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令和元年の人生ゲーム(文藝春秋) 麻布競馬場

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≪初版≫ 2024/2/25 発行
ソフトカバー

●上半期 第171回直木三十五賞候補作品

四つの短編が収録されている。
第一話『平成28年』の主人公は、慶應大学に進学し、意識高い学生が所属するビジコン運営サークル「イグナイト」に入った男子学生。
第二話『平成31年』の主人公は、就活生に絶大な人気のあるメガベンチャー「パーソンズ」に入社した新卒の女性。
第三話『令和4年』は、なんとなく入社した会社の新規事業部で働く社会人7年目の男性。
最終話「令和5年」の舞台は、老舗銭湯である。

沼田という人がキーパーソンになるのですが、最後まで沼田を見届けて欲しいです。

90年代後半から2000年代に生まれたZ世代の価値観や生き方を描いた作品です。主人公の沼田くんは、周りの「意識が高い」若者たちと違い、あえて「何もしない」生き方を選びます。彼は会社で最低限の仕事をして、毎日定時に帰り、特に大きな夢や野心を持たず、22歳にして窓際族のような存在です。そんな彼の生き方が、平成の落ちこぼれなのか、令和の革命家なのかが問いかけられます。

2021年にTwitterで小説を書き始めた麻布競馬場は、すぐに「タワマン文学」という流行語を作りました。デビュー作『この部屋から東京タワーは永遠に見えない』が大ヒットし、第2作では「Z世代の生き方」をテーマにしました。

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