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阪急電車(幻冬舎) 有川浩
¥500
非常に良い(非常に良い/良好/並) 51版 2018/4/20発行 ISBN9784344415133 阪急今津線を舞台に、片道わずか15分の電車の中で、誰もが心に抱える小さな悩みや孤独が、思いがけないやさしさと出会う――そんな物語です。 元カレの結婚式に複雑な思いを抱えるOLの翔子、DV彼氏との関係に悩む女子大生のミサ、ママ友との付き合いに疲れを感じる主婦の康江……。それぞれが抱える心のもやもやが、同じ車両で交わされるささやかな言葉や仕草によって、少しずつ変わっていきます。全16話を通して描かれるのは、「他人の優しさが連鎖する瞬間」のあたたかさ。 たった14分の乗車時間でも、人は誰かの人生のきっかけになれる。そんな気づきが、ふっと胸に残ります。悩みや孤独は、誰もがひそかに抱えているものなのだと、そっと教えてくれるこの本。何気ない日常の出会いや景色が、こんなにも尊いものだったのかと、読み終えたあとに優しい視点が心に芽生えるかもしれません。 もし、今ちょっと人間関係に疲れていたり、誰かの言葉に救われたことがあるなら―― あるいは、通勤電車の中でふと「この人にも物語があるのかな」と想像したことがあるなら―― きっとこの本は、あなたの心の片隅に静かに寄り添ってくれます。 今日の帰り道、いつもの電車の中で、ちょっとだけまわりを見渡してみませんか? この一冊が、その景色にそっと物語を灯してくれるかもしれません。 <有川ひろさんについて> 有川ひろさん(旧名・有川浩)は高知県出身の作家。2003年『塩の街』でデビュー。『図書館戦争』『阪急電車』などで人気を博す。「有川」は書店で棚の前方に並ぶように「あ」行を意識してつけられたペンネーム。
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現代の世界文学 砂の本 新装版(集英社) ホルヘ・ルイス・ボルヘス/篠田一士訳
¥1,000
良好(非常に良い/良好/並) 8版 1988/8/15発行 ソフトカバー ISBN4087730891C0397 一度開いたら、もう元には戻れない――ボルヘスの短編集『砂の本』は、現実と幻想の境をゆらす13の物語を収め、なかでも「同じページに二度と戻れない」奇書をめぐる表題作は、読むことの魔力と孤独を静かに描き出しているんです。 無限や運命といった抽象が、ぞっとするほど身近に感じられ、読むほどに現実の輪郭がぼやけていくこの本は、物語の深淵に心を預けたい方にこそおすすめ。 静かな夜、砂の本”のページをそっとめくってみませんか? <ホルヘ・ルイス・ボルヘスについて> ホルヘ・ルイス・ボルヘス(1899–1986)はアルゼンチン出身の作家・詩人・評論家。幻想文学や哲学的テーマを探求し、20世紀文学に大きな影響を与えました。晩年は視力を失いながらも創作を続けました。
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ぼくの大好きな青髭(中公文庫) 庄司薫
¥1,340
並(非常に良い/良好/並) 改版発行 2002/10/10発行 ISBN4122041031 経年のヤケあり、表紙に折り目あり、読むには問題ありません。 「大人になるって、こんなにも不安で、こんなにも不条理なことだったんですね。」…そんな言葉がふと胸に浮かんだ方へ、お届けしたい一冊があります。 それが、庄司薫さんの『ぼくの大好きな青髭』。 この作品は、自伝的四部作の最終章にあたる物語で、1969年、アポロ11号が月に向かった日、新宿の紀伊國屋書店を舞台に始まります。 高校時代の友人の自殺未遂をきっかけに、主人公「ぼく」は謎めいた人物「青髭」や、得体の知れない組織の存在を知り、その真相を追って新宿の街をさまようことになるのです。 ただの青春ミステリー…ではありません。夢や情熱に満ちていたはずの若者たちが、大人たちの都合や社会の仕組みによって、少しずつ形を失っていく姿。その過程で「ぼく」が感じる虚しさや怒り、そしてほんの少しの希望が、読む人の心にも静かに波紋のように広がっていきます。 もし今、あなたが「自分は何者なんだろう」と迷っていたり、「夢を持っていいのかな」と立ち止まっているなら、この本はきっと、あなたの心にそっと寄り添ってくれるはずです。 それは、50年以上も前に描かれた物語なのに、まるで今の私たちの胸の内をそのまま映しているような、不思議な感覚。 村上春樹さんの世界観がお好きな方や、1960年代の若者文化に興味のある方にもおすすめです。 青春の痛みと輝きが交差する物語に、きっと共感し、少しだけ前を向ける勇気をもらえる…そんな一冊です。 庄司薫さんによる青春小説四部作の完結編となっていますので、気になる方は、どうぞこの本を手に取ってみてくださいね。 静かな夜のお供に、そっとページをめくってみると、きっと何かがあなたの中で動き出すはずです。 <庄司薫さんについて> 庄司薫さん(本名:福田章二)は1937年生まれ。三省堂専務の息子として生まれ、幼い頃から文学に親しみました。東京大学在学中に作家デビューし、1969年『赤頭巾ちゃん気をつけて』で芥川賞を受賞。青春小説四部作で戦後の若者像を描きました。
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三匹の蟹(講談社文庫) 大庭みな子
¥570
並(非常に良い/良好/並) 第5版 2003/4/21発行 ISBN4061961756 表紙に経年による汚れやヤケ、シミが見られますが、全体的に良好な状態です。 「日常がふと、息苦しく感じられることはありませんか」――そんなとき、ふと手に取っていただきたい一冊があります。 講談社文庫の『三匹の蟹・青い落葉』は、アラスカに暮らす主婦・由梨が人とのつながりに疲れ、静かに現実から逃げ出す姿を描いた短編「三匹の蟹」をはじめ、異文化の中で自我を見つめ直す物語が丁寧に綴られた全7編の短編集なんです。 火草を燃やす母系部族、舟の中で起きた浸水事故など、どれもが日常と非現実のはざまで揺れる人間のこころを、乾いた詩のような文体でそっと描き出していきます。 華やかなパーティーや穏やかな家庭の奥にある孤独や虚しさ、そして文化の違いの中で感じる戸惑いと発見…ページをめくるたびに、胸の奥の静かな場所が震えるような読書体験が待っています。 人間関係に少し疲れてしまったとき、自分を見失いそうになったとき、この本はきっと、何かに気づかせてくれるかもしれません。 1970年代に女性作家が紡いだ繊細な感性と、異文化のリアリティが響き合う物語世界へ、どうぞ足を踏み入れてみてください。 <大庭みな子さんについて> 大庭みな子さん(1930–2007)は東京生まれの作家。アラスカ滞在を基に描いた短編「三匹の蟹」で芥川賞を受賞しデビュー。古典翻案や異文化を主題に多彩な作品を残し、芥川賞初の女性選考委員も務めました。
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愛の生活(新潮文庫) 金井美恵子
¥850
≪初版≫ 1973/11/30発行 古書のため経年劣化によるヤケあり(天、小口、地) 金井美恵子さんの『愛の生活』は、日常の中にひそむ微妙な感情や愛のかたちを、まるで静かな息づかいのように描いた一冊です。 大学教師の夫Fと、少しだけ仕事をしながら小説を書いている「わたし」の、どこにでもありそうな日々。 でも、実はその中には「私はFをどんなふうに愛しているのか?」という問いがずっと浮かんでいます。この本を手に取ると、あたなも自分の中で何かしらの「愛」の形に気づくかもしれません。 読んでいくうちに、きっと心が少し軽くなり、愛や人とのつながりについて思いを巡らせたくなります。そして、金井さんの繊細で深い筆致に触れることで、日常の細かな感情をもっと大切にしたいと思えるかもしれません。 こんなふうに静かに心に響く本を探している方には、ぜひおすすめしたい一冊です。 <金井美恵子さんについて> 金井美恵子さんは1967年、19歳の時にの処女作『愛の生活』が太宰治賞候補となり、雑誌に掲載されたこの作品で注目を受けてデビューするという、非常に若くして幸福な出発をした作家であります。 詩人としても功名高く、現代詩手帖賞を受賞されています。
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無意味の祝祭(河出書房新社) ミラン・クンデラ/西永良成訳
¥50
SOLD OUT
非常に良い(非常に良い/良好/並) ≪初版≫ 2015/4/30発行 ハードカバー ISBN9784309206721 ビニールカバー付き 「人生の意味って、考えれば考えるほどわからなくなるよね?」 そんなふうに感じたことがあるあなたへ、そっとおすすめしたい一冊があります。 ミラン・クンデラの『無意味の祝祭』は、パリを舞台に、アランという人物とその友人たちが繰り広げる、ちょっと風変わりでおかしみのある日常を描いた小説です。 一見なんでもない会話や出来事のなかに、人生の喜びや不思議、そして“無意味さ”がユーモラスに、でもどこか哲学的にちりばめられています。 読んでいるうちに、「意味がないこと」にこそ、大切な気づきが隠れているのかもしれない…そんなふうに思えてきます。 深く考えすぎて疲れた心に、ふっと風が通るような一冊。クスッと笑えて、なんだか気持ちが軽くなる。そんな読後感が、きっとあなたの心を癒してくれることだと思います。 ちょっと立ち止まりたくなったとき、どうぞ『無意味の祝祭』をそっと開いてみてくださいね。あなたの本棚に、この一冊を加えていただけたら嬉しいです。 <ミラン・クンデラについて> ミラン・クンデラは1929年生まれのチェコ出身の作家で、政治や哲学をテーマにした作品で知られています。1975年にフランスへ亡命し、『存在の耐えられない軽さ』など多くの名作を残しました。2023年、パリで逝去。
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無知 (集英社) ミラン・クンデラ/西永良成訳
¥50
SOLD OUT
良好(非常に良い/良好/並) ≪初版≫ 2001/3/31発行 ハードカバー ISBN4087733408 表紙の背によれあり 「過去の選択が、今の自分を形作っている。」 そんな言葉が心に響いた方に、ぜひ手に取っていただきたい一冊が、ミラン・クンデラの小説『無知』です。 長い間、故郷を離れて暮らしていたイレーナとヨゼフ。彼らが帰国を決めたとき、待っていたのは懐かしさではなく、記憶とのズレや、居場所のなさでした。 この物語は、ふるさとや過去の自分とどう向き合うかを静かに問いかけてくれます。誰しもにある“昔の選択”が、いまの自分にどうつながっているのか…。そんなことを考えながら読むと、心がじんわり温かくなります。 海外生活の経験がある方や、自分自身を見つめ直したい方にもおすすめなんです。 どうぞ『無知』を通して、あなたの「今」と「これから」に、小さな気づきが生まれますように。 <ミラン・クンデラについて> ミラン・クンデラは1929年生まれのチェコ出身の作家で、政治や哲学をテーマにした作品で知られています。1975年にフランスへ亡命し、『存在の耐えられない軽さ』など多くの名作を残しました。2023年、パリで逝去。
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いい人になる方法(新潮文庫) ニック・ホーンビィ/森田義信訳
¥520
良好(非常に良い/良好/並) ≪初版≫ 2003/6/1発行 表紙フチに若干のヨレ ISBN4102202145 『いい人になる方法』というこの本は、イギリスの作家ニック・ホーンビィさんが書いた、ちょっと風変わりでユーモアのあるお話です。 主人公は、医師のケイティと、その夫でちょっぴり毒舌なコラムニスト・デイヴィッド。ある日、ケイティが浮気を告白し、離婚を切り出したことから、物語が動き出します。 するとデイヴィッドは突然「いい人」になろうとして、ホームレスに部屋を貸したり、不思議な癒し手を家に招いたり…。その“善意”が、かえって家族の暮らしをかき乱してしまうんですね。 この本は、「善意って本当に人のためになるの?」という問いを、ちょっと皮肉を込めて描いています。「いい人」って何だろう…そんなことを、ふと考えさせてくれる作品です。人間関係のもつれや、心のすれ違いを、笑いとともに見つめたい方に、そっとおすすめしたい一冊です。 何気ない日常に潜む“やさしさ”のカタチ、気になった方はぜひ手に取ってみてくださいね。 <ニック・ホーンビィについて> ニック・ホーンビィは1957年生まれのイギリスの作家・脚本家。『ぼくの好きなこと』で注目を集め、『ハイ・フィデリティ』『アバウト・ア・ボーイ』などが映画化。音楽愛と男性の心情描写に定評があります。
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犬の人生(中公文庫) マーク・ストランド/村上春樹訳
¥520
良好(非常に良い/良好/並) ≪初版≫ 2001/11/25発行 ISBN4122039282 『犬の人生』という本は、詩人マーク・ストランドが書き、村上春樹さんが訳したちょっと不思議な短編集です。 原題は『Mr. and Mrs. Baby and Other Stories』なのですが、日本語版では収録作のひとつ「犬の人生」から名前がつけられています。 たとえば、「自分は昔、犬だった」と語る男性や、「亡くなった父の面影を虫や馬に見る」など、日常にひそむ奇妙な出来事が、どこか切なく、詩のようなリズムで語られています。 現実と夢のあいだをゆらゆらと漂うような、そんな読書体験ができる一冊です。 いつもと違う景色をのぞいてみたい方や、ことばの美しさにじっくり浸りたい方におすすめです。 日常のふとした隙間に、不思議な世界をのぞいてみませんか? <マーク・ストランドについて> マーク・ストランド(1934–2014)はカナダ生まれのアメリカ詩人・翻訳家で、孤独や喪失を繊細に描く作風で知られます。詩人桂冠を務め、ピューリッツァー賞など多数の文学賞を受賞しました。
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くじけないで(飛鳥新社) 柴田トヨ
¥530
非常に良い(非常に良い/良好/並) 15版 2010/10/5発行 ハードカバー ISBN9784870319929 詩集『くじけないで』は、なんと98歳で詩を書き始めた柴田トヨさんの作品集です。 新聞「朝の詩」に掲載されたものを中心に、全部で42編の詩が収められています。日々の何気ない出来事や、ふり返る人生のひとこまを、トヨさんはやわらかな言葉でつづっています。 戦争や貧しさ、いじめなど、たくさんの困難を経験してきたトヨさん。でもその心には、やさしさと前向きな力があふれていて、「人生は、いつからでも始められるんですよ」と、そっと教えてくれるような詩ばかりです。 詩を読むのが初めての方にも、とても読みやすく、心にすっと入ってきます。迷いや不安を感じている方、あたたかい言葉に触れたい方には、ぜひ手に取っていただきたい一冊です。 きっと、明日を少しやさしく迎えられるようになると思いますよ。 <柴田トヨさんについて> 柴田トヨさんは、1911年6月26日生まれ、2013年1月20日に101歳で亡くなった日本の詩人です。90歳を過ぎてから詩作を始め、日常の出来事や感情を率直に表現した詩が多くの人々の共感を呼びました。彼女の詩集『くじけないで』はベストセラーとなり、多くの人々に勇気と感動を与えました。
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島崎藤村詩集 世界の詩14(彌生書房) 島崎藤村/山室静編
¥590
並(非常に良い/良好/並) 21版 1983/1/20発行 ハードカバー ISBN0392641558525 函傷み少アリ、経年の劣化、ヤケあり。読むには問題ありません。 迷いながらも、美しいものを求めて生きている…。そんなあなたに、そっと手渡したい一冊があります。 それが『島崎藤村詩集:世界の詩14』です。 自然の美しさ、青春の喜びや悩み、人生の深い思いが、やわらかな言葉で綴られた詩が並んでいます。 山室静さんの解説つきで、藤村の心の風景がすっと胸に入ってきます。 忙しい日々の合間に、そっとページを開いてみてください。 言葉の静けさが、心をゆるめてくれるはずです。 詩が好きな方はもちろん、少し立ち止まりたい方にもおすすめです。 藤村のことばが、あなたの心に寄り添ってくれますように。 <島崎藤村について> 島崎藤村(1872–1943)は、長野県生まれの詩人・小説家です。明治期に詩集『若菜集』で新体詩を広め、のちに『破戒』『夜明け前』などの小説でも高い評価を得ました。日本近代文学の先駆者とされています。
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タイタンの妖女(ハヤカワ文庫) カート・ヴォネガット・ジュニア/浅倉久志訳
¥1,000
良好(非常に良い/良好/並) 24版 2006/4/15発行 ISBN4150102627 カート・ヴォネガット・ジュニアの『タイタンの妖女』は、「人生って、なんでこんなにうまくいかないの?」と思ったときに、そっと心を軽くしてくれる一冊です。全宇宙でいちばん不運な男・マラスキと、大金持ちのランサム・フック。このふたりが宇宙を旅してたどり着いたのは、なんとも皮肉で、だけどどこか愛おしい“真実”。 ヴォネガットらしい、ちょっぴり毒のある笑いと、とびきり風変わりなアイデアが詰まっています。 難しいSFが苦手な方にもおすすめ。肩の力を抜いて、人生や運命の不思議を笑い飛ばしてみませんか? 読んだあと、きっと世界の見え方が少し変わっているかもしれないですね。 <カート・ヴォネガット・ジュニアについて> カート・ヴォネガット・ジュニア(1922–2007)は、ブラックユーモアとSFを融合した作風で知られるアメリカの作家です。戦争体験をもとに『スローターハウス5』などを執筆し、社会批判や反戦のテーマをユーモラスに描きました。
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山椒魚戦争(小学館) カレル・チャペック/小林恭二・大森望訳
¥790
良好(非常に良い/良好/並) ≪初版≫ 1994/11/20発行 ハードカバー 1994/11/20 ISBN409251008 表紙ヤケ少あり ちょっと不思議で、とても考えさせられる一冊をご紹介します。カレル・チャペックの『山椒魚戦争』というお話です。 物語は、ある島で発見された知恵のある大きな山椒魚たちが、人間に使われはじめるところから始まります。でも、彼らはだんだん力をつけて、自分たちの文明を作り上げ、ついには人間に立ち向かっていくのです。 チャペックはこの物語を通じて、「文明ってなんだろう?」「人間のやっていることって正しいの?」と、私たちに問いかけてきます。 資本主義や全体主義といった社会の仕組みにも、鋭い視線を向けていますが、それをユーモアたっぷりに描いているので、重たすぎず読みやすいのも魅力なんです。 SFが好きな方はもちろん、世の中のことをちょっと違う角度から見てみたいという方にも、きっと面白く感じていただけると思います。もし少しでも気になったら、どうぞ気軽に手に取ってみてくださいね。あなたの考え方に、ちいさな揺さぶりをくれる一冊になるかもしれません。 <カレル・チャペックについて> カレル・チャペック(1890–1938)はチェコの作家・劇作家で、「ロボット」の語を生んだ『R.U.R.』などで知られています。多彩な分野で活躍し、ナチズムにも反対。1938年12月25日、肺炎のため死去した。
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膝小僧の神様(新潮社) 群ようこ
¥570
良好(非常に良い/良好/並) 初版 1993/2/15発行 ハードカバー ISBN4103674040 『膝小僧の神様』は、群ようこさんが描く、小学校時代の純粋で切ない思い出を綴った小説集です。登場人物たちの小さな冒険や恋愛、友情の中には、私たちが忘れがちな感情や成長の瞬間がしっかりと息づいています。 読み進めるうちに、あの頃の自分と再会し、心が温かくなるのを感じます。 少し疲れた心に寄り添いながら、新しい気づきや優しさを届けてくれる一冊。 過去の自分と向き合いたい方にぴったりです。ぜひ、あなたの心にも届きますように。 <群ようこ さんについて> 群ようこ(本名:木原ひろみ)さんは1954年生まれの日本の作家・随筆家。日本大学芸術学部卒業後、6回の転職を経て1978年に本の雑誌社に入社。1984年に『午前零時の玄米パン』で作家デビュー。以後フリー作家として活動を続け、『かもめ食堂』などが代表作です。
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二百回忌(新潮社) 笙野頼子
¥50
SOLD OUT
良好(非常に良い/良好/並) 初版 1994/5/25発行 ハードカバー ISBN4103976012 『二百回忌』という本を手に取った時、きっとあなたも感じると思います。どこか不思議で、ちょっと怖いけれど、何だか引き寄せられるような魅力がある本だなと。 この本は、ある一族が二百年を経て再び集まる奇想天外な物語。祖先が蘇り、奇妙な親族たちと交わることで、家族や時間、社会についての深い問いを投げかけてきます。 私もこの本を読んで、ただの物語以上のものを感じました。現実と幻想が交わることで、いつもの考え方や価値観がふっと崩れて、新しい視点を得られる感覚がありました。社会や家族の在り方についても、改めて考えさせられました。どこかで“普通”を求めがちな私たちですが、ちょっと立ち止まって、自分を問い直すような、そんな本だと思います。 普通の物語では味わえないような、不思議で深い感覚。ちょっとした衝撃とともに、心に残る問いを投げかけられることでしょう。笙野頼子さんの描く、独特の世界に触れてみることで、日常に少しだけ新しい風が吹くような気がするんです。 もし、心が少し揺れるような物語を求めているのなら、ぜひ手に取ってみてください。『二百回忌』が、あなたにとっても大切な一冊になるかもしれませんよ。 <笙野頼子さんについて> 笙野頼子(本名:市川頼子)さんは1956年生まれの日本の小説家。立命館大学卒業後、1981年に『極楽』で文壇デビューし、数々の文学賞を受賞。特に『二百回忌』や『タイムスリップ・コンビナート』などが代表作。私小説と幻想小説を融合させた独自の作風で、文学界に強い影響を与えています。
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肉体の学校(ちくま文庫) 三島由紀夫
¥470
良好(非常に良い/良好/並) 10版 2015/9/5発行 ISBN4480026304 この本は、少し複雑で心に残るお話です。 裕福で自立した女性と、若い青年の間で交わされる愛と欲望の物語。年齢や立場、社会的な背景が違う二人がどう関わり合っていくのか、その駆け引きが心を引きます。三島由紀夫の独特な視点で、経済力や性的な自由、ジェンダーの問題を静かに問いかけてくるところが、どこか不思議な感覚を与えてくれるんですよね。 私はこの本を読むたびに、少し不安になることもありますが、同時に自分の中で何かが少しずつ解けていくような、そんな気持ちになります。愛や欲望、そして人間関係の複雑さを、三島の精緻な文章で感じることができます。自分の中で何か新しい気づきが生まれるような、そんな気持ちになれる一冊です。 私のように、日々の小さな悩みや迷いの中で、自分を見つめ直したいと思う方には、この本がきっと心に響くと思います。もし、少しでも気になったら、ぜひ手に取ってみてくださいね。きっと、新しい発見があるはずです。 <三島由紀夫について> 三島由紀夫(本名:平岡公威)は、1925年東京生まれの作家で、代表作に『金閣寺』『潮騒』『豊饒の海』があります。東京大学卒業後、大蔵省に勤務するも退職し、作家活動に専念。政治的活動も活発で、1970年に自衛隊駐屯地で割腹自殺を遂げました。
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「雨の木」を聴く女たち (新潮文庫) 大江健三郎
¥510
良好(非常に良い/良好/並) 16版 2002/9/5発行 ISBN4101126151 表紙に経年のスレあり。他はきれいな状態です。 「何か心に残る物語を読みたいな」と思ったとき、この本をおすすめします! 大江健三郎の『「雨の木」を聴く女たち』は、5つの短編からなる連作小説集。 「僕」という語り手の視点を通して、人々の孤独や心の奥深くにある思いが、静かに、でも確かに描かれています。舞台はハワイやメキシコなどの異国の地。そこには、死を見つめる人や、誰かとのつながりを求める人たちがいます。 物語全体に流れる「雨の木」の存在が、どこか寂しく、けれど穏やかに心に響いてくるのです。人生のなかで感じる苦しみや希望にそっと寄り添い、「人とは?」「生きるとは?」と、ふと考えさせられるような作品なんです。 大江健三郎の作品は少し難しい印象があるかもしれません。でも、この短編集は比較的入りやすく、彼の文学の世界に触れてみたい方にもおすすめです。読後には、まるで「雨の木」が静かに滴を落とし続けるように、物語の余韻が心に残るんじゃないでしょうか。 ぜひ、静かに心に沁み込むこの一冊を、ゆっくり味わってみてくださいね。 <大江健三郎さんについて> 大江健三郎(1935-2023)さんは、戦後日本を代表する作家。東京大学卒業後、「飼育」で芥川賞を受賞。『万延元年のフットボール』など社会的・哲学的テーマを描き、1994年にノーベル文学賞受賞。晩年まで執筆を続けた。
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贅沢貧乏(新潮社) 森芽莉
¥50
SOLD OUT
良好(非常に良い/良好/並) 15版 1995/9/15発行 ハードカバー ISBN4103215038 函背ヤケ、シミあり 『贅沢貧乏』、森芽莉さんのこの作品には、私も心から共感してしまいました。日々、生活が苦しくても、心の中で「贅沢」を大切にして生きようとする主人公・牟礼魔利の姿に、あたたかさを感じるんです。 牟礼魔利は経済的には困窮しているけれど、日常の中で美しいものを見つけたり、ちょっとした工夫で生活を贅沢に変えていこうとする力強さを持っているんです。 牟礼魔利が下北沢の小さなアパートで、愛猫とともに暮らすその姿を想像するだけで、なんだか心がほっとするんですよね。物質的な贅沢ではなく、精神的な贅沢を追い求めるその心意気が、私たちにもとても大切だということを気づかせてくれるんです。 読んでいるうちに、私たちの日常でも少しの工夫や思い込みで、もっと心豊かに生きられるんじゃないかと思わせてくれる一冊です。この本を読むと、無理に豪華なものを求めなくても、日々の生活にこそ本当の贅沢があるんだな、と思えるようになります。 私も、この本に出会えてから、少しだけ贅沢な気分を味わっています。日常の中で、ちょっとした美しいものを見つけては心が温かくなる。そんな気持ちが、まさに「贅沢」だと思うんです。 もし、今あなたが少し疲れた気持ちでいるなら、この本がきっと心を癒してくれると思います。心の豊かさを大切にしたいと思っている方に、ぜひおすすめしたい一冊です。 <森芽莉さんについて> 森茉莉(1903年1月7日 - 1987年6月6日)は、日本の小説家・エッセイストで、森鷗外の長女として生まれました。50歳を過ぎて本格的に文学活動を開始し、代表作に『贅沢貧乏』や『恋人たちの森』があります。彼女の作品は耽美的で幻想的な世界観を持ち、精神的な贅沢を重視しました。晩年は東京都世田谷区で一人暮らし、1987年に心不全で亡くなりました。
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花月幻想(立風書房) 稲垣足穂
¥3,000
良好(非常に良い/良好/並) 初版 1994/3/20発行 ハードカバー ISBN4651680089 背表紙ヤケ 『花月幻想』は、天狗に攫われた少年・花月と、彼の父親が清水寺の桜の下で再会するという幻想的な物語です。足穂は、この物語を通じて、花月が天狗に連れられて日本の山々を飛ぶ体験を青いフィルムで映像化したいと考えていました。この作品は、まるで夢の中を彷徨うような感覚に陥る、不思議で美しい世界が広がっています。 現実と幻想の境界が曖昧になり、花月の飛翔を通じて、足穂は天体や飛行への憧れを巧みに表現しています。花月が天狗に連れられて飛ぶシーンは、ただの冒険にとどまらず、自由への憧れや無限の可能性を象徴しているように感じます。その中で浮かび上がるのは、人間の内面や心の中に秘めた望み、そしてその叶わぬ思いです。 この物語は、読むたびに新たな解釈を生む多層的な魅力を持っています。少年愛や美の儚さ、そして複雑な父子関係に触れ、足穂は人間の深層を描き出しています。また、三島由紀夫をはじめとする作家たちにも大きな影響を与え、日本文学史において重要な位置を占める作品と言えるでしょう。 もしまだ『花月幻想』に触れたことがなければ、ぜひその幻想的な世界を一度体験してみてください。足穂さんが描く夢のような物語が、心に残る深い印象を与えてくれると思います。 <稲垣足穂について> 稲垣足穂(1900年生まれ)は、モダニズム文学の作家で、飛行願望やエロティシズムをテーマにした作品を多く発表しました。代表作に『一千一秒物語』や『少年愛の美学』があります。晩年に再評価され、1969年に『稲垣足穂大全』が刊行されました。1977年10月25日、京都市東山区の京都第一赤十字病院で結腸がんと急性肺炎により76歳で死去しました。
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むかし女がいた(新潮文庫) 大庭みな子
¥410
良好(非常に良い/良好/並) 初版 1998/3/1発行 ISBN4101344124 『むかし女がいた』という本は、28篇の短編から成る、心に深く残る作品集です。すべての物語が「むかし女がいた」という言葉で始まりますが、どの話も女性たちのさまざまな生き様を描いています。 例えば、戦争を生き抜いた女性、愛人関係に悩む女性、母性や女性性に向き合わせられる女性…。その一つひとつが、彼女たちの強さや弱さ、優しさや痛みを織り交ぜながら、優しく、時には少し切ない形で描かれています。 もし、この本を読んでみたなら、きっと感じることがあると思います。 それは、「女性ってこんなにいろんな面を持っているんだな」と感じられること。それぞれの女性たちがどんな風に生き、どう考えているのかを知ることで、自分自身や周りの人々にも少し優しくなれるような気がするんです。 私がこの本を手にしたときも、過去の女性たちの生き様に触れることで、現代の自分と向き合う気持ちが少しだけ楽になったというか、何だか心が軽くなったような気がしました。 大庭みな子さんの書く言葉には、どうしても引き込まれてしまう不思議な力があるんですよね。少し詩的で、でもとても深い意味が込められているから、何度も読み返したくなるんです。 この本には、女性の持つ多面性や人間性がテーマになっているので、普段考えないようなことや、気づかなかった自分の一面に気づけるかもしれません。どんな形であれ、この本が心の中で何か大切なものを思い出させてくれる、そんな素敵な本だと思います。 もし、あなたも少し立ち止まって自分や周りのことを見つめ直してみたいなと思うのであれば、ぜひ『むかし女がいた』を読んでみてください。きっとあなたの心に何かを残してくれるはずです。 <大庭みな子さんについて> 大庭みな子(1930年-2007年)さんは、東京生まれの小説家で、アラスカ時代に文学デビュー。1968年に『三匹の蟹』で芥川賞を受賞。帰国後も多くの作品を発表し、女流文学賞、谷崎潤一郎賞などを受賞。晩年は脳梗塞により筆記が困難となりながらも執筆を続け、腎不全のため76歳で逝去。
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春の庭(文藝春秋) 柴崎友香
¥820
良好(非常に良い/良好/並) ≪初版≫ 2014/7/30 発行 ISBN4163901015 ◆2014年 第151回芥川賞受賞作品 『春の庭』は、静かな時間の中で、ふと心を揺らすような物語です。取り壊しが決まった古いアパートに暮らす太郎と、隣の「水色の家」に心惹かれる西。二人がその家の記憶をたどるうちに、過去と現在がゆるやかにつながっていきます。 この小説には、大きな事件は起こりません。でも、その分、登場人物それぞれの視点で世界を見つめるやわらかな時間が流れています。読んでいると、自分自身の記憶や感情と自然に重なり、「これはわたしの物語かもしれない」と感じる瞬間があるかもしれません。 何気ない日常の中にも、気づかなかった物語がそっと潜んでいる、そんなことを教えてくれる一冊です。いつもの景色を、もう少し丁寧に眺めたくなるような本なので、ゆっくりとページをめくりながら、楽しい読書時間を過ごしてくださいね。 <柴崎友香さんについて> 柴崎友香(1973年生)さんは大阪府出身の小説家。1999年に作家デビューし、『きょうのできごと』が映画化。『その街の今は』で織田作之助賞大賞などを受賞。2014年『春の庭』で芥川賞受賞。2024年には『続きと始まり』で谷崎潤一郎賞などを受賞。
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イエスの生涯(新潮文庫) 遠藤周作
¥480
非常に良い(非常に良い/良好/並) 77版 2024/7/15発行 ISBN4101123165 遠藤周作さんの『イエスの生涯』は、神の子としてではなく、一人の人間としてのイエスを描いた作品です。誤解され、嘲られ、迷いながらも、それでも「愛」と「同苦」を説き続けたイエスの姿に、思わず胸が締めつけられます。 宗教に詳しくなくても、遠藤周作のやわらかな語り口がすっと心に染み込みます。人間の弱さや信じることの意味を、そっと問いかけてくるような一冊です。 読み終えたあと、弱さを抱えながらも、誰かの痛みに寄り添うことの大切さに気づかされるかもしれません。 読書の時間が、そっと心に寄り添ってくれることがあります。この本も、きっとあなたのそばで、静かに語りかけてくれるはず。ぜひ、手に取ってみてくださいね。 <遠藤周作さんについて> 遠藤周作(1923-1996)は、日本の小説家。11歳でカトリックの洗礼を受け、慶應義塾大学卒業後、フランス留学。1955年「白い人」で芥川賞受賞。『沈黙』『海と毒薬』などキリスト教をテーマに執筆。晩年は文化勲章を受章。
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宰相A(新潮文庫) 田中慎弥
¥420
非常に良い(非常に良い/良好/並) ≪初版≫ 2017/12/1 発行 IABN4101334844 『宰相A』(田中慎弥)は、読んでいるうちに、じわりと背筋が冷たくなるような物語です。 主人公Tが故郷に戻ると、そこはまったく別の「日本」になっていました。白人が支配し、日本人は「旧日本人」と呼ばれ、特別な区域に押し込められている――そんな異様な世界で、Tは「伝説の救国者」として翻弄されていきます。 現実とは違うはずなのに、どこか今の社会ともつながっているような感覚。 読んでいるうちに、「もし自分がこの世界にいたら?」と考えずにはいられません。田中慎弥さんの鋭い筆致が、権力と人間の本質を浮かび上がらせています。 読後、胸の奥に何かざらりとしたものが残るような、そんな一冊です。 <田中慎弥さんについて> 田中慎弥(1972年生)さんは山口県出身の小説家。2005年『冷たい水の羊』で新潮新人賞を受賞しデビュー。2012年『共喰い』で芥川賞を受賞。『蛹』で川端康成文学賞と三島由紀夫賞を同時受賞するなど、鋭い社会批評と独自の作風で高く評価されている。
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ほとけの心は妻ごころ(角川文庫) 田辺聖子
¥600
良好(非常に良い/良好/並) 改版初版 2020/7/25 発行 ISBN4041096772 『ほとけの心は妻ごころ』は、田辺聖子さんが描く、昭和の夫婦の物語を集めた短編集です。登場する夫たちは、まあ、正直なところ「ろくでもない」と言いたくなるような人ばかり。でも、妻たちはそんな夫を切り捨てるでもなく、呆れながらも、どこか諦めと愛情が入り混じったまなざしで寄り添っています。 たとえば、美男子を気取る夫に「美しさなんて、見慣れるものよ」と静かに悟る妻の話。ワガママでどうしようもない夫を、それでも見捨てきれない妻の心の揺れ。どの物語も、思わず「わかるなあ」と頷きたくなるような、夫婦の機微を見事に描いています。 田辺聖子さんの語り口は、ユーモアがあって、読んでいると気持ちがほぐれてくるんです。 夫婦だけでなく、人と人との関係って、完璧じゃなくてもいいんだな、と思わせてくれる。大切なのは、相手の「どうしようもなさ」を、少し肩の力を抜いて受け止めることなのかもしれません。 結婚している方も、そうでない方も、「ああ、こういうことってあるよね」と共感しながら楽しめる一冊です。肩肘張らずに、くすっと笑いながら読んでみてくださいね。 <田辺聖子さんについて> 田辺聖子(1928-2019年)さんは大阪出身の作家。『感傷旅行』で芥川賞受賞後、多くの文学賞を受賞し、紫綬褒章や文化勲章も受章。ユーモアあふれる文体と古典文学への造詣で知られ、小説やエッセイ、古典の現代語訳を手がけた。