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文体練習(朝日出版社) レーモン・クノー/朝比奈弘治訳
¥2,760
【非常に良い】(非常に良い/良好/並) 初版第13版 2020/5/18 発行 前人未到のことば遊び。他愛もないひとつの出来事が、99通りもの変奏によって変幻自在に書き分けられてゆく。 『地下鉄のザジ』の作者にして20世紀フランス文学の急進的な革命を率いたレーモン・クノーによる究極の言語遊戯がついに完全翻訳。 (目次) メモ 複式記述 控え目に 隠喩を用いて 遡行 びっくり 夢 予言 語順改変 虹の七色 以下の単語を順に用いて文章を作れ ためらい 厳密に 主観的な立場から〔ほか〕
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ペンギンの憂鬱(新潮クレストブックス) アンドレイ・クルコフ/沼野恭子訳
¥1,643
【非常に良い】(非常に良い/良好/並) ≪17版≫ 2023/2/15 発行 ソフトカバー アンドレイ・クルコフ ウクライナのロシア語作家。クルコフの名を一躍有名にしたのが本書『ペンギンの憂鬱』(1996年)である。約20カ国語に訳され、国際的なベストセラーとなる。 キエフ在住。妻はイギリス人。 恋人に去られ孤独なヴィクトルは売れない短篇小説家。ソ連崩壊後、経営困難に陥った動物園から憂鬱症のペンギンを貰い受け、ミーシャと名づけて一緒に暮らしている。生活のために新聞の死亡記事を書く仕事を始めたヴィクトルだが、身辺に不穏な影がちらつく。他人の死が自分自身に迫ってくる。ロシアの新鋭による傑作長編小説。 ***** 読んでいると動物園から引き取ったペンギン(ミーシャ)がだんだん可愛くなってゆきます。売れない短編作家(ヴィクトル)には死亡記事を書くオファーが来るのですが、それとともに、舞台であるソ連崩壊後の新生国家ウクライナには不穏な影が忍び寄り始めます。 ヴィクトルの苦悩(売れない短編作家)と舞台背景もあり、 今、起こっている戦争と同時進行で考えてしまいがちでした。 一日も早く戦争が終わることを祈ります。
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11分間(角川書店) パウロ・コエーリョ/旦敬介訳
¥396
【良好】(非常に良い/良好/並) ≪初版≫ 2004/3/1 発行 ソフトカバー 経年のヤケありますが、他はきれいな状態です。 パウロ・コエーリョはブラジルはリオデジャネイロ出身の小説家 ***** 本書『11分間』ではとてもデリケートに主人公の女性の内面を扱っています。 主人公は娼婦なのですが、常に自分の気持ちと対峙しながら、娼婦という仕事を真面目に考えます。出会う男性によって変わる性の嗜好やそれに対する自分の気持ち、体の反応を真摯に受け止めます。 田舎で育った彼女には夢がありました。そんな彼女が都会(スイス)に出て、紆余曲折して娼婦になる。 お金が貯まったら田舎に帰ろうと、常に考えているものの、帰れません。 そんななか、ひとつ名言がありました。 「今や彼女は失うものは何もはなくなった。彼女は自由だった。」 これはこの文章の通りなのですが、もはや何もかもなくなったのだから、彼女は自由であり、 自由とは選ぶ道が多岐に渡るということで、彼女にとって人生のチャンスになるのです。古臭いものを捨て去ると、そこに新しいものを入れることができるからです。 つまるところ本書は、男女間で行われる『11分間』の意味を描いています。 捉え方は人それぞれ。 単なるセックスの話ととるのか、娼婦の話ととるのか、価値観を覆すものとなるのか、読んでみなければわかりません。 それでいい。 みんな違うのだから…。 ラストはとても切なく響きました。
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あたしの一生 猫のダルシ―の物語 a CAT’S life(飛鳥新社) ディー・レディー/江國香織訳
¥584
【良好】(非常に良い/良好/並) ≪初版≫ 2000/7/19発行 ハードカバー 背表紙ヤケあり その他は良好です 猫のダルシ―が死ぬまでの17年間、人間に飼われながら思う事。 ひたすらぶれることなくダルシ―の本音、愛が語られている。 私たち人間のお手本であるダルシ―。 猫の生涯を全うしたダルシー。 あらすじも訳者の江國香織さんのあとがきもドンピシャとはまっている。 江國香織さんの訳だからこそダルシ―が活きたのかもしれない。 この深い感動を共有できると嬉しいと思います。
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緩やかさ(集英社) ミラン・クンデラ/西永良成訳
¥1,393
【非常に良い】(非常に良い/良好/並) ≪初版≫ 1995/10/10 発行 ハードカバー パリ郊外の城で一夜を過ごすことになったクンデラと思しき作家夫妻。折しも城では国際昆虫学会が開催される。パリから集った男女、テレビクルー、政治家、解放後のチェコの学者もからんでの愛の非喜劇がくりひろげられ、夫妻は眠りを妨げられるのだが。―一方、200年の時空を超えて、18世紀のもっとも美しい短編小説「明日はない」の主人公の騎士がたちあらわれ、城館の貴婦人と愛の一夜を明かす。その振舞いの雅さに心奪われる作家は、朝霧のなかを立ちさる騎士の足どりの緩やかさのなかに、幸福のしるしを見る。なぜなら幸福はそれを味わい楽しむために、ひとを緩やかにするから。クンデラは、二つの世紀のヨーロッパの精神状況を、かろやかに、優雅に、重奏的かつ哲学的に描いた。さながらワトーの絵のように、またモーツァルトのように。本書はクンデラ初のフランス語執筆による小説。(集英社より) ***** クンデラの文学と哲学が混ざりあったという感じ。 1995年当時、クンデラは齢65才にしてこの作品を書いたことの意味を、読後に本を閉じてもなお探し続けている。
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天使の恥部(国書刊行会) マヌエル・プイグ/安藤哲行訳
¥976
【良好】(非常に良い/良好/並) ≪初版第2版≫ 1989/10/20発行 ハードカバー 丸印少しの凹みあり 経年の汚れ少々あり 読むには問題ありません。 マヌエル・プイグはアルゼンチン出身の作家 本作は過去・現在・未来、繰り返す哀しい愛の物語です。 ウィーン近郊の楽園のような島に軍需産業王の夫によって閉じ込められた世界一の美女。 映画スターの彼女には出生にまつわる秘密があった。 それは死者との契約により、30歳になった時から他人の思考が読めるようになるというもの。 地軸変動により気候が激変し、多くの土地が水没した未来の地球。 性的治療部で働く女性W218はある日理想の男と出会う。隣国からやってきたその男と、彼女は夢のような一夜を過ごすが、男にはある目的があった。 1975年のメキシコシティ、病院のベッドでアナは語る。アルゼンチンでの過去の生活、政治について、男性至上主義(マチスモ)について、愛について。 過去・現在・未来で繰り返される、女たちの哀しい愛と数奇な運命の物語を、メロドラマやスパイ小説、SFなど、さまざまなスタイルと声を駆使して描き、新境地を切り開いたプイグの傑作といわれています。 『蜘蛛女のキス』の次に出版された小説になります。
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エーミールと探偵たち(岩波書店) エーリヒ・ケストナー/高橋健二訳
¥588
SOLD OUT
【良好】(非常に良い/良好/並) ≪53版≫ 2013/5/24発行 ハードカバー 函あり おばあちゃんをたずねる途中の列車で、大切なお金を盗られてしまったエーミール。 ベルリンの街を舞台に、少年たちが知恵をあわせて犯人をつかまえる大騒動がくりひろげられます。 すべてにカナが打たれてます。 対象は小学校3、4年生から中学生と明記されておりますが、読者の年齢を選びません。 大人になっても愉快で楽しいものは文字を読むだけで脳がくすぐられますね。 気晴らしにエーミール達と楽しい時間をお過ごしください。
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ユードルフォの謎Ⅰ・Ⅱ(大阪教育図書) アン・ラドクリフ/惣谷美智子・堀田知子訳
¥6,311
【非常に良い】(非常に良い/良好/並) ユードルフォの謎Ⅰ・Ⅱ共に≪初版≫1998/4/28発行 ハードカバー 1794年に出版された『ユードルフォの謎』 アン・ラドクリフの長編小説の要約、論文です。 小説ではありません。 この物語をお読みになった方には理解できるだろうと思われます。 小説の概要 1584年のフランス、ガスコーニュ地方、ガロンヌを舞台に話は始まる。母親の死後にエミリーと父親は地中海へ向けて旅行する。彼女はそこでヴァランクールという若い男性と知り合い恋に落ちる。その後父親は死亡、孤児となったエミリーは叔母の所に預けられるが、恋仲にあった二人の仲を義理の叔父モントーニ伯爵が無理矢理引き裂いて、エミリーをユードルフォ城に監禁してしまった。そのカラクリ屋敷で彼女は様々な奇怪現象に襲われる。その後に逃亡して、かつての恋人と再会し、結婚します。 ***** 因みにジェーン・オースティンはこの作品を参考に『ノーサンガー僧院(アビー)』を書いきました。ジェインオースティンとの比較も楽しめます。 18世紀の女性ゴシック作家として有名なアン・ラドクリフの代表的小説『ユドルフォの謎』の内容の要約と、訳著者による論文2本を掲載したものです。
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世界の文学37 ヘッセ (中央公論社) ヘルマン・ヘッセ
¥362
SOLD OUT
【良好】(非常に良い/良好/並) カバー、箱なし ハードカバー ≪初版≫1964/10/12発行 ヘルマン・ヘッセの自伝的小説とも言われている「車輪の下」が収録されています。 皆の期待を一身に背負って、ひたすら猛勉強し、神学校に合格したハンスの人生が描かれいている。風景描写が素晴らしい一冊です。 「車輪の下」 「デーミアン」 「聖母の泉」
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離れがたき二人(早川書房) シモーヌ・ド・ボーヴォワール/関口涼子訳
¥1,447
SOLD OUT
【非常に良い】(非常に良い/良好/並) ≪初版≫ 2021/7/15発行 ソフトカバー シモーヌ・ド・ボーヴォワール は、フランスの哲学者、作家、批評家、フェミニスト理論家・活動家。20世紀西欧の女性解放思想の草分けとされる『第二の性』執筆 ***** 20世紀初頭のパリ。 少女シルヴィーは、厳格な家庭で育ちながらも自分らしく自由を求めて生きる、ある少女と出会います。 たがいに強く惹かれ合う二人の友愛は、永遠に続くはずだったのです。 1954年に執筆されるも、発表されることのなかった幻の小説。 ***** ボーヴォワールがボーヴォワールになる までを描いている自伝的小説。 ボーヴォワールが書 いている他の本と筆致が違って、 少女同士の友愛 が、丁寧に、初々しく描かれていて、とってもいい のです。 原稿を読んだサルトルが出版しない方がいいと言っ て生前は発表されませんでした。 『第二の性 LE DEUXIEME SEXE』(駿河台出版) ※カテゴリー>海外文学>単行本 原書Le Deuxième Sexeの 序文のみを抜粋した書籍となり、 全文は掲載されておりません。 教科書ではありますが、特に問題の記載は無く 読み物としてお楽しみにいただけます。 日本語訳はありませんが、巻末に 難しい単語、表現に関する日本語訳あり
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冗談(みすず書房) ミラン・クン・デラ/関根日出夫、中村猛訳
¥1,375
SOLD OUT
【良好】(非常に良い/良好/並) ≪初版≫ 1992/6/17発行 ハードカバー ミラン・クンデラは、チェコスロバキア生まれのフランスの作家 絵葉書に冗談で書いた文章が、前途有望な青年の人生を狂わせるというストーリー。 十数年後、苦しみに耐え抜いたすえに男は復讐をもくろむみます。 政治によって歪められた1人の男の流転の人生と愛の悲喜劇を軸にして、4人の男女の独白が重層的に綾をなします。 ミラン・クンデラ(1929-)の最高傑作です。 『存在の耐えられない軽さ』 ミラン・クンデラが、パリ亡命時代に発表した傑作。「プラハの春」とその時代を背景に、ドン・ファンで優秀な外科医トマーシュと田舎娘テレザ、奔放な画家サビナが辿る、愛の悲劇―。究極の哲学的恋愛小説。 ※カテゴリー>海外文学>文庫本
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だれも死なない日(河出書房新社) ジョゼ・サラマーゴ/雨沢泰訳
¥2,188
【非常に良い】(非常に良い/良好/並) (ほぼ新品) ≪初版≫ 2021/9/30発行 ハードカバー 2枚目の写真、矢印部分に7ミリほど表紙の破れがあります。 それ以外は新品同様、読んだ形跡がないため(ほぼ新品)といたしました。 ジョゼ・サラマーゴ 1922年ポルトガル生まれ。82年『修道院回想録』、84年『リカルド・レイスの死の年』で数々の文学賞を受賞。95年『白の闇』は世界各国で翻訳、映画化。 98年ノーベル文学賞受賞。2010年没。 ***** ある年の元旦、突然人が死ななくなる。 新年の始まり以降、この国ではだれも死ななくなった。 高齢で衰弱する皇太后陛下、成功確実な自殺者、交通事故で十二分に息絶えたはずの人体、致命的な墜落事故。 死(モルト)の活動停止を寿ぐ歓喜の高波の一方で、商売の材料を奪われた葬儀業界、死の不在によってベッドが不足する病院経営者、生と死の循環が滞った老人ホームなど、危機に陥る人々。 国境の村では、生死の需要と供給を補うためにマーフィアが暗躍し、死を求める人々を国外に運びだします。 悲喜こもごもの事態の中、テレビ局の会長の手元に紫色の封書が届いて。。。 どうなるのかと結末を急いでしまいます。 ノーベル賞作家の最高傑作を楽しんでください。
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第二の性 LE DEUXIEME SEXE(駿河台出版) シモーヌ・ド・ボーヴォワール/木村信子編注
¥1,314
【非常に良い】(非常に良い/良好/並) 3版 2002/4/1発行 装丁:単行本(55ページ) 本書は教本であり全文フランス語です。 後半35ページから訳注の掲載あります。 小説ではありませんので、気を付けてください。 ***** 原書Le Deuxième Sexeの 序文のみを抜粋した書籍となり、 全文は掲載されておりません。 教科書ではありますが、特に問題の記載は無く 読み物としてお楽しみにいただけます。 日本語訳はありませんが、巻末に 難しい単語、表現に関する日本語訳あり 題名だけがひとり歩きしているかのような作品ですが, 実際にはどんなことが書かれているのか, じっくり味わってみて下さい. 初級文法を終えた方が, 辞書を手に十分読んでゆけます. ボーヴォワールの文章は 決して難しくありません. 各センテンスは短く,古典的です. その簡潔な文章の中で 作者が言おうとしていることは何か. notes はその読解 の手助けとなるよう配慮して付した. (駿河台出版社より)
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83 4/1歳の素晴らしき日々(集英社) ヘンドリック・フルーン/長山さき訳
¥957
SOLD OUT
【非常に良い】(非常に良い/良好/並) ソフトカバー ≪初版≫ 2018/10/10発行 匿名作家である。 この日記調小説は当初、文芸ウェブサイト上で連載された。のちに出版に至り、人口約1700万人のオランダで32万部のベストセラーとなる。本国ではテレビドラマ化された。物語の内容については『嘘の文はひとつもないが、すべての言葉が真実ではない』とのこと。 ****** 83歳、ケアハウス暮らし。人生はこれからが面白い! 高福祉国家オランダで空前のベストセラーを巻き起こした大ヒット老人小説。 オランダ、アムステルダムのケアハウスに暮らすヘンドリック83歳。 ただコーヒーを飲みながら死を待つ日々に嫌気がさした彼は、仲間とともに「オマニド(老いても死んでない)クラブ」を立ち上げる。遠足やカジノなどさまざまな催しを企画して、楽しく生きようと試みるヘンドリックたち。 他人事ではない私たち日本人にも教訓になるのかな、と思いました。 良い老後とは、人生とは何か。安楽死もある高福祉国家オランダを痛烈に皮肉る、笑いと涙、恋と友情の物語です。
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恥辱(早川書房) J・M・クッツェー/鴻巣友季子訳
¥871
【並】(非常に良い/良好/並) ハードカバー 3版 2001/1/31発行 天、小口にヤケありますが、 読むには支障はありません。 作者は1940年、南アフリカ生まれです。 南アフリカ共和国出身のノーベル賞作家J・M・クッツェーの小説。 1999年に出版され、同年のブッカー賞を受賞した。 『恥辱』で前人未到の二度目のブッカー賞を受賞。 ブッカー賞とは、 その年に出版された最も優れた長編小説に与えられる、イギリスで最高の権威ある文学賞。イギリスの多国籍企業ブッカー・マコンネル者が1969年に設立したものです。 舞台はアパルトヘイト撤廃後の南アフリカ。離婚を2度経験している大学教授のデヴィッドは、若いころから奔放な性を楽しんできたが、52歳になった今でもその欲望は衰えを知らない。そんなある日、彼は20歳の女子学生に強烈に引かれ、歳の差も社会的な立場も考えずに彼女を追いまわすようになる。半ば強引に彼女と関係を持ったデヴィッドはセクハラで告発され、軽蔑されて憎まれて、追われるように大学を去る。娘が経営する自作農園に身を寄せて再生の道を模索するが、そこにはさらなる恥辱が待ち受けていた。 ***** 主人公は性欲という泥沼の中で哀しいくらいこっけいにもがいてみせる。職も名誉も失いながら、それでも性欲に振り回されてしまう情けなさ。新しい価値観と古い価値観がぶつかり合う混乱の中で暮らす不安と無力感。 あまりにみじめな主人公に怒りすら感じながらも、物語から目を離すことができない。 彼の弱さは人間(特に男性)そのものの弱さであり、彼が恥辱にまみれるとき、当方もまた堕ちていく感覚を味わうからです。 一読の価値アリです!
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アウシュビッツを生きのびた「もう一人のアンネ・フランク」自伝(バンローリング株式会社) エディス・エヴァ・イーガー、エズメ・シュウォール・ウェイガント/服部由美訳
¥1,457
【非常に良い】(非常に良い/良好/並) ソフトカバー ≪初版≫ 2021/4/3発行 17歳、死の収容所で両親を亡くしても、草を食べて生き抜いた。22歳、低賃金の工場で働きながら、子どもを育てた。41歳、大学を卒業し、50歳で心理学博士に。93歳、現役の臨床心理士として、人を癒やし、人生を愛し、踊る!本書はアウシュヴィッツ生存者による類まれなメモワールであると同時に、「今、できることを選び続けた」女性が綴る、困難を超えて力強く生きるためのメッセージである。「BOOK」データベースより ****** 悲惨さを物語るわけでなく、もっと人間として根本的なものを伝えたいのだなと思います。収容所までの人生と、収容所内での人生、そこから出た人生。今一度、人間を考えさせられました。
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約束(河出書房新社) イジー・クラトフヴィル/阿部賢一訳
¥976
SOLD OUT
【非常に良い】(非常に良い/良好/並) ≪初版≫ 2017/1/30発行 ハードカバー 1940年ブルノ生まれ。11歳のときに父が亡命し、秘密警察の尋問を受けるなど恐怖に満ちた青春時代を過ごす。 60年代から短編執筆するも、共産党体制下では発表の機会を断たれ、90年に長編『熊の小説』でデビュー。 数多くの国内賞を受賞し、ミラン・クンデラ直系のチェコ作家として不動の地位を築きました。 ******* 本書の時代設定はナチス・ドイツの保護領時代です。共産党による独裁体制が強化されつつあった1950年代初頭のブルノという土地です。 主人公は暗い過去を持つ建築家のカミル。かつての栄光とは無縁の仕事をこなしていたが、秘密警察のラースカに付きまとわれていた。 カミルの唯一の理解者である妹エリシェカも反体制活動の疑惑をかけられて秘密警察の尋問を受けている間に命を落としてしまいます。 最愛の妹を失ったカミルは妹と交わした「約束」を果たすために、復讐を企てます。。。 時代が色濃く反映されています。 私たち日本人には無縁ですが、引き込まれてゆきました。 あらためてチェコ文学は面白いと感じる作品。
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破局(早川書房) ダフネ・デュ・モーリア/吉田誠一訳
¥1,131
【非常に良い】(非常に良い/良好/並) ≪初版≫2006/5/31発行 ハードカバー ******* ダフネ・デュ・モーリア1907年ロンドン生まれ。家庭で教育を受けて育つ。 『レベッカ』の印象が強いですが、 本作品の短篇集も興味深いです。 デュ・モーリアの冷静な人間観察によって完成された六編です。 1964年に刊行された『異色作家短篇集』の一巻として発行されました。 今回は復刊版になります。 事件はいつも、予期しないときに襲ってくる。それはそっと忍び寄り、背後でじっと待ち構えている。 目次 ・アリバイ ・青いレンズ ・美少年 ・皇女 ・荒れ野 ・あおがい
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黄色い雨(ヴィレッジブックス) フリオ・リャマサーレス/木村榮一訳
¥930
SOLD OUT
【良好】(非常に良い/良好/並) 3版 2007/10/18発行 ハードカバー フリオ・リャマサーレス 1955年、スペインのレオン地方の田舎町ベガミアンに生まれる。マドリッド大学法学部卒業後、弁護士となる。ほどなくジャーナリストに転身。 早くから詩人と知られていた。 「黄色い雨」は長編小説の2作目になります。各国で翻訳される。 ******* 廃村寸前の村に残された一人の老人の物語です。 死が迫ってくる様子は、死んだはずの家族の亡霊・飢え・毒蛇・崩れゆく家屋など、様々な姿になって迫って来ます。 老人にとってはこの村が唯一の世界のようで、他に選択肢がない故にこの一つの地に意地でも死ぬまでしがみついてやろうという執念が凄まじい。 自分の死イコール村の死で、村の死は老人にとっての全世界の死。 終盤に向かって「世界の終わり」を少しずつ受け入れてゆくわけですが、死の近づいたある日、すべての景色が黄色く見える、というシーンは絵画のようでした。
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恋しくて(Ten Serected Love Stories)(中央公論新社) 村上春樹訳
¥750
SOLD OUT
【良好】(非常に良い/良好/並) 3版 2013/10/5発行 ハードカバー 現代の海外作家の9編と村上春樹自身の「恋するザムザ」が併録されています。恋愛小説のセレクト版ですね。 恋愛は書く人によって同じような恋でも、立場や角度、見え方が違うのだと実感しました。 いろんな恋愛物語の世界に浸ってください。
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もうひとつの街(河出書房新社) ミハル・アイヴァス/阿部賢一訳
¥2,000
SOLD OUT
【良好】(非常に良い/良好/並) 3版 2014/9/20発行 ハードカバー 『見ている』側と『見られる』側で物の見方が随分と違う。 現実の世界と紙一重にある「もうひとつの街」の存在。 そんな「もうひとつの街」へ行くか、行かないか、このまま「こっち」でいるのか、悩みどころであります。どうしますか? 全部読み終えた後に、再度、初めの章から読むことをお勧めします。 きっと、不思議な世界を経験したと感じるし、あなたは「もうひとつの街」を知っているかもしれません!
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才女の運命 有名な男たちの陰で(あむすく) インゲ・シュテファン/松永美穂訳
¥932
【並】(非常に良い/良好/並) ≪初版≫ 1995/7/27発行 ソフトカバー 帯アリ、表紙ヨレあり 経年の汚れ、キズありますが概ね良好 トルストイ、シューマン、ロダン、アインシュタイン、フィッツジェラルド…… 歴史に名を残した男たちの傍らで、才能に溢れた女性たちが過ごした波乱の生涯、苦悩の日々。 偉人は配偶者によってつくられたのですね。 女性の才能を改めて高貴なものと思い、誇らしく感じました。
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追憶のスモールタウン(早川書房) ラリィ・ワトスン/松本みどり訳
¥1,400
【良好】(非常に良い/良好/並) ≪初版≫ 1998/7/31発行 ハードカバー 書き出しだけ読もうと思っていたのに、ずんずん引き込まれて結局最後まで読んでしまった。 この「苦しみ」の置き場所が、私にはわかりません。
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オーランドー(国書刊行会) ヴァージニア・ウルフ/杉山洋子訳
¥850
SOLD OUT
【良好】(非常に良い/良好/並) 新装版第5版 1994/5/20発行 ハードカバー 両性具有の詩人オーランドーの伝記の体裁を取りながらV・ウルフが仕掛けた、無数の隠し絵を読み解く楽しみ。ウルフ文学の中で異彩を放つ、遊び気分にあふれた、麗人の冒険を描くファンタジック・ロマンス。(カバー袖紹介文より)