鍵・瘋癲老人日記(新潮文庫) 谷崎潤一郎
¥430
【非常に良い】(非常に良い/良好/並) ≪57版≫ 2020/5/5 発行 ◆老夫婦の閨房日記を交互に示す手法で性の深奥を描く『鍵』 この物語は、封建的な家庭で育った妻と年を取った大学教授の夫の話です。夫は年齢のせいで体力が衰え、妻の欲求を満たすことができなくなります。そこで夫は、妻に若い男性を近づけることで、自分の気持ちを奮い立たせようとします。 「鍵」という日記が、夫婦の秘密を明らかにする手がかりとなります。お互いに日記を盗み見られているかもしれないという緊張感が、物語にさらなる緊迫感を加えています。たとえこの夫婦が普通に見えても、実は日常の中に深い秘密や複雑な感情が隠れていることが、怖いです。 老残の身でなおも息子の妻の媚態に惑う『瘋癲老人日記』 晩年の二傑作。 カタカナに慣れていない人は、「鍵」などの本を読んで慣れてみてください。この話も「鍵」と似ていますが、一つ一つの言葉を丁寧に読むと、年老いた主人公の気持ちが見えてきます。 77歳の督助(とくすけ)は、息子の嫁である颯子(さつこ)に恋をします。彼は颯子の美しい体を手に入れるのですが、それは変わった夢の実現でした。督助は颯子の足の形を取って、それを墓石にし、自分の骨をその下に埋めようとします。物語の終わり方がとても印象的です。
外套・鼻(岩波文庫) ゴーゴリ/平井肇訳
¥50
SOLD OUT
【良好】(非常に良い/良好/並) ≪5版≫ 2009/6/15 発行 内容紹介 ある日、鼻が顔から抜け出してひとり歩きを始めた…写実主義的筆致で描かれる奇妙きてれつなナンセンス譚『鼻』。 運命と人に辱められる一人の貧しき下級官吏への限りなき憐憫の情に満ちた『外套』。 ゴーゴリ(1809‐1852)の名翻訳者として知られる平井肇(1896‐1946)の訳文は、ゴーゴリの魅力を伝えてやまない。 ***** 新調したばかりの外套を盗まれた下級官吏の絶望のなかに、ロシア人の無意識が顔を出します。 外套を探しまわる主人公は無意識にペテルスブルグの街を測量していました。けれど、そこには思想もなければ、崇高な理想もない。外套を盗まれたという現実だけが無意味に投げ出されているばかりです。 その現実に押しつぶされて幽霊になった下級官吏は永遠に外套に執着し続けるのです。 この下級官吏を笑いながら、わたしたちははふと気づきます。これはわたしのことだと。 ロシア文学の傑作なのでご一読あれ!
たったひとつの冴えたやりかた(早川書房) ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア/朝倉久志訳
¥450
【非常に良い】(非常に良い/良好/並) ≪27版≫ 2017/2/15 発行 やった!これでようやく宇宙に行ける! 16歳の誕生日に両親からプレゼントされた小型スペースクーペを改造し、連邦基地のチェックもすり抜けて、そばかす娘コーティーはあこがれの星空へ飛びたちます。 だが冷凍睡眠から覚めた彼女を、意外な驚きが待っていました。 頭の中に「イーア」というエイリアンが住みついてしまったのです。 しかし、ふたりは意気投合して探険にのりだします。 けれどこの脳寄生体には恐ろしい秘密がありました。。。 元気少女の愛と勇気と友情を描いたさわやかな感動が残りました。 その他、二作も宇宙に繰り広げられる壮大なドラマに、未知の経験をさせてくれました。 第一話:たったひとつの冴えたやりかた 第二話:グットナイト・スィートハーツ 第三話:衝突
かもめのジョナサン(新潮文庫) リチャード・バック/五木寛之訳
¥280
【並】(非常に良い/良好/並) ≪57版≫ 1999/6/5 発行 飛び立つ自由を追い求めるかもめのジョナサン。 この小説は、飛ぶことの喜びや自由の大切さを教えてくれます。 物語は、かもめのジョナサンが他のかもめたちとは異なる飛び方を追求し、新たな高みへと挑戦する姿を描いています。食べることよりも飛ぶことに生きるジョナサンの姿勢は、私たちも吸収すべきことがたくあります。 かもめのジョナサンは、リチャード・バックの名作。 五木寛之による見事な訳文で、原作の魅力をそのままに再現しています。この物語は自分自身の可能性に向かって突き進む勇気や、他者とのつながりを大切にする心を養ってくれると思います。 カモメの写真入りです。
あたしの一生 猫のダルシ―の物語 a CAT’S life(飛鳥新社) ディー・レディー/江國香織訳
¥500
【良好】(非常に良い/良好/並) ≪初版≫ 2000/7/19発行 ハードカバー 背表紙ヤケあり その他は良好です 猫のダルシ―が死ぬまでの17年間、人間に飼われながら思う事。 ひたすらぶれることなくダルシ―の本音、愛が語られている。 私たち人間のお手本であるダルシ―。 猫の生涯を全うしたダルシー。 あらすじも訳者の江國香織さんのあとがきもドンピシャとはまっている。 江國香織さんの訳だからこそダルシ―が活きたのかもしれない。 この深い感動を共有できると嬉しいと思います。
緩やかさ(集英社) ミラン・クンデラ/西永良成訳
¥1,420
【非常に良い】(非常に良い/良好/並) ≪初版≫ 1995/10/10 発行 ハードカバー パリ郊外の城で一夜を過ごすことになった作家夫妻は、昆虫学会が開かれているせいで眠れない夜を過ごします。そんな中、18世紀の短編小説「明日はない」の騎士が現れ、城の貴婦人と優雅な夜を過ごします。作家は、ゆっくりと歩く騎士の姿に「幸福のしるし」を感じます。なぜなら、幸福とは人をゆるやかにするからです。この作品は、クンデラがフランス語で初めて書いた小説で、彼の哲学と文学が見事に混ざり合っています。
ほんとうの花を見せにきた(文藝春秋) 桜庭一樹
¥380
【良好】(非常に良い/良好/並) ≪初版≫ 2014/9/25 発行 ハードカバー ママが死んでいる場面から始まります。次いで姉さんの死体の様子。少年の僕は歯をがちがち鳴らしながら隠れている。 家族を皆殺しにされ、唯一生き残った少年が、吸血鬼の力を借りて生き抜く物語です。 少年と吸血鬼の友情、そして初恋を描いています。 絶望的な状況から救われた少年は、愛しい家族との別れを乗り越え、吸血鬼のバンブーと共に生き抜いていきます。バンブーにとって人間と暮らすことは大きな罪。その罰が下されるときがいずれやってくる。そんな中、出会った少女のバンブーに少年は初めての恋に落ちます。 少年は年を取るけれど、バンブーは年を取らない。120歳まで生きます。 言うなれば吸血鬼の大河ドラマです。バンブーたちが切なくて、美しい物語でした。 私はこういうお話は初めてだったので未知の世界を体験できて楽しかったです。 頭の中がリフレッシュされますよ。
女の一生(新潮文庫) モーパッサン/新庄嘉章訳
¥350
【並】(非常に良い/良好/並) ≪83版≫1986/5/30発行 モーパッサンの傑作長編作 フランス自然主義の代表的作家の一人。 夢見がちな女の人生を描く、リアリズム文学の傑作。 修道院で教育を受けた清純な貴族の娘ジャンヌは、幸福と希望に胸を踊らせて結婚生活に入ります。 だが、彼女の一生は、夫の獣性に踏みにじられ、裏切られ、最後には最愛の息子にまで裏切られる悲惨な苦闘の道のりであります。
ジェーン・エア(上下セット)(新潮文庫) シャーロット・ブロンテ/大久保康雄訳
¥1,100
【並】(非常に良い/良好/並) (上)85版 2000/8/25発行 (下)83版 2000/8/20発行 経年ヤケ、シミ、汚れ少々ありますが、 読むには問題ありません。 シャーロット・ブロンテ(1816-1855)は、『ジェーン・エア』で知られるイギリスの作家。牧師の家庭で育ち、文学的才能に恵まれた姉妹と共に創作活動を行いました。短い生涯ながら、女性の自由や社会的役割を描いた作品は今なお多くの読者に影響を与えています。 三姉妹の長女と弟がひとり。 シャーロットは『ジェーン・エア』を執筆 弟(長男)ブランウェルは31歳で死亡 次女のエミリーは『嵐が丘』を執筆 三女のアンは『ワイルドフェル・ホールの住人』を執筆しています。 『ジェーン・エア』は、孤独な環境で育ったジェーンが、自分を信じて強く生きる姿を描いた物語です。 恋愛だけでなく、心の深いつながりを大切にし、ロチェスターとの関係を築いていく彼女の姿には、思わず心が動かされます。 また、当時の社会で女性が直面していた不平等に立ち向かう彼女の勇気は、今の私たちにも響くものがあるのです。なので、ジェーンの成長を通して、自己確立の大切さや、愛とは何かを深く考えさせられる、そんな一冊です。
東京奇譚集(新潮文庫) 村上春樹
¥350
再入荷です。 【並】(非常に良い/良好/並) 表紙にスレあり。 ≪初版≫2007/12/1発行 どうしてこんなことが起こるのだろう。都市の隙間のあやしく底知れぬ世界へと導く5つの物語。 肉親の失踪、理不尽な死別、名前の忘却……。大切なものを突然に奪われた人々が、都会の片隅で迷い込んだのは、偶然と驚きにみちた世界だった。孤独なピアノ調律師の心に兆した微かな光の行方を追う「偶然の旅人」。サーファーの息子を喪くした母の人生を描く「ハナレイ・ベイ」など、見慣れた世界の一瞬の盲点にかき消えたものたちの不可思議な運命を辿る5つの物語。(あらすじより) 映画化「ハナレイ・ベイ」(2018年10月公開)
ルンタ(講談社) 山下澄人
¥1,100
【非常に良い】(非常に良い/良好/並) ≪2版≫ 2017/2/6発行 ソフトカバー 人間という暮らしにうんざりした、というわたしは、それでも自殺はせずに「わたし」と呼ぶ装置をもう少し観察してみたいと望み、家を出て山へ向かうことに。ユという女性との記憶と死んだはずの友人の中西を道連れに山を目指し、吹雪の中で出会った黒い馬「ルンタ」に乗り、さらに深い雪の中を進んでいく。 生と死、現在と過去を行き来する人々が、人間の意識や時間の虚構を疑わせながらもまた確かな生を感じさせる。 天性の言語感覚と非凡な着想で書かれた傑作。 デビュー作『星になる』も収録されています。 ****** ふわふわと現実と夢の中を彷徨うような感覚なんだけれど、意識はしっかりしていて、 今、自分がいる場所ややらねばならないことがわかっている。 なのにふわふわして、なにやら悲しいという読後感。 こんな読後感はなかなか得られないなぁと、思います。言葉にしづらい感覚を残すのは、 やはり山下澄人さんだからかもしれません。
赤泥棒(講談社) 献鹿狸太朗
¥1,480
【非常に良い】(非常に良い/良好/並) ≪初版≫ 2023/3/27発行 ハードカバー 町田康さん推し! 言葉に幅があり、しかもそれが的確に使用されている。辛辣な個性とその周囲を無情に描いていてよい。(文藝賞選評より) 現役慶応大学院生であり、漫画『踊るリスポーン』の著者・三ヶ嶋犬太朗が鮮烈の文芸デビュー! 「捨てられたものを拾うのは泥棒ではない」と嘯き、女装をして女子トイレに侵入し、捨てられた生理用ナプキンを盗む百枝菊人。女装がバレたら心の性別をたてに被害者ぶろうと思っていたところ、同じ学校の明石睦美に目撃される。彼女は百枝が自分と同じく、性別に違和感を抱いていると思い急速に接近してきた。無理解と偏見がマイノリティを利用し、共感と愛情が暴力を肯定する。 表題作「赤泥棒」に加え、文藝賞最終候補に選ばれた「青辛く笑えよ」 「普通」を唾棄する高校生が才能の塊と出会い自我を崩壊させる「寄食のダボハゼ」をおさめた短編集。 (ebookより) 読まれた形跡がないのでほぼ新品に近い状態です。とてもきれいです。
天使の恥部(国書刊行会) マヌエル・プイグ/安藤哲行訳
¥50
SOLD OUT
【良好】(非常に良い/良好/並) ≪初版第2版≫ 1989/10/20発行 ハードカバー 丸印少しの凹みあり 経年の汚れ少々あり 読むには問題ありません。 マヌエル・プイグはアルゼンチン出身の作家 本作は過去・現在・未来、繰り返す哀しい愛の物語です。 ウィーン近郊の楽園のような島に軍需産業王の夫によって閉じ込められた世界一の美女。 映画スターの彼女には出生にまつわる秘密があった。 それは死者との契約により、30歳になった時から他人の思考が読めるようになるというもの。 地軸変動により気候が激変し、多くの土地が水没した未来の地球。 性的治療部で働く女性W218はある日理想の男と出会う。隣国からやってきたその男と、彼女は夢のような一夜を過ごすが、男にはある目的があった。 1975年のメキシコシティ、病院のベッドでアナは語る。アルゼンチンでの過去の生活、政治について、男性至上主義(マチスモ)について、愛について。 過去・現在・未来で繰り返される、女たちの哀しい愛と数奇な運命の物語を、メロドラマやスパイ小説、SFなど、さまざまなスタイルと声を駆使して描き、新境地を切り開いたプイグの傑作といわれています。 『蜘蛛女のキス』の次に出版された小説になります。
エーミールと探偵たち(岩波書店) エーリヒ・ケストナー/高橋健二訳
¥50
SOLD OUT
【良好】(非常に良い/良好/並) ≪53版≫ 2013/5/24発行 ハードカバー 函あり おばあちゃんをたずねる途中の列車で、大切なお金を盗られてしまったエーミール。 ベルリンの街を舞台に、少年たちが知恵をあわせて犯人をつかまえる大騒動がくりひろげられます。 すべてにカナが打たれてます。 対象は小学校3、4年生から中学生と明記されておりますが、読者の年齢を選びません。 大人になっても愉快で楽しいものは文字を読むだけで脳がくすぐられますね。 気晴らしにエーミール達と楽しい時間をお過ごしください。
ユードルフォの謎Ⅰ・Ⅱ(大阪教育図書) アン・ラドクリフ/惣谷美智子・堀田知子訳
¥6,400
【非常に良い】(非常に良い/良好/並) ユードルフォの謎Ⅰ・Ⅱ共に≪初版≫1998/4/28発行 ハードカバー 1794年に出版された『ユードルフォの謎』 アン・ラドクリフの長編小説の要約、論文です。 小説ではありません。 この物語をお読みになった方には理解できるだろうと思われます。 小説の概要 1584年のフランス、ガスコーニュ地方、ガロンヌを舞台に話は始まる。母親の死後にエミリーと父親は地中海へ向けて旅行する。彼女はそこでヴァランクールという若い男性と知り合い恋に落ちる。その後父親は死亡、孤児となったエミリーは叔母の所に預けられるが、恋仲にあった二人の仲を義理の叔父モントーニ伯爵が無理矢理引き裂いて、エミリーをユードルフォ城に監禁してしまった。そのカラクリ屋敷で彼女は様々な奇怪現象に襲われる。その後に逃亡して、かつての恋人と再会し、結婚します。 ***** 因みにジェーン・オースティンはこの作品を参考に『ノーサンガー僧院(アビー)』を書いきました。ジェインオースティンとの比較も楽しめます。 18世紀の女性ゴシック作家として有名なアン・ラドクリフの代表的小説『ユドルフォの謎』の内容の要約と、訳著者による論文2本を掲載したものです。
結婚式のメンバー(新潮文庫) カーソン・マッカラーズ/村上春樹訳
¥480
【良好】(非常に良い/良好/並) ≪初版≫ 2016/4/1発行 再入荷しました 著者であるカーソン・マッカラーズはアメリカの女流作家。 少女の心理を丁寧に描いている。 そういえば12歳ってこんなかんじだったな、と思わせてくれる。 社会に適応できなかったり、自分の世界を大切にする主人公。 彼女はカーソンの半自伝的小説であり、自分を投影したような物語だ。 何度読んでも飽きず、読むたびに感銘を受ける部分が異なるから不思議だと思います。
ミシンと金魚(集英社) 永井みみ
¥550
【非常に良い】(非常に良い/良好/並) 9版 2022/12/11発行 ハードカバー 永井みみ:ケアマネージャーとして働きながら執筆した本作で第45回すばる文学賞を受賞。 認知症のカケイから見た世界を物語にしています。 花が美しい今日、私は死ぬ。 認知症のカケイは、〝みっちゃんたち〟に介護されながら生きている。 ある日、病院からの帰り道、〝みっちゃんの一人〟に「これまでの人生は幸せだった?」と聞かれ、カケイは過去を語り始める。父からの暴力、母の死、継母からの虐待、夫の失踪とその後の厳しい生活。そんな中、カケイは女の赤ん坊を産み、その子・みっちゃんとの幸せな日々を過ごしますが、思い出には苦しみと喜びが交錯していました。 ラスト数ページは、ああ、人はこうやって死んで逝くんだな、と。 ホントの死に際なんて誰も知らないけど、そう感じました。 これまでに死んでいった、近くて親しい人たちが、頭に浮かびました。 かなり衝撃を受けた作品です。
愛するということ(幻冬舎文庫) 小池真理子
¥50
SOLD OUT
【良好】(非常に良い/良好/並) ≪3版≫2013/1/30発行 恋愛。この苦しみからどうやって逃れようか。どれほど大きな悲しみ、猛烈な嫉妬、喪失感に襲われようとも、私たちは生きなければならない。快感と絶望が全身を貫く、甘美で強烈な恋愛小説。(あらすじより)
思い出す事など(岩波文庫) 夏目漱石
¥50
SOLD OUT
【非常に良い】(非常に良い/良好/並) 31版 2017/3/15発行 夏目漱石の回想録 明治四十三年の盛夏,漱石は保養先の修善寺温泉で胃潰瘍の悪化から「大きな動物の肝の如き」血塊を吐いて人事不省におちいった。 辛くも生還しえた悦びをかみしめつつ、この大患前後の体験と思索を記録したのが表題作である。 他に二葉亭四迷・正岡子規との交友記など七篇。 どの一篇も読む者の胸に切々と迫って来ます。 漱石の性格がよく表れている。人物像がますます明らかになった一冊です。
命売ります(ちくま文庫) 三島由紀夫
¥430
【非常に良い】(非常に良い/良好/並) 26版 2015/12/5発行 病院で目覚めた羽仁男(ハネオ)はまだ生きている、と感じ、必要とも思えない命を売ろうと考えて、新聞広告に掲載するのだ。 三島の考える命を一緒に体感できるように思えました。 最終的に主人公のハネオの命はどうなるのか?そしてハネオの考え方が変わってくるところに読み応えがあります。
〖古書〗橋づくし(文藝春秋新社) 三島由紀夫
¥50
SOLD OUT
【古書】青函 3版 1958/3/5発行 ハードカバー 函に難あり(経年劣化による傷、破れ) 銀座や築地界隈を舞台に、満月の夜に7つの橋を渡り願掛けをする4人の女たちの悲喜交々を、数学的な人工性と古典的な美学とを巧妙に組み合わせて描いた作品である。 誰が最後まで橋渡りに成功するかの道行からオチの意外性、優れた技巧と構成で、多くの文芸評論家や作家から、短編の傑作として高い評価を受けた。 ***** この作品に出てくる橋、料亭などを現在の築地、銀座界隈を散歩しながら楽しむのもよいだろうなと思います。
生命式(河出書房新社) 村田沙耶香
¥600
【良好】(非常に良い/良好/並) ≪初版≫ 2019/10/30発行 ハードカバー 「生命式」の語り手である私=池谷真保は、30年くらい前、まだ人肉を食べる習慣がなかったころのことを覚えており、人々の価値観の急激な変化に、違和感を覚えながら生きている。鎌倉の海で出会う見知らぬ男性とのやりとりが鮮烈だ。 〈「そのこと、変だって思いますか? 世界はこんなにどんどん変わって、何が正しいのかわからなくて、その中で、こんなふうに、世界を信じて私たちは山本を食べている。そんな自分たちを、おかしいって思いますか?」/男性は首を横にふった。/「いえ、思いません。だって、正常は発狂の一種でしょう? この世で唯一の、許される発狂を正常と呼ぶんだって、僕は思います」〉 物語はこのあと雄大で美しい結末へと向かう。 何が正しくて何が狂っているのか。収録されたどの作品にも答えはない。 読めば読むほど自分の位相が、ただひたすらにずれていくだけだ。 そしてそのことを清々しく感じるのはなぜだろう。(本の雑誌より) ***** ザ村田沙耶香という感じの短編12編が織り込まれている。 村田沙耶香さんの本を読むたびに思うのは、この世の中に間違っていることなんてなくて、反対に正しいものもない。 あるのは自分の意思と価値観ばかり、という非常に個人的な感想を持っています。 これは読者によって違ってきますし、違って当然!その方が断然面白いです。 あなただけの読み方を楽しんで欲しいです( ◠‿◠ )
グレイスレス(文藝春秋) 鈴木涼美
¥50
SOLD OUT
【非常に良い】(非常に良い/良好/並) (ほぼ新品) 自筆サイン入り ≪初版≫ 2023/1/14発行 ハードカバー デビュー小説『ギフテッド』に続き、芥川賞候補に選ばれた鈴木涼美の第二作。 主人公はアダルトビデオ業界で化粧師(メイク)として働く聖月(みづき)。 彼女が祖母と共に暮らすのは、森の中に佇む、意匠を凝らした西洋建築の家である。 まさに「聖と俗」と言える対極の世界を舞台に、「性と生」のあわいを繊細に描いた新境地。 (あらすじより)
〖古書〗文藝わいせつ裁判(有光書房) 能勢克男
¥1,000
【古書】能勢克男随筆集 ≪初版≫ 1970/6/1発行 ハードカバー ビニールカバーあり 函(経年劣化による傷、ヤケあり) 能勢克男:1894年宮城県生まれ 弁護士、評論家 1979年逝去 本書は二つから構成されています。 Ⅰ→弁護士である著者本人がかかわった事件の感想を綴ったもの Ⅱ→戦前同じ問題で著者自身、我が身に迫って狙われたり、追い詰められたりした経験を綴ったもの 目次 Ⅰ 大逆事件50年 ・時代のしこり ・「革命伝説」を読んで ・文字のない裁判 松川裁判うち外 ・判決にのしかかる体制の重み ・よろこばしき真実 チャタレー裁判その他 ・文学・わいせつ・裁判 ・古典はわいせつか 国貞裁判 ・人間繁茂 Ⅱ ・霖雨 ・地獄のさた ・山科日記 ・ひろい世間 ♢一寸法師 ♢へんな仲 ♢老人 ♢影絵のような ♢鶴之助潜伏ばなし