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嘘から出た誠(岩波文庫) ワイルド/岸本一郎訳
¥350
【非常に良い】(非常に良い/良好/並) ≪8版≫2019/2/7発行 この本棚に並んでいる一冊『嘘から出た誠』(オスカー・ワイルド著・岸本一郎訳)は、ちょっと特別な魅力を持った本なんです。タイトルからも気になりますよね。 「嘘」と「誠」なんて、私たちの心の中でもしょっちゅう交錯しているテーマ。 これをワイルドが、彼らしいユーモアと機知を込めて描いています。 たとえば、「嘘」が誰かを傷つけることもあれば、意外と誰かを救うことだってある。そんな不思議な人間模様を読むと、自分の中の小さな迷いや矛盾を見つけるかもしれません。 私はこの本を読んで、「そういえば、何気なく言った言葉が結果的に誰かを勇気づけたこともあったな」と、ちょっと優しい気持ちになりました。 ワイルドの鋭い洞察や皮肉たっぷりの表現に笑わされながら、最後には心が温かくなるような、そんな一冊です。 特に、日々の疲れや迷いで少し元気が欲しいなと思っている方におすすめです。この本が、あなたの新しい視点や気づきをそっと届けてくれるといいな、と思います。 どうぞゆっくりページをめくってみてくださいね。
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友だち(新潮社) シーグリット・ヌーネス/村松潔訳
¥1,300
【非常に良い】(非常に良い/良好/並)) ソフトカバー ≪2版≫2020/4/15発行 2018年全米図書賞受賞作品 『友だち』はシーグリット・ヌーネスによる深い思索と感動を呼ぶ作品。 ニューヨークを舞台に、初老の女性作家が親しい男性の友人を自殺で失い、その後、亡き友人が飼っていた巨大な老犬アポロを引き取ります。 物語は、彼女とアポロとの日々を通じて、愛や友情、老い、人生の意味について深く考えさせられます。 この本を読むと、人生や愛、死についてじっくり考え、自分の感情や思考に向き合う時間が持てます。 特に、作家としての視点から文学の本質を掘り下げたり、人間と動物との関係を再考することができる点が魅力です。 静かに心に残るこの物語を、ぜひ手に取ってみてください。
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終点のあの子(文春文庫) 柚木麻子
¥400
【良好】(非常に良い/良好/並) ≪4版≫2014/8/25発行 収録作品「フォーゲットミー、ノットブルー」第88回オール讀物新人賞受賞作品(2008年) 史上最強の「ガールズ系小説」 『終点のあの子』は、柚木麻子さんが描く、女子高生たちの青春と成長をテーマにした連作短編集です。 物語は、入学式の日に出会った希代子と朱里の交流から始まります。 朱里は芸術的な家族背景を持ち、独特な個性を放つ少女で、二人の関係は少しずつ変化していきます。作品の中では、複数の女子高生たちがそれぞれの思いを抱えながら成長していく様子が描かれているんです。 思春期ならではの揺れ動く感情や人間関係が繊細に描かれ、読むと自己理解が深まり、他者への共感力も自然に育まれます。 学校生活のリアルな空気感や、少しずつ変わっていく人々の心情に共感しながら、自分の成長と重ね合わせて読むことができるはず。 もしもあなたが、自分と同じように悩みながら成長していく登場人物たちに心を寄せたくなったら、この本はぴったりです。
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一房の葡萄(ハルキ文庫) 有島武郎
¥320
【非常に良い】(非常に良い/良好/並) ≪初版≫2011/4/15発行 有島武郎さんの『一房の葡萄』は、心温まる成長物語です。 物語の主人公「僕」は、絵を描くのが好きな内向的な少年。 ある日、憧れの西洋人のジムが持っていた絵具を衝動的に盗んでしまいます。発覚してしまい、憧れの女性教師に連れて行かれますが、先生は優しく許してくれ、代わりに一房の葡萄を「僕」に渡します。 翌日、ジムとも仲直りし、二人は葡萄を分け合います。 この物語を読んで、罪と赦しについて考えるとともに、人とのつながりがどれほど大切かを感じることができます。 小さな失敗から学び、成長する主人公に共感できることでしょう。こんな温かい気持ちを感じたくなりませんか? <有島武郎さんについて> 有島武郎さん(1878-1923)は白樺派の中心人物として活躍した明治・大正期の小説家。札幌農学校や海外で学び、社会主義思想や人道主義に傾倒。代表作に『或る女』『生れ出づる悩み』など。
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しろいろの街の、その骨の体温の(朝日文庫) 村田沙耶香
¥520
【良好】(非常に良い/良好/並) 綺麗な状態ですが、ヤケ少々あります。 ≪5版≫2017/1/30発行 第26回三島由紀夫賞受賞作品(2013年) 第1回フラウ文芸大賞受賞作品 村田沙耶香の『しろいろの街の、その骨の体温の』は、開発中のニュータウンを舞台にした、中学2年生の少女・結佳の成長物語です。彼女は、学校で「普通」でいることに苦しみ、周囲との違和感を感じながらも、次第に自分自身を見つめ直していくんです。 内心の葛藤や、人間関係のもつれが繊細に描かれ、特に思春期ならではの自意識過剰な心理描写が、切なくも胸に響いいてきます。 この本を読んでいると、私たちが抱える「普通」であることへの圧力や、それから外れることの怖さについて深く考えさせられます。 自分らしく生きるとは何か、多様性をどう受け入れるか、そんなテーマがじわじわと心に染みる一冊です。 村田沙耶香さんの独特の世界観に引き込まれること間違いなしです。
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正しい女たち(文春文庫) 千早茜
¥460
【非常に良い】(非常に良い/良好/並) ≪初版≫2021/5/10発行 千早茜の『正しい女たち』は、現代女性が抱える悩みや葛藤を鋭く描いた短編集。 6つの物語が織りなすのは、友情、恋愛、結婚、離婚、社会的な「正しさ」についての深い考察。登場人物たちの繊細な心情に共感し、現代の女性としての生き方を問い直させられるんです。 一つ一つのエピソードには、私たちが日常的に感じることや、直面している課題が映し出されていて、読み終わった後に心に残るものが多いんですよね。 特に、自己理解を深めたい方や社会の価値観について考えたい方にはぴったりです。 「自分らしさを見つけたい」という方におすすめ。 読むことで新たな視点が広がりますよ。
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行動することが生きることである(集英社文庫)/私のお化粧人生史(中央公論文庫) 宇野千代
¥650
『行動することが生きることである』 良好(非常に良い/良好/並) 35版 2010/8/7発行 ISBN9784087480870 迷ったときこそ、一歩踏み出す勇気を——。 『行動することが生きることである』(宇野千代 著)は、90歳を超えてもなお「今を生きる」ことをやめなかった著者が、人生のあらゆる場面で掴んできた知恵を、率直に、あたたかく綴った一冊です。 「まず動くこと」がどれほど心を軽くし、生きる力になるか――ページをめくるごとに、その実感が胸に広がっていきます。迷いや失敗もすべて含めて、人生は“行動”から始まる。そんな宇野さんのまなざしは、そっと背中を押してくれるよう。 わたしも、読んでいて不思議と心に張りが戻るようでした。もし今、立ち止まっているのなら、この本をそっと手にとってみてください。宇野千代さんの言葉が、あなたの今日に寄り添ってくれるかもしれません。 『私のお化粧人生史』 並(非常に良い/良好/並) 4版 1987/8/5発行 ISBN4122011272 経年のヤケあり、本文は問題ありません。 「美しく、しなやかに生きる」──そんな言葉が、ふと胸に響いたときに、そっと手に取っていただきたいのが宇野千代さんの随筆集『私のお化粧人生史』(中公文庫)です。華やかでありながらも、自分を大切にするためのお化粧。その一つひとつに込められた宇野さんの想いや日々の心の揺れが、まるで自分の記憶のように重なってくるのです。 この本は、お化粧という身近な行為を通して、「自分らしく生きる」ことの意味を問いかけてくれます。どんな年齢でも、どんな環境でも、自分を愛し、慈しむことの大切さに気づかせてくれました。読んだあと、鏡の中の自分をちょっとだけ優しい目で見られる──そんな時間を届けてくれる一冊です。 心が疲れたとき、自分らしさを思い出したいとき、そっと寄り添ってくれる本です。『柚香の森』で、あなた自身の美しさと出会う読書を楽しんでみませんか。 <宇野千代さんについて> 宇野千代さん(1897–1996)は、山口県岩国市生まれの小説家・随筆家。1921年に文壇デビュー後、恋愛や美意識を貫いた生き方で多彩な創作活動を展開しました。日本初の女性ファッション誌を創刊し、きものデザイナーとしても活躍。晩年も執筆を続け、85歳で新聞連載を開始するなど、生涯現役を貫きました。1996年、98歳でその生涯を静かに閉じました。
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それもまたちいさな光(文春文庫) 角田光代
¥50
SOLD OUT
【非常に良い】(非常に良い/良好/並) ≪2版≫2017/1/20発行 「このままでいいのかな」――そんなふうに、ふと立ち止まってしまうとき、誰にでもあるものですよね。 角田光代さんの『それもまたちいさな光』は、そんな迷いのなかにあるあなたに、そっと寄り添ってくれる物語です。 主人公は、東京の下町で暮らす35歳の仁絵さん。目立った不満もなく過ぎていく日々のなかで、ふとよぎる将来への不安や、心の奥にある恋のためらい。その姿は、まるで自分のようで、胸がぎゅっとなりました。 大きな事件は起きなくても、日常の中に小さな選択や優しさが積み重なって、未来は少しずつ形を変えていく――。そんな気づきを、静かに届けてくれる一冊です。 今、もしあなたが立ち止まっているのなら。この物語のなかに、そっと自分を重ねてみませんか。きっと、あなたの心にも、小さな光が灯るはずです。
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檸檬(乙女の本棚)(立東舎) 梶井基次郎+げみ
¥1,300
【良好】(非常に良い/良好/並) ≪初版≫2018/8/8発行 ハードカバー 梶井基次郎の名作『檸檬』が、人気イラストレーターげみの手によって美しく彩られた『檸檬(乙女の本棚)』 ページをめくるたび、文学の余韻とイラストの温もりが心にやさしく広がりますよ。 ふと理由もなく気持ちが沈むこと、ありますよね。そんな時、この物語の「私」と一緒に京都の街を歩き、果物屋でレモンを手に取る。その鮮やかな黄色とひんやりした感触が、じんわりと心をほどいてくれるように感じます。 げみの幻想的なイラストが、梶井基次郎の繊細な文章をより深く味わわせてくれます。静かに寄り添うような一冊。今のあなたに、きっと必要な物語です。
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赤泥棒(講談社) 献鹿狸太朗
¥1,380
【非常に良い】(非常に良い/良好/並) ≪初版≫ 2023/3/27発行 ハードカバー (ほぼ新品) 献鹿狸太朗さんの『赤泥棒』は、まるで自分の心の中に隠していたモヤモヤが言葉になったような、そんな感覚を与えてくれる一冊です。 特に「赤泥棒」の物語では、ちょっと理解しがたい行動を繰り返す主人公が、少しずつ自分と向き合っていく過程が描かれているんです。彼の不器用さや孤独が、まるで自分を見ているように感じるかもしれません。 自分に自信が持てなかったり、周りと違う自分に戸惑ったりすることってありますよね。 でも、この本を読んでいると、そんな気持ちが少し軽くなるような、心の奥に暖かい光が差し込んでくるような感覚に包まれます。 あなたももしかしたら、この本の中に、今の自分にぴったりな言葉や情景を見つけられるかもしれません。 ちょっとだけ勇気を持って、この本を手に取ってみてくださいね。きっとあなたの心にも、響く何かがあると思います。
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貞操問答(文春文庫) 菊池寛
¥600
【良好】(非常に良い/良好/並) ≪初版≫ 2002/10/10発行 昭和初期、美しい三姉妹の次女・新子は、家庭の事情から上流家庭の家庭教師となります。けれど、そこで出会った雇い主の夫との心の揺らぎが、彼女の生き方を大きく揺るがすことに。 貞操を守ることは本当に正しいのか、それとも愛に正直に生きるべきなのか。 社会の規範と個人の心がぶつかり合う中で、新子の選択が私たちの心にも問いかけてきます。 『貞操問答』は、菊池寛ならではの鋭い洞察と読みやすさが魅力の作品。今を生きる私たちにも、愛と道徳のはざまで揺れる女性たちの選択は、通じる葛藤が描かれていると思いますよ。じっくりと味わってみてくださいね!
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サキの忘れ物 (新潮社) 津村記久子
¥1,100
非常に良い(非常に良い/良好/並) 4版 2020/9/30発行 ISBN9787103319825 ソフトカバー 人生って、思いがけない小さな出来事で、ふっと動き出すことがあるんですね。 『サキの忘れ物』は、高校を中退し、毎日をなんとなく過ごしていた18歳の千春が、ある日、喫茶店で見つけた一冊の本をきっかけに、少しずつ世界が変わっていく物語です。 誰かが忘れていった本を手にしたことで、はじめて本を読み通し、はじめて誰かと心を通わせる──そんな静かな出来事が、彼女の中にやさしい光を灯していきます。 読んでいて、私も気づかされました。何気ない日々のなかでも、ほんの少しの出会いや言葉が、心をあたためてくれることがあるのだと。 人との関係や自分の居場所に悩んでいる方、ちょっと気持ちが疲れている方に、ぜひそっと手に取っていただきたい短編集です。 千春と一緒に、小さな一歩を踏み出してみませんか? <津村記久子さん> 津村記久子さんは1978年大阪生まれの小説家。会社員として働きながら執筆を始め、2005年に太宰治賞でデビュー。芥川賞ほか多数の文学賞を受賞し、2012年より専業作家に。温かな視点で日常を描く作品に定評があります。 ※丁寧な梱包を心がけております。簡易包装ですが、防水・緩衝材で保護してお届けいたします。
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生きて行く私(上・下)(毎日新聞社) 宇野千代
¥1,250
【上下セット】 (上):良好(非常に良い/良好/並) 16版 1982/9/12発行 ISBN4620306304 ハードカバー 天、地、小口に経年のヤケあり (下):良好(非常に良い/良好/並) 22版 1983/9/20発行 ISBN4620306312 ハードカバー 表紙、天地小口にヤケ、キズ、シミ、汚れあり 「魂を売らずに、私らしく生きる」──この言葉に、どこか心がふっと動いた方へ。 宇野千代さんの『生きて行く私』は、ご自身の半生を綴った自伝的小説。山口の生家での幼少期から、初恋や結婚、作家としての栄光と挫折、そしてさまざまな愛のかたち……ひとつとして穏やかではなかった日々を、千代さんは自分の足でしっかりと歩んできました。 この作品は上下巻になっていて、通して読むことで、彼女の生きざまがより深く、静かに心に沁みてきます。どんな困難にも負けず、自分らしく生き抜こうとする姿に、私は何度も励まされました。 もし今、自分の道に迷いがあるなら──きっとこの物語が、そっと背中を押してくれると思います。どうか、ご自分のペースで、ゆっくり読んでみてくださいね。 <宇野千代さんについて> 宇野千代さん(1897–1996)は山口県生まれの作家・随筆家。恋愛や結婚を繰り返しつつ自由な生き方を貫き、『おはん』『生きて行く私』などで高く評価された。編集や着物デザインでも活躍し、多才な女性として知られる。 ※丁寧な梱包を心がけております。簡易包装ですが、防水・緩衝材で保護してお届けいたします。
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あたりまえのこと(朝日新聞社) 倉橋由美子
¥1,300
良好(非常に良い/良好/並) 2版 2001/11/30発行 ISBN4022576790 ハードカバー 表紙スレあり、地キズ少あり 「“あたりまえ”って、本当にそうかしら…?」 ふと、そんな思いがよぎることはありませんか。 倉橋由美子さんの『あたりまえのこと』は、小説を読む人、書く人、どちらにもそっと差し出される、小さな問いが詰まった一冊です。40代と60代、人生の節目で綴られた小説論エッセイは、「正しさ」や「常識」によりかかることなく、文学の根っこを静かに掘り起こしてくれます。 読んでいて、「何を書くか」より「どう書くか」がこんなにも大切だったんだ…と、私は思わず胸が熱くなりました。目に見えないところに宿る“ことばの力”に、そっと背中を押されるような気がしたんです。 創作にたずさわる方も、本を深く味わいたい方も。まずは気軽にページをめくってみてくださいね。 倉橋さんのまなざしが、きっと新しい読書の扉を開いてくれるはずです。 <倉橋由美子さんについて> 倉橋由美子さん(1935–2005)は、高知県生まれの小説家・翻訳家。明治大学でフランス文学を学び、「パルタイ」で文壇デビュー。実存主義の影響を受けた寓話的な作風で知られ、多くの文学賞を受賞しました。 ※丁寧な梱包を心がけております。簡易包装ですが、防水・緩衝材で保護してお届けいたします。
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私という小説家の作り方(新潮文庫) 大江健三郎
¥330
良好(非常に良い/良好/並) 2版 2006/11/10発行 表紙折れアリ ISBN4101126216 「小説家はどうやって“私”をつくるのか――」 そんな問いかけに、思わず自分のことを重ねてしまいました。『私という小説家の作り方』は、大江健三郎さんが、自らの創作の秘密や葛藤を静かに語る十章の自伝です。幼い頃の記憶、家族との日々、詩や神話、恩師の言葉……ひとつひとつの出会いが「小説家・大江健三郎」を育てていく姿に、私は心を掴まれてしまいました。物語を紡ぐことは、自分を探し続ける旅なのだと、あらためて気づかされます。誰かの言葉に励まされ、読み重ねた一冊一冊が、やがて「私」をつくっていく。その大切さを、そっと思い出させてくれる本です。 自分の物語を見つめ直したくなったら、ぜひ気軽に開いてみてくださいね。 <大江健三郎さんについて> 大江健三郎さん(1935-2023)は愛媛県生まれの小説家です。東大在学中に文壇デビューし、『飼育』で芥川賞を受賞。戦後日本や社会問題を見つめ続け、『万延元年のフットボール』など多くの話題作を発表しました。1994年にはノーベル文学賞を受賞。日本文学を世界に広げた作家として、多くの読者に影響を与え続けました。 ※丁寧な梱包を心がけております。簡易包装ですが、防水・緩衝材で保護してお届けいたします。
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無知 (集英社) ミラン・クンデラ/西永良成訳
¥50
SOLD OUT
良好(非常に良い/良好/並) ≪初版≫ 2001/3/31発行 ハードカバー ISBN4087733408 表紙の背によれあり 「過去の選択が、今の自分を形作っている。」 そんな言葉が心に響いた方に、ぜひ手に取っていただきたい一冊が、ミラン・クンデラの小説『無知』です。 長い間、故郷を離れて暮らしていたイレーナとヨゼフ。彼らが帰国を決めたとき、待っていたのは懐かしさではなく、記憶とのズレや、居場所のなさでした。 この物語は、ふるさとや過去の自分とどう向き合うかを静かに問いかけてくれます。誰しもにある“昔の選択”が、いまの自分にどうつながっているのか…。そんなことを考えながら読むと、心がじんわり温かくなります。 海外生活の経験がある方や、自分自身を見つめ直したい方にもおすすめなんです。 どうぞ『無知』を通して、あなたの「今」と「これから」に、小さな気づきが生まれますように。 <ミラン・クンデラについて> ミラン・クンデラは1929年生まれのチェコ出身の作家で、政治や哲学をテーマにした作品で知られています。1975年にフランスへ亡命し、『存在の耐えられない軽さ』など多くの名作を残しました。2023年、パリで逝去。
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くじけないで(飛鳥新社) 柴田トヨ
¥530
非常に良い(非常に良い/良好/並) 15版 2010/10/5発行 ハードカバー ISBN9784870319929 詩集『くじけないで』は、なんと98歳で詩を書き始めた柴田トヨさんの作品集です。 新聞「朝の詩」に掲載されたものを中心に、全部で42編の詩が収められています。日々の何気ない出来事や、ふり返る人生のひとこまを、トヨさんはやわらかな言葉でつづっています。 戦争や貧しさ、いじめなど、たくさんの困難を経験してきたトヨさん。でもその心には、やさしさと前向きな力があふれていて、「人生は、いつからでも始められるんですよ」と、そっと教えてくれるような詩ばかりです。 詩を読むのが初めての方にも、とても読みやすく、心にすっと入ってきます。迷いや不安を感じている方、あたたかい言葉に触れたい方には、ぜひ手に取っていただきたい一冊です。 きっと、明日を少しやさしく迎えられるようになると思いますよ。 <柴田トヨさんについて> 柴田トヨさんは、1911年6月26日生まれ、2013年1月20日に101歳で亡くなった日本の詩人です。90歳を過ぎてから詩作を始め、日常の出来事や感情を率直に表現した詩が多くの人々の共感を呼びました。彼女の詩集『くじけないで』はベストセラーとなり、多くの人々に勇気と感動を与えました。
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贅沢貧乏(新潮社) 森芽莉
¥50
SOLD OUT
良好(非常に良い/良好/並) 15版 1995/9/15発行 ハードカバー ISBN4103215038 函背ヤケ、シミあり 『贅沢貧乏』、森芽莉さんのこの作品には、私も心から共感してしまいました。日々、生活が苦しくても、心の中で「贅沢」を大切にして生きようとする主人公・牟礼魔利の姿に、あたたかさを感じるんです。 牟礼魔利は経済的には困窮しているけれど、日常の中で美しいものを見つけたり、ちょっとした工夫で生活を贅沢に変えていこうとする力強さを持っているんです。 牟礼魔利が下北沢の小さなアパートで、愛猫とともに暮らすその姿を想像するだけで、なんだか心がほっとするんですよね。物質的な贅沢ではなく、精神的な贅沢を追い求めるその心意気が、私たちにもとても大切だということを気づかせてくれるんです。 読んでいるうちに、私たちの日常でも少しの工夫や思い込みで、もっと心豊かに生きられるんじゃないかと思わせてくれる一冊です。この本を読むと、無理に豪華なものを求めなくても、日々の生活にこそ本当の贅沢があるんだな、と思えるようになります。 私も、この本に出会えてから、少しだけ贅沢な気分を味わっています。日常の中で、ちょっとした美しいものを見つけては心が温かくなる。そんな気持ちが、まさに「贅沢」だと思うんです。 もし、今あなたが少し疲れた気持ちでいるなら、この本がきっと心を癒してくれると思います。心の豊かさを大切にしたいと思っている方に、ぜひおすすめしたい一冊です。 <森芽莉さんについて> 森茉莉(1903年1月7日 - 1987年6月6日)は、日本の小説家・エッセイストで、森鷗外の長女として生まれました。50歳を過ぎて本格的に文学活動を開始し、代表作に『贅沢貧乏』や『恋人たちの森』があります。彼女の作品は耽美的で幻想的な世界観を持ち、精神的な贅沢を重視しました。晩年は東京都世田谷区で一人暮らし、1987年に心不全で亡くなりました。
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春の庭(文藝春秋) 柴崎友香
¥820
良好(非常に良い/良好/並) ≪初版≫ 2014/7/30 発行 ISBN4163901015 ◆2014年 第151回芥川賞受賞作品 『春の庭』は、静かな時間の中で、ふと心を揺らすような物語です。取り壊しが決まった古いアパートに暮らす太郎と、隣の「水色の家」に心惹かれる西。二人がその家の記憶をたどるうちに、過去と現在がゆるやかにつながっていきます。 この小説には、大きな事件は起こりません。でも、その分、登場人物それぞれの視点で世界を見つめるやわらかな時間が流れています。読んでいると、自分自身の記憶や感情と自然に重なり、「これはわたしの物語かもしれない」と感じる瞬間があるかもしれません。 何気ない日常の中にも、気づかなかった物語がそっと潜んでいる、そんなことを教えてくれる一冊です。いつもの景色を、もう少し丁寧に眺めたくなるような本なので、ゆっくりとページをめくりながら、楽しい読書時間を過ごしてくださいね。 <柴崎友香さんについて> 柴崎友香(1973年生)さんは大阪府出身の小説家。1999年に作家デビューし、『きょうのできごと』が映画化。『その街の今は』で織田作之助賞大賞などを受賞。2014年『春の庭』で芥川賞受賞。2024年には『続きと始まり』で谷崎潤一郎賞などを受賞。
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軽いめまい(講談社) 金井美恵子
¥2,500
非常に良い(非常に良い/良好/並) 初版 1997/4/8 発行 ISBN4062043084 金井美恵子の『軽いめまい』(講談社)は、何気ない日常の中にふっと忍び込む違和感を繊細に描いた物語。 専業主婦の夏実が感じる「軽いめまい」は、どこか他人事ではなく、私たちの心にもそっと寄り添ってくるんです。満たされているはずなのに、ふとした瞬間に揺らぐ気持ち、そんな経験のある方には、きっと響く一冊。 2023年には英訳され、ニューヨークタイムズやアトランティック誌でも書評されるなど、国際的にも高く評価されています。 静かに、でも確かに心の奥を揺さぶるこの物語を、ぜひ味わってみませんか? <金井美恵子について> 金井美恵子(1947年生)は、高校卒業後、作家活動を開始し、1967年『愛の生活』で文壇デビュー。『タマや』で女流文学賞受賞など、多くの作品を発表。映画評論や対談集も手がけ、東京・目白で姉と暮らしている。
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星の王子さま オリジナル版 (岩波書店) サン・テグジュペリ/内藤濯訳
¥630
良好(非常に良い/良好/並) 18版 2004/7/7発行 ハードカバー ISBN'9784001156768 『星の王子さま』は、心の奥にそっと語りかけてくる物語。 サハラ砂漠に不時着した「ぼく」は、小さな星から来た王子さまと出会います。 旅の中で、王子さまは「大切なものは目に見えない」と気づくんです。 その言葉は、私たちの日常にも響くもの。忙しさの中で忘れかけていた大切な気持ちを、この本は優しく思い出させてくれます。 人生に迷ったとき、不安なとき、そっと開いてみてください。きっと、あなたの心をあたたかく照らしてくれるはずです。 心に残る名言と深い洞察が詰まったこの一冊、あなたの人生を豊かに彩ってくれることだと思いますよ。 <サン・テグジュペリについて> サン・テグジュペリ(1900年生まれ)は、航空隊の操縦士としての経験を基に文学を執筆。1929年に『南方郵便機』を発表し、1931年に『夜間飛行』でフェミナ賞を受賞。第二次世界大戦中に自由フランス空軍に参加し、1944年に行方不明となりました。代表作『星の王子さま』は世界中で愛されています。 ※ショップカテゴリー海外文学>文庫本>『夜間飛行』
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その姿の消し方(新潮社) 堀江敏幸
¥50
SOLD OUT
【良好】(非常に良い/良好/並) 表紙にスレあり。他は至極良好。 ソフトカバー ≪3版≫2016/11/25発行 第69回野間文芸賞受賞作品 『その姿の消し方』は、堀江敏幸さんが描く記憶と不在をテーマにした静かな物語です。 主人公の「私」がフランスの古物市で見つけた一枚の絵はがき。 その消印と詩が導く探索の旅は、数十年にわたり、様々な出会いや別れを通じて進みます。 主人公の内面の変化とともに、不在が持つ意味や時間の流れの中で変わる解釈に気づかされます。 この本は、失われたものや出会いの価値をそっと教えてくれるんです。そして、今ここにある人や出来事を大切にする気持ちをそっと育んでくれる一冊です。
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「心の病」と生きた12人の偉才たち 不安なモンロー、捨てられないウォーホル (NATIONAL GEOGRAPHIC) クラウディア・カルプ/葉山亜由美訳
¥1,710
非常に良い(非常に良い/良好/並) ≪初版≫ 2022/11/21 発行 ソフトカバー ISBN9784863135406C0023 この本では、マリリン・モンローやアンディ・ウォーホル、ドストエフスキー、アインシュタインといった、誰もが知る偉大な人たちの人生が描かれています。彼らが残した素晴らしい成果の裏側には、実は心の悩みや生きづらさがあったんです。 著者のクラウディア・カルプは、その悩みを現代の医学や専門家の知識をもとにわかりやすく解き明かしているんです。 「成功している人もこんな苦しみを抱えていたんだ」と知ることで、私たちも元気をもらえるような内容です。 天才と「心の病」との関係は、私たちの日常にも通じるテーマ。 心の健康や自己理解のヒントが詰まっています。 「悩みがあっても前を向ける」そんなメッセージに心が温まります。ぜひ手に取ってみてください。 <クラウディア・カルプさんについて> クラウディア・カルプさんは香港生まれのアメリカ人科学ジャーナリストで、『ニューヨークタイムズ』ベストセラー作家。『ニューズウィーク』で17年間シニアライターを務めた後、独立して科学や心理学、人間行動学をテーマに執筆。『ナショナルジオグラフィック』『スミソニアン』などの著名メディアに寄稿するほか、テレビや講演でも活躍中。
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立原正秋 珠玉短篇集二 辻が花(イディア総合研究所) 立原正秋
¥550
良好(非常に良い/良好/並) ≪初版≫ 1998/4/11 発行 ハードカバー ISBN494412058C0093 天、地、小口に小さなシミあり 表紙(背)ヤケ 読むには問題なく、きれいな状態です。 儚くも鮮烈な愛に、心がふっと揺れたことはありませんか。 『立原正秋 珠玉短篇集二 辻が花』は、そんな一瞬の愛にすべてを賭けた物語なんです。主人公・四郎が出会ったのは、まるで幻のような女性・夕子。ふたりが共に過ごしたのは、たった四日間。それでも、その短く濃密な時間が、人生を大きく変えてしまうほどの力を持っていたんですよね。 読んでいると、「出会いって、こんなにも胸を締めつけるんだ」と感じてしまいました。 立原正秋さんの繊細な筆は、情景だけでなく、人の心の揺れまで静かに描いていて──読み終えたあと、心にそっと余韻が残るんです。 この一冊は、日常にひっそりと潜む「かけがえのなさ」を思い出させてくれる本。 静かな夜、灯りの下でそっと開いてみてくださいね。心の奥に、辻が花のようなやさしい記憶が咲くかもしれません。 <立原正秋さんについて> 立原正秋(1926年1月6日生まれ)さんは、朝鮮生まれの日本の小説家。父親の死後母親とともに日本へ渡り、早稲田大学専門部国文科に在籍するも中退しました。1947年に日本に帰化し、同年「立原正秋」のペンネームで創作活動を開始。「白い罌粟(けし)」で直木賞を受賞するなど、日本の古典文学や能楽に影響を受けた独自の世界観で知られます。編集者としても活躍し、多くの文学者を育成しました。1980年、食道癌で54歳の生涯を閉じました。