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ぼくの大好きな青髭(中公文庫) 庄司薫
¥1,340
並(非常に良い/良好/並) 改版発行 2002/10/10発行 ISBN4122041031 経年のヤケあり、表紙に折り目あり、読むには問題ありません。 「大人になるって、こんなにも不安で、こんなにも不条理なことだったんですね。」…そんな言葉がふと胸に浮かんだ方へ、お届けしたい一冊があります。 それが、庄司薫さんの『ぼくの大好きな青髭』。 この作品は、自伝的四部作の最終章にあたる物語で、1969年、アポロ11号が月に向かった日、新宿の紀伊國屋書店を舞台に始まります。 高校時代の友人の自殺未遂をきっかけに、主人公「ぼく」は謎めいた人物「青髭」や、得体の知れない組織の存在を知り、その真相を追って新宿の街をさまようことになるのです。 ただの青春ミステリー…ではありません。夢や情熱に満ちていたはずの若者たちが、大人たちの都合や社会の仕組みによって、少しずつ形を失っていく姿。その過程で「ぼく」が感じる虚しさや怒り、そしてほんの少しの希望が、読む人の心にも静かに波紋のように広がっていきます。 もし今、あなたが「自分は何者なんだろう」と迷っていたり、「夢を持っていいのかな」と立ち止まっているなら、この本はきっと、あなたの心にそっと寄り添ってくれるはずです。 それは、50年以上も前に描かれた物語なのに、まるで今の私たちの胸の内をそのまま映しているような、不思議な感覚。 村上春樹さんの世界観がお好きな方や、1960年代の若者文化に興味のある方にもおすすめです。 青春の痛みと輝きが交差する物語に、きっと共感し、少しだけ前を向ける勇気をもらえる…そんな一冊です。 庄司薫さんによる青春小説四部作の完結編となっていますので、気になる方は、どうぞこの本を手に取ってみてくださいね。 静かな夜のお供に、そっとページをめくってみると、きっと何かがあなたの中で動き出すはずです。 <庄司薫さんについて> 庄司薫さん(本名:福田章二)は1937年生まれ。三省堂専務の息子として生まれ、幼い頃から文学に親しみました。東京大学在学中に作家デビューし、1969年『赤頭巾ちゃん気をつけて』で芥川賞を受賞。青春小説四部作で戦後の若者像を描きました。
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膝小僧の神様(新潮社) 群ようこ
¥570
良好(非常に良い/良好/並) 初版 1993/2/15発行 ハードカバー ISBN4103674040 『膝小僧の神様』は、群ようこさんが描く、小学校時代の純粋で切ない思い出を綴った小説集です。登場人物たちの小さな冒険や恋愛、友情の中には、私たちが忘れがちな感情や成長の瞬間がしっかりと息づいています。 読み進めるうちに、あの頃の自分と再会し、心が温かくなるのを感じます。 少し疲れた心に寄り添いながら、新しい気づきや優しさを届けてくれる一冊。 過去の自分と向き合いたい方にぴったりです。ぜひ、あなたの心にも届きますように。 <群ようこ さんについて> 群ようこ(本名:木原ひろみ)さんは1954年生まれの日本の作家・随筆家。日本大学芸術学部卒業後、6回の転職を経て1978年に本の雑誌社に入社。1984年に『午前零時の玄米パン』で作家デビュー。以後フリー作家として活動を続け、『かもめ食堂』などが代表作です。
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早期始発の殺風景(集英社文庫) 青崎有吾
¥570
【良好】(非常に良い/良好/並) ≪初版≫ 2022/1/25 発行 『早期始発の殺風景』は、青崎有吾さんが紡ぐ青春の一瞬を切り取った物語です。 5つの短編が、それぞれの登場人物が抱える小さな謎を解き明かしながら、気まずい瞬間に立ち向かっていきます。 どの話も、私たちが日々感じる人間関係の微妙な距離感や、青春時代の甘酸っぱさを丁寧に描いているんですよね。 自分自身の経験と重ね合わせると、胸が少し温かくなったり、少し切なくなったり…。 読むたびに、「ああ、こんな気持ち、あったな」と思わずにはいられません。 もし今、あなたが少し立ち止まりたいと思っているなら、この本がきっと力になってくれると思います。 謎を解く楽しさの中で、心がスッと軽くなるような瞬間がきっと訪れるはずです。 青春の一ページを感じたいあなたに、ぜひ手に取ってほしい一冊です。 表題作のそのほか、 ・メロンソダ・ファクトリー ・夢の国には観覧車がない ・捨て猫と兄妹喧嘩 ・三月四日、午後二時半の密室 ・エピローグ <青崎有吾さんについて> 青崎有吾(あおさき ゆうご)さんは、1991年生まれの日本の小説家・推理作家です。神奈川県横浜市出身で、明治大学卒業後、2012年に『体育館の殺人』でデビュー。2024年には『地雷グリコ』で複数の文学賞を受賞しました。彼の作品はロジカルな推理と緻密な構成が特徴で、映画や文学から多大な影響を受けています。
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ワセダ三畳青春記(集英社文庫) 高野秀行
¥470
【良好】(非常に良い/良好/並) 8版 2007/3/25発行 高野秀行さんの『ワセダ三畳青春記』は、早稲田大学の学生寮「野々村荘」で過ごした青春の日々を描いたノンフィクションです。 ユニークでちょっと破天荒な仲間たちとの生活は、笑いながら読めて、どこか懐かしい気持ちにさせてくれます。 この本は「自分らしく自由に生きることの素晴らしさ」や「帰る場所がある安心感」をそっと教えてくれる作品です。 肩の力を抜いて楽しめるので、忙しい毎日にちょっとした癒しを探している方にぴったりですよ。
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青い麦(集英社文庫) コレット/手塚伸一訳
¥800
【良好】(非常に良い/良好/並) ≪8版≫1997/6/14発行 『青い麦』は、フランス文学の巨匠コレットが描く、青春の繊細さと痛みを鮮やかに映し出した作品です。 16歳のフィリップと15歳のヴァンカ、幼なじみの二人が過ごすひと夏の物語には、大人への成長と初恋の甘く苦い感情が詰まっています。 この本は、青春期特有の揺れ動く心や、相手に言えない秘密、心のどこかに残る孤独感に寄り添ってくれる一冊です。 コレットの瑞々しい文章と、手塚伸一氏の繊細な翻訳で、まるで海辺の風を感じるような心地よさを味わえますよ。 「自分の中に眠る青春の記憶を呼び覚ましたい」と思うとき、この物語はあなたの心にそっと触れるはずです。 青い麦が揺れる季節、フィルとヴァンカの気持ちに、あなたも寄り添ってみませんか?
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横道世之介(文春文庫) 吉田修一
¥460
【非常に良い】(非常に良い/良好/並) ≪初版≫2012/11/10発行 『横道世之介』は、1980年代後半のバブル期、東京で過ごした大学生・横道世之介の1年間を描いた吉田修一の作品です。世之介はお人好しで、様々な人々との交流を通して成長していきます。彼の弱さと強さが交錯した姿に、思わず共感してしまうことでしょう。 この本は、青春時代の懐かしさとともに、人生の大切さや儚さを教えてくれます。世之介の言葉「この世で一番大切なのはリラックスしていることですよ」に導かれ、読み進めるたびに心がほっと温かくなるんですよね。 彼の周囲の人々との関わりを通じて、日々の中で見過ごしてしまいがちな大切な瞬間を再認識できる一冊です。 懐かしさや温かさ、時に切なさを感じられるこの作品、きっとあなたの心に寄り添い、共に歩む友人のように感じられることでしょう。