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柚香の森は小さな古本屋のオンライン書店です。主に文芸書を扱います。
読書は私達に未知の世界を体験させてくれます。忙しい毎日の中で少しでも未知の世界を楽しんでもらえたなら、
これほど嬉しいことはありません。
2023年3月1日
柚香の森
愛の重さ(ハヤカワ文庫) アガサ・クリスティー/中村妙子訳
¥378
【並】(非常に良い/良好/並) 3版 1976/11/15 発行 背表紙イタミあり、経年のキズ、ヤケあり 読むには問題ありません(装丁絶版) アガサ・クリスティーがアリ・ウェストマコット名義で書いた小説の一つで非探偵小説になります。 幼くして両親をなくしたローラとシャーリーの姉妹の物語。 姉妹ほど興味深い人間関係はないように思いました。 (以下、あらすじより抜粋) ローラは妹・シャーリーを深く愛し、あらゆる害悪から守ろうとした。しかしかえってそのことが、妹の一生を台無しにしていたことを知り、愕然とする。 人間の与える愛の犯し得る過ちと、その途方もない強さを描きだしたクリスティーの 愛の小説。
友情(岩波文庫) 武者小路実篤
¥350
【良好】(非常に良い/良好/並) 12版 2015/7/15 発行 武者小路実篤の恋愛と友情の王道青春小説です。 脚本家・野島(売れていない)と、作家・大宮(売れている)は、各々が尊敬し合う友人。野島は美しい友人の妹・杉子に恋をします。 そこから始まる恋愛と友情の板挟みにおける「切なさ」「苦しさ」「幸せ」「もどかしさ」すべての感情がたくさん出てきます。 恋する気持ちと友情の在り方を改めて学んだように思えます。 三人のそれぞれの『気持ち』が交差して、決心を生みます。恋と友情に悩んでいる方にオススメします。 夏目漱石の『こころ』を読んだことのある人なら、違いが面白いと思いました。
夜の光に追われて(講談社文庫) 津島佑子
¥650
【良好】(非常に良い/良好/並) ≪初版≫ 1989/9/10 発行 経年のヤケあります。 読むには全く問題ありません。 1986年第38回読売文学賞受賞作品 津島佑子:1947年東京都三鷹で父・津島修二(筆名:太宰治)、母・美知子の次女(里子)として生まれました。(2016年没) 彼女の父・太宰治は佑子が生まれた翌年に玉川上水で入水心中しました。 ***** 私小説、自叙伝ともいえる本書。 作者自身とも思われる小説家の主人公が、平安時代に書かれた『夜の寝覚』の物語を改めて書き直すことによって、物語のヒロイン珠子の悲しみに寄り添おうと試みる。 主人公が亡き息子の遺灰の一部を子の父親である男の元へ届けにいくストーリーと、「夜の寝覚」のヒロイン珠子の物語が交互に語られており、より悲しみを共感できる構造になっています。
すべて真夜中の恋人たち(講談社文庫) 川上未映子
¥239
【良好】(非常に良い/良好/並) ≪初版≫ 2014/10/15 発行 「真夜中は、なぜこんなにもきれいなんだろうと思う。 それは、きっと、真夜中には世界が半分になるからですよと、いつか三束さんが言ったことを、わたしはこの真夜中を歩きながら思い出している。」本文より 冬子(フユコ)34歳のフリー校閲者。人づきあいが苦手な彼女の唯一の趣味は、誕生日に真夜中の街を散歩すること。友人といえるのは、仕事で付き合いのある出版社の校閲社員、石川聖(ヒジリ)のみ。ひっそりと静かに生きていた彼女は、ある日カルチャーセンターで58歳の男性、三束(ミツツカ)さんと出会う。 誰がどんな恋愛をしようと勝手ではないか。そんなことばが出てきました。心の中を繊細に描いている。さすが川上未映子さんだと思う!
旅のラゴス 改版(新潮文庫) 筒井康隆
¥213
【良好】(非常に良い/良好/並) 31版 2015/10/31 発行 突然高度な文明を失った代償として、人びとが超能力を獲得しだした「この世界」で、ひたすら旅を続ける男ラゴス。 ラゴスは集団転移、壁抜けなどの体験を繰り返し、二度も奴隷の身に なります。 自分の生涯をかけて旅をする意味はとても考え深いです。
潤一(新潮文庫) 井上荒野
¥339
【良好】(非常に良い/良好/並) 3版 2018/6/10 発行 井上荒野による恋愛小説の連作短編集 第11回島清恋愛文学賞受賞作 26歳の青年・潤一と14歳から62歳まで9人の女性との刹那の愛を描いています。 まるで自分が9人の女性となり、いろんな側面の潤一と関わった気分になります。 もしかしたら、人生で、潤一のような人と一瞬でもかかわったんじゃないだろうか? そんなふうに思えました。 テレビドラマ化されています。潤一は志尊淳さん。
小説読本(中央公論文庫) 三島由紀夫
¥462
【非常に良い】(非常に良い/良好/並) ≪初版≫ 2016/10/25 発行 「小説家はなりたくてなれるものではない―」という出だしで始まります。 小説の原理を追究した長篇評論「小説とは何か」を中心に、「私の小説の方法」「わが創作方法」など、自ら実践する作り方を大胆に披瀝し編を収めている。 作家を志す人々に贈る、三島由紀夫による小説指南の書。説得力のある内容でした。 目次 作家を志す人々の為に 1(小説とは何か) 2(私の小説の方法;わが創作方法;小説の技巧について;法律と文学;私の小説作法;法学士と小説;法律と餅焼き) 3(私の文学;自己改造の試み;「われら」からの遁走)
伊藤野枝集(岩波文庫) 森まゆみ編
¥875
【良好】(非常に良い/良好/並) ≪初版≫ 2019/9/18 発行 女性の解放を訴えた伊藤野枝(1895~1923年、福岡県出身)が、日本陸軍の憲兵に虐殺されて100年となります。 彼女は愛する大杉栄と無政府主義を唱え、女性の自由な活動などを説いて、信念を持って生きてきた人です。 「風よ、あらしよ」(村上由佳)の映画が公開されました。 イトウノエの生きざまに共感できる人もできない人も、本書を読むと、必死で愛と信念を持って生きて来たかということが分かります。 大杉栄と野枝の最後も衝撃的でした。 あの時代に生きていて、もし、野枝と知り合っていたとしたら、私はどうしただろう……
私とは何か 「個人」から「分人」へ(講談社現代新書) 平野啓一郎
¥395
【非常に良い】(非常に良い/良好/並) 2版 2021/10/11 発行 嫌いな自分を肯定するには? 自分らしさはどう生まれるのか? 他者との距離をいかに取るか? 恋愛、家族、職場での人間関係を解消できる一冊。 悩んでいるなら読んで解消した方がいい、そんな平野さんのアドバイスが詰まっています。 目次 第1章 「本当の自分」はどこにあるか 第2章 分人とは何か 第3章 自分と他者を見つめ直す 第4章 愛すること・死ぬこと 第5章 分断を超えて
小説の誕生(新潮社) 保坂和志
¥2,630
【非常に良い】(非常に良い/良好/並) ≪初版≫ 2006/9/30 発行 ソフトカバー サイン本 (以下、まえがきより抜粋) 小説的思考とは何か?小説が生成する瞬間とはどういうものか?小説的に世界を考えるとどうなるのか? ということを、書いたのが本書です。 とりわけ後半は、柿ながら自分でももう本当にどこに行ってしまうのかわからなかったが、その状態を引き受けることができたのだから、これは評論ではなく小説なんだろうと思う。
どきん 谷川俊太郎少年詩集(理論社) 谷川俊太郎
¥788
【良好】(非常に良い/良好/並) ハードカバー 29版 1991/10月 発行 大人でも子供に帰れる。 きっと幼い頃ってこういう風に純粋で、説明するにも抽象的で、でも自分の中ではこういうう風に感じているっていう『気持ち』を説明してくれるような詩集。 小学生の頃の歌の歌詞が出てきます。 この『感じ』を表現するのに、こんな感じだったなぁ。 そう、そう、そんな感じ! 谷川俊太郎さんの詩は制限なく広がってゆく人間の優しさに満ちている。
文學界 2021年5月号(文藝春秋) 文藝春秋
¥1,237
【非常に良い】(非常に良い/良好/並) ≪初版≫ 2021/5/1 発行 【創作】羽田圭介「Phantom」280枚一挙掲載 未来を案じて株取引に打ち込む華美、「使わないお金は死んでいる」と笑う恋人。 幻影に覆われた現代を描きつくす傑作誕生! 【第126回文學界新人賞発表】2800以上の応募作から選ばれた受賞作2作全文掲載 青野暦「穀雨のころ」 精緻な描写で高校生男女4人の過ごす一季節を浮かび上がらせる青春群像劇 九段理江「悪い音楽」 音楽教師ソナタは、生徒を猿だと思っている。才能に溢れるが、心が無いのだ―― 【選評】長嶋有・川上未映子・中村文則・円城塔・東浩紀 【新連載】平民金子「めしとまち」 別に美味しそうでもない“めし"と、子の成長とともに移り変わる“まち"。 神戸から贈る、とぼとぼエッセイ 【批評】千葉雅也「霊的世俗性――フーコー『肉の告白』論」 キュニコス派=ラディカルなキリスト教というラインではない「もう一人の古代人フーコー」とは? 神経症的な主体のあり方が広がる今日、フーコーの古代に「別の可能性」を探る驚くべき論考 【特集】詩とわたしたちの時代 〈対談〉谷川俊太郎×高橋睦郎「雪のように溶ける詩を目指して」 〈詩〉谷川俊太郎「なぜ生きる」/高橋睦郎「新コロナ年二年目の自画像」 〈対談〉最果タヒ×マーサ・ナカムラ「異界の創造、ことばの矢印」 〈詩〉最果タヒ「ひとで無し」/マーサ・ナカムラ「魚子と墨鼠」 〈批評〉田原「永遠の童心――谷川俊太郎の児童詩を中心に」 ジェフリー・アングルス「逗子のオルペウス」 吉田雅史「偶然と脱線のリリック――いま、ラップを読み直すこと」(Spotifyプレイリスト付き) 〈米大統領就任式詩The Hill We Climb全文〉アマンダ・ゴーマン「わたしたちの登る丘」対訳と訳者解説=鴻巣友季子 バイデン新大統領就任式での朗読が絶賛され、一躍スターとなった若き詩人。 感動を呼んだ詩を英文と、鴻巣氏による清洌な翻訳で贈る リレーエッセイ「私の身体を生きる」藤野可織 【巻頭表現】小島日和「さまがわり」 【エセー】青木耕平「『息子よ安心しなさい、あなたの親指は天国で花となり咲いている』」 【コラムAuthor's Eyes】暮田真名「川柳は人の話を聞かない」 【文學界図書室】筒井康隆『ジャックポット』(佐々木敦)/山田詠美『血も涙もある』(平松洋子)/椎名誠『階層樹海』(木谷美咲)/岸政彦『リリアン』(村井康司)/松浦寿輝『わたしが行ったさびしい町』(大崎清夏) 【強力連載陣】北村匡平/成田悠輔/高橋弘希/辻原登/綿矢りさ/落合陽一/横尾忠則/宮本輝/津村記久子/松浦寿輝/犬山紙子/柴田聡子/武田砂鉄/池田雄一/鳥澤光
小説幻冬 2022年4月号(幻冬舎) 幻冬舎
¥345
【非常に良い】(非常に良い/良好/並) ≪初版≫ 2022/4/27 発行 1st写真集『As i(アズアイ)』が好評発売中の吉野北人さん(THE RAMPAGE from EXILE TRIBE)が表紙に登場! 写真集のアザーカットと、スペシャルインタビューをお届けします。 発売を記念した今野敏さん『無明 警視庁強行犯係・樋口顕』、深町秋生さん『ファズイーター』の各特集です。 など
本は友だち(みすず書房) 池内紀
¥1,682
【非常に良い】(非常に良い/良好/並) ≪初版≫ 2015/1/9発行 本は友だちとして、著者が大切に読んできた本たちを通じて、それぞれの本に宿る魅力的な人生を綴るエッセイ集。古今の本が紹介されています。 本が好きな人や、異なるジャンルの本に興味がある人におすすめです。 著者の独自の視点や文章の流れに魅了され、新たな読書体験ができると思います。 文章が流れるようで読みやすく、幅広いジャンルの本が取り上げられていますので、ワクワクします。
愛することばあなたへ(光文社) 瀬戸内寂聴
¥211
【非常に良い】(非常に良い/良好/並) ≪初版≫ 2018/9/25 発行 人間関係について深く考えたいときや愛とは何かを改めて感じたい人におすすめの一冊です。心の充足を求めるすべての人に向けた言葉が詰まっています。 読めば読むほど心痛が和らいで、安心します。
月曜日の抹茶カフェ(宝島社文庫) 青山美智子
¥341
【非常に良い】(非常に良い/良好/並) ≪初版≫ 2023/6/20 発行 「マーブル・カフェ」が特別に開く「抹茶カフェ」を舞台に、東京と京都を行き来しながら様々な人々の人生が交差する物語。 心温まる12カ月を紡いでいく、連作短編集です。
椿の海の記(河出文庫) 石牟礼道子
¥432
SOLD OUT
【良好】(非常に良い/良好/並) ≪8版≫ 2021/1/30 発行 自伝的小説になります。 水俣を舞台にした石牟礼道子の鮮やかな記憶の描写があり、後に起こる環境破壊の前の神話的な世界の喪失に注目してみてください。 環境問題を文学的な観点から考察した小説です。日本の風土や、環境問題に興味のある方は面白いと思います。
ぶどう園物語-ザ・スターリンになれなかった男(青林工藝社) ツージーQ
¥1,162
【非常に良い】(非常に良い/良好/並) ≪初版≫ 2023/7/25 発行 (ほぼ新品) 漫画・ソフトカバー ツージーQ:(ツージーキュー)1955年1月9日 長崎県長崎市出身。日本のベーシスト 80年~90年代にかけて日本のパンクロック界を駆け抜けた一人の男の掛け値無しの青春物語。パンクロックをする方、好きな方には懐かしくたまらない一冊になると思います。
今日の花を摘む(双葉社) 田中兆子
¥1,505
【非常に良い】(非常に良い/良好/並) ≪初版≫ 2023/6/24 発行 田中兆子:1964(昭和39)年、富山県生まれ。8年間のOL生活を経て、専業主婦となる。 (あらすじ) 私の趣味は、男性との肉体を伴ったかりそめの恋。それを、私はひそかに「花摘み」と呼んでいる――。 出版社に勤めるかたわら茶道を嗜む愉里子は、一見地味な51歳の独身女性。 だが人生を折り返し、「今日が一番若い」と日々を謳歌するように花摘みを愉しんでいた。 そんな愉里子の前に初めて、恋の終わりを怖れさせる男が現れた。 20歳近く年上の茶の湯の粋人、万江島だ。だが彼には、ある秘密があった……。 肉体の衰えを感じ始めた世代のリアルな性愛を軸に、自分を偽らずに生きる女たちの姿と、その連帯を描いた著者初の長編小説。 中高年世代の性愛にタブーを怖れず挑んだ衝撃作『今日の花を摘む』(田中兆子著)が、 第3回『本屋が選ぶ大人の恋愛小説大賞』受賞 https://books.bunshun.jp/articles/-/8555
文体練習(朝日出版社) レーモン・クノー/朝比奈弘治訳
¥2,760
【非常に良い】(非常に良い/良好/並) 初版第13版 2020/5/18 発行 前人未到のことば遊び。他愛もないひとつの出来事が、99通りもの変奏によって変幻自在に書き分けられてゆく。 『地下鉄のザジ』の作者にして20世紀フランス文学の急進的な革命を率いたレーモン・クノーによる究極の言語遊戯がついに完全翻訳。 (目次) メモ 複式記述 控え目に 隠喩を用いて 遡行 びっくり 夢 予言 語順改変 虹の七色 以下の単語を順に用いて文章を作れ ためらい 厳密に 主観的な立場から〔ほか〕
地下鉄のザジ(中央公論文庫) レーモン・クノー/生田耕作訳
¥387
SOLD OUT
【並】(非常に良い/良好/並) 10版 1984/8/30 発行 経年によるヤケ、下小口にシミがあります。 地下鉄に乗ることを楽しみにパリを訪れたお転婆少女ザジ。あいにくのストで念願かなわず、街へさまよい出たザジは奇妙な大人たちと一夜を過ごす。俗語満載の会話ときわどい笑い、そして斬新な実験的表現の数々に世界が度肝を抜かれたフランス前衛小説の名作
人形(創元推理文庫) ダフネ・デュ・モーリア/務台夏子訳
¥560
【非常に良い】(非常に良い/良好/並) ≪初版≫ 2017/1/13 発行 ダフネ・デュ・モーリア 1907年ロンドン生まれ。祖父が高名な作家で画家、父が舞台俳優兼演出家、母が舞台女優という芸術家一家の三人姉妹の次女として生まれる。1931年作家デビュー、1938年の『レベッカ』が世界的なベストセラーとなった。コーンウォールの荒々しい自然を愛し、夫との間に三人の子供をもうけた。1989年没。 (内容) 島から一歩も出ることなく、判で押したような平穏な毎日を送る人々を突然襲った狂乱の嵐「東風」。 海辺で発見された謎の手記に記された、異常な愛の物語「人形」。 上流階級の人々が通う教会の牧師の徹底した俗物ぶりを描いた「いざ、父なる神に」「天使ら、大天使らとともに」。 独善的で被害妄想の女の半生を独白形式で綴る「笠貝」など、短編14編を収録。 平凡な人々の心に潜む狂気を白日の下にさらし、人間の秘めた暗部を情け容赦なく目の前に突きつける。『レベッカ』『鳥』で知られるサスペンスの名手、デュ・モーリアの幻の初期短編傑作集。 ***** 短めの作品が多くて読みやすい。 男女物は結末が暗いものでもコミカルな感じが多いのですが、これはデュ・モーリアの特徴なんだと思います。 サスペンスと心理描写が得意な文学を味わいたい方におすすめです。
ヴィオルヌの犯罪(河出文庫) マルグリット・デュラス/田中倫郎訳
¥556
【並】(非常に良い/良好/並) ≪初版≫ 1996/1/9 発行 経年のヤケ、表紙にスレあります。 人体の多くの断片が、ほとんどフランス全土にわたって、さまざまな貨車の中から発見された。被害者は極度の肥満体の女性、そしてこれらの断片を運んだ列車は同一地点―ヴィオルヌの陸橋を通過していることが判明した。だが、いまだに頭部のみは発見されていない…。デュラスが実際の事件に取材し、十年の歳月をかけて結実させた「狂気」をめぐる凄絶な物語。 ***** これはモデルとなった殺人事件があります。 1949年に、アメリー・ラビューが夫を殺害し、遺体をバラバラにして陸橋を通る貨物列車に少しずつ投げ込んだ「ラビュー事件」です。 全てがノンフィクションではなく、実際の事件にインスピレーションを受けたフィクションと言う方が良いかもしれません。 本書の形式はすべてインタビュー記事を模しているので、戯曲のように仕上がっており、インタビュー形式なので対話によって殺人事件の真相が明らかになってゆくところがゾクゾクしました。
ピエドラ川のほとりで私は泣いた(角川文庫) パウロ・コエーリョ/山川紘矢・亜希子訳
¥323
【良好】(非常に良い/良好/並) ≪初版≫ 2000/6/25 発行 スペインの田舎で平凡に暮らしている女性が長いこと会っていなかった幼馴染の男性と旅に出る話です。 宗教色が強いようで、歯がゆい部分もありますが、燃えるような恋愛ではなく、静かに冷静に相手のこと(幼馴染みの男性)をみる恋愛です。 パウロ・コエーリョ(作者)は女性の心情を描くのがとても上手だと思います。 そのほか『11分間』という作品も女性を主人公とした興味深いものでした。 海外文学>単行本