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ある犬の飼い主の一日(新潮クレストブックス) サンダー・コラールト/長山さき訳
¥1,500
非常に良い(非常に良い/良好/並) ソフトカバー 初版 2023/4/25発行 ISBN9784105901882 ◆2020年 リブリス文学賞受賞作品 『ある犬の飼い主の一日』は、サンダー・コラールトが紡ぐ、静かでやさしい物語。 老犬スフルクと暮らすヘンクの一日は、何気ないけれど、心にしみる時間の連なり。小さな出来事が、人生の輝きをそっと照らします。 大切な存在を愛おしく思う気持ち、あなたにもきっと伝わるはずです。 オランダ固有の犬種コーイケルホンディエのスフルクを溺愛するヘンクの姿に、私も胸が温かくなりました。どうぞ、じんわりと心に染みる読書を。 <リブリス文学賞とは?> リブリス文学賞は、Twitterの投票で決まる読者が選ぶ文学賞です。対象は、国内の新作小説と海外の初めて翻訳された小説。投票はハッシュタグをつけて行い、「国内部門」「海外部門」のどちらかだけでもOK。本好きの声が反映される、ちょっと特別な文学賞です。 <サンダー・コラールトさんについて> サンダー・コラールトさんはオランダ出身の小説家。代表作『ある犬の飼い主の一日』はオランダでベストセラーとなり、日本でも新潮クレスト・ブックスから翻訳出版された。生と死を巧みに描き、人生の意味を探求する作風が特徴。
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欲望 (新潮文庫) 小池真理子
¥420
良好(非常に良い/良好/並) 初版 2000/4/1 発行 ISBN410144014 ◆1998年 第5回 島清恋愛文学賞受賞作品 『欲望』は、小池真理子さんが描く、心と体のすれ違いが切なく響く物語です。 主人公・類子は、満たされぬ想いを抱えながらも、正巳という青年に心惹かれていきます。愛とは何か?欲望とは何か?を静かに問いかけられるような一冊です。 島清恋愛文学賞受賞作の美しい文章に浸りながら、自分の心の奥をそっと見つめてみませんか? <小池真理子さんについて> 小池真理子さん(1952年生まれ)は、出版社勤務を経て、1978年にエッセイスト、1985年に小説家としてデビュー。恋愛小説やミステリーで活躍し、直木賞など数々の文学賞を受賞。軽井沢在住。
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巨女(徳間文庫) 吉村萬壱
¥550
非常に良い(非常に良い/良好/並) 4版 2023/9/25発行 ISBN9784198941499 ◆2015年 第22回 島清恋愛文学賞受賞作品 『巨女』は、吉村萬壱さんが描く、愛と献身の極限を問う物語です。 妻が巨大化していく奇妙な現象に直面する主人公。 これはただの奇想小説ではなく、愛することの重さ、そして介護の現実に静かに向き合う一冊なんですが、第11回島清恋愛文学賞受賞作でもあり、文学的感性が培われる物語だと思います。その衝撃的な世界に、一歩踏み込んでみませんか? <吉村萬壱さんについて> 吉村萬壱(よしむらまんいち)さん(1961年生)は、大阪育ちの小説家。高校教諭を経て52歳で専業作家に。2001年「クチュクチュバーン」で文學界新人賞受賞、2003年「ハリガネムシ」で芥川賞受賞。退廃的でグロテスクな作風が特徴。エッセイ執筆も。
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ジョン万次郎漂流記 本日休診(角川文庫)・黒い雨(新潮文庫)/井伏鱒二
¥600
※二冊セットです ●ジョン万次郎漂流記 本日休診/井伏鱒二 (角川文庫) 良好(非常に良い/良好/並) 19版 1995/5/30発行 天、小口に経年によるヤケあり。読むには問題ありません。 ISBN4041076013 ◆1938年 第6回 直木賞受賞作品 運命に翻弄されながらも、学ぶことで道を切り開いたジョン万次郎。その姿は、私たちにも新しい世界に踏み出す勇気をそっとくれる気がします。井伏鱒二の美しい文章で描かれるこの物語、あなたも一緒に旅しながら堪能してくださいね。 ●黒い雨/井伏鱒二(新潮文庫) 51版 1994/6/5発行 天、小口、地に経年によるヤケあり。読むには問題ありません。 ISBN4101034060 ◆1966年 野間文芸賞作品/文化勲章受章 『黒い雨』は、原爆に翻弄された人々の静かな叫びが込められた物語なんです。 姪の幸せを願う重松の想いと、避けられない運命に胸が締めつけられます。 でも、この本には絶望だけではなく、人が生きることの意味も刻まれています。過去を知り、未来を考えるために、ぜひ手に取ってみてください。 <井伏鱒二について> 井伏鱒二(1898-1993)は広島県生まれ。早稲田大学で文学を学び、同人誌でデビューしました。『山椒魚』や『黒い雨』など、ユーモアと哀感を織り交ぜた作品で知られる。直木賞や文化勲章を受章し、昭和を代表する文豪として今も愛されています。
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軽いめまい(講談社) 金井美恵子
¥2,500
非常に良い(非常に良い/良好/並) 初版 1997/4/8 発行 ISBN4062043084 金井美恵子の『軽いめまい』(講談社)は、何気ない日常の中にふっと忍び込む違和感を繊細に描いた物語。 専業主婦の夏実が感じる「軽いめまい」は、どこか他人事ではなく、私たちの心にもそっと寄り添ってくるんです。満たされているはずなのに、ふとした瞬間に揺らぐ気持ち、そんな経験のある方には、きっと響く一冊。 2023年には英訳され、ニューヨークタイムズやアトランティック誌でも書評されるなど、国際的にも高く評価されています。 静かに、でも確かに心の奥を揺さぶるこの物語を、ぜひ味わってみませんか? <金井美恵子について> 金井美恵子(1947年生)は、高校卒業後、作家活動を開始し、1967年『愛の生活』で文壇デビュー。『タマや』で女流文学賞受賞など、多くの作品を発表。映画評論や対談集も手がけ、東京・目白で姉と暮らしている。
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個人的な体験 純文学書下ろし特別作品(新潮社) 大江健三郎
¥1,350
並(非常に良い/良好/並) ハードカバー 13版 1969/9/30発行 函・帯あり。経年による函背、天、地ヤケ・シミあり。 書籍自体は良好 『個人的な体験 純文学書下ろし特別作品』(新潮社)は、大江健三郎が自身の経験をもとに描いた、深い葛藤と再生の物語。 障害を持つ息子の誕生に揺れる主人公の心が、まるで自分のことのように響いてくるんです。人生の選択に迷うとき、そっと寄り添ってくれる一冊。 言葉の一つひとつが胸に残る、純文学ならではの味わい深さを感じてみませんか? ゆっくりと、この物語の世界に浸ってみてくださいね。 <大江健三郎さんについて> 大江健三郎さん(1935-2023)は愛媛県生まれの作家。東京大学卒業後、「飼育」で芥川賞を受賞。代表作に「個人的な体験」「万延元年のフットボール」など。1994年にノーベル文学賞を受賞し、日本文学に大きな影響を与えました。
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恋愛論(太田出版) 竹久夢二
¥690
並(非常に良い/良好/並) ≪初版≫ 1993/7/30 発行 ハードカバー ISBN4872331281 竹久夢二の『恋愛論』は、彼の恋愛遍歴を通じて芸術に対する深い思いが描かれている一冊。 特に、竹久夢二の心情が詩となって表現されている部分が切なく響いてくるようです。 竹久夢二の愛の形や悲しみが詩に込められていて、それが彼の絵画にどう影響したのかを知ることができるんですよね。 私はこの本を読んでみて、恋愛と創作が繋がる不思議な感覚に触れ、じんわり心が温かくなりました。 もし、あなたも心に響く一冊を探しているなら、この本はきっと心に残るんじゃないかと思えます。 <竹久夢二について> 竹久夢二(本名:竹久茂次郎「たけひさ もじろう」)は1884年、岡山県に生まれました。17歳で上京し、画家としての道を歩み始め、1905年に「夢二」の名で活動を開始。1914年には和装小物店「港屋」を開店し、絵画だけでなく詩や小説も手掛けました。大正ロマンを代表する画家として、独自の美人画で人気を博し、1934年に49歳で亡くなりました。
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影裏(文藝春秋) 沼田真佑
¥420
良好(非常に良い/良好/並) 2版 2017/8/1発行 ハードカバー ISBN9784163907284C0093 『影裏』は、沼田真佑 さんのデビュー作であり、第157回芥川賞を受賞した素晴らしい小説。物語は、東日本大震災後の日本を背景に、主人公の今野が唯一の友人・日浅とのつながりを通して、喪失や孤独、人間関係の複雑さに向き合っていく様子を描いているんです。 読んでいると、時折自分自身の過去や心の中にしまい込んだ感情がふわりと浮かび上がり、胸が温かくなることがあります。 静かな文体ですが、その中に秘められた強さや深さが感じられるので、ズシンと心に残ります。 もしかしたら、あなたもこの本を読んで、心の中の何かが少しだけ動くのかもしれません。言葉の力を感じられる『影裏』、ぜひ手に取ってみてくださいね。 <沼田真佑さんについて> 沼田真佑(ぬまた しんすけ)さん(1978年生まれ、北海道小樽市)は、福岡大学附属大濠高校卒業後、西南学院大学商学部を卒業。2017年、デビュー作『影裏』で第122回文學界新人賞、第157回芥川賞を受賞。岩手県盛岡市在住で、独特の澄んだ文体と深い人間描写で注目されています。
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あなたの人生の物語( ハヤカワ文庫) テッド・チャン
¥820
非常に良い(非常に良い/良好/並) 20版 2017/5/10 発行 ISBN9784150114589C0197 『あなたの人生の物語』は、テッド・チャンの名作SF短編集(全8編)で、その表題作は映画『メッセージ』の原作でもあります。 宇宙人との交信に挑む言語学者ルイーズの物語が、彼女の娘との思い出と交差しながら進んでいく作品。 読み進めるうちに、時間や言語、人生の意味についてじっくり考えたくなります。 科学的なテーマがありながら、どこか温かさや切なさがにじむ物語は、読む人の心にそっと寄り添ってくれます。 私も初めて読んだとき、こんなにも心を揺さぶられる本があるのだと感動したほど。 言語が私たちの考え方や世界の捉え方にどれほど深く関わっているのか…それを知ると、何気ない日常さえ少し特別に思えてきます。 「これから先の自分の物語」を考えたくなる、そんな1冊。ぜひ、お手に取ってみてくださいね。 <テッド・チャンについて> テッド・チャンは1967年にニューヨーク州で生まれ、台湾系アメリカ人です。ブラウン大学卒業後、SF作家としてデビュー。短編『バビロンの塔』でネビュラ賞を受賞し、その後も多数の賞を受賞。寡作ながら、現代SF界で高く評価されている作家です。
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仮面の告白(新潮文庫) 三島由紀夫
¥550
良好(非常に良い/良好/並) 146版 2010/6/10発行 ISBN 4101050010 三島由紀夫の『仮面の告白』は、自分の本音と社会の期待に挟まれた主人公の葛藤を描いた、心にズシンと響く名作。 幼少期から青年期まで、主人公は「本当の自分」と「周囲が望む自分」の間で悩み、「仮面」を被りながら生きていきます。 三島由紀夫独特の美しい文章や深い心理描写が見どころで、読むほどに主人公の苦しみや切なさが胸にしみてくるんですよね。 自分と向き合う勇気や他人との折り合いについて考えさせてくれるこの作品。 必要なときこそ、読んで欲しいです。 <三島由紀夫について> 三島由紀夫(本名:平岡公威)は、1925年1月14日、東京に生まれました。東京大学法学部を卒業後、大蔵省に勤務するも、9ヶ月で退職し作家の道を選びました。1949年に『仮面の告白』で作家としての地位を確立。その後、『潮騒』や『金閣寺』など数々の名作を発表しました。1970年、最後の作品『豊饒の海』を書き終えた後、自衛隊市ヶ谷駐屯地で自決。彼の作品は世界中で読まれ、ノーベル文学賞候補にもなった日本の代表的作家です。 ※ショップブログ>2025年1月15日 もチェックしてみてくださいね。
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道化の精神(大和出版) 太宰治
¥1,200
良好(非常に良い/良好/並) ハードカバー 新装版初版 1992/6/30発行 ISBN 4804730346 表紙に小さな汚れあり。 太宰治の『道化の精神』は、人間関係の難しさや生きづらさをそっと描いた作品です。 「道化」として生きることで社会と向き合いながら、本当の自分を探し続ける、太宰作品の登場人物たちの姿に、きっと共感できると思います。 太宰らしい美しい言葉が紡ぐ物語を読むと、「私だけが悩んでいるわけじゃないんだ」とほっとする気持ちになれるかもしれません。 自分の弱さを受け入れ、誰かをもっと優しく見つめられるようになる一冊です。 ぜひ、太宰の世界に触れてみてくださいね。 <太宰治について> 太宰治(本名・津島修治)は、1909年に青森県で生まれ、東京帝国大学で学んだ後、1930年に心中未遂を経験。1947年には『斜陽』で大ベストセラーを記録しますが、1948年に玉川上水で自殺。『人間失格』『走れメロス』などが代表作で、人間の心理を描いた作品で知られています。
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サキ短篇集(新潮文庫) サキ/中村能三訳
¥480
【非常に良い】(非常に良い/良好/並) ≪67版≫2020/9/20発行 『サキ短篇集』(新潮文庫)は、英国作家サキ(本名ヘクター・ヒュー・マンロー)の代表作を収めた短編集。 ブラックユーモアと鋭い諷刺が特徴で、たとえば「開いた窓」の意外な結末や、「おせっかい」に潜む皮肉は、読んだ後に「ふふっ」と笑ってしまうような独特の味わいがあります。 短い物語の中に、予想外の展開や人間の本質を描き出すサキの腕前には驚かされますよ。 この本を読むと、ユーモアの中に隠れた人生の機微を感じ取る力が磨かれる気がします。 「一見おかしいけれど、どこか鋭く刺さる」そんな物語が読みたい時、この本はぴったりです。 日常の隙間時間に読めるので、忙しいあなたにもおすすめですよ。 ちょっと変わった視点で世界を見てみたくなったら、ぜひ手に取ってみてくださいね。
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薬を食う女たち(河出書房新社) 五所純子
¥1,000
【非常に良い】(非常に良い/良好/並) (ほぼ新品) ソフトカバー ≪初版≫2021/6/30発 『薬を食う女たち』は、五所純子さんのルポルタージュ作品です。 この本では、薬物依存に陥った女性たちの生々しい現実を丁寧に描き出し、彼女たちが抱える心の痛みや社会との関係性を考えさせられます。 読み終えると、「こうした視点が自分にも必要だった」と思わされること間違いありません。ぜひ手に取ってみてくださいね。 読んだ形跡がなく、美しい状態のため(ほぼ新品)といたしました。
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青の時代(新潮文庫) 三島由紀夫
¥420
【良好】(非常に良い/良好/並) ≪73版≫2017/8/25発行 『青の時代』は、三島由紀夫が描く、青年・川崎誠の欲望と挫折の物語です。 彼は名家に生まれ、厳格な父のもとで育ちますが、成長するにつれて自らの道を選び、金銭欲に駆られていきます。 大学時代に出会った女性との関わりから始まる彼の破滅的な人生を、三島特有の鋭い視点で描いています。 この本を読むことで、人間の欲望や挫折、そして戦後の日本社会が抱える矛盾を深く考えさせられます。 また、三島の緻密な心理描写やシニカルな文体に触れることで、彼の文学世界に魅了されることだと思います。もし、社会の変化や人間の本質に興味があるなら、きっとこの作品が心に響くはずです。 『青の時代』は、きっとあなたの心に深く響く一冊になると思います。 三島由紀夫の世界にゆっくり浸りながら、彼の言葉が織りなす魅力を感じてみてくださいね。 <三島由紀夫について> 三島由紀夫(本名:平岡公威)は、1925年1月14日、東京に生まれました。東京大学法学部を卒業後、大蔵省に勤務するも、9ヶ月で退職し作家の道を選びました。1949年に『仮面の告白』で作家としての地位を確立。その後、『潮騒』や『金閣寺』など数々の名作を発表しました。1970年、最後の作品『豊饒の海』を書き終えた後、自衛隊市ヶ谷駐屯地で自決。彼の作品は世界中で読まれ、ノーベル文学賞候補にもなった日本の代表的作家です。 ※ショップブログ>2025年1月15日 もチェックしてみてくださいね。
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裂(講談社) 花村萬月
¥1,100
良好(非常に良い/良好/並) ≪初版≫2011/3/17発行 経年のスレがありますが、他は問題ありません。 花村萬月について ❝花村萬月(本名・吉川一郎)は、1955年生まれの日本の小説家。高校中退後、放浪生活を送り、30歳過ぎから創作活動を開始。1989年に『ゴッド・ブレイス物語』でデビュー。1998年、『ゲルマニウムの夜』で芥川賞を受賞し、以後、吉川英治文学新人賞や柴田錬三郎賞も受賞。現在は京都に在住。❞ 花村萬月さんの『裂』は、現代社会の複雑な人間関係と心の中にある「裂け目」を描いた作品です。 長編ですが、なぜだかサクッと読めてしまいます。 『裂』は、作家志望の青年と若手女性編集者の複雑な関係を軸にした物語です。 持ち込まれた原稿には、編集者自身の名前が使われ、その内容が二人の心に波紋を広げます。 文学の創作現場や、作家と編集者の繊細な駆け引きがリアルに描かれていて、文学賞の知られざる裏側などを覗ける作品です。 花村さんの鋭い筆致で描かれる緊張感は、きっと引き込まれるんじゃないでしょうか。 私自身、この本を読み終えたあと、「文学とは何か」を考えさせられました。じっくりと世界に浸りたい方に、ぜひおすすめしたい一冊です。
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箱男 純文学書下ろし特別作品(新潮社)安部公房
¥1,100
並(非常に良い/良好/並) 2版 1973/4/30発行 函(背に経年ヤケあり)、ビニールカバー(経年の劣化あり) 書籍自体はきれいな状態です 『箱男』は、安部公房が描く独特な物語で、ダンボール箱をかぶりながら都市を彷徨う「箱男」の視点を通じて、現代社会の匿名性や自己のアイデンティティに向き合う、という展開。 主人公が見つめる「見えない世界」から浮かび上がる疑問は、私たち読み手の心に深く響いてきて、自己や他者との関わりについて考えさせられるんです。 物語は、箱男の手記とともに、様々な人物や文章が断片的に挿入され、真実を探る手がかりが次々と提示されます。 これにより、情報の解釈を問われ、現実と虚構が交錯する深遠な世界が広がっていくんです。 本書を読むことで、私たちは日常生活の中でふと感じる疑問や不安に対する新たな視点を得られますし、読んだ後、心の中で何かが変わる予感がするはずです。 何度も読み返すことで、異なる解釈が生まれ、あなた自身の思考が深まっていくことでしょう。 『箱男』はただの小説ではなく、思索の旅へと誘ってくれる知的な冒険です。 この本が、あなたにとって新たな刺激となり、心に残る一冊となることを願っています。ぜひその世界に足を踏み入れてみてくださいね。 <安部公房について> 安部公房(あべこうぼう)【本名・あべ きみふさ】は、1924年に東京で生まれ、満州で幼少期を過ごしました。東京大学医学部卒業後、作家としてデビュー。1951年に『壁―S・カルマ氏の犯罪』で芥川賞を受賞し、1962年には『砂の女』で国際的な評価を得ました。小説、戯曲、映画など多岐にわたり活躍し、1993年に急逝しました。 安部公房の読み方は「あべ こうぼう」です。本名の読み方は「あべ きみふさ」となります。
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セロトニン(河出書房新社) ミシェル・ウエルベック/関口涼子訳
¥1,340
非常に良い(非常に良い/良好/並) ≪初版≫ 2019/9/30 発行 ハードカバー ISBN9784309207810 ミシェル・ウエルベックの『セロトニン』は、現代社会の孤独や絶望をテーマにした物語です。 主人公フロラン=クロードが抱える生きづらさや悩みを通じて、人間関係のもろさや、自分自身の生き方について、私たちも深く考えさせられる一冊。 フランスの農業や消費社会といったリアルな背景が描かれ、読んでいると、自分のことのように感じる場面がたくさんあります。 ウエルベックの言葉には、どこか共感できる部分があり、心にしみるんですよね。 この本を読んで、現代社会で生きることの意味や、人間関係の本質について考えることができると同時に、自分自身の価値観や過去の選択を振り返るきっかけにもなるんじゃないかと思いました。 少し暗いテーマではありますが、その美しい愛の物語には心を打たれ、あなたの世界観を豊かにしてくれるはず。ぜひ手に取って、あなた自身の感じるままに物語を堪能してみてくださいね。 <ミシェル・ウエルベックについて> ミシェル・ウエルベックは1956年生まれのフランスの小説家、詩人で、現代社会への鋭い批判が特徴です。幼少期は共産主義者の祖母に育てられ、1985年から詩作を始め、1991年に第一詩集を出版。『闘争領域の拡大』(1994)で注目され、代表作『素粒子』(1998)で成功を収め、2010年には『地図と領土』でゴンクール賞を受賞しました。
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襲撃(河出書房新社) ハリー・ムリシュ/長山さき訳
¥1,690
非常に良い(非常に良い/良好/並) ≪初版≫ 2023/6/30 発行 ハードカバー ISBN9784309208855 ハリー・ムリシュの『襲撃』は、第二次世界大戦が終わる直前のオランダを舞台にした物語です。 主人公のアントンは、家族を失う大きな事件をきっかけに、過去とどう向き合っていくのかを考える日々を送ります。 この本を読むと、戦争の悲しみや、その後も続く影響について、自然と自分のことのように感じてしまうんです。物語の中で出てくるさまざまな問いかけが、私たち自身の価値観や歴史の見方を見つめ直すきっかけにもなると思います。 読み終えるころには、心が少し軽くなるような、不思議な感覚になるので救われます。 <ハリー・ムリシュについて> ハリー・ムリシュは1927年オランダ生まれの作家で、20世紀後半のヨーロッパ文学を代表する人物です。第二次世界大戦後に作家として活動を開始し、2000年には『天国の発見』が世界で150万部を売り上げました。彼の作品は30か国以上で翻訳され、国際的に高い評価を受けています。2010年に83歳で逝去。
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蒲団・重右衛門の最後(新潮文庫) 田山花袋
¥370
非常に良い(非常に良い/良好/並) 89版 2022/10/30 発行 田山花袋の『蒲団・重右衛門の最後』は、”日本の自然主義文学の深み”を感じることができる一冊です。 『蒲団』では、既婚作家と若い女学生の微妙な距離感が生み出す葛藤を通して、人間の弱さや絶望を鮮烈に描いています。 『重右衛門の最後』では、社会から疎外された人物たちの深い憎しみや孤独が、思わず引き込まれてしまうほどの力強さで描かれています。 どちらの作品も、心に深く刻まれ、読むたびに新しい気づきがあるのが魅力。何度読んでも飽きません。 私が思うに、この本は単に物語を楽しむだけでなく、人間の本質に触れることができるので、人間の複雑さや痛みを感じることで、私たちが日常生活でどれだけ見過ごしている感情や思いがあるのかに気づけるのかもしれません。 きっと、読み手にも共感できる瞬間がたくさんあるはずなんです。 この作品を手に取って、あなたの心の深い部分に触れてみてください。きっと、心に残る一冊になるはずですよ。 <田山花袋について> 田山花袋(本名:田山録弥(ろくや))は、1871年に栃木県で生まれました。14歳で上京し、19歳で小説家を志し、尾崎紅葉に師事しました。博文館に勤務し、1907年には『蒲団』を発表、日本自然主義文学を確立しました。その後、『生』や『妻』など多くの作品を残し、1930年に60歳で亡くなりました。
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眠れるラプンツェル(幻冬舎文庫) 山本文緒
¥380
良好(非常に良い/良好/並) 8版 2000/6/5 発行 『眠れるラプンツェル』は、28歳の専業主婦・汐美が主人公。 汐美は結婚して6年目、孤独な日々を送る彼女が、12歳の少年・ルフィオと出会うことで、思いもよらぬ感情が芽生えていくのです。 年齢差を超えた関係に迷いながらも、自分と向き合うことで、汐美は新たな自分を発見します。 山本文緒さんの筆致が、繊細に心の葛藤を描き出し、読んでいるうちに自分の人生にも重なる部分があるかもしれません。 日常の中に隠れた可能性や、欲望の葛藤を感じ取ることができる一冊です。 何気ない日々に疑問を感じているあなたに、ぜひ読んでほしい作品です。手に取った時に感じる不安や期待、きっと心に残るものがあるはずです。 <山本文緒さんについて> 山本文緒さんは1962年、横浜市生まれ。神奈川大学卒業後、証券会社に勤め、1987年に『プレミアム・プールの日々』でデビュー。少女小説から一般文芸へと転身し、1999年『恋愛中毒』で吉川英治文学新人賞、2001年に『プラナリア』で直木賞を受賞しました。日本を代表する作家として、多くの作品を生み出しました。2021年、58歳で逝去。
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ちくま日本文学 三島由紀夫 1925-1970(筑摩書房) 三島由紀夫
¥630
非常に良い(非常に良い/良好/並) 2版 2015/6/5 発行 この本のあとがきを書かれた、森毅さんは「三島由紀夫の長い作品は、一冊に収めるのが難しく、代表作も出版社との契約で使えなかった」と説明しています。そのため、収録されたのは短編や戯曲、エッセイが中心で、普段あまり読めないものも入っています。たとえば、「海と夕焼」を除けば、新潮文庫では読めないものが多く含まれているんですよね。 三島由紀夫の魅力は、代表作だけでなく、他の作品も楽しめるところです。たとえば、学生運動を背景にした戯曲「喜びの琴」や、短編「中世」があります。 「中世」は三島が20歳のときに書いた美しい作品で、まるで蒔絵細工のように華やかな文体が特徴。 他の作品も面白くて、満足できると思います。 三島由紀夫の代表作以外の作品に興味がある方はぜひ、読んででみてくださいね。 本書は、三島由紀夫の世界が一冊に凝縮された貴重な選集。読むことで心が揺さぶられますし、あなたの人生に新たな視点が生まれるかもしれません。 <三島由紀夫について> 三島由紀夫(本名:平岡公威)は、1925年1月14日、東京に生まれました。東京大学法学部を卒業後、大蔵省に勤務するも、9ヶ月で退職し作家の道を選びました。1949年に『仮面の告白』で作家としての地位を確立。その後、『潮騒』や『金閣寺』など数々の名作を発表しました。1970年、最後の作品『豊饒の海』を書き終えた後、自衛隊市ヶ谷駐屯地で自決。彼の作品は世界中で読まれ、ノーベル文学賞候補にもなった日本の代表的作家です。 ※ショップブログ>2025年1月15日 もチェックしてみてくださいね。
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大聖堂(村上春樹 翻訳ライブラリー)(中央公論社) レイモンド・カーヴァー/村上春樹訳
¥1,200
非常に良い(非常に良い/良好/並) 8版 2021/12/20 発行 ソフトカバー 『大聖堂(村上春樹 翻訳ライブラリー)』は、レイモンド・カーヴァーが描く短編の数々が詰まった一冊です。 この本は、質の高い文学作品が集められたカーヴァーの短編小説集で、その中でも表題作「大聖堂」は、妻の盲目の友人を家に迎える夫の物語です。 当初、夫は盲目の男性に対して偏見を抱いていましたが、大聖堂を一緒に描くという体験を通じて、互いの理解を深めていきます。普段見えないものが見えてきたり、逆に見えているはずのものが見えなくなるような不思議な体験が描かれており、その最後の一文が、物語のすべてを語り尽くすほど印象的です。 村上春樹の手による翻訳も、原作の深みを余すところなく伝えており、ページをめくるたびにその魅力に引き込まれます。 カーヴァーの作品は、日常の中に潜む小さな感動に気づけるようになり、心の中が少しあたたかくなる本です。 解説も丁寧で、お得感があり、より深くこの作品を楽しむことができます。 もしも、少しだけ心の中で迷っていることがあるなら、この本がきっと優しく寄り添ってくれるはずです。 ぜひ、この物語に触れてみてくださいね。 <レイモンド・カーヴァーについて> レイモンド・カーヴァー(1938年生まれ)は、アメリカの短編小説作家で、労働者階級の生活を描いた現実主義的な作風で知られます。カリフォルニアで創作を学び、1970年代から80年代に名声を確立。アルコール依存症を克服し、1988年に肺がんで死去しました。代表作に『愛について語るときに我々の語ること』があります。
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ゲルマニウムの夜(文藝春秋) 花村萬月
¥500
【並】(非常に良い/良好/並) ≪初版≫ 1998/9/20 発行 天、小口にシミ、ヤケあり。シミが気にならない方なら大丈夫です。読むには問題ありません。クリーニング済 『ゲルマニウムの夜』は、殺人を犯した青年・朧(ろう)が自分の過去を隠すために、修道院に戻るところから始まります。 修道院での彼は、暴力的な行為や性的な行動を繰り返し、周囲の人々に傷をつけていく様子が描かれています。 これが物語の軸となり、読者は主人公・朧がどう向き合い、どう変わっていくのかを見守ることになります。 花村萬月さんの作品には、暴力や性的な描写が多く登場しますが、それは単なる衝撃を与えるためではなく、現代における「神」や倫理、価値観の在り方を問うためのものとも捉えられています。 朧の行動を通して、人間の闇や矛盾が明らかになり、その先に何があるのか、私たちに深く考えさせてくれる作品となっています。 少し怖さも感じますが、これは花村萬月さんの初期の力強さが表れた代表作品。作家の傾向がよくわかる初期作品を読むことで、彼の作風や思想をより深く理解することができると思いますよ。 心に残る一冊、『ゲルマニウムの夜』。 ぜひ手に取って、その衝撃を感じてみてください。 第119回 芥川賞受賞作品 <花村萬月さんについて> 花村萬月・はなむらまんげつ(本名・吉川一郎)さんは1955年東京都に生まれ、幼少期に父を失い、福祉施設で過ごす。その後、放浪生活を経て、30歳を過ぎて創作活動を開始。1989年に小説デビューし、1998年に『ゲルマニウムの夜』で芥川賞を受賞しました。暴力や宗教などをテーマにした衝撃的な作品で知られています。
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暗い引力(光文社) 岩井圭也
¥700
【非常に良い】(非常に良い/良好/並) ≪初版≫ 2023/12/30 発行 ソフトカバー 岩井圭也さんの『暗い引力』は、心の奥にひっそりと潜む闇や、私たちが普段気づかない社会の歪みを描いた短編集です。 6つの物語は、どれも心に残る力強いメッセージを届けてくれます。 例えば、過労死を巡る家族と会社の戦い、理想的な夫婦の裏に隠された不穏な真実…。それぞれが現代社会の矛盾を映し出し、読むたびに新たな気づきを与えてくれるんですよね。 読むことで、心の中の「何か」に触れ、普段考えないようなことを深く考えるきっかけになるかもしれません。 どの物語も、あなたにとってきっと意味のある物語になると思います。 少し背伸びした自分に出会える『暗い引力』を、ぜひ手に取ってみてくださいね。 ≪目次≫ ・海の子 ・僕はエスパーじゃない ・捏造カンパニー ・極楽 ・蟻の牙 ・堕ちる <岩井圭也さんについて> 岩井圭也(いわいけいや)さんは、大阪府枚方市出身の小説家で、北海道大学農学部を卒業後、2018年に『永遠についての証明』で作家デビュー。幅広いジャンルで作品を発表し、『裂果』で小島信夫文学賞、同年には野性時代フロンティア文学賞を受賞しました。現在37歳、神奈川県在住です。さんは、大阪府枚方市出身の小説家で、北海道大学農学部を卒業後、2018年に『永遠についての証明』で作家デビュー。幅広いジャンルで作品を発表し、『裂果』で小島信夫文学賞、同年には野性時代フロンティア文学賞を受賞しました。現在37歳、神奈川県在住です。