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セロトニン(河出書房新社) ミシェル・ウエルベック/関口涼子訳
¥1,300
非常に良い(非常に良い/良好/並) ≪初版≫ 2019/9/30 発行 ハードカバー ISBN9784309207810 ミシェル・ウエルベックの『セロトニン』は、現代社会の孤独や絶望をテーマにした物語です。 主人公フロラン=クロードの生きづらさや悩みを通じて、人間関係のもろさや、自分自身の生き方について私たちも考えさせられます。 フランスの農業や消費社会といったリアルな背景も描かれ、読んでいると自分のことのように感じる場面がたくさんあります。 この本をきっかけに、自分の価値観や過去の選択をもう一度振り返る時間を持ってみませんか?
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襲撃(河出書房新社) ハリー・ムリシュ/長山さき訳
¥1,700
非常に良い(非常に良い/良好/並) ≪初版≫ 2023/6/30 発行 ハードカバー ISBN9784309208855 ハリー・ムリシュの『襲撃』は、第二次世界大戦が終わる直前のオランダを舞台にした物語です。 主人公のアントンは、家族を失う大きな事件をきっかけに、過去とどう向き合っていくのかを考える日々を送ります。 この本を読むと、戦争の悲しみや、その後も続く影響について、自然と自分のことのように感じてしまうんです。物語の中で出てくるさまざまな問いかけが、私たち自身の価値観や歴史の見方を見つめ直すきっかけにもなると思います。 読み終えるころには、心が少し軽くなるような、不思議な感覚になるので救われます。
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ティファニーで朝食を(新潮社) トルーマン・カポーティ/村上春樹訳
¥830
良好(非常に良い/良好/並) ≪初版≫ 2008/2/25 発行 ソフトカバー トルーマン・カポーティによる中編小説。1961年にオードリー・ヘプバーン主演で映画化されましたよね。 映画の印象が強い本書ですが、内容は、こうです。 1943年の秋、語り手の僕はホリー・ゴライトリーと友達になります。彼女は18歳の田舎娘で、マンハッタンのアッパー・イースト・サイドに住むカフェ・ソサエティ・ガール。 働かずに裕福な男性と交際し、豪華な生活を楽しむ彼女は、クラブやレストランに連れられたり、高価なプレゼントを受け取ったりしています。ホリーは自分の私生活や物事に対する率直な意見で周囲を驚かせるのが好きで、1年かけて少しずつ僕(語り手)に自分のことを明かしていきます。次第に僕(語り手)は、彼女の独特なライフスタイルに魅了されていくのです。 ヒロインのホリーの言動がすべてを物語っているように感じる本作品。映画のオードリーを登場させながら読んでみるのもいいですね。 ただ、村上春樹さんが翻訳すると、この作品が村上春樹さんの小説のように思えてきます。 他、 ・花盛りの家 ・ダイアモンドのギター ・クリスマスの思い出 収録されています。
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不倫(角川書店) パウロ・コエーリョ/木下眞穂訳
¥500
【良好】(非常に良い/良好/並) ≪初版≫ 2016/4/30 発行 ハードカバー リンダは優しい夫と二人の子どもに恵まれ、ジャーナリストとして活躍しています。一見すると、誰もが羨む暮らしを送っているように見えますが、彼女はわけのわからない孤独や不安を感じ、恐怖を抱いています。そんな中、昔の恋人と再会し、刺激と情熱に溺れてしまいます。周囲を巻き込みながら、すべてを失いかけたとき、リンダは真実に気づきます。不倫がストーリーの中心ですが、その結末は予想外であり、やはりコエーリョらしい、嫌味のない展開でした。スイスの美しい情景描写が物語に心地よく、味わい深い作品に仕上がっています。
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マンハッタンの怪人(角川書店) フレデリック・フォーサイス/篠原慎訳
¥450
【良好】(非常に良い/良好/並) 再版 2000/4/5発行 ハードカバー 『ミュージカルの名作「オペラ座の怪人」の続編で、怪人と歌姫の愛の秘密が明かされる物語です。 前作では、怪人が愛を知らずに地下に潜んでいましたが、オペラ座の歌姫に恋をし、惨劇が起きました。13年後、怪人はパリからニューヨークに移り、才能と努力で大成功を収めましたが、心の傷は癒えませんでした。ある日、フランスからの手紙が彼の運命を変え、ニューヨークを舞台に新たなドラマが展開されます。この作品は単なる続きではなく、前作と同じくらいの魅力を持つ愛の物語として描かれています。 小説の続編(基本はミュージカルとほぼ同じような内容です)とは少し違いますので、ミュージカルを観た方は面白いですよ! ちなみに、小説「オペラ座の怪人」は取り扱いがあります。
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イエーツ詩集(思潮社) イエーツ/加島祥造訳
¥800
【非常に良い】(非常に良い/良好/並) ソフトカバー ≪第3版≫ 2009/4/25発行 今は亡き、加島祥造さんの訳です。詩人としてとてもすてきな作品を残されてます。その加島祥造さんがこよなく愛したイエーツ。洗練された世界を堪能して欲しいです。また、いろいろな人が訳した詩が載っているのはとても新しいアイデアです。イェーツについての大切な文章もあります。
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本の虫(アートン新社) スティーブン・ヤング/薄井ゆうじ訳
¥1,500
【良好】(非常に良い/良好/並) ≪初版≫ 2002/11/30 発行 ソフトカバー 本好きサンには必ず「本の虫」が住み着いています。 「読み虫」「書き虫」「古本買い虫」「図書館虫」など。 私は何種類かの「本の虫」を自然と飼育し増殖させていたことが判明しました。 この虫達は本好き人間がこの世から去れば、同時に去ってゆくものだそうです。 「本の虫」のことをよく研究された奇書であり、これまでなんとなく本好きを「本の虫」と言っていたけれど、ちゃんとした虫がついているのだと理解できます。 面白く読めました。 目次 第1部 本の虫とは何か(本の虫の発見;本の虫の概要;駆除・撲滅の歴史;本の虫の変態・擬態・天敵;絶滅危惧種としての本の虫) 第2部 読み虫類(読み虫の生態;活字虫症候群;読み癖症候群;読書環境依存症;書籍購入症候群;文学物品フェティシズム) 第3部 書き虫類(書き虫の生態;書き虫感染者の症例;小説書き虫) 第4部 本の虫の飼育
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青髭 ー愛する女性を殺すとはー(新曜社) ヘルムート・バルツ/林道義訳
¥1,000
【非常に良い】(非常に良い/良好/並) ≪初版≫ 1992/2/20 発行 ハードカバー グリム童話『青髭』のお話です。 愛する女性を殺すって、どういうこと?! このお話を深堀りしてゆくと、恐ろしい事実がありました。 そこには母性と女性性抹殺のテーマが取り込まれています。どういうことか? 物語『青髭』を何度も読み、本書の深堀りを理解すると徐々に見えてきます。 本書はユングの心理学を用いて読解していますので、深層心理がよく理解できます。 心理に興味のある方は面白いと思いました。
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空想動物園 ー神話・伝説・寓話の中の動物たち ー(文化放送) アンソニー・S・マーカタンテ/中村保男訳
¥1,100
【良好】(非常に良い/良好/並) ≪初版≫ 1976/12/25 発行 ハードカバー 水、陸、空の動物、想像の動物の4部構成となっており、架空の動物が出てきます。 神話を描いているのですが、グリム童話のようなおとぎ話にもとれます。 特にヨーロッパの神獣が好きな人は嬉しい内容だと思います。 本書のカバー、挿絵はすべて作者・マーカタンテによるものですが、画家が主な職業ではないが、絵の個展を開いたりしている。けれども本職は作家であり、大学教授です。 空想動物、神々の動物のいるところ……そんな動物園を旅してください。
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文体練習(朝日出版社) レーモン・クノー/朝比奈弘治訳
¥50
SOLD OUT
【非常に良い】(非常に良い/良好/並) 初版第13版 2020/5/18 発行 前人未到のことば遊び。他愛もないひとつの出来事が、99通りもの変奏によって変幻自在に書き分けられてゆく。 『地下鉄のザジ』の作者にして20世紀フランス文学の急進的な革命を率いたレーモン・クノーによる究極の言語遊戯がついに完全翻訳。 (目次) メモ 複式記述 控え目に 隠喩を用いて 遡行 びっくり 夢 予言 語順改変 虹の七色 以下の単語を順に用いて文章を作れ ためらい 厳密に 主観的な立場から〔ほか〕
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ペンギンの憂鬱(新潮クレストブックス) アンドレイ・クルコフ/沼野恭子訳
¥900
【非常に良い】(非常に良い/良好/並) ≪17版≫ 2023/2/15 発行 ソフトカバー アンドレイ・クルコフ ウクライナのロシア語作家。クルコフの名を一躍有名にしたのが本書『ペンギンの憂鬱』(1996年)である。約20カ国語に訳され、国際的なベストセラーとなる。 キエフ在住。妻はイギリス人。 アンドレイ・クルコフの『ペンギンの憂鬱』は、孤独を抱える作家ヴィクトルと彼の相棒、ペンギンのミーシャが織りなす物語です。 二人の奇妙な絆が、心の温かさを届けてくれるんです。 不条理な展開や生と死を巡るテーマは、現代社会の混沌や人生の予測不可能な出来事などを映し出しており、私たちの心に深く響きます。 ユーモラスで独特な描写が感性を刺激しつつ、他者の孤独や生き方に共感する視点を育む一冊。 読後、自分の人生をちょっと見つめ直したくなる、そんな心に残る作品です。
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11分間(角川書店) パウロ・コエーリョ/旦敬介訳
¥500
【良好】(非常に良い/良好/並) ≪初版≫ 2004/3/1 発行 ソフトカバー 経年のヤケありますが、他はきれいな状態です。 パウロ・コエーリョはブラジルはリオデジャネイロ出身の小説家 ***** 本書『11分間』ではとてもデリケートに主人公の女性の内面を扱っています。 主人公は娼婦なのですが、常に自分の気持ちと対峙しながら、娼婦という仕事を真面目に考えます。出会う男性によって変わる性の嗜好やそれに対する自分の気持ち、体の反応を真摯に受け止めます。 田舎で育った彼女には夢がありました。そんな彼女が都会(スイス)に出て、紆余曲折して娼婦になる。 お金が貯まったら田舎に帰ろうと、常に考えているものの、帰れません。 そんななか、ひとつ名言がありました。 「今や彼女は失うものは何もはなくなった。彼女は自由だった。」 これはこの文章の通りなのですが、もはや何もかもなくなったのだから、彼女は自由であり、 自由とは選ぶ道が多岐に渡るということで、彼女にとって人生のチャンスになるのです。古臭いものを捨て去ると、そこに新しいものを入れることができるからです。 つまるところ本書は、男女間で行われる『11分間』の意味を描いています。 捉え方は人それぞれ。 単なるセックスの話ととるのか、娼婦の話ととるのか、価値観を覆すものとなるのか、読んでみなければわかりません。 それでいい。 みんな違うのだから…。 ラストはとても切なく響きました。
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あたしの一生 猫のダルシ―の物語 a CAT’S life(飛鳥新社) ディー・レディー/江國香織訳
¥500
【良好】(非常に良い/良好/並) ≪初版≫ 2000/7/19発行 ハードカバー 背表紙ヤケあり その他は良好です 猫のダルシ―が死ぬまでの17年間、人間に飼われながら思う事。 ひたすらぶれることなくダルシ―の本音、愛が語られている。 私たち人間のお手本であるダルシ―。 猫の生涯を全うしたダルシー。 あらすじも訳者の江國香織さんのあとがきもドンピシャとはまっている。 江國香織さんの訳だからこそダルシ―が活きたのかもしれない。 この深い感動を共有できると嬉しいと思います。
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緩やかさ(集英社) ミラン・クンデラ/西永良成訳
¥1,420
【非常に良い】(非常に良い/良好/並) ≪初版≫ 1995/10/10 発行 ハードカバー パリ郊外の城で一夜を過ごすことになった作家夫妻は、昆虫学会が開かれているせいで眠れない夜を過ごします。そんな中、18世紀の短編小説「明日はない」の騎士が現れ、城の貴婦人と優雅な夜を過ごします。作家は、ゆっくりと歩く騎士の姿に「幸福のしるし」を感じます。なぜなら、幸福とは人をゆるやかにするからです。この作品は、クンデラがフランス語で初めて書いた小説で、彼の哲学と文学が見事に混ざり合っています。
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天使の恥部(国書刊行会) マヌエル・プイグ/安藤哲行訳
¥50
SOLD OUT
【良好】(非常に良い/良好/並) ≪初版第2版≫ 1989/10/20発行 ハードカバー 丸印少しの凹みあり 経年の汚れ少々あり 読むには問題ありません。 マヌエル・プイグはアルゼンチン出身の作家 本作は過去・現在・未来、繰り返す哀しい愛の物語です。 ウィーン近郊の楽園のような島に軍需産業王の夫によって閉じ込められた世界一の美女。 映画スターの彼女には出生にまつわる秘密があった。 それは死者との契約により、30歳になった時から他人の思考が読めるようになるというもの。 地軸変動により気候が激変し、多くの土地が水没した未来の地球。 性的治療部で働く女性W218はある日理想の男と出会う。隣国からやってきたその男と、彼女は夢のような一夜を過ごすが、男にはある目的があった。 1975年のメキシコシティ、病院のベッドでアナは語る。アルゼンチンでの過去の生活、政治について、男性至上主義(マチスモ)について、愛について。 過去・現在・未来で繰り返される、女たちの哀しい愛と数奇な運命の物語を、メロドラマやスパイ小説、SFなど、さまざまなスタイルと声を駆使して描き、新境地を切り開いたプイグの傑作といわれています。 『蜘蛛女のキス』の次に出版された小説になります。
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エーミールと探偵たち(岩波書店) エーリヒ・ケストナー/高橋健二訳
¥50
SOLD OUT
【良好】(非常に良い/良好/並) ≪53版≫ 2013/5/24発行 ハードカバー 函あり おばあちゃんをたずねる途中の列車で、大切なお金を盗られてしまったエーミール。 ベルリンの街を舞台に、少年たちが知恵をあわせて犯人をつかまえる大騒動がくりひろげられます。 すべてにカナが打たれてます。 対象は小学校3、4年生から中学生と明記されておりますが、読者の年齢を選びません。 大人になっても愉快で楽しいものは文字を読むだけで脳がくすぐられますね。 気晴らしにエーミール達と楽しい時間をお過ごしください。
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ユードルフォの謎Ⅰ・Ⅱ(大阪教育図書) アン・ラドクリフ/惣谷美智子・堀田知子訳
¥6,400
【非常に良い】(非常に良い/良好/並) ユードルフォの謎Ⅰ・Ⅱ共に≪初版≫1998/4/28発行 ハードカバー 1794年に出版された『ユードルフォの謎』 アン・ラドクリフの長編小説の要約、論文です。 小説ではありません。 この物語をお読みになった方には理解できるだろうと思われます。 小説の概要 1584年のフランス、ガスコーニュ地方、ガロンヌを舞台に話は始まる。母親の死後にエミリーと父親は地中海へ向けて旅行する。彼女はそこでヴァランクールという若い男性と知り合い恋に落ちる。その後父親は死亡、孤児となったエミリーは叔母の所に預けられるが、恋仲にあった二人の仲を義理の叔父モントーニ伯爵が無理矢理引き裂いて、エミリーをユードルフォ城に監禁してしまった。そのカラクリ屋敷で彼女は様々な奇怪現象に襲われる。その後に逃亡して、かつての恋人と再会し、結婚します。 ***** 因みにジェーン・オースティンはこの作品を参考に『ノーサンガー僧院(アビー)』を書いきました。ジェインオースティンとの比較も楽しめます。 18世紀の女性ゴシック作家として有名なアン・ラドクリフの代表的小説『ユドルフォの謎』の内容の要約と、訳著者による論文2本を掲載したものです。
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世界の文学37 ヘッセ (中央公論社) ヘルマン・ヘッセ
¥50
SOLD OUT
【良好】(非常に良い/良好/並) カバー、箱なし ハードカバー ≪初版≫1964/10/12発行 ヘルマン・ヘッセの自伝的小説とも言われている「車輪の下」が収録されています。 皆の期待を一身に背負って、ひたすら猛勉強し、神学校に合格したハンスの人生が描かれいている。風景描写が素晴らしい一冊です。 「車輪の下」 「デーミアン」 「聖母の泉」
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離れがたき二人(早川書房) シモーヌ・ド・ボーヴォワール/関口涼子訳
¥50
SOLD OUT
【非常に良い】(非常に良い/良好/並) ≪初版≫ 2021/7/15発行 ソフトカバー シモーヌ・ド・ボーヴォワール は、フランスの哲学者、作家、批評家、フェミニスト理論家・活動家。20世紀西欧の女性解放思想の草分けとされる『第二の性』執筆 ***** 20世紀初頭のパリ。 少女シルヴィーは、厳格な家庭で育ちながらも自分らしく自由を求めて生きる、ある少女と出会います。 たがいに強く惹かれ合う二人の友愛は、永遠に続くはずだったのです。 1954年に執筆されるも、発表されることのなかった幻の小説。 ***** ボーヴォワールがボーヴォワールになる までを描いている自伝的小説。 ボーヴォワールが書 いている他の本と筆致が違って、 少女同士の友愛 が、丁寧に、初々しく描かれていて、とってもいい のです。 原稿を読んだサルトルが出版しない方がいいと言っ て生前は発表されませんでした。 『第二の性 LE DEUXIEME SEXE』(駿河台出版) ※カテゴリー>海外文学>単行本 原書Le Deuxième Sexeの 序文のみを抜粋した書籍となり、 全文は掲載されておりません。 教科書ではありますが、特に問題の記載は無く 読み物としてお楽しみにいただけます。 日本語訳はありませんが、巻末に 難しい単語、表現に関する日本語訳あり
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冗談(みすず書房) ミラン・クン・デラ/関根日出夫、中村猛訳
¥50
SOLD OUT
【良好】(非常に良い/良好/並) ≪初版≫ 1992/6/17発行 ハードカバー ミラン・クンデラは、チェコスロバキア生まれのフランスの作家 絵葉書に冗談で書いた文章が、前途有望な青年の人生を狂わせるというストーリー。 十数年後、苦しみに耐え抜いたすえに男は復讐をもくろむみます。 政治によって歪められた1人の男の流転の人生と愛の悲喜劇を軸にして、4人の男女の独白が重層的に綾をなします。 ミラン・クンデラ(1929-)の最高傑作です。 『存在の耐えられない軽さ』 ミラン・クンデラが、パリ亡命時代に発表した傑作。「プラハの春」とその時代を背景に、ドン・ファンで優秀な外科医トマーシュと田舎娘テレザ、奔放な画家サビナが辿る、愛の悲劇―。究極の哲学的恋愛小説。 ※カテゴリー>海外文学>文庫本
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だれも死なない日(河出書房新社) ジョゼ・サラマーゴ/雨沢泰訳
¥2,500
【非常に良い】(非常に良い/良好/並) (ほぼ新品) ≪初版≫ 2021/9/30発行 ハードカバー 2枚目の写真、矢印部分に7ミリほど表紙の破れがあります。 それ以外は新品同様、読んだ形跡がないため(ほぼ新品)といたしました。 ジョゼ・サラマーゴ 1922年ポルトガル生まれ。82年『修道院回想録』、84年『リカルド・レイスの死の年』で数々の文学賞を受賞。95年『白の闇』は世界各国で翻訳、映画化。 98年ノーベル文学賞受賞。2010年没。 ***** ある年の元旦、突然人が死ななくなる。 新年の始まり以降、この国ではだれも死ななくなった。 高齢で衰弱する皇太后陛下、成功確実な自殺者、交通事故で十二分に息絶えたはずの人体、致命的な墜落事故。 死(モルト)の活動停止を寿ぐ歓喜の高波の一方で、商売の材料を奪われた葬儀業界、死の不在によってベッドが不足する病院経営者、生と死の循環が滞った老人ホームなど、危機に陥る人々。 国境の村では、生死の需要と供給を補うためにマーフィアが暗躍し、死を求める人々を国外に運びだします。 悲喜こもごもの事態の中、テレビ局の会長の手元に紫色の封書が届いて。。。 どうなるのかと結末を急いでしまいます。 ノーベル賞作家の最高傑作を楽しんでください。
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第二の性 LE DEUXIEME SEXE(駿河台出版) シモーヌ・ド・ボーヴォワール/木村信子編注
¥1,400
【非常に良い】(非常に良い/良好/並) 3版 2002/4/1発行 装丁:単行本(55ページ) 本書は教本であり全文フランス語です。 後半35ページから訳注の掲載あります。 小説ではありませんので、気を付けてください。 ***** 原書Le Deuxième Sexeの 序文のみを抜粋した書籍となり、 全文は掲載されておりません。 教科書ではありますが、特に問題の記載は無く 読み物としてお楽しみにいただけます。 日本語訳はありませんが、巻末に 難しい単語、表現に関する日本語訳あり 題名だけがひとり歩きしているかのような作品ですが, 実際にはどんなことが書かれているのか, じっくり味わってみて下さい. 初級文法を終えた方が, 辞書を手に十分読んでゆけます. ボーヴォワールの文章は 決して難しくありません. 各センテンスは短く,古典的です. その簡潔な文章の中で 作者が言おうとしていることは何か. notes はその読解 の手助けとなるよう配慮して付した. (駿河台出版社より)
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83 4/1歳の素晴らしき日々(集英社) ヘンドリック・フルーン/長山さき訳
¥50
SOLD OUT
【非常に良い】(非常に良い/良好/並) ソフトカバー ≪初版≫ 2018/10/10発行 匿名作家である。 この日記調小説は当初、文芸ウェブサイト上で連載された。のちに出版に至り、人口約1700万人のオランダで32万部のベストセラーとなる。本国ではテレビドラマ化された。物語の内容については『嘘の文はひとつもないが、すべての言葉が真実ではない』とのこと。 ****** 83歳、ケアハウス暮らし。人生はこれからが面白い! 高福祉国家オランダで空前のベストセラーを巻き起こした大ヒット老人小説。 オランダ、アムステルダムのケアハウスに暮らすヘンドリック83歳。 ただコーヒーを飲みながら死を待つ日々に嫌気がさした彼は、仲間とともに「オマニド(老いても死んでない)クラブ」を立ち上げる。遠足やカジノなどさまざまな催しを企画して、楽しく生きようと試みるヘンドリックたち。 他人事ではない私たち日本人にも教訓になるのかな、と思いました。 良い老後とは、人生とは何か。安楽死もある高福祉国家オランダを痛烈に皮肉る、笑いと涙、恋と友情の物語です。
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恥辱(早川書房) J・M・クッツェー/鴻巣友季子訳
¥870
【並】(非常に良い/良好/並) ハードカバー 3版 2001/1/31発行 天、小口にヤケありますが、 読むには支障はありません。 作者は1940年、南アフリカ生まれです。 南アフリカ共和国出身のノーベル賞作家J・M・クッツェーの小説。 1999年に出版され、同年のブッカー賞を受賞した。 『恥辱』で前人未到の二度目のブッカー賞を受賞。 ブッカー賞とは、 その年に出版された最も優れた長編小説に与えられる、イギリスで最高の権威ある文学賞。イギリスの多国籍企業ブッカー・マコンネル者が1969年に設立したものです。 舞台はアパルトヘイト撤廃後の南アフリカ。離婚を2度経験している大学教授のデヴィッドは、若いころから奔放な性を楽しんできたが、52歳になった今でもその欲望は衰えを知らない。そんなある日、彼は20歳の女子学生に強烈に引かれ、歳の差も社会的な立場も考えずに彼女を追いまわすようになる。半ば強引に彼女と関係を持ったデヴィッドはセクハラで告発され、軽蔑されて憎まれて、追われるように大学を去る。娘が経営する自作農園に身を寄せて再生の道を模索するが、そこにはさらなる恥辱が待ち受けていた。 ***** 主人公は性欲という泥沼の中で哀しいくらいこっけいにもがいてみせる。職も名誉も失いながら、それでも性欲に振り回されてしまう情けなさ。新しい価値観と古い価値観がぶつかり合う混乱の中で暮らす不安と無力感。 あまりにみじめな主人公に怒りすら感じながらも、物語から目を離すことができない。 彼の弱さは人間(特に男性)そのものの弱さであり、彼が恥辱にまみれるとき、当方もまた堕ちていく感覚を味わうからです。 一読の価値アリです!