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膝小僧の神様(新潮社) 群ようこ
¥760
良好(非常に良い/良好/並) 初版 1993/2/15発行 ハードカバー ISBN4103674040 『膝小僧の神様』は、群ようこさんが描く、小学校時代の純粋で切ない思い出を綴った小説集です。登場人物たちの小さな冒険や恋愛、友情の中には、私たちが忘れがちな感情や成長の瞬間がしっかりと息づいています。 読み進めるうちに、あの頃の自分と再会し、心が温かくなるのを感じます。 少し疲れた心に寄り添いながら、新しい気づきや優しさを届けてくれる一冊。 過去の自分と向き合いたい方にぴったりです。ぜひ、あなたの心にも届きますように。 <群ようこ さんについて> 群ようこ(本名:木原ひろみ)さんは1954年生まれの日本の作家・随筆家。日本大学芸術学部卒業後、6回の転職を経て1978年に本の雑誌社に入社。1984年に『午前零時の玄米パン』で作家デビュー。以後フリー作家として活動を続け、『かもめ食堂』などが代表作です。
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二百回忌(新潮社) 笙野頼子
¥780
良好(非常に良い/良好/並) 初版 1994/5/25発行 ハードカバー ISBN4103976012 『二百回忌』という本を手に取った時、きっとあなたも感じると思います。どこか不思議で、ちょっと怖いけれど、何だか引き寄せられるような魅力がある本だなと。 この本は、ある一族が二百年を経て再び集まる奇想天外な物語。祖先が蘇り、奇妙な親族たちと交わることで、家族や時間、社会についての深い問いを投げかけてきます。 私もこの本を読んで、ただの物語以上のものを感じました。現実と幻想が交わることで、いつもの考え方や価値観がふっと崩れて、新しい視点を得られる感覚がありました。社会や家族の在り方についても、改めて考えさせられました。どこかで“普通”を求めがちな私たちですが、ちょっと立ち止まって、自分を問い直すような、そんな本だと思います。 普通の物語では味わえないような、不思議で深い感覚。ちょっとした衝撃とともに、心に残る問いを投げかけられることでしょう。笙野頼子さんの描く、独特の世界に触れてみることで、日常に少しだけ新しい風が吹くような気がするんです。 もし、心が少し揺れるような物語を求めているのなら、ぜひ手に取ってみてください。『二百回忌』が、あなたにとっても大切な一冊になるかもしれませんよ。 <笙野頼子さんについて> 笙野頼子(本名:市川頼子)さんは1956年生まれの日本の小説家。立命館大学卒業後、1981年に『極楽』で文壇デビューし、数々の文学賞を受賞。特に『二百回忌』や『タイムスリップ・コンビナート』などが代表作。私小説と幻想小説を融合させた独自の作風で、文学界に強い影響を与えています。
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贅沢貧乏(新潮社) 森芽莉
¥50
SOLD OUT
良好(非常に良い/良好/並) 15版 1995/9/15発行 ハードカバー ISBN4103215038 函背ヤケ、シミあり 『贅沢貧乏』、森芽莉さんのこの作品には、私も心から共感してしまいました。日々、生活が苦しくても、心の中で「贅沢」を大切にして生きようとする主人公・牟礼魔利の姿に、あたたかさを感じるんです。 牟礼魔利は経済的には困窮しているけれど、日常の中で美しいものを見つけたり、ちょっとした工夫で生活を贅沢に変えていこうとする力強さを持っているんです。 牟礼魔利が下北沢の小さなアパートで、愛猫とともに暮らすその姿を想像するだけで、なんだか心がほっとするんですよね。物質的な贅沢ではなく、精神的な贅沢を追い求めるその心意気が、私たちにもとても大切だということを気づかせてくれるんです。 読んでいるうちに、私たちの日常でも少しの工夫や思い込みで、もっと心豊かに生きられるんじゃないかと思わせてくれる一冊です。この本を読むと、無理に豪華なものを求めなくても、日々の生活にこそ本当の贅沢があるんだな、と思えるようになります。 私も、この本に出会えてから、少しだけ贅沢な気分を味わっています。日常の中で、ちょっとした美しいものを見つけては心が温かくなる。そんな気持ちが、まさに「贅沢」だと思うんです。 もし、今あなたが少し疲れた気持ちでいるなら、この本がきっと心を癒してくれると思います。心の豊かさを大切にしたいと思っている方に、ぜひおすすめしたい一冊です。 <森芽莉さんについて> 森茉莉(1903年1月7日 - 1987年6月6日)は、日本の小説家・エッセイストで、森鷗外の長女として生まれました。50歳を過ぎて本格的に文学活動を開始し、代表作に『贅沢貧乏』や『恋人たちの森』があります。彼女の作品は耽美的で幻想的な世界観を持ち、精神的な贅沢を重視しました。晩年は東京都世田谷区で一人暮らし、1987年に心不全で亡くなりました。
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花月幻想(立風書房) 稲垣足穂
¥3,000
良好(非常に良い/良好/並) 初版 1994/3/20発行 ハードカバー ISBN4651680089 背表紙ヤケ 『花月幻想』は、天狗に攫われた少年・花月と、彼の父親が清水寺の桜の下で再会するという幻想的な物語です。足穂は、この物語を通じて、花月が天狗に連れられて日本の山々を飛ぶ体験を青いフィルムで映像化したいと考えていました。この作品は、まるで夢の中を彷徨うような感覚に陥る、不思議で美しい世界が広がっています。 現実と幻想の境界が曖昧になり、花月の飛翔を通じて、足穂は天体や飛行への憧れを巧みに表現しています。花月が天狗に連れられて飛ぶシーンは、ただの冒険にとどまらず、自由への憧れや無限の可能性を象徴しているように感じます。その中で浮かび上がるのは、人間の内面や心の中に秘めた望み、そしてその叶わぬ思いです。 この物語は、読むたびに新たな解釈を生む多層的な魅力を持っています。少年愛や美の儚さ、そして複雑な父子関係に触れ、足穂は人間の深層を描き出しています。また、三島由紀夫をはじめとする作家たちにも大きな影響を与え、日本文学史において重要な位置を占める作品と言えるでしょう。 もしまだ『花月幻想』に触れたことがなければ、ぜひその幻想的な世界を一度体験してみてください。足穂さんが描く夢のような物語が、心に残る深い印象を与えてくれると思います。 <稲垣足穂について> 稲垣足穂(1900年生まれ)は、モダニズム文学の作家で、飛行願望やエロティシズムをテーマにした作品を多く発表しました。代表作に『一千一秒物語』や『少年愛の美学』があります。晩年に再評価され、1969年に『稲垣足穂大全』が刊行されました。1977年10月25日、京都市東山区の京都第一赤十字病院で結腸がんと急性肺炎により76歳で死去しました。
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春の庭(文藝春秋) 柴崎友香
¥870
良好(非常に良い/良好/並) ≪初版≫ 2018/9/1 発行 ISBN4163901015 ◆2014年 第151回芥川賞受賞作品 『春の庭』は、静かな時間の中で、ふと心を揺らすような物語です。取り壊しが決まった古いアパートに暮らす太郎と、隣の「水色の家」に心惹かれる西。二人がその家の記憶をたどるうちに、過去と現在がゆるやかにつながっていきます。 この小説には、大きな事件は起こりません。でも、その分、登場人物それぞれの視点で世界を見つめるやわらかな時間が流れています。読んでいると、自分自身の記憶や感情と自然に重なり、「これはわたしの物語かもしれない」と感じる瞬間があるかもしれません。 何気ない日常の中にも、気づかなかった物語がそっと潜んでいる、そんなことを教えてくれる一冊です。いつもの景色を、もう少し丁寧に眺めたくなるような本なので、ゆっくりとページをめくりながら、楽しい読書時間を過ごしてくださいね。 <柴崎友香さんについて> 柴崎友香(1973年生)さんは大阪府出身の小説家。1999年に作家デビューし、『きょうのできごと』が映画化。『その街の今は』で織田作之助賞大賞などを受賞。2014年『春の庭』で芥川賞受賞。2024年には『続きと始まり』で谷崎潤一郎賞などを受賞。
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軽いめまい(講談社) 金井美恵子
¥2,500
非常に良い(非常に良い/良好/並) 初版 1997/4/8 発行 ISBN4062043084 金井美恵子の『軽いめまい』(講談社)は、何気ない日常の中にふっと忍び込む違和感を繊細に描いた物語。 専業主婦の夏実が感じる「軽いめまい」は、どこか他人事ではなく、私たちの心にもそっと寄り添ってくるんです。満たされているはずなのに、ふとした瞬間に揺らぐ気持ち、そんな経験のある方には、きっと響く一冊。 2023年には英訳され、ニューヨークタイムズやアトランティック誌でも書評されるなど、国際的にも高く評価されています。 静かに、でも確かに心の奥を揺さぶるこの物語を、ぜひ味わってみませんか? <金井美恵子について> 金井美恵子(1947年生)は、高校卒業後、作家活動を開始し、1967年『愛の生活』で文壇デビュー。『タマや』で女流文学賞受賞など、多くの作品を発表。映画評論や対談集も手がけ、東京・目白で姉と暮らしている。
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個人的な体験 純文学書下ろし特別作品(新潮社) 大江健三郎
¥1,350
並(非常に良い/良好/並) ハードカバー 13版 1969/9/30発行 函・帯あり。経年による函背、天、地ヤケ・シミあり。 書籍自体は良好 『個人的な体験 純文学書下ろし特別作品』(新潮社)は、大江健三郎が自身の経験をもとに描いた、深い葛藤と再生の物語。 障害を持つ息子の誕生に揺れる主人公の心が、まるで自分のことのように響いてくるんです。人生の選択に迷うとき、そっと寄り添ってくれる一冊。 言葉の一つひとつが胸に残る、純文学ならではの味わい深さを感じてみませんか? ゆっくりと、この物語の世界に浸ってみてくださいね。 <大江健三郎さんについて> 大江健三郎さん(1935-2023)は愛媛県生まれの作家。東京大学卒業後、「飼育」で芥川賞を受賞。代表作に「個人的な体験」「万延元年のフットボール」など。1994年にノーベル文学賞を受賞し、日本文学に大きな影響を与えました。
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palmstories あなた(palmbooks) 津村記久子・岡田利規・町田康・又吉直樹・大崎清夏
¥1,280
非常に良い(非常に良い/良好/並) 初版 2023/8/30発行 ハードカバー 寸法 : 11 x 2 x 13.7 cm (てのひらサイズです) ISBN9784910976013 『palmstories あなた』は、津村記久子さんや岡田利規さん、町田康さん、又吉直樹さん、大崎清夏さんなど、5人の作家が紡いだ短編小説の集まりです。 それぞれの作品が、日常のちょっとした瞬間に感じる感情や人との繋がりを優しく描いています。 特に「あなた」というテーマを通して、心の中で大切なものを改めて見つめることができるかもしれません。どこかで誰かと繋がっている感覚を感じたくなったとき、ふっと手に取ってみたくなる一冊だと思います。私も読んで、心があたたかくなりました。 あなたにも、きっと素敵な発見があるはずです。どうぞ手に取ってみてくださいね。 ・津村記久子『六階を見習って』:閉店間近の生活雑貨店への感謝を綴る物語 ・岡田利規『一月、生暖かい月曜日の午後のこと』:些細な出来事から忘れがたい印象を得る瞬間を描く物語 ・町田康『言ひ譯』:物書きが編集者に作品が書けない言い訳をする中で展開する物語 ・又吉直樹『行列』:新しい街で不思議な行列に並ぶ「あなた」の体験 ・大崎清夏『眼鏡のバレリーナのために』:恋人との別れを機に隣人の存在に気づく物語
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恋愛論(太田出版) 竹久夢二
¥690
並(非常に良い/良好/並) ≪初版≫ 1993/7/30 発行 ハードカバー ISBN4872331281 竹久夢二の『恋愛論』は、彼の恋愛遍歴を通じて芸術に対する深い思いが描かれている一冊。 特に、竹久夢二の心情が詩となって表現されている部分が切なく響いてくるようです。 竹久夢二の愛の形や悲しみが詩に込められていて、それが彼の絵画にどう影響したのかを知ることができるんですよね。 私はこの本を読んでみて、恋愛と創作が繋がる不思議な感覚に触れ、じんわり心が温かくなりました。 もし、あなたも心に響く一冊を探しているなら、この本はきっと心に残るんじゃないかと思えます。 <竹久夢二について> 竹久夢二(本名:竹久茂次郎「たけひさ もじろう」)は1884年、岡山県に生まれました。17歳で上京し、画家としての道を歩み始め、1905年に「夢二」の名で活動を開始。1914年には和装小物店「港屋」を開店し、絵画だけでなく詩や小説も手掛けました。大正ロマンを代表する画家として、独自の美人画で人気を博し、1934年に49歳で亡くなりました。
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影裏(文藝春秋) 沼田真佑
¥420
良好(非常に良い/良好/並) 2版 2017/8/1発行 ハードカバー ISBN9784163907284C0093 『影裏』は、沼田真佑 さんのデビュー作であり、第157回芥川賞を受賞した素晴らしい小説。物語は、東日本大震災後の日本を背景に、主人公の今野が唯一の友人・日浅とのつながりを通して、喪失や孤独、人間関係の複雑さに向き合っていく様子を描いているんです。 読んでいると、時折自分自身の過去や心の中にしまい込んだ感情がふわりと浮かび上がり、胸が温かくなることがあります。 静かな文体ですが、その中に秘められた強さや深さが感じられるので、ズシンと心に残ります。 もしかしたら、あなたもこの本を読んで、心の中の何かが少しだけ動くのかもしれません。言葉の力を感じられる『影裏』、ぜひ手に取ってみてくださいね。 <沼田真佑さんについて> 沼田真佑(ぬまた しんすけ)さん(1978年生まれ、北海道小樽市)は、福岡大学附属大濠高校卒業後、西南学院大学商学部を卒業。2017年、デビュー作『影裏』で第122回文學界新人賞、第157回芥川賞を受賞。岩手県盛岡市在住で、独特の澄んだ文体と深い人間描写で注目されています。
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大庭みな子の雨月物語<わたしの古典19>(集英社) 大庭みな子
¥760
良好(非常に良い/良好/並) ハードカバー ≪初版≫ 1987/6/24 発行 ISBN4081630194C1393 表紙に経年のヤケあり 大庭みな子さんの『雨月物語<わたしの古典19>』は、上田秋成の幻想的な物語を、大庭みな子さんのやさしく繊細なまなざしで読み解いた一冊です。 幽霊や妖しいものたちが登場するけれど、そこにはどこか哀しみや切なさがあって、心の奥にしっとりと染み込んできます。孤独や想いのすれ違い、そんな気持ちに寄り添う物語たち。 今の自分に重なると感じたら、そっと手に取ってみてください。 古典の世界が、静かに心を包んでくれるかもしれませんよ。 <大庭みな子さんについて> 大庭みな子さん(1930-2007)は東京生まれの作家。敗戦を広島で経験し、津田塾大学卒業後、アラスカでの生活を経て作家に。『三匹の蟹』で芥川賞受賞。『津田梅子』などで高評価を得る。芥川賞選考委員を務め、日本文学に大きな足跡を残しました。
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その姿の消し方(新潮社) 堀江敏幸
¥50
SOLD OUT
【良好】(非常に良い/良好/並) 表紙にスレあり。他は至極良好。 ソフトカバー ≪3版≫2016/11/25発行 第69回野間文芸賞受賞作品 『その姿の消し方』は、堀江敏幸さんが描く記憶と不在をテーマにした静かな物語です。 主人公の「私」がフランスの古物市で見つけた一枚の絵はがき。 その消印と詩が導く探索の旅は、数十年にわたり、様々な出会いや別れを通じて進みます。 主人公の内面の変化とともに、不在が持つ意味や時間の流れの中で変わる解釈に気づかされます。 この本は、失われたものや出会いの価値をそっと教えてくれるんです。そして、今ここにある人や出来事を大切にする気持ちをそっと育んでくれる一冊です。
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犬と私 (三月書房) 江藤淳
¥800
良好(非常に良い/良好/並) 新装版初版 1999/10/15発行 ハードカバー 表紙にシミあり 『犬と私』は、3匹のコッカー・スパニエルとの24年にわたる暮らしを描いた心温まるエッセイ集です。 子供がいなかった江藤夫妻が「家族」として迎えた犬たちとの日々には、喜びも悲しみも詰まっています。 著者特有の繊細な観察と、妻・慶子さんの挿絵が、物語に優しい温かみを添えています。犬好きな方も、そうでない方も、動物と人の絆の深さを感じられる一冊です。 読めば、日々の小さな幸せの大切さに気づけるかもしれません。 「犬と私」で、愛情豊かな時間を見つけてみませんか? <江藤淳さんについて> 江藤淳さん(本名:江頭淳夫、1932年生まれ)は日本を代表する文芸評論家。慶應義塾大学卒業後、1956年『夏目漱石』で注目され、以降『漱石とその時代』などで数々の賞を受賞。評論を通じて日本文学と戦後社会に大きな影響を与えました。
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恋の絵本(大和書房) 遠藤周作/長尾みのる絵
¥1,350
良好(非常に良い/良好/並) ≪初版≫ 1971/10/25 発行 ハードカバー B6版 「恋」をテーマに、藤周作の文と長尾みのるの絵のコラボレーションという点で、非常に魅力的な価値ある一冊となっています。言葉と絵の力で、大人の恋愛のマナー、喜びや切なさを優しく描き出していますよ。 ページをめくるたびに、心にそっと触れる言葉や絵に出会い、「恋ってこういうものかも」と感じられる瞬間が訪れるかもしれません。本書は、恋愛の楽しさだけでなく、その奥に潜む感情の機微を教えてくれる宝物のような本です。 恋の世界を覗いてみたくなったら、ぜひ手に取ってみてくださいね。 <遠藤周作さんについて> 遠藤周作(1923-1996)さんは、日本を代表する小説家。「海と毒薬」や「沈黙」などで国際的評価を得ました。カトリック信仰と日本文化を融合した作品が特徴で、芥川賞や文化勲章を受賞。「狐狸庵先生」のエッセイでも親しまれました。 <絵:長尾みのるさんについて> 長尾みのる(1929-2016)さんは日本を代表するイラストレーター・装丁家。早稲田大学卒業後、無銭世界一周旅行を経験。帰国後、イラストレーターとして活躍し、独創的な作品で児童文学や出版界に貢献しました。
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本が語ること、語らせること(夕書房) 青木海青子
¥1,540
非常に良い(非常に良い/良好/並) 12.0×17.0cmサイズ(単行本) 初版第三版 2022/8/14 発行 ISBN9784909179081C0095 読書好きさんにおすすめの一冊(エッセイ)です。 著者の青木海青子さんが営む奈良県東吉野の小さな私設図書館。この本では、そこを訪れる人々と本との出会いが丁寧に描かれています。 コロナ禍を背景に、著者が「本を通じて寄り添う」姿勢は、読む人の心にもそっと響くはず。本と人生を結びつける視点が、新しい読書の楽しみ方を教えてくれます。 本が持つ「力」を信じたくなるような、そんな優しいエッセイ。お疲れの日に開いてみたら、きっと心がほぐれるはずです。 「次に読むのは、これかもしれない」と感じたら、どうぞ手に取ってみてくださいね。 <青木海青子さんについて> 青木海青子(あおき・みあこ)さんは、1985年兵庫県生まれの図書館司書。大学図書館で約6年勤務後、2016年に夫と奈良県東吉野村へ移住。自宅を開放した私設図書館「Lucha Libro」を運営し、人文書を中心に本と人をつなぐ活動を行っています。2023年にはエッセイ集『不完全な司書』を出版。長年の経験を活かし、読書の楽しさと新たな視点を提案し続けています。
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生きるための文学(プチグラパブリッシング) 坂口安吾など
¥720
良好(非常に良い/良好/並) ≪初版≫ 2007/3/28 発行 筒函 、帯、ソフトカバー、B6 ISBN9784903267555C0095 本書は、生きることに悩み、その意味を問い続けた作家たちの答えが詰まった珠玉の短編集です。 坂口安吾の瑞々しい若き日々の思索、有島武郎が子どもたちへ託した温かな思い、宮本百合子の生活の中の美への視点…など、どの作品も、読む人の心にそっと触れるものばかりなんですよね。 特に、梶井基次郎の「Kの昇天」や高村光太郎の「智恵子の半生」では、人の心の繊細さと深さを感じ、目頭が熱くなるかもしれないです。私も堀辰雄の「窓」を読んだとき、何気ない日常や景色が、いつもとは違って見えるような気がしました。 日々の忙しさの中で、自分を見つめ直したいとき、ぜひ手に取ってみてくださいね。どの作品も、そっと寄り添ってくれるような温もりがありますよ。 収録作品 ・坂口安吾「風と光と二十の私と」 ・有島武郎「小さき者へ」 ・宮本百合子「生活のなかにある美について」 ・梶井基次郎「Kの昇天」 ・高村光太郎「智恵子の半生」 ・中原中也「亡弟」 ・堀辰雄「窓」
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立原正秋 珠玉短篇集二 辻が花(イディア総合研究所) 立原正秋
¥640
良好(非常に良い/良好/並) ≪初版≫ 1998/4/11 発行 ハードカバー ISBN494412058C0093 天、地、小口に小さなシミあり 表紙(背)ヤケ 読むには問題なく、きれいな状態です。 『辻が花』は短編集の一つで、特に「鎌倉」を舞台にした物語が印象的なんです。 25歳の青年と33歳の人妻が織りなす恋愛模様。聞くだけで少し切ないような気持ちになりますね。 この物語には、不倫というタブーも描かれていますが、その中で見えてくる人間の心の機微や揺れ動く感情がとても繊細で、じんわりと胸に響いてきます。 そして何より、能楽の世界や鎌倉の美しい景色が物語に奥行きを与えていて、日本文学ならではの趣が感じられます。私は、この本を読んで「愛って、こんなにも複雑で、それでも美しいものなんだ」と思いました。 恥ずかしいコメントですが、実際にそんな感じを受けましたよ。 心の中に小さな花を咲かせるような、そんな一冊です。 ゆったりとした時間のお供にいかがですか? <立原正秋さんについて> 立原正秋(1926年1月6日生まれ)さんは、朝鮮生まれの日本の小説家。父親の死後母親とともに日本へ渡り、早稲田大学専門部国文科に在籍するも中退しました。1947年に日本に帰化し、同年「立原正秋」のペンネームで創作活動を開始。「白い罌粟(けし)」で直木賞を受賞するなど、日本の古典文学や能楽に影響を受けた独自の世界観で知られます。編集者としても活躍し、多くの文学者を育成しました。1980年、食道癌で54歳の生涯を閉じました。
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道化の精神(大和出版) 太宰治
¥1,200
良好(非常に良い/良好/並) ハードカバー 新装版初版 1992/6/30発行 ISBN 4804730346 表紙に小さな汚れあり。 太宰治の『道化の精神』は、人間関係の難しさや生きづらさをそっと描いた作品です。 「道化」として生きることで社会と向き合いながら、本当の自分を探し続ける、太宰作品の登場人物たちの姿に、きっと共感できると思います。 太宰らしい美しい言葉が紡ぐ物語を読むと、「私だけが悩んでいるわけじゃないんだ」とほっとする気持ちになれるかもしれません。 自分の弱さを受け入れ、誰かをもっと優しく見つめられるようになる一冊です。 ぜひ、太宰の世界に触れてみてくださいね。 <太宰治について> 太宰治(本名・津島修治)は、1909年に青森県で生まれ、東京帝国大学で学んだ後、1930年に心中未遂を経験。1947年には『斜陽』で大ベストセラーを記録しますが、1948年に玉川上水で自殺。『人間失格』『走れメロス』などが代表作で、人間の心理を描いた作品で知られています。
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運転者(㈱ディズカバー・トゥエンティワン) 喜多川泰
¥1,200
【非常に良い】(非常に良い/良好/並) ≪10版≫2022/1/14発行 ハードカバー 喜多川泰さんの『運転者』は、人生に行き詰まりを感じている人にぴったりの物語です。 主人公の修一は中年で転職し、順調に進まない日々に苦しみながら、妻や娘との関係もうまくいかず、精神的にも金銭的にも追い詰められています。でも、そんな修一に現れたのは、不思議なタクシー。乗車してから彼の人生は少しずつ変わり始めます。 この物語はファンタジーの要素を取り入れつつ、「人生の良し悪しは自分の受け取り方次第だ」と気づかせてくれるんです。 どんな状況にも、自分の歩むべき道は必ずあると教えてくれる、心温まる内容です。 私は、読んだ後、心がスーッと軽くなりまたよ。 少しでも迷っているなら、ぜひ手に取ってみてくださいね。
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約束された移動(河出書房新社) 小川洋子
¥680
【非常に良い】(非常に良い/良好/並) (ほぼ新品) ハードカバー ≪初版≫2019/11/30発行 小川洋子さんの短編集『約束された移動』は、6篇の短編が収められた珠玉の一冊です。 この作品は、2009年から2019年に発表された"移動"をテーマにした物語が集められています。特に、表題作「約束された移動」では、ハリウッド俳優Bと客室係の"私"が、本を通じて密やかな絆を築く様子が描かれています。Bがホテルの本棚から1冊ずつ持ち去る行為を、"私"は秘密にしながら見守ります。その静かな関係性は、読者の心にそっと寄り添ってきます。 他にも、ダイアナ妃に魅了される老女と孫娘の物語「ダイアナとバーバラ」や、迷子たちを取り上げた「元迷子係の黒目」、羊にまつわる不思議な「黒子羊はどこへ」など、多様な視点で描かれる人間模様が魅力のお話。 この本を読むと、人間関係の複雑さや世代を超えた交流の美しさ、本や言語が持つ力について深く考えさせられます。また、小川洋子さん独特の静謐で豊かな物語世界に浸ることで、心が穏やかに満たされるんじゃないかと思います。 注目していただきたいのは、人と人との微妙な距離感や、移動を通じて生まれる繋がりの描写です。それは私たちの生活にも通じる、大切な何かを思い出させてくれるかもしれません。 人生の儚さと美しさをそっと教えてくれるこの短編集。まるで宝石箱のような一冊を、ぜひ手に取ってみてくださいね。読後には、心に小さな光が灯るような感覚を味わえることでしょう。
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薬を食う女たち(河出書房新社) 五所純子
¥1,000
【非常に良い】(非常に良い/良好/並) (ほぼ新品) ソフトカバー ≪初版≫2021/6/30発 『薬を食う女たち』は、五所純子さんのルポルタージュ作品です。 この本では、薬物依存に陥った女性たちの生々しい現実を丁寧に描き出し、彼女たちが抱える心の痛みや社会との関係性を考えさせられます。 読み終えると、「こうした視点が自分にも必要だった」と思わされること間違いありません。ぜひ手に取ってみてくださいね。 読んだ形跡がなく、美しい状態のため(ほぼ新品)といたしました。
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裂(講談社) 花村萬月
¥1,100
良好(非常に良い/良好/並) ≪初版≫2011/3/17発行 経年のスレがありますが、他は問題ありません。 花村萬月について ❝花村萬月(本名・吉川一郎)は、1955年生まれの日本の小説家。高校中退後、放浪生活を送り、30歳過ぎから創作活動を開始。1989年に『ゴッド・ブレイス物語』でデビュー。1998年、『ゲルマニウムの夜』で芥川賞を受賞し、以後、吉川英治文学新人賞や柴田錬三郎賞も受賞。現在は京都に在住。❞ 花村萬月さんの『裂』は、現代社会の複雑な人間関係と心の中にある「裂け目」を描いた作品です。 長編ですが、なぜだかサクッと読めてしまいます。 『裂』は、作家志望の青年と若手女性編集者の複雑な関係を軸にした物語です。 持ち込まれた原稿には、編集者自身の名前が使われ、その内容が二人の心に波紋を広げます。 文学の創作現場や、作家と編集者の繊細な駆け引きがリアルに描かれていて、文学賞の知られざる裏側などを覗ける作品です。 花村さんの鋭い筆致で描かれる緊張感は、きっと引き込まれるんじゃないでしょうか。 私自身、この本を読み終えたあと、「文学とは何か」を考えさせられました。じっくりと世界に浸りたい方に、ぜひおすすめしたい一冊です。
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乳野物語(株式会社サンリード) 谷崎潤一郎
¥800
【非常に良い】(非常に良い/良好/並) (ほぼ新品) ≪初版≫2020/1/1発行 乳野物語―元三大師の母 注釈 解説(谷崎潤一郎と『乳野物語』;曼殊院と山口光圓;師・山口光圓―毎日が授業;尊勝院―元三大師十八か所霊場・第五番;追記―清原恵光師に聞く)(内容情報より) 千野二丁目7-12にある安養院(妙見堂)に伝わる元三大師とその母月子姫の説話をもとに、谷崎潤一郎が昭和26年に雑誌「心」に発表した作品です。小説という体裁ではなく随筆風に話が展開していきます。 千野=乳野 オールカラーです。
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箱男 純文学書下ろし特別作品(新潮社)安部公房
¥1,100
並(非常に良い/良好/並) 2版 1973/4/30発行 函(背に経年ヤケあり)、ビニールカバー(経年の劣化あり) 書籍自体はきれいな状態です 『箱男』は、安部公房が描く独特な物語で、ダンボール箱をかぶりながら都市を彷徨う「箱男」の視点を通じて、現代社会の匿名性や自己のアイデンティティに向き合う、という展開。 主人公が見つめる「見えない世界」から浮かび上がる疑問は、私たち読み手の心に深く響いてきて、自己や他者との関わりについて考えさせられるんです。 物語は、箱男の手記とともに、様々な人物や文章が断片的に挿入され、真実を探る手がかりが次々と提示されます。 これにより、情報の解釈を問われ、現実と虚構が交錯する深遠な世界が広がっていくんです。 本書を読むことで、私たちは日常生活の中でふと感じる疑問や不安に対する新たな視点を得られますし、読んだ後、心の中で何かが変わる予感がするはずです。 何度も読み返すことで、異なる解釈が生まれ、あなた自身の思考が深まっていくことでしょう。 『箱男』はただの小説ではなく、思索の旅へと誘ってくれる知的な冒険です。 この本が、あなたにとって新たな刺激となり、心に残る一冊となることを願っています。ぜひその世界に足を踏み入れてみてくださいね。 <安部公房について> 安部公房(あべこうぼう)【本名・あべ きみふさ】は、1924年に東京で生まれ、満州で幼少期を過ごしました。東京大学医学部卒業後、作家としてデビュー。1951年に『壁―S・カルマ氏の犯罪』で芥川賞を受賞し、1962年には『砂の女』で国際的な評価を得ました。小説、戯曲、映画など多岐にわたり活躍し、1993年に急逝しました。 安部公房の読み方は「あべ こうぼう」です。本名の読み方は「あべ きみふさ」となります。