文芸書専門の古本屋|BASE:古本のオンライン書店『柚香の森』
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『柚香の森』は、心にそっと寄り添う文芸書を中心に扱う、小さなオンライン古本屋です。
読書を通じて、ふと立ち止まる時間や、小さな気づきが生まれますように──そんな想いを込めて、一冊一冊、丁寧にお届けしています。
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書籍商 柚香の森
🍃 読書療法への取り組み
『柚香の森』の店主は、日本読書療法学会の会員として、ビブリオセラピー(読書療法)を実践しながら、本のぬくもりを通して、心にそっと寄り添う時間をお届けしています。
つらいとき、ふと立ち止まりたくなったとき──一冊の本が、小さな灯りとなってくれることがあります。
そんなやさしい出会いを、どうかこの森で見つけてくださいね。
どうぞ、ごゆっくりと、本との時間をお楽しみくださいませ。
あなたの心に、やさしい物語がそっと寄り添いますように。
柚香の森🌳
夜と霧(みすず書房) ヴィクトール・E・フランクル/池田香代子訳
¥1,200
良好(非常に良い/良好/並) 30版 ハードカバー 2016/12/9発行 ISBN4622039702 或る心理学者の強制収容所体験 「どんな絶望の中にも、人生の意味はきっとある――」 そう静かに教えてくれる一冊があります。 ヴィクトール・E・フランクルの『夜と霧』。 それは、ナチスの強制収容所という極限の世界を生き抜いた精神科医(ヴィクトール・E・フランクル)が、自らの体験を通して綴った命の記録です。 愛する家族を失い、想像を絶する苦しみの中で、彼が見出したのは「人生が自分に何を求めているのか」という問い。その問いに向き合うことで、どんな状況でも人は心の自由を失わず、人生に意味を与えられるのだと、そっと語りかけてくれます。 苦しみや迷いの中にいるあなたにこそ、手に取っていただきたい。たった一日で読み終えられるこの本が、あなたの心に静かな光を灯し、明日へ進む力となりますように。 <ヴィクトール・E・フランクルについて> ヴィクトール・E・フランクル(1905〜1997)は、オーストリア生まれの精神科医・心理学者で、「ロゴセラピー」の創始者として知られています。ロゴセラピーとは、どんな状況にあっても人は「自分の人生の意味」を見いだすことができる――その気づきを助けることで、心の病や苦しみに向き合う独自の心理療法です。フロイトの精神分析、アドラーの個人心理学に続く「第三ウィーン学派」とも呼ばれ、世界中に大きな影響を与えました。 ナチスによって強制収容所に送られ、家族を失う極限の体験を経て生還したフランクルは、人生の意味を問い続け、『夜と霧』を執筆。その後も研究と実践を重ね、ウィーン大学やハーバード大学などで教鞭を執り、世界各地で講演活動を行いました。 生涯を通じて「どんな時にも人生には意味がある」というメッセージを伝え続け、多くの人に希望を届けた偉大な人物です。 ※丁寧な梱包を心がけております。簡易包装ですが、防水・緩衝材で保護してお届けいたします。
夢を旅した少年 アルケミスト(地勇社) パウロ・コエーリョ/山川紘矢・亜希子訳
¥1,150
良好(非常に良い/良好/並) 17版 ハードカバー 1998/5/10発行 ISBN4885031184 「本当にやりたいことがあるのに、どうしても踏み出せない…」 そんなもどかしさを抱えているあなたへ、そっと手渡したい一冊があります。 スペインの少年サンチャゴが、夢に見た宝物を探して旅に出る。それが『アルケミスト 夢を旅した少年』。 王様や錬金術師、不思議な出会いを重ねながら、失敗や挫折も味わうサンチャゴ。でも、彼は少しずつ気づいていくのです。 「ほんとうの宝物は、自分のすぐそばにあった」と。 「何かを強く望めば、宇宙が力を貸してくれる」。 その言葉は、きっとあなたの心にも小さな灯りをともしてくれるはず。もし、胸の奥に眠っている“やりたいこと”があるなら…どうか、この物語を開いてみてください。 サンチャゴの旅が、あなたの一歩をそっと後押ししてくれますように。 みなさんはどんな夢を抱いていますか? <パウロ・コエーリョについて> パウロ・コエーリョは、ブラジル・リオデジャネイロ生まれの作家・作詞家です。若い頃から作家を夢見ていましたが、両親の反対や社会の期待に押しつぶされ、17歳から20歳まで精神病院に入れられるという苦しい経験をします。その後も夢をあきらめず、法学部に進学するも中退し、世界各地を放浪。自身の巡礼体験をもとに書いた『星の巡礼』で作家デビューし、続く『アルケミスト』が世界的ベストセラーに。平和活動にも力を注ぎ、今も執筆を続けています。 ※丁寧な梱包を心がけております。簡易包装ですが、防水・緩衝材で保護してお届けいたします。
図書室からはじまる愛(白水社) パドマ・ヴェンカトラマン/小梨直訳
¥1,330
良好(非常に良い/良好/並) ≪初版≫2010/6/20発行 ハードカバー ISBN97845600807333 夢や進路に迷ったとき、そっと背中を押してくれる物語に出会いたくなること、ありませんか? 今日ご紹介するのは、そんな一冊です。 舞台は1941年のインド。 裕福な家に生まれ、大切に育てられてきた少女ヴィドヤ。けれど、父の事故を機に訪れた伯父の家は、女性に自由を許さない厳しい世界でした。 進学の夢さえ奪われそうになる中、彼女が見つけた小さな“光”は、家の図書室にあった一冊の本だったのです。 閉ざされた世界の中で、本を通して少しずつ希望を取り戻していくヴィドヤの姿は、今を生きる私たちにも「踏み出す勇気」を静かに届けてくれます。 家族、社会、未来…いろんな不安を抱えるあなたに、そっと手渡したい物語。 どうぞこの一冊を開いて、ヴィドヤと一緒に“新しい一歩”を踏み出してみませんか。 あなたの心にも、あたたかな灯りがともりますように。 <パドマ・ヴェンカトラマンについて> インド出身の作家・海洋学者。19歳で渡米し海洋学博士号を取得、研究者として世界を舞台に活躍。2009年『図書室からはじまる愛』で作家デビューし、数々の文学賞を受賞。現在はアメリカ在住、教育や社会活動にも取り組んでいます。 ※丁寧な梱包を心がけております。簡易包装ですが、防水・緩衝材で保護してお届けいたします。
破壊しに、と彼女は言う(河出書房新社) マルグリット・デュラス/田中倫郎訳
¥1,000
良好(非常に良い/良好/並) 再版 1985/6/15発行 ソフトカバー ビニカバ付き ISBN4309717179 「すべてを壊してしまいたい…そんな衝動に、ふと心がゆらいだことはありませんか。その先に何があるのか、知りたくなったことは…。 マルグリット・デュラス『破壊しに、と彼女は言う』は、静かに張り詰めた空気の中で、壊すことと生きることの境界を見つめる物語です。ホテルに集う四人の男女の会話は、秩序と混乱、現実と幻想が溶けあい、読みながら私も何度も深く息をのみました。何気ない日常の奥に、こんなにも不安定で危ういものが隠れているなんて…。 それでも、壊したその先にこそ、本当に大切なものが見えるのかもしれない。そんな問いが、そっと胸に残ります。 もしあなたの中にも、静かに疼く衝動があるなら――どうぞ、この一冊を手に取ってみてください。きっと、あなた自身の新しい一面に出会えるはずです。」 みなさんは、どんな場面で「壊したい」と思ったことがあるでしょうか。 <マルグリット・デュラスについて> マルグリット・デュラス(1914-1996)は、ベトナム・サイゴン生まれのフランス作家・映画監督です。過酷な幼少期を経てフランスで学び、数々の話題作を発表。自伝的小説『愛人/ラマン』でゴンクール賞を受賞し、世界的な名声を得ました。「ヌーヴォー・ロマン」の作家と評されつつも、その枠にとどまらず、女性の生や愛、社会の抑圧を鋭く描き出す独自の作風で、20世紀フランス文学を代表する存在となりました。1996年、パリでその生涯を閉じました。 ※丁寧な梱包を心がけております。簡易包装ですが、防水・緩衝材で保護してお届けいたします。
あなたの正しさと、僕のセツナさ(講談社) 三輪太郎
¥380
良好(非常に良い/良好/並) ≪初版≫ 2010/6/15発行 ISBN9784062766791 「正しさ」と「切なさ」――誰もが一度は胸に抱くこの問いに、あなたはどう向き合いますか? 1985年、バブルの熱気に沸く東京。株のディーラーとして駆け抜けた「ぼく」が追い続けたのは、永遠のライバル・修一の背中でした。しかし、運命の日を境に彼は姿を消し、カンボジアへと旅立ってしまいます。 何を求めて――何を確かめたくて――彼は命を懸けたのか。 その答えを探して「ぼく」もまた、歴史に刻まれた痛みの地へ向かいます。 この本を閉じたとき、わたしは束の間、深呼吸しました。すぐには言葉にできないほど、胸の奥がざわついて。 「正しさ」ってなんだろう……そんな問いが、静かに心に残ります。 迷いや葛藤を抱えるあなたにこそ、そっと手に取ってほしい一冊です。どうぞ、あなた自身の答えを探してみてくださいね。 <三輪太郎さんについて> 三輪太郎さん(1962年生)は名古屋市出身の小説家・文芸評論家。三島由紀夫と村上春樹研究を専門とし、東海大学教授として教育・執筆に携わる。小説・評論で多数受賞歴を持つ現代文学の第一人者です。 ※丁寧な梱包を心がけております。簡易包装ですが、防水・緩衝材で保護してお届けいたします。
私という小説家の作り方(新潮文庫) 大江健三郎
¥330
良好(非常に良い/良好/並) 2版 2006/11/10発行 表紙折れアリ ISBN4101126216 「小説家はどうやって“私”をつくるのか――」 そんな問いかけに、思わず自分のことを重ねてしまいました。『私という小説家の作り方』は、大江健三郎さんが、自らの創作の秘密や葛藤を静かに語る十章の自伝です。幼い頃の記憶、家族との日々、詩や神話、恩師の言葉……ひとつひとつの出会いが「小説家・大江健三郎」を育てていく姿に、私は心を掴まれてしまいました。物語を紡ぐことは、自分を探し続ける旅なのだと、あらためて気づかされます。誰かの言葉に励まされ、読み重ねた一冊一冊が、やがて「私」をつくっていく。その大切さを、そっと思い出させてくれる本です。 自分の物語を見つめ直したくなったら、ぜひ気軽に開いてみてくださいね。 <大江健三郎さんについて> 大江健三郎さん(1935-2023)は愛媛県生まれの小説家です。東大在学中に文壇デビューし、『飼育』で芥川賞を受賞。戦後日本や社会問題を見つめ続け、『万延元年のフットボール』など多くの話題作を発表しました。1994年にはノーベル文学賞を受賞。日本文学を世界に広げた作家として、多くの読者に影響を与え続けました。 ※丁寧な梱包を心がけております。簡易包装ですが、防水・緩衝材で保護してお届けいたします。
阪急電車(幻冬舎) 有川浩
¥500
非常に良い(非常に良い/良好/並) 51版 2018/4/20発行 ISBN9784344415133 阪急今津線を舞台に、片道わずか15分の電車の中で、誰もが心に抱える小さな悩みや孤独が、思いがけないやさしさと出会う――そんな物語です。 元カレの結婚式に複雑な思いを抱えるOLの翔子、DV彼氏との関係に悩む女子大生のミサ、ママ友との付き合いに疲れを感じる主婦の康江……。それぞれが抱える心のもやもやが、同じ車両で交わされるささやかな言葉や仕草によって、少しずつ変わっていきます。全16話を通して描かれるのは、「他人の優しさが連鎖する瞬間」のあたたかさ。 たった14分の乗車時間でも、人は誰かの人生のきっかけになれる。そんな気づきが、ふっと胸に残ります。悩みや孤独は、誰もがひそかに抱えているものなのだと、そっと教えてくれるこの本。何気ない日常の出会いや景色が、こんなにも尊いものだったのかと、読み終えたあとに優しい視点が心に芽生えるかもしれません。 もし、今ちょっと人間関係に疲れていたり、誰かの言葉に救われたことがあるなら―― あるいは、通勤電車の中でふと「この人にも物語があるのかな」と想像したことがあるなら―― きっとこの本は、あなたの心の片隅に静かに寄り添ってくれます。 今日の帰り道、いつもの電車の中で、ちょっとだけまわりを見渡してみませんか? この一冊が、その景色にそっと物語を灯してくれるかもしれません。 <有川ひろさんについて> 有川ひろさん(旧名・有川浩)は高知県出身の作家。2003年『塩の街』でデビュー。『図書館戦争』『阪急電車』などで人気を博す。「有川」は書店で棚の前方に並ぶように「あ」行を意識してつけられたペンネーム。 ※丁寧な梱包を心がけております。簡易包装ですが、防水・緩衝材で保護してお届けいたします。
現代の世界文学 砂の本 新装版(集英社) ホルヘ・ルイス・ボルヘス/篠田一士訳
¥1,000
良好(非常に良い/良好/並) 8版 1988/8/15発行 ソフトカバー ISBN4087730891C0397 一度開いたら、もう元には戻れない――ボルヘスの短編集『砂の本』は、現実と幻想の境をゆらす13の物語を収め、なかでも「同じページに二度と戻れない」奇書をめぐる表題作は、読むことの魔力と孤独を静かに描き出しているんです。 無限や運命といった抽象が、ぞっとするほど身近に感じられ、読むほどに現実の輪郭がぼやけていくこの本は、物語の深淵に心を預けたい方にこそおすすめ。 静かな夜、砂の本”のページをそっとめくってみませんか? <ホルヘ・ルイス・ボルヘスについて> ホルヘ・ルイス・ボルヘス(1899–1986)はアルゼンチン出身の作家・詩人・評論家。幻想文学や哲学的テーマを探求し、20世紀文学に大きな影響を与えました。晩年は視力を失いながらも創作を続けました。 ※丁寧な梱包を心がけております。簡易包装ですが、防水・緩衝材で保護してお届けいたします。
ぼくの大好きな青髭(中公文庫) 庄司薫
¥1,340
並(非常に良い/良好/並) 改版発行 2002/10/10発行 ISBN4122041031 経年のヤケあり、表紙に折り目あり、読むには問題ありません。 「大人になるって、こんなにも不安で、こんなにも不条理なことだったんですね。」…そんな言葉がふと胸に浮かんだ方へ、お届けしたい一冊があります。 それが、庄司薫さんの『ぼくの大好きな青髭』。 この作品は、自伝的四部作の最終章にあたる物語で、1969年、アポロ11号が月に向かった日、新宿の紀伊國屋書店を舞台に始まります。 高校時代の友人の自殺未遂をきっかけに、主人公「ぼく」は謎めいた人物「青髭」や、得体の知れない組織の存在を知り、その真相を追って新宿の街をさまようことになるのです。 ただの青春ミステリー…ではありません。夢や情熱に満ちていたはずの若者たちが、大人たちの都合や社会の仕組みによって、少しずつ形を失っていく姿。その過程で「ぼく」が感じる虚しさや怒り、そしてほんの少しの希望が、読む人の心にも静かに波紋のように広がっていきます。 もし今、あなたが「自分は何者なんだろう」と迷っていたり、「夢を持っていいのかな」と立ち止まっているなら、この本はきっと、あなたの心にそっと寄り添ってくれるはずです。 それは、50年以上も前に描かれた物語なのに、まるで今の私たちの胸の内をそのまま映しているような、不思議な感覚。 村上春樹さんの世界観がお好きな方や、1960年代の若者文化に興味のある方にもおすすめです。 青春の痛みと輝きが交差する物語に、きっと共感し、少しだけ前を向ける勇気をもらえる…そんな一冊です。 庄司薫さんによる青春小説四部作の完結編となっていますので、気になる方は、どうぞこの本を手に取ってみてくださいね。 静かな夜のお供に、そっとページをめくってみると、きっと何かがあなたの中で動き出すはずです。 <庄司薫さんについて> 庄司薫さん(本名:福田章二)は1937年生まれ。三省堂専務の息子として生まれ、幼い頃から文学に親しみました。東京大学在学中に作家デビューし、1969年『赤頭巾ちゃん気をつけて』で芥川賞を受賞。青春小説四部作で戦後の若者像を描きました。 ※丁寧な梱包を心がけております。簡易包装ですが、防水・緩衝材で保護してお届けいたします。
三匹の蟹(講談社文庫) 大庭みな子
¥1,100
並(非常に良い/良好/並) 第5版 2003/4/21発行 ISBN4061961756 表紙に経年による汚れやヤケ、シミが見られますが、全体的に良好な状態です。 「日常がふと、息苦しく感じられることはありませんか」――そんなとき、ふと手に取っていただきたい一冊があります。 講談社文庫の『三匹の蟹・青い落葉』は、アラスカに暮らす主婦・由梨が人とのつながりに疲れ、静かに現実から逃げ出す姿を描いた短編「三匹の蟹」をはじめ、異文化の中で自我を見つめ直す物語が丁寧に綴られた全7編の短編集なんです。 火草を燃やす母系部族、舟の中で起きた浸水事故など、どれもが日常と非現実のはざまで揺れる人間のこころを、乾いた詩のような文体でそっと描き出していきます。 華やかなパーティーや穏やかな家庭の奥にある孤独や虚しさ、そして文化の違いの中で感じる戸惑いと発見…ページをめくるたびに、胸の奥の静かな場所が震えるような読書体験が待っています。 人間関係に少し疲れてしまったとき、自分を見失いそうになったとき、この本はきっと、何かに気づかせてくれるかもしれません。 1970年代に女性作家が紡いだ繊細な感性と、異文化のリアリティが響き合う物語世界へ、どうぞ足を踏み入れてみてください。 <大庭みな子さんについて> 大庭みな子さん(1930–2007)は東京生まれの作家。アラスカ滞在を基に描いた短編「三匹の蟹」で芥川賞を受賞しデビュー。古典翻案や異文化を主題に多彩な作品を残し、芥川賞初の女性選考委員も務めました。
愛の生活(新潮文庫) 金井美恵子
¥890
≪初版≫ 1973/11/30発行 古書のため経年劣化によるヤケあり(天、小口、地) 金井美恵子さんの『愛の生活』は、日常の中にひそむ微妙な感情や愛のかたちを、まるで静かな息づかいのように描いた一冊です。 大学教師の夫Fと、少しだけ仕事をしながら小説を書いている「わたし」の、どこにでもありそうな日々。 でも、実はその中には「私はFをどんなふうに愛しているのか?」という問いがずっと浮かんでいます。この本を手に取ると、あたなも自分の中で何かしらの「愛」の形に気づくかもしれません。 読んでいくうちに、きっと心が少し軽くなり、愛や人とのつながりについて思いを巡らせたくなります。そして、金井さんの繊細で深い筆致に触れることで、日常の細かな感情をもっと大切にしたいと思えるかもしれません。 こんなふうに静かに心に響く本を探している方には、ぜひおすすめしたい一冊です。 <金井美恵子さんについて> 金井美恵子さんは1967年、19歳の時にの処女作『愛の生活』が太宰治賞候補となり、雑誌に掲載されたこの作品で注目を受けてデビューするという、非常に若くして幸福な出発をした作家であります。 詩人としても功名高く、現代詩手帖賞を受賞されています。
無意味の祝祭(河出書房新社) ミラン・クンデラ/西永良成訳
¥50
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非常に良い(非常に良い/良好/並) ≪初版≫ 2015/4/30発行 ハードカバー ISBN9784309206721 ビニールカバー付き 「人生の意味って、考えれば考えるほどわからなくなるよね?」 そんなふうに感じたことがあるあなたへ、そっとおすすめしたい一冊があります。 ミラン・クンデラの『無意味の祝祭』は、パリを舞台に、アランという人物とその友人たちが繰り広げる、ちょっと風変わりでおかしみのある日常を描いた小説です。 一見なんでもない会話や出来事のなかに、人生の喜びや不思議、そして“無意味さ”がユーモラスに、でもどこか哲学的にちりばめられています。 読んでいるうちに、「意味がないこと」にこそ、大切な気づきが隠れているのかもしれない…そんなふうに思えてきます。 深く考えすぎて疲れた心に、ふっと風が通るような一冊。クスッと笑えて、なんだか気持ちが軽くなる。そんな読後感が、きっとあなたの心を癒してくれることだと思います。 ちょっと立ち止まりたくなったとき、どうぞ『無意味の祝祭』をそっと開いてみてくださいね。あなたの本棚に、この一冊を加えていただけたら嬉しいです。 <ミラン・クンデラについて> ミラン・クンデラは1929年生まれのチェコ出身の作家で、政治や哲学をテーマにした作品で知られています。1975年にフランスへ亡命し、『存在の耐えられない軽さ』など多くの名作を残しました。2023年、パリで逝去。
無知 (集英社) ミラン・クンデラ/西永良成訳
¥50
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良好(非常に良い/良好/並) ≪初版≫ 2001/3/31発行 ハードカバー ISBN4087733408 表紙の背によれあり 「過去の選択が、今の自分を形作っている。」 そんな言葉が心に響いた方に、ぜひ手に取っていただきたい一冊が、ミラン・クンデラの小説『無知』です。 長い間、故郷を離れて暮らしていたイレーナとヨゼフ。彼らが帰国を決めたとき、待っていたのは懐かしさではなく、記憶とのズレや、居場所のなさでした。 この物語は、ふるさとや過去の自分とどう向き合うかを静かに問いかけてくれます。誰しもにある“昔の選択”が、いまの自分にどうつながっているのか…。そんなことを考えながら読むと、心がじんわり温かくなります。 海外生活の経験がある方や、自分自身を見つめ直したい方にもおすすめなんです。 どうぞ『無知』を通して、あなたの「今」と「これから」に、小さな気づきが生まれますように。 <ミラン・クンデラについて> ミラン・クンデラは1929年生まれのチェコ出身の作家で、政治や哲学をテーマにした作品で知られています。1975年にフランスへ亡命し、『存在の耐えられない軽さ』など多くの名作を残しました。2023年、パリで逝去。
いい人になる方法(新潮文庫) ニック・ホーンビィ/森田義信訳
¥550
良好(非常に良い/良好/並) ≪初版≫ 2003/6/1発行 表紙フチに若干のヨレ ISBN4102202145 『いい人になる方法』というこの本は、イギリスの作家ニック・ホーンビィさんが書いた、ちょっと風変わりでユーモアのあるお話です。 主人公は、医師のケイティと、その夫でちょっぴり毒舌なコラムニスト・デイヴィッド。ある日、ケイティが浮気を告白し、離婚を切り出したことから、物語が動き出します。 するとデイヴィッドは突然「いい人」になろうとして、ホームレスに部屋を貸したり、不思議な癒し手を家に招いたり…。その“善意”が、かえって家族の暮らしをかき乱してしまうんですね。 この本は、「善意って本当に人のためになるの?」という問いを、ちょっと皮肉を込めて描いています。「いい人」って何だろう…そんなことを、ふと考えさせてくれる作品です。人間関係のもつれや、心のすれ違いを、笑いとともに見つめたい方に、そっとおすすめしたい一冊です。 何気ない日常に潜む“やさしさ”のカタチ、気になった方はぜひ手に取ってみてくださいね。 <ニック・ホーンビィについて> ニック・ホーンビィは1957年生まれのイギリスの作家・脚本家。『ぼくの好きなこと』で注目を集め、『ハイ・フィデリティ』『アバウト・ア・ボーイ』などが映画化。音楽愛と男性の心情描写に定評があります。
犬の人生(中公文庫) マーク・ストランド/村上春樹訳
¥520
良好(非常に良い/良好/並) ≪初版≫ 2001/11/25発行 ISBN4122039282 『犬の人生』という本は、詩人マーク・ストランドが書き、村上春樹さんが訳したちょっと不思議な短編集です。 原題は『Mr. and Mrs. Baby and Other Stories』なのですが、日本語版では収録作のひとつ「犬の人生」から名前がつけられています。 たとえば、「自分は昔、犬だった」と語る男性や、「亡くなった父の面影を虫や馬に見る」など、日常にひそむ奇妙な出来事が、どこか切なく、詩のようなリズムで語られています。 現実と夢のあいだをゆらゆらと漂うような、そんな読書体験ができる一冊です。 いつもと違う景色をのぞいてみたい方や、ことばの美しさにじっくり浸りたい方におすすめです。 日常のふとした隙間に、不思議な世界をのぞいてみませんか? <マーク・ストランドについて> マーク・ストランド(1934–2014)はカナダ生まれのアメリカ詩人・翻訳家で、孤独や喪失を繊細に描く作風で知られます。詩人桂冠を務め、ピューリッツァー賞など多数の文学賞を受賞しました。
くじけないで(飛鳥新社) 柴田トヨ
¥530
非常に良い(非常に良い/良好/並) 15版 2010/10/5発行 ハードカバー ISBN9784870319929 詩集『くじけないで』は、なんと98歳で詩を書き始めた柴田トヨさんの作品集です。 新聞「朝の詩」に掲載されたものを中心に、全部で42編の詩が収められています。日々の何気ない出来事や、ふり返る人生のひとこまを、トヨさんはやわらかな言葉でつづっています。 戦争や貧しさ、いじめなど、たくさんの困難を経験してきたトヨさん。でもその心には、やさしさと前向きな力があふれていて、「人生は、いつからでも始められるんですよ」と、そっと教えてくれるような詩ばかりです。 詩を読むのが初めての方にも、とても読みやすく、心にすっと入ってきます。迷いや不安を感じている方、あたたかい言葉に触れたい方には、ぜひ手に取っていただきたい一冊です。 きっと、明日を少しやさしく迎えられるようになると思いますよ。 <柴田トヨさんについて> 柴田トヨさんは、1911年6月26日生まれ、2013年1月20日に101歳で亡くなった日本の詩人です。90歳を過ぎてから詩作を始め、日常の出来事や感情を率直に表現した詩が多くの人々の共感を呼びました。彼女の詩集『くじけないで』はベストセラーとなり、多くの人々に勇気と感動を与えました。
島崎藤村詩集 世界の詩14(彌生書房) 島崎藤村/山室静編
¥50
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並(非常に良い/良好/並) 21版 1983/1/20発行 ハードカバー ISBN0392641558525 函傷み少アリ、経年の劣化、ヤケあり。読むには問題ありません。 迷いながらも、美しいものを求めて生きている…。そんなあなたに、そっと手渡したい一冊があります。 それが『島崎藤村詩集:世界の詩14』です。 自然の美しさ、青春の喜びや悩み、人生の深い思いが、やわらかな言葉で綴られた詩が並んでいます。 山室静さんの解説つきで、藤村の心の風景がすっと胸に入ってきます。 忙しい日々の合間に、そっとページを開いてみてください。 言葉の静けさが、心をゆるめてくれるはずです。 詩が好きな方はもちろん、少し立ち止まりたい方にもおすすめです。 藤村のことばが、あなたの心に寄り添ってくれますように。 <島崎藤村について> 島崎藤村(1872–1943)は、長野県生まれの詩人・小説家です。明治期に詩集『若菜集』で新体詩を広め、のちに『破戒』『夜明け前』などの小説でも高い評価を得ました。日本近代文学の先駆者とされています。
タイタンの妖女(ハヤカワ文庫) カート・ヴォネガット・ジュニア/浅倉久志訳
¥50
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良好(非常に良い/良好/並) 24版 2006/4/15発行 ISBN4150102627 カート・ヴォネガット・ジュニアの『タイタンの妖女』は、「人生って、なんでこんなにうまくいかないの?」と思ったときに、そっと心を軽くしてくれる一冊です。全宇宙でいちばん不運な男・マラスキと、大金持ちのランサム・フック。このふたりが宇宙を旅してたどり着いたのは、なんとも皮肉で、だけどどこか愛おしい“真実”。 ヴォネガットらしい、ちょっぴり毒のある笑いと、とびきり風変わりなアイデアが詰まっています。 難しいSFが苦手な方にもおすすめ。肩の力を抜いて、人生や運命の不思議を笑い飛ばしてみませんか? 読んだあと、きっと世界の見え方が少し変わっているかもしれないですね。 <カート・ヴォネガット・ジュニアについて> カート・ヴォネガット・ジュニア(1922–2007)は、ブラックユーモアとSFを融合した作風で知られるアメリカの作家です。戦争体験をもとに『スローターハウス5』などを執筆し、社会批判や反戦のテーマをユーモラスに描きました。
山椒魚戦争(小学館) カレル・チャペック/小林恭二・大森望訳
¥810
良好(非常に良い/良好/並) ≪初版≫ 1994/11/20発行 ハードカバー 1994/11/20 ISBN409251008 表紙ヤケ少あり ちょっと不思議で、とても考えさせられる一冊をご紹介します。カレル・チャペックの『山椒魚戦争』というお話です。 物語は、ある島で発見された知恵のある大きな山椒魚たちが、人間に使われはじめるところから始まります。でも、彼らはだんだん力をつけて、自分たちの文明を作り上げ、ついには人間に立ち向かっていくのです。 チャペックはこの物語を通じて、「文明ってなんだろう?」「人間のやっていることって正しいの?」と、私たちに問いかけてきます。 資本主義や全体主義といった社会の仕組みにも、鋭い視線を向けていますが、それをユーモアたっぷりに描いているので、重たすぎず読みやすいのも魅力なんです。 SFが好きな方はもちろん、世の中のことをちょっと違う角度から見てみたいという方にも、きっと面白く感じていただけると思います。もし少しでも気になったら、どうぞ気軽に手に取ってみてくださいね。あなたの考え方に、ちいさな揺さぶりをくれる一冊になるかもしれません。 <カレル・チャペックについて> カレル・チャペック(1890–1938)はチェコの作家・劇作家で、「ロボット」の語を生んだ『R.U.R.』などで知られています。多彩な分野で活躍し、ナチズムにも反対。1938年12月25日、肺炎のため死去した。
膝小僧の神様(新潮社) 群ようこ
¥570
良好(非常に良い/良好/並) 初版 1993/2/15発行 ハードカバー ISBN4103674040 『膝小僧の神様』は、群ようこさんが描く、小学校時代の純粋で切ない思い出を綴った小説集です。登場人物たちの小さな冒険や恋愛、友情の中には、私たちが忘れがちな感情や成長の瞬間がしっかりと息づいています。 読み進めるうちに、あの頃の自分と再会し、心が温かくなるのを感じます。 少し疲れた心に寄り添いながら、新しい気づきや優しさを届けてくれる一冊。 過去の自分と向き合いたい方にぴったりです。ぜひ、あなたの心にも届きますように。 <群ようこ さんについて> 群ようこ(本名:木原ひろみ)さんは1954年生まれの日本の作家・随筆家。日本大学芸術学部卒業後、6回の転職を経て1978年に本の雑誌社に入社。1984年に『午前零時の玄米パン』で作家デビュー。以後フリー作家として活動を続け、『かもめ食堂』などが代表作です。
二百回忌(新潮社) 笙野頼子
¥50
SOLD OUT
良好(非常に良い/良好/並) 初版 1994/5/25発行 ハードカバー ISBN4103976012 『二百回忌』という本を手に取った時、きっとあなたも感じると思います。どこか不思議で、ちょっと怖いけれど、何だか引き寄せられるような魅力がある本だなと。 この本は、ある一族が二百年を経て再び集まる奇想天外な物語。祖先が蘇り、奇妙な親族たちと交わることで、家族や時間、社会についての深い問いを投げかけてきます。 私もこの本を読んで、ただの物語以上のものを感じました。現実と幻想が交わることで、いつもの考え方や価値観がふっと崩れて、新しい視点を得られる感覚がありました。社会や家族の在り方についても、改めて考えさせられました。どこかで“普通”を求めがちな私たちですが、ちょっと立ち止まって、自分を問い直すような、そんな本だと思います。 普通の物語では味わえないような、不思議で深い感覚。ちょっとした衝撃とともに、心に残る問いを投げかけられることでしょう。笙野頼子さんの描く、独特の世界に触れてみることで、日常に少しだけ新しい風が吹くような気がするんです。 もし、心が少し揺れるような物語を求めているのなら、ぜひ手に取ってみてください。『二百回忌』が、あなたにとっても大切な一冊になるかもしれませんよ。 <笙野頼子さんについて> 笙野頼子(本名:市川頼子)さんは1956年生まれの日本の小説家。立命館大学卒業後、1981年に『極楽』で文壇デビューし、数々の文学賞を受賞。特に『二百回忌』や『タイムスリップ・コンビナート』などが代表作。私小説と幻想小説を融合させた独自の作風で、文学界に強い影響を与えています。
肉体の学校(ちくま文庫) 三島由紀夫
¥510
良好(非常に良い/良好/並) 10版 2015/9/5発行 ISBN4480026304 この本は、少し複雑で心に残るお話です。 裕福で自立した女性と、若い青年の間で交わされる愛と欲望の物語。年齢や立場、社会的な背景が違う二人がどう関わり合っていくのか、その駆け引きが心を引きます。三島由紀夫の独特な視点で、経済力や性的な自由、ジェンダーの問題を静かに問いかけてくるところが、どこか不思議な感覚を与えてくれるんですよね。 私はこの本を読むたびに、少し不安になることもありますが、同時に自分の中で何かが少しずつ解けていくような、そんな気持ちになります。愛や欲望、そして人間関係の複雑さを、三島の精緻な文章で感じることができます。自分の中で何か新しい気づきが生まれるような、そんな気持ちになれる一冊です。 私のように、日々の小さな悩みや迷いの中で、自分を見つめ直したいと思う方には、この本がきっと心に響くと思います。もし、少しでも気になったら、ぜひ手に取ってみてくださいね。きっと、新しい発見があるはずです。 <三島由紀夫について> 三島由紀夫(本名:平岡公威)は、1925年東京生まれの作家で、代表作に『金閣寺』『潮騒』『豊饒の海』があります。東京大学卒業後、大蔵省に勤務するも退職し、作家活動に専念。政治的活動も活発で、1970年に自衛隊駐屯地で割腹自殺を遂げました。
「雨の木」を聴く女たち (新潮文庫) 大江健三郎
¥510
良好(非常に良い/良好/並) 16版 2002/9/5発行 ISBN4101126151 表紙に経年のスレあり。他はきれいな状態です。 「何か心に残る物語を読みたいな」と思ったとき、この本をおすすめします! 大江健三郎の『「雨の木」を聴く女たち』は、5つの短編からなる連作小説集。 「僕」という語り手の視点を通して、人々の孤独や心の奥深くにある思いが、静かに、でも確かに描かれています。舞台はハワイやメキシコなどの異国の地。そこには、死を見つめる人や、誰かとのつながりを求める人たちがいます。 物語全体に流れる「雨の木」の存在が、どこか寂しく、けれど穏やかに心に響いてくるのです。人生のなかで感じる苦しみや希望にそっと寄り添い、「人とは?」「生きるとは?」と、ふと考えさせられるような作品なんです。 大江健三郎の作品は少し難しい印象があるかもしれません。でも、この短編集は比較的入りやすく、彼の文学の世界に触れてみたい方にもおすすめです。読後には、まるで「雨の木」が静かに滴を落とし続けるように、物語の余韻が心に残るんじゃないでしょうか。 ぜひ、静かに心に沁み込むこの一冊を、ゆっくり味わってみてくださいね。 <大江健三郎さんについて> 大江健三郎(1935-2023)さんは、戦後日本を代表する作家。東京大学卒業後、「飼育」で芥川賞を受賞。『万延元年のフットボール』など社会的・哲学的テーマを描き、1994年にノーベル文学賞受賞。晩年まで執筆を続けた。
贅沢貧乏(新潮社) 森芽莉
¥50
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良好(非常に良い/良好/並) 15版 1995/9/15発行 ハードカバー ISBN4103215038 函背ヤケ、シミあり 『贅沢貧乏』、森芽莉さんのこの作品には、私も心から共感してしまいました。日々、生活が苦しくても、心の中で「贅沢」を大切にして生きようとする主人公・牟礼魔利の姿に、あたたかさを感じるんです。 牟礼魔利は経済的には困窮しているけれど、日常の中で美しいものを見つけたり、ちょっとした工夫で生活を贅沢に変えていこうとする力強さを持っているんです。 牟礼魔利が下北沢の小さなアパートで、愛猫とともに暮らすその姿を想像するだけで、なんだか心がほっとするんですよね。物質的な贅沢ではなく、精神的な贅沢を追い求めるその心意気が、私たちにもとても大切だということを気づかせてくれるんです。 読んでいるうちに、私たちの日常でも少しの工夫や思い込みで、もっと心豊かに生きられるんじゃないかと思わせてくれる一冊です。この本を読むと、無理に豪華なものを求めなくても、日々の生活にこそ本当の贅沢があるんだな、と思えるようになります。 私も、この本に出会えてから、少しだけ贅沢な気分を味わっています。日常の中で、ちょっとした美しいものを見つけては心が温かくなる。そんな気持ちが、まさに「贅沢」だと思うんです。 もし、今あなたが少し疲れた気持ちでいるなら、この本がきっと心を癒してくれると思います。心の豊かさを大切にしたいと思っている方に、ぜひおすすめしたい一冊です。 <森芽莉さんについて> 森茉莉(1903年1月7日 - 1987年6月6日)は、日本の小説家・エッセイストで、森鷗外の長女として生まれました。50歳を過ぎて本格的に文学活動を開始し、代表作に『贅沢貧乏』や『恋人たちの森』があります。彼女の作品は耽美的で幻想的な世界観を持ち、精神的な贅沢を重視しました。晩年は東京都世田谷区で一人暮らし、1987年に心不全で亡くなりました。