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愛の重さ(ハヤカワ文庫) アガサ・クリスティー/中村妙子訳
¥1,100
【並】(非常に良い/良好/並) 3版 1976/11/15 発行 背表紙イタミあり、経年のキズ、ヤケあり 読むには問題ありません(装丁絶版) 「愛することは、時に誰かの重荷になってしまう」──そんな痛みを、あなたも感じたことがあるでしょうか。 アガサ・クリスティーが“メアリー・ウェストマコット”名義で書いた『愛の重さ』は、そんな愛の裏側にある静かな哀しみを描いた物語です。 主人公ローラは、愛されることに飢えながらも、妹に深い愛を注ぎます。けれど、その愛はいつしか妹にとって重すぎるものとなってしまうのです。 善意や思いやりが、時に誰かを傷つけてしまう──そんな現実に、胸が締めつけられました。でもだからこそ、人と人との距離や、愛の伝え方について深く考えさせられる一冊でした。 「愛」とは、ただ優しいだけのものではない。 その複雑さに、そっと寄り添ってくれる物語です。 静かな余韻が心に残るこの本、ぜひあなたの手でめくってみてくださいね。 ◆本書について:「ミステリーの女王」として知られるアガサ・クリスティー。 けれどその筆は、名探偵の謎解きだけでなく、人の心の奥深くにも静かに届いていました。 『愛の重さ』は、彼女が“メアリー・ウェストマコット”という別名で綴った、家族や愛のすれ違いを描いた一冊なんです。 推理小説とは違い、姉妹の間にある愛と嫉妬、そして「与える愛」と「受け取る愛」の繊細な違いに光を当てています。 クリスティー自身の経験や、女性としてのまなざしが込められたこの物語は、読んだあとにふっと心の奥があたたかくなるような、不思議な余韻を残します。 謎ではなく、人の心にそっと寄り添うクリスティーの一面を、どうぞ味わってみてくださいね。 <アガサ・クリスティーについて> アガサ・クリスティー(1890–1976)は、「ミステリーの女王」と称されるイギリスの推理作家です。ポアロやミス・マープルを生み出し、長編・短編あわせて100作以上を執筆。世界で最も多く翻訳された作家としても知られています。薬剤師助手や旅の経験が作品に活かされ、推理小説界に不動の地位を築きました。 ※丁寧な梱包を心がけております。簡易包装ですが、防水・緩衝材で保護してお届けいたします。
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夢の本(河出文庫) ホルヘ・ルイス・ボルヘス/堀内研二訳
¥1,100
非常に良い(非常に良い/良好/並) 初版 2019/2/20発行 ISBN9783094648555 眠っている間の夢の中で、ふと「これは現実?それとも…」と迷ったこと、ありませんか? 『夢の本』(河出文庫)は、幻想文学の巨匠ボルヘスが編んだ夢にまつわる物語集。 『千夜一夜物語』や『聖書』など古今東西の逸話が並び、読むほどに、夢と現実の境界がやわらかくほぐれていくようなんです。 実は、柚香の森ではボルヘスのもう一つの代表作『砂の本』も取り扱っています。 終わりのないページ、掴んだはずの世界が手のひらからすり抜けていくような感覚──その世界観に惹かれた方なら、『夢の本』もきっと心に残る一冊になるはずです。 日常のなかの不思議にそっと目を向けたいとき。本は、心をほどく鍵になってくれるんですよね。 まずは気になる一編から、夢の迷宮を旅してみてくださいね。 <ホルヘ・ルイス・ボルヘスについて> ホルヘ・ルイス・ボルヘス(1899–1986)はアルゼンチン出身の作家・詩人。幻想文学の巨匠として『伝奇集』『エル・アレフ』『砂の本』などで知られます。夢や迷宮、無限といったテーマを通して、現実と虚構の境界を揺さぶる独自の作風を確立。図書館司書としての経験や重病をきっかけに短編を執筆し、ポストモダン文学に大きな影響を与えました。エルサレム賞ほか国際的受賞多数。 ※丁寧な梱包を心がけております。簡易包装ですが、防水・緩衝材で保護してお届けいたします。
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ペドロ・パラモ(岩波文庫) フアン・ルルフォ/杉山晃・増田義郎訳
¥900
良好(非常に良い/良好/並) 10版 2021/9/15発行 ISBN4003279115 表紙にヨレあり(書影の通り) 本文は美。 静かな町・コマラへと足を踏み入れた瞬間、まるで生と死のあわいに身をゆだねるような──そんな不思議な読書体験が始まります。 フアン・ルルフォの『ペドロ・パラモ』は、亡き母の言葉に導かれて、父を探す旅に出た青年フアンが、自らの過去と向き合い、やがて“語り手”となる物語。 生者と死者の声が交錯し、記憶と現実が溶け合う世界に、ふと心が吸い込まれていくんです。 わたし自身、読みながら何度も立ち止まりました。 断片的な語りの中に、大切な何かが潜んでいる気がして──。 一度では終われない読書って、こんなにも奥深いんだなと感じさせてくれる作品です。 心が疲れているときや、人生の意味をふと問い直したくなったときに、そっと寄り添ってくれる一冊。 静けさの中にこだまする死者の声に、あなたも耳を澄ましてみませんか? <フアン・ルルフォについて> フアン・ルルフォ(1917–1986)は、メキシコ・ハリスコ州生まれの小説家・写真家です。幼くして両親を亡くし、苦しい境遇の中で育ちながらも文学への情熱を抱き続けました。代表作『燃える平原』『ペドロ・パラモ』はいずれも少ない発表作ながら、ラテンアメリカ文学に深い影響を与え、20世紀スペイン語文学を代表する作家と評されています。写真家としても高い評価を受けました。 ※丁寧な梱包を心がけております。簡易包装ですが、防水・緩衝材で保護してお届けいたします。
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哀れなるものたち(ハヤカワ文庫) アラスター・グレイ/髙橋和久訳
¥1,200
良好(非常に良い/良好/並) 4版 2024/2/25発行 ISBN9784151201110 小口に汚れアリ 「私は自由である」――そんなふうに胸を張って言える日が、あなたにもありますように。 『哀れなるものたち』は、19世紀末のグラスゴーを舞台に、科学者バクスターによって命を吹き込まれた女性・ベラの物語です。 無垢な心と成熟した体を持つ彼女は、保護された世界から飛び出し、旅を通して社会の矛盾や世界の残酷さに向き合いながら、「自由とは何か」を模索していくんです。 ベラのまなざしは、読み手の心にもまっすぐ届いて、私たちが当たり前のように受け入れてきた価値観を静かに問い直してきます。 「自分の人生を選ぶ」とはどういうことなのか。 その言葉の重みが、読後も静かに胸に残ります。 この物語には癒しと気づきの力があると感じました。心がもやもやするとき、そっと手に取っていただきたい一冊です。 <アラスター・グレイについて> アラスター・グレイはスコットランド出身の小説家・画家・詩人・劇作家。グラスゴー美術学校卒業後、美術教師や脚本家としても活躍。代表作『ラナーク』『哀れなるものたち』で高い評価を受け、ウィットブレッド賞などを受賞。実験的な文体と独自の装画で、戦後イギリス文学を代表する作家と称されています。 ※丁寧な梱包を心がけております。簡易包装ですが、防水・緩衝材で保護してお届けいたします。
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二都物語(新潮文庫) チャールズ・ディケンズ/加賀山卓朗訳
¥810
良好(非常に良い/良好/並) 5版 2019/3/20発行 ISBN9784102030141 「あれは最高の時代であり、最悪の時代であった」——そんな言葉で幕を開ける『二都物語』。 この物語には、フランス革命という激動の時代に翻弄されながらも、愛し、悩み、希望を探し続けた人々の姿が描かれているんです。 ロンドンとパリ、ふたつの都市を舞台に繰り広げられるのは、貴族としての運命を背負うチャールズ、彼に瓜二つの孤独な弁護士シドニー、そして無実の父と再会したルーシーの、切なくも強い絆の物語。 読み進めるうちに、人間の尊厳や無償の愛、そして自己犠牲の尊さに、胸がぎゅっと締めつけられるようでした。 歴史の波に飲まれそうになりながらも、希望を捨てずに歩む彼らの姿は、今を生きる私たちにも大切なことを静かに教えてくれます。絶望のなかにも、ほんの小さな光はあるのだと——。 もし今、時代の波に心が揺れているなら、ぜひこの物語にふれてみてください。あなたの心に、そっと寄り添ってくれるはず。 <チャールズ・ディケンズについて> チャールズ・ディケンズ(1812–1870)は、ヴィクトリア朝時代を代表するイギリスの作家です。少年時代に父の破産で工場労働を経験し、社会の弱者への深いまなざしを作品に込めました。記者を経て作家デビューし、『オリバー・ツイスト』『二都物語』など数々の名作を残しました。社会批判と人間愛に満ちた筆致で、国民的作家と称されました。 ※丁寧な梱包を心がけております。簡易包装ですが、防水・緩衝材で保護してお届けいたします。
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不穏の書、断章(平凡社) フェルナンド・ペソア/澤田直訳
¥1,150
非常に良い(非常に良い/良好/並) 初版第1版 2013/1/10 発行 新書 ISBN9784582767803 「ただ生きているだけで苦しい」「自分が自分じゃないみたい」──そんな気持ちを、胸の奥にしまい込んでいませんか。 フェルナンド・ペソアの『不穏の書、断章』は、そんな“生きづらさ”にやさしく触れてくれる本なんです。 彼が生み出した“ソアレス”という別の名前を使って書かれたこの一冊は、リスボンの静かな日常を背景に、孤独や違和感、夢と現実のあいだを漂うように綴られています。どのページを開いても、言葉がふっと心に染み込んでくるような、不思議な静けさがあります。 読んでいると、「このままの自分でも、いいのかもしれない」と思えてくるのです。 考えすぎてしまう日々や、人との距離に悩む時間に、そっと寄り添ってくれるような感覚がありました。 ビブリオセラピストとして、そしてひとりの読書好きとして、この本がくれた静かな癒しを、あなたにも届けられたら嬉しいです。 もし今、少しでも息がしづらいな…と感じているなら、どうぞ、どこからでも開いてみてくださいね。 <フェルナンド・ペソアについて> フェルナンド・ペソア(1888–1935)は、ポルトガル・リスボン生まれの詩人・作家で、「異名者」と呼ばれる複数の人格を創造し、それぞれの名で独自の作風を展開しました。英語圏でも育ち、多言語で詩作を行い、死後に発見された膨大な未発表原稿により、その革新的な才能が世界中で高く評価されました。 ※丁寧な梱包を心がけております。簡易包装ですが、防水・緩衝材で保護してお届けいたします。
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いい人になる方法(新潮文庫) ニック・ホーンビィ/森田義信訳
¥550
良好(非常に良い/良好/並) ≪初版≫ 2003/6/1発行 表紙フチに若干のヨレ ISBN4102202145 『いい人になる方法』というこの本は、イギリスの作家ニック・ホーンビィさんが書いた、ちょっと風変わりでユーモアのあるお話です。 主人公は、医師のケイティと、その夫でちょっぴり毒舌なコラムニスト・デイヴィッド。ある日、ケイティが浮気を告白し、離婚を切り出したことから、物語が動き出します。 するとデイヴィッドは突然「いい人」になろうとして、ホームレスに部屋を貸したり、不思議な癒し手を家に招いたり…。その“善意”が、かえって家族の暮らしをかき乱してしまうんですね。 この本は、「善意って本当に人のためになるの?」という問いを、ちょっと皮肉を込めて描いています。「いい人」って何だろう…そんなことを、ふと考えさせてくれる作品です。人間関係のもつれや、心のすれ違いを、笑いとともに見つめたい方に、そっとおすすめしたい一冊です。 何気ない日常に潜む“やさしさ”のカタチ、気になった方はぜひ手に取ってみてくださいね。 <ニック・ホーンビィについて> ニック・ホーンビィは1957年生まれのイギリスの作家・脚本家。『ぼくの好きなこと』で注目を集め、『ハイ・フィデリティ』『アバウト・ア・ボーイ』などが映画化。音楽愛と男性の心情描写に定評があります。
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犬の人生(中公文庫) マーク・ストランド/村上春樹訳
¥520
良好(非常に良い/良好/並) ≪初版≫ 2001/11/25発行 ISBN4122039282 『犬の人生』という本は、詩人マーク・ストランドが書き、村上春樹さんが訳したちょっと不思議な短編集です。 原題は『Mr. and Mrs. Baby and Other Stories』なのですが、日本語版では収録作のひとつ「犬の人生」から名前がつけられています。 たとえば、「自分は昔、犬だった」と語る男性や、「亡くなった父の面影を虫や馬に見る」など、日常にひそむ奇妙な出来事が、どこか切なく、詩のようなリズムで語られています。 現実と夢のあいだをゆらゆらと漂うような、そんな読書体験ができる一冊です。 いつもと違う景色をのぞいてみたい方や、ことばの美しさにじっくり浸りたい方におすすめです。 日常のふとした隙間に、不思議な世界をのぞいてみませんか? <マーク・ストランドについて> マーク・ストランド(1934–2014)はカナダ生まれのアメリカ詩人・翻訳家で、孤独や喪失を繊細に描く作風で知られます。詩人桂冠を務め、ピューリッツァー賞など多数の文学賞を受賞しました。
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タイタンの妖女(ハヤカワ文庫) カート・ヴォネガット・ジュニア/浅倉久志訳
¥50
SOLD OUT
良好(非常に良い/良好/並) 24版 2006/4/15発行 ISBN4150102627 カート・ヴォネガット・ジュニアの『タイタンの妖女』は、「人生って、なんでこんなにうまくいかないの?」と思ったときに、そっと心を軽くしてくれる一冊です。全宇宙でいちばん不運な男・マラスキと、大金持ちのランサム・フック。このふたりが宇宙を旅してたどり着いたのは、なんとも皮肉で、だけどどこか愛おしい“真実”。 ヴォネガットらしい、ちょっぴり毒のある笑いと、とびきり風変わりなアイデアが詰まっています。 難しいSFが苦手な方にもおすすめ。肩の力を抜いて、人生や運命の不思議を笑い飛ばしてみませんか? 読んだあと、きっと世界の見え方が少し変わっているかもしれないですね。 <カート・ヴォネガット・ジュニアについて> カート・ヴォネガット・ジュニア(1922–2007)は、ブラックユーモアとSFを融合した作風で知られるアメリカの作家です。戦争体験をもとに『スローターハウス5』などを執筆し、社会批判や反戦のテーマをユーモラスに描きました。
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地底旅行・海底二万里(創元SF文庫) ジュール・ヴェルヌ
¥860
※二冊セットです ●『地底旅行』(創元SF文庫)ジュール・ヴェルヌ/窪田般弥訳 並(非常に良い/良好/並) 27版 1994/1/10発行 ISBN4488606024 『地底旅行』(創元SF文庫)は、ジュール・ヴェルヌの素晴らしい冒険物語。リーデンブロック教授と甥・アクセル、案内人・ハンスが、地球の中心を目指して地下の未知の世界を探検する様子が描かれています。 地下には驚きの光景や不思議な生物が待ち受けていて、思わずワクワクしてしまいますよ。私も初めて読んだ時、その冒険心に心を奪われたほど。科学的な知識や冒険心を育みながら、ヴェルヌの世界観に浸ることができます。もし、あなたが少しでも冒険に心惹かれるなら、この本はきっと心に残る一冊になると思います。 ●『海底二万里』(創元SF文庫) ジュール・ヴェルヌ/荒川浩充訳 並(非常に良い/良好/並) 16版 1994/10/21 発行 ISBN4488517048 『地底旅行』が地球の中心への旅を描いているのに対し、『海底二万里』は海底世界の探索を描いています。 『海底二万里』も同様に冒険の世界へ、あなたも一緒に足を踏み入れることができる一冊です。 海底で繰り広げられる未知の冒険が、きっとあなたの心をわくわくさせてくれると思いますよ。 アロナックス教授や仲間たちが出会う不思議な生き物たちや、深海の神秘的な世界に心奪われること間違いなし。私も初めてこの本を読んだとき、まるで自分が海底にいるような感覚を味わいました。 ヴェルヌの描く未来の技術や、海底の世界に触れることで、少しだけ自分の視野が広がったような気がします。そんな気持ちを皆さんにも感じてもらいたいなぁと思っています。未知の世界への一歩を、ぜひこの本で踏み出してみてくださいね。 <ジュール・ヴェルヌについて> ジュール・ヴェルヌ(1828-1905)はフランスの作家で、科学冒険小説の先駆者。法律を学ぶも文学に転向し、『海底二万里』『八十日間世界一周』などを執筆。未来を予見するような作品でSFに影響を与え、生涯執筆を続けた。
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トマシーナ(創元推理文庫) ポール・ギャリコ/山田蘭訳
¥780
非常に良い(非常に良い/良好/並) 初版再版 2004/6/25 発行 ISBN4488560016C0197 大切なものを失ったとき、人はどうやって前を向けるのでしょうか。 『トマシーナ』は、そんな心の痛みにそっと寄り添ってくれる物語です。 舞台はスコットランドの静かな町。愛を信じられない獣医と、愛する猫を失った少女。そこに現れた一人の“魔女”と、猫に宿る不思議な魂が、止まっていた時間をゆっくりと動かしはじめます。 読んでいると、悲しみの奥にある“癒し”の光が、少しずつ胸の奥に差し込んでくるようなんです。 命と命が触れあうことで、人の心がやわらかく変わっていく──そんな優しさが、この本にはたくさん詰まっています。 もし今、気持ちがふと沈むときがあったなら、この物語を開いてみてください。 きっとあなたの心にも、小さな奇跡がそっと訪れますから。 <ポール・ギャリコについて> ポール・ギャリコは1897年にニューヨークで生まれ、スポーツライターとして成功後、1930年代後半に小説家に転身しました。代表作『ポセイドン・アドベンチャー』や『まぼろしのトマシーナ』などがあり、動物ファンタジーや愛の物語を得意とし、多くの作品が映画化されました。1976年にモナコで亡くなりました。
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奇妙な遺言100(ちくま文庫) ロバート・S・メンチン/中西秀男訳
¥460
良好(非常に良い/良好/並) ≪初版≫ 1993/10/21 発行 ISBN4480027807C0198 「遺言って、こんなに人間くさいものだったのか…」──ページをめくるたび、そんな気持ちが湧いてくるんです。 『奇妙な遺言100』は、ちょっと風変わりで、どこか切なくて、時には笑ってしまうような遺言のエピソードが詰まった一冊。条件つきの遺産や、言葉にならなかった最期の願い、愛と怒りが交差する夫婦の駆け引きなど、人間の本音がにじみ出ています。 読んでいるうちに、「もし自分だったら、どんな言葉を遺すだろう?」と、ふと立ち止まってしまいました。 死を見つめることで、生がくっきりと輪郭を持つようになる──そんな不思議な読書体験なんですよね。 死にゆく人の言葉には、時として、生きる人の背中をそっと押す力があります。 気負わずに、でも心を開いて、ぜひのぞいてみてくださいね。 <ロバート・S・メンチンさんについて> ロバート・S・メンチンは、『奇妙な遺言100』の著者として知られる人物ですが、その詳しい経歴は明らかにされていません。生没年や出身地、職業などの情報も公表されておらず、英語圏を含めた資料でも詳細は不明です。わかっているのは、世界中のユニークな遺言を収集・編集した編集者的存在であるということのみです。
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あなたの人生の物語( ハヤカワ文庫) テッド・チャン/浅倉久志・他訳
¥820
非常に良い(非常に良い/良好/並) 20版 2017/5/10 発行 ISBN9784150114589C0197 「もし、人生のすべてを知っていたとしても、あなたはその道を選びますか?」 そんな問いかけから始まる『あなたの人生の物語』(テッド・チャン著)は、ただのSFではありません。 言葉と時間、そして運命との向き合い方を、私たちにそっと問いかけてくるような一冊なんです。 とくに表題作では、異星人との対話を通じて、時間の概念そのものがゆるやかに、でも確かに揺さぶられていく。 その感覚は、私の中にもずっと余韻を残しています。 この本を読んでいると、自分の選択や人生の意味が、少しだけ違って見えてくるんですよね。ページをめくるたびに、心の奥が静かに動くような──そんな癒しと気づきをもたらしてくれる物語です。 もし、日々の中で立ち止まりたくなったときは、ぜひ手に取ってみてください。あなたの人生にも、新しい物語の扉がそっと開かれるかもしれません。 <テッド・チャンについて> テッド・チャンは1967年にニューヨーク州で生まれ、台湾系アメリカ人です。ブラウン大学卒業後、SF作家としてデビュー。短編『バビロンの塔』でネビュラ賞を受賞し、その後も多数の賞を受賞。寡作ながら、現代SF界で高く評価されている作家です。
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夜間飛行(新潮文庫) サン・テグジュペリ/堀口大學訳
¥430
並(非常に良い/良好/並) 79版 2001/5/30発行 ISBN 410212201X 経年のヤケと表紙、小口等に擦れや傷みあり。読むには問題ありません。 この物語、『夜間飛行』は、暗い空を飛ぶ郵便飛行士たちの勇気と責任を描いた物語となっています。 飛行機がまだ新しい時代、危険な空を飛び続ける彼らの姿に、きっと共感するはず。 怖さや孤独を感じながらも、大切な使命を果たそうとする彼らの姿勢は、私たちにも「前に進む勇気」を教えてくれます。 詩的な文章とリアルな飛行シーンに心を動かされるので、日々の生活でも自分の価値を見つめ直すヒントが見つかるかもしれませんね。 この一冊で、あなたの心にも何か新しい風が吹くはずです! <サン・テグジュペリについて> サン・テグジュペリ(1900年生まれ)は、航空隊の操縦士としての経験を基に文学を執筆。1929年に『南方郵便機』を発表し、1931年に『夜間飛行』でフェミナ賞を受賞。第二次世界大戦中に自由フランス空軍に参加し、1944年に行方不明となりました。代表作『星の王子さま』は世界中で愛されています。
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サキ短篇集(新潮文庫) サキ/中村能三訳
¥480
【非常に良い】(非常に良い/良好/並) ≪67版≫2020/9/20発行 『サキ短篇集』(新潮文庫)は、英国作家サキ(本名ヘクター・ヒュー・マンロー)の代表作を収めた短編集。 ブラックユーモアと鋭い諷刺が特徴で、たとえば「開いた窓」の意外な結末や、「おせっかい」に潜む皮肉は、読んだ後に「ふふっ」と笑ってしまうような独特の味わいがあります。 短い物語の中に、予想外の展開や人間の本質を描き出すサキの腕前には驚かされますよ。 この本を読むと、ユーモアの中に隠れた人生の機微を感じ取る力が磨かれる気がします。 「一見おかしいけれど、どこか鋭く刺さる」そんな物語が読みたい時、この本はぴったりです。 日常の隙間時間に読めるので、忙しいあなたにもおすすめですよ。 ちょっと変わった視点で世界を見てみたくなったら、ぜひ手に取ってみてくださいね。
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若草物語(新潮文庫) オールコット/松本恵子訳
¥490
良好(非常に良い/良好/並) 22版 2020/3/5 発行 ISBN9784102029039 『若草物語』は、心温まる家族の絆と成長の物語。 4人姉妹が困難に立ち向かいながらも、お互いを支え合い、夢を追いかける姿に胸が熱くなりますよ。 私も初めて読んだとき、ジョーの強い意志に共感し、彼女が作家として成長する姿に励まされました。たまに涙もありましたが、それ以上に温かい気持ちで満たされたのです。 この本を手に取ったとき、きっとあなたも、自分自身の成長を見つめ直すきっかけになると思います。 家族や友人との絆を再認識できる、そんな一冊です。 読むたびに心がほっこりするこの名作、ぜひ手に取って、あなた自身の「若草物語」を感じてみてくださいね。 また、この本は150年以上も読み継がれている名作で、時代を超えて愛され続けている理由がここにあります。家族や友情の大切さ、そして自分を大切にしながら周りを思いやる心を教えてくれますよ。 きっと、あなたの心に寄り添い、人生の指針となる一冊になるはずです。 <ルイーザ・メイ・オルコットについて> ルイーザ・メイ・オルコット(1832年生まれ)は、アメリカの作家で、代表作『若草物語』で有名です。家計を支えるために執筆を始め、1860年代に作家として成功。ペンネームA・M・バーナードでスリラーも執筆し、生涯で30冊以上の本と300篇以上の作品を残しました。
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マルテの手記(新潮文庫) リルケ/大山定一訳
¥50
SOLD OUT
非常に良い(非常に良い/良好/並) 60版 2014/6/20 発行 ISBN9784102175033 『マルテの手記』は、リルケが描いた作品で、私たちが普段感じる孤独や不安、そして死について深く考えさせられます。 主人公のマルテは、パリでの生活を通して自分自身と向き合い、現代社会の中で人間の存在がどう意味を持つのかを問いかけます。 この物語を読んでいると、マルテの孤独に共感したり、自分の内面に触れたりする瞬間があるはずです。リルケの美しい言葉が心に響き、読後には、自分や他の人との関係を新しい視点で見つめ直すことができるかもしれません。
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父と子(新潮文庫) ツルゲーネフ/工藤精一郎訳
¥490
非常に良い(非常に良い/良好/並) ≪2版≫1998/11/10発行 親と子、世代の違いに戸惑ったことはありませんか? 『父と子』は、そんなすれ違いに静かに光を当ててくれる一冊なんです。 舞台は19世紀のロシア。旧い価値観を大切にする父親世代と、新しい思想を掲げる子ども世代がぶつかり合います。 主人公のバザーロフは、「すべてを否定する」ことで自分を守ろうとしますが、その奥には揺れる心と、どうしようもなく人を思う気持ちがあるんですよね。 読んでいると、私たちの時代にも通じる問いがそっと胸に届きます。 「信念を貫くってどういうこと?」「家族って、何なんだろう?」 本の言葉が、そんな問いかけに寄り添ってくれるんです。 もし今、誰かとの距離に悩んでいたら――この物語が、静かに心をほぐしてくれるかもしれません。 <イワン・ツルゲーネフについて> イワン・ツルゲーネフ(1818–1883)は、19世紀ロシアを代表する文豪のひとりです。貴族の家に生まれ、ベルリン大学で哲学を学んだのち、ロシアの社会問題や思想を小説に反映させました。代表作『父と子』『猟人日記』『初恋』などを通じて、農奴制批判や世代間の対立を描き出し、繊細な心理描写に優れた作品群は今も世界中で愛読されています。晩年はパリを拠点に過ごしました。
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絵のない絵本(新潮文庫) アンデルセン/矢崎源九郎訳
¥50
SOLD OUT
良好(非常に良い/良好/並) 103版 2008/6/15 発行 この物語は、貧しい絵描きが主人公です。 友達もおらず、窓からは灰色の煙突しか見えません。ところが、ある晩、お月さまが話しかけてきて、いろんな話をしてくれるのです。お月さまは、ヨーロッパの人々の生活や悩みを話したり、時にはインドや中国、アフリカといった遠い国の不思議なお話をしてくれるんです。 本書は、アンデルセンの作品の中でも少し変わった内容で、月が絵描きに毎晩違うお話をしてくれる構成です。なかには結末がはっきりしない話もありますが、それが逆にいろんな解釈ができる楽しさを感じさせてくれます。まるで詩のような作品で、アンデルセンの心の中を描いた絵のように感じる部分もあり、「絵のない絵本」というタイトル通り、頭の中で美しい風景が広がる作品です。
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人形の家(新潮文庫) イプセン/矢崎源九郎訳
¥370
非常に良い(非常に良い/良好/並) 97版 2021/5/20 発行 「幸せなはずの毎日なのに、なんだか息苦しい──」そんな風に感じること、ありませんか? ノルウェーの劇作家・イプセンが描いた『人形の家』の主人公・ノラも、きっと同じような思いを抱えていたのだと思います。愛されているようで、どこか“自分”が置き去りにされている日々。その静かな違和感が、大きな決断へと彼女を導いていくんです。 読んでいて、私も思わず胸が詰まってしまいました。でも同時に、「自分を大切にしてもいいんだ」と背中を押された気がしたんです。 本って、こうして心にそっと触れて、気づきをくれるものなんですよね。 今の暮らしに少しでも違和感を抱いているなら──ノラの物語に、あなたの気持ちを重ねてみてください。ページをめくるたび、きっと、やさしい勇気がそっと湧いてきますよ。 <ヘンリック・イプセンについて> ヘンリック・イプセン(1828年–1906年)は、ノルウェー出身の劇作家・詩人で、近代リアリズム演劇を確立しました。20歳で戯曲を自費出版し、劇場での経験を積んだ後、海外で27年間暮らしました。代表作『人形の家』(1879)で名声を得、社会問題を扱った作品で影響を与えました。
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赤い唇(集英社文庫) マヌエル・プイグ/野谷文昭訳
¥1,150
並(非常に良い/良好/並) ≪初版≫ 1994/11/25 発行 表紙の背に劣化。天、地、小口に汚れアリ。 それ以外は読書には全く問題ありません。 アルゼンチンの片田舎で起きた一人の青年の死──それは、封印されていた愛と裏切りの記憶をそっと呼び覚ます引き金でした。『赤い唇』は、美貌の青年フアン・カルロスを巡る女たちの愛憎と過去が、手紙や会話、モノローグといった多彩な形式で紡がれていく、まるで舞台のような群像劇なんです。 嫉妬、密告、そして許されぬ恋。 どろどろとした人間模様に思わず息をのむのに、読後にはなぜか胸がじんわりする…そんな、不思議な読書体験でした。 恋も人生も、思い通りにはいかないけれど――それでも、人は愛して、悩んで、生きていくんですよね。 本を閉じたあと、そんな人間のたくましさや哀しみに、心がそっと寄り添っていました。 少し変わった構成に戸惑うかもしれませんが、ページをめくるたび深みへと誘われていきます。ラテンの熱と哀しみに包まれながら、あなたの心も静かに癒されていくかもしれません。気になった方は、どうぞゆっくり開いてみてくださいね。 <マヌエル・プイグについて> マヌエル・プイグは、1932年アルゼンチン生まれの作家です。映画に夢中だった少年時代を経て、映画監督を目指しましたが、小説家に転身。1960年代から作家として名を馳せ、『赤い唇』や『蜘蛛女のキス』で国際的に評価されました。政治的理由で亡命を余儀なくされ、1990年にメキシコで亡くなりました。独自の文体と現代的なテーマでラテンアメリカ文学に大きな影響を与えました。
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いま見てはいけない(東京創元社) ダフネ・デュ・モーリア/務台夏子訳
¥1,000
【非常に良い】(非常に良い/良好/並) 再版 2016/12/9発行 夜の静けさの中、ふと手に取った一冊が、心の奥深くをゆっくり揺らすことがあります。 『いま見てはいけない』(ダフネ・デュ・モーリア)は、そんな一冊なんです。ヴェネチアの水辺で、ある夫婦が出会う謎めいた老姉妹──その瞬間から、日常は少しずつ“歪んで”いきます。収められている短編たちは、どれも現実と幻想の境界を行き来しながら、私たちの中にある恐れや、知らずに避けてきた感情をそっと掘り起こしてくれるんですよね。 読後、なんとも言えない余韻が残って、私は思わず本を閉じたまま、しばらく窓の外を眺めてしまいました。 怖いのに、美しい。理不尽なのに、どこか納得してしまう──そんな感覚に出会えるんです。 もし、日常の裏側にひそむ“なにか”に心がふれる瞬間を探しているなら、この短編集を手に取ってみてくださいね。きっと、あなたの心にも、小さなざわめきが届くはずです。 <ダフネ・デュ・モーリアについて> ダフネ・デュ・モーリアは1907年ロンドン生まれ。祖父が高名な作家で画家、父が舞台俳優兼演出家、母が舞台女優という芸術家一家の三人姉妹の次女として生まれる。1931年作家デビュー、1938年の『レベッカ』が世界的なベストセラーとなった。コーンウォールの荒々しい自然を愛し、夫との間に三人の子供をもうけた。1989年没。
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オペラ座の怪人(角川文庫) ガストン・ルルー/長島良三訳
¥420
【良好】(非常に良い/良好/並) ≪25版≫2016/1/20発行 『オペラ座の怪人』(角川文庫)は、ガストン・ルルーが描いた、愛と孤独、そして自己と向き合う物語。 華やかなオペラ座の舞台裏、静かな地下迷宮で繰り広げられるファントムとクリスティーヌ、そしてラウル子爵の三角関係は、心に深く刺さる感情の揺れを映し出します。 たとえば、「誰にも理解されない」と感じること、ありませんか? ファントムの切ない孤独は、そんな気持ちをそっと代弁してくれるかもしれません。そして、クリスティーヌが迷いながらも選ぶ道は、私たちが人生の岐路に立ったときに心に響くヒントを与えてくれるんです。 「今、自分自身の気持ちに向き合いたい」 そんな時に、この物語はきっと寄り添ってくれるはず。地下迷宮で奏でられる愛と苦悩の旋律に、耳を傾けてみませんか?
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夜の樹(新潮文庫) トルーマン・カポーティ/川本三郎訳
¥560
【非常に良い】(非常に良い/良好/並) ≪25版≫2018/1/10発行 誰にも話せない不安や、ふと押し寄せてくる孤独──そんな夜、心にそっと寄り添ってくれる本があります。 トルーマン・カポーティ『夜の樹』は、都市に生きる人々の孤独や夢のかけらを、静かに、けれど鋭く描き出した短編集。未亡人の前に現れる少女「ミリアム」、夜汽車で出会う奇妙な夫婦、夢を売る女の虚ろな日々……。読んでいると、自分の中にある小さな影と、そっと向き合いたくなるんです。 短編集なので、ほんの少しの時間でも読めるのが嬉しいところ。私はこの本を閉じたあと、自分の弱さを少しだけ愛おしく思えました。 孤独って、決して特別なものじゃないんですよね。そんな気づきをくれる物語が、ここにあります。 今夜、あなたの静かな読書時間に、そっと差し出してみたくなる一冊です。 <トルーマン・カポーティについて> トルーマン・カポーティ(1924–1984)は、アメリカ・ルイジアナ州生まれの小説家。孤独な幼少期に培われた感性をもとに、11歳から執筆を始め、19歳で短編「ミリアム」がO・ヘンリー賞を受賞。『遠い声、遠い部屋』『ティファニーで朝食を』『冷血』など革新的な作品で現代文学に大きな影響を与えました。