頷きたくなるような、夫婦の機微を見事に描いています。 田辺聖子さんの語り口は、ユーモアがあって、読んでいると気持ちがほぐれてくるんです。 夫婦だけでなく、人と人との関係って、完璧じゃなくてもいいんだな、と思わせてくれる。大切なのは、相手の「どうしようもなさ」を、少し肩の力を抜いて受け止めることなのかもしれません。 結婚している方も、そうでない方も、「ああ、こういうことってあるよね」と共感しながら楽しめる一冊です。肩肘張らずに、くすっと笑いながら読んでみてくださいね。 <田辺聖子さんについて> 田辺聖子(1928-2019年)さんは大阪出身の作家。『感傷旅行』で芥川賞受賞後、多くの文学賞を受賞し、紫綬褒章や文化勲章も受章。ユーモアあふれる文体と古典文学への造詣で知られ、小説やエッセイ、古典の現代語訳を手がけた。
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欲望 (新潮文庫) 小池真理子
¥50
SOLD OUT
良好(非常に良い/良好/並) 初版 2000/4/1 発行 ISBN410144014 ◆1998年 第5回 島清恋愛文学賞受賞作品 『欲望』は、小池真理子さんが描く、心と体のすれ違いが切なく響く物語です。 主人公・類子は、満たされぬ想いを抱えながらも、正巳という青年に心惹かれていきます。愛とは何か?欲望とは何か?を静かに問いかけられるような一冊です。 島清恋愛文学賞受賞作の美しい文章に浸りながら、自分の心の奥をそっと見つめてみませんか? <小池真理子さんについて> 小池真理子さん(1952年生まれ)は、出版社勤務を経て、1978年にエッセイスト、1985年に小説家としてデビュー。恋愛小説やミステリーで活躍し、直木賞など数々の文学賞を受賞。軽井沢在住。