柚香の森は小さな古本屋のオンライン書店です。主に文芸書を扱います。
読書は私達に未知の世界を体験させてくれます。忙しい毎日の中で少しでも未知の世界を楽しんでもらえたなら、
これほど嬉しいことはありません。
2023年3月1日
柚香の森
ぶどう園物語-ザ・スターリンになれなかった男(青林工藝社) ツージーQ
¥1,162
【非常に良い】(非常に良い/良好/並) ≪初版≫ 2023/7/25 発行 (ほぼ新品) 漫画・ソフトカバー ツージーQ:(ツージーキュー)1955年1月9日 長崎県長崎市出身。日本のベーシスト 80年~90年代にかけて日本のパンクロック界を駆け抜けた一人の男の掛け値無しの青春物語。パンクロックをする方、好きな方には懐かしくたまらない一冊になると思います。
今日の花を摘む(双葉社) 田中兆子
¥1,505
【非常に良い】(非常に良い/良好/並) ≪初版≫ 2023/6/24 発行 田中兆子:1964(昭和39)年、富山県生まれ。8年間のOL生活を経て、専業主婦となる。 (あらすじ) 私の趣味は、男性との肉体を伴ったかりそめの恋。それを、私はひそかに「花摘み」と呼んでいる――。 出版社に勤めるかたわら茶道を嗜む愉里子は、一見地味な51歳の独身女性。 だが人生を折り返し、「今日が一番若い」と日々を謳歌するように花摘みを愉しんでいた。 そんな愉里子の前に初めて、恋の終わりを怖れさせる男が現れた。 20歳近く年上の茶の湯の粋人、万江島だ。だが彼には、ある秘密があった……。 肉体の衰えを感じ始めた世代のリアルな性愛を軸に、自分を偽らずに生きる女たちの姿と、その連帯を描いた著者初の長編小説。 中高年世代の性愛にタブーを怖れず挑んだ衝撃作『今日の花を摘む』(田中兆子著)が、 第3回『本屋が選ぶ大人の恋愛小説大賞』受賞 https://books.bunshun.jp/articles/-/8555
文体練習(朝日出版社) レーモン・クノー/朝比奈弘治訳
¥2,760
【非常に良い】(非常に良い/良好/並) 初版第13版 2020/5/18 発行 前人未到のことば遊び。他愛もないひとつの出来事が、99通りもの変奏によって変幻自在に書き分けられてゆく。 『地下鉄のザジ』の作者にして20世紀フランス文学の急進的な革命を率いたレーモン・クノーによる究極の言語遊戯がついに完全翻訳。 (目次) メモ 複式記述 控え目に 隠喩を用いて 遡行 びっくり 夢 予言 語順改変 虹の七色 以下の単語を順に用いて文章を作れ ためらい 厳密に 主観的な立場から〔ほか〕
地下鉄のザジ(中央公論文庫) レーモン・クノー/生田耕作訳
¥387
SOLD OUT
【並】(非常に良い/良好/並) 10版 1984/8/30 発行 経年によるヤケ、下小口にシミがあります。 地下鉄に乗ることを楽しみにパリを訪れたお転婆少女ザジ。あいにくのストで念願かなわず、街へさまよい出たザジは奇妙な大人たちと一夜を過ごす。俗語満載の会話ときわどい笑い、そして斬新な実験的表現の数々に世界が度肝を抜かれたフランス前衛小説の名作
人形(創元推理文庫) ダフネ・デュ・モーリア/務台夏子訳
¥560
【非常に良い】(非常に良い/良好/並) ≪初版≫ 2017/1/13 発行 ダフネ・デュ・モーリア 1907年ロンドン生まれ。祖父が高名な作家で画家、父が舞台俳優兼演出家、母が舞台女優という芸術家一家の三人姉妹の次女として生まれる。1931年作家デビュー、1938年の『レベッカ』が世界的なベストセラーとなった。コーンウォールの荒々しい自然を愛し、夫との間に三人の子供をもうけた。1989年没。 (内容) 島から一歩も出ることなく、判で押したような平穏な毎日を送る人々を突然襲った狂乱の嵐「東風」。 海辺で発見された謎の手記に記された、異常な愛の物語「人形」。 上流階級の人々が通う教会の牧師の徹底した俗物ぶりを描いた「いざ、父なる神に」「天使ら、大天使らとともに」。 独善的で被害妄想の女の半生を独白形式で綴る「笠貝」など、短編14編を収録。 平凡な人々の心に潜む狂気を白日の下にさらし、人間の秘めた暗部を情け容赦なく目の前に突きつける。『レベッカ』『鳥』で知られるサスペンスの名手、デュ・モーリアの幻の初期短編傑作集。 ***** 短めの作品が多くて読みやすい。 男女物は結末が暗いものでもコミカルな感じが多いのですが、これはデュ・モーリアの特徴なんだと思います。 サスペンスと心理描写が得意な文学を味わいたい方におすすめです。
ヴィオルヌの犯罪(河出文庫) マルグリット・デュラス/田中倫郎訳
¥556
【並】(非常に良い/良好/並) ≪初版≫ 1996/1/9 発行 経年のヤケ、表紙にスレあります。 人体の多くの断片が、ほとんどフランス全土にわたって、さまざまな貨車の中から発見された。被害者は極度の肥満体の女性、そしてこれらの断片を運んだ列車は同一地点―ヴィオルヌの陸橋を通過していることが判明した。だが、いまだに頭部のみは発見されていない…。デュラスが実際の事件に取材し、十年の歳月をかけて結実させた「狂気」をめぐる凄絶な物語。 ***** これはモデルとなった殺人事件があります。 1949年に、アメリー・ラビューが夫を殺害し、遺体をバラバラにして陸橋を通る貨物列車に少しずつ投げ込んだ「ラビュー事件」です。 全てがノンフィクションではなく、実際の事件にインスピレーションを受けたフィクションと言う方が良いかもしれません。 本書の形式はすべてインタビュー記事を模しているので、戯曲のように仕上がっており、インタビュー形式なので対話によって殺人事件の真相が明らかになってゆくところがゾクゾクしました。
ピエドラ川のほとりで私は泣いた(角川文庫) パウロ・コエーリョ/山川紘矢・亜希子訳
¥323
【良好】(非常に良い/良好/並) ≪初版≫ 2000/6/25 発行 スペインの田舎で平凡に暮らしている女性が長いこと会っていなかった幼馴染の男性と旅に出る話です。 宗教色が強いようで、歯がゆい部分もありますが、燃えるような恋愛ではなく、静かに冷静に相手のこと(幼馴染みの男性)をみる恋愛です。 パウロ・コエーリョ(作者)は女性の心情を描くのがとても上手だと思います。 そのほか『11分間』という作品も女性を主人公とした興味深いものでした。 海外文学>単行本
楽天記(講談社文庫) 古井由吉
¥1,757
【非常に良い】(非常に良い/良好/並) ≪初版≫ 2022/10/7 発行 (ほぼ新品) 自分とは似ても似つかない、そもそも存在しないはずの幻の息子が妙にリアルに作家柿原の夢に現れる。若い編集者が訪れ、疫病や死にまつわるエピソードを披露していく。 様々な謎と言葉を残し、死に至ることになる旧友との対話。 移ろい儚く過ぎ去る時間と情景のなかで、生と死のイメージが纏いつく。 否応のない老いと死を意識せざるをえない人生の終盤、悲観しながらも達観しただ暮らしていくなか辿り着いていく楽天の境地。 「死から生へ、ネガティヴのきわみからポジティヴなものへと転ずる」 「天ヲ楽シミテ、命ヲ知ル、故ニ憂ヘズ」という中国の古典にあるような境地へ。 解説・町田康
作家のおやつ(平凡社) コロナ・ブックス編集部
¥914
【非常に良い】(非常に良い/良好/並) ≪5版≫ 2016/4/21 発行 三島由紀夫、開高健、手塚治虫、池波正太郎、植草甚一、植田正治、向田邦子など31人の作家が日頃食したお菓子やフルーツを紹介してます。 おやつが題材なので険しい顔の文豪も優しく見えるし、知らないおやつは食べてみたいと思います。 目次 三島由紀夫―作家は食をあれこれ語るべからず 手塚治虫―「チョコレートがないと僕は描けません」 開高健―饅頭もたこ焼きも、わしは研究しつくすデ! 檀一雄―「杏仁の匂いなつかしい」と作って食べた杏仁豆腐 植田正治―「なんかないか、なんか甘いものないか」 瀧口修造―お菓子なのか、オブジェなのか? 市川崑―せんべいはちょこっとつまめるあられにかぎる 沢村貞子―おひるは、おやつていどでいい 坂口安吾―ヒロポンとアドルムとあんこ巻き 久世光彦―母が選んだ、うっすらミルクの匂いがするおやつ〔ほか〕
ブラック・ティー(角川文庫) 山本文緒
¥283
【非常に良い】(非常に良い/良好/並) ≪50版≫ 2023/4/10 発行 女性の闇、ダークな部分のお話。短篇集です。 思わず自分じゃないかと思って、理解できたりする。 通り過ぎるのを待ってくれるように、心に寄り添ってくれる物語でした。
越年(角川文庫) 岡本かの子
¥348
SOLD OUT
【非常に良い】(非常に良い/良好/並) ≪初版≫ 2018/8/25 発行 岡本かの子は与謝野晶子の弟子で芸術家岡本太郎の母親 彼女の優れた短編の中から、恋愛にまつわる傑作を選りすぐって収録!されています。 短歌も有名ですが、そのため、情景描写がとても美しいです。 表紙の美しさにも負けないくらい、昭和初期の恋愛小説集でした。
幻想の未来(角川文庫) 筒井康隆
¥368
【非常に良い】(非常に良い/良好/並) ≪改版初版≫ 2017/8/25 発行 進化した未来の人間を幻視して書かれたものです。 しかし、もしかすると現実になりそうな恐怖感もあります。 この人間の姿を想像しながら読み進めましたが、想像上の人間が脳裏に焼き付いています。 40年以上も前に書かれた本書ですが、驚きを隠せません。見事だと思います。 表題作他の9編はショートショートです。 ショーショートは味わい深いストーリーでした。
あなたも私も(角川文庫) 久生十蘭
¥447
【非常に良い】(非常に良い/良好/並) ≪初版≫ 2023/6/25 発行 久生十蘭(ひさお じゅうらん)北海道出身 小説家 1902年4月6日~1957年10月6日 売れないファッションモデルの水上サト子が、13億円の遺産相続の騒動に知らないうちの巻き込まれてゆく物語です。 詐欺師たちのが暗躍し、敵味方の暗中模索を味わう、久生十蘭らしい物語。 穏やかでおっとりしている性格だけれど、決して賢くないわけではない。とはいえ貧しさのせいで目の前のことだけしか考えられなくて 「いろんな人が色々言ってくるけれど、何を言っているのかさっぱりわからない」 という状態のまま、厄介な選択を迫られるサト子には、親しみ深く同情してしまいます。 昭和29年に毎日新聞に連載されました。
ペンギンの憂鬱(新潮クレストブックス) アンドレイ・クルコフ/沼野恭子訳
¥1,643
【非常に良い】(非常に良い/良好/並) ≪17版≫ 2023/2/15 発行 ソフトカバー アンドレイ・クルコフ ウクライナのロシア語作家。クルコフの名を一躍有名にしたのが本書『ペンギンの憂鬱』(1996年)である。約20カ国語に訳され、国際的なベストセラーとなる。 キエフ在住。妻はイギリス人。 恋人に去られ孤独なヴィクトルは売れない短篇小説家。ソ連崩壊後、経営困難に陥った動物園から憂鬱症のペンギンを貰い受け、ミーシャと名づけて一緒に暮らしている。生活のために新聞の死亡記事を書く仕事を始めたヴィクトルだが、身辺に不穏な影がちらつく。他人の死が自分自身に迫ってくる。ロシアの新鋭による傑作長編小説。 ***** 読んでいると動物園から引き取ったペンギン(ミーシャ)がだんだん可愛くなってゆきます。売れない短編作家(ヴィクトル)には死亡記事を書くオファーが来るのですが、それとともに、舞台であるソ連崩壊後の新生国家ウクライナには不穏な影が忍び寄り始めます。 ヴィクトルの苦悩(売れない短編作家)と舞台背景もあり、 今、起こっている戦争と同時進行で考えてしまいがちでした。 一日も早く戦争が終わることを祈ります。
水都眩光 幻想短編アンソロジー(文藝春秋) 高橋英里、マーサ・ナカムラ、大木美沙子、石沢麻衣、沼田真佑、坂崎かおる、大濱美子、吉村萬一、谷崎由依
¥2,245
【非常に良い】(非常に良い/良好/並) (ほぼ新品) ≪初版≫ 2023/9/30 発行 ハードカバー 文學界2023年5月号特集12人の“幻想”短篇競作から、9つの短編を収録して2023年9月文藝春秋刊。 ***** それぞれの作家さんの幻想世界が描かれていて、ある意味、ドキドキしながらの読書です。 作家によってその人なりの幻想世界があり、どれもこれも乾いた心が潤った気がしました。 静かな夜に一話ずつ読みたい本です。 【目次】 ラサンドーハ手稿 高原英理 串 マーサ・ナカムラ うなぎ 大木芙沙子 マルギット・Kの鏡像 石沢麻依 茶会 沼田真佑 いぬ 坂崎かおる 開花 大濱普美子 ニトロシンドローム 吉村萬壱 天の岩戸ごっこ 谷崎由依
11分間(角川書店) パウロ・コエーリョ/旦敬介訳
¥396
【良好】(非常に良い/良好/並) ≪初版≫ 2004/3/1 発行 ソフトカバー 経年のヤケありますが、他はきれいな状態です。 パウロ・コエーリョはブラジルはリオデジャネイロ出身の小説家 ***** 本書『11分間』ではとてもデリケートに主人公の女性の内面を扱っています。 主人公は娼婦なのですが、常に自分の気持ちと対峙しながら、娼婦という仕事を真面目に考えます。出会う男性によって変わる性の嗜好やそれに対する自分の気持ち、体の反応を真摯に受け止めます。 田舎で育った彼女には夢がありました。そんな彼女が都会(スイス)に出て、紆余曲折して娼婦になる。 お金が貯まったら田舎に帰ろうと、常に考えているものの、帰れません。 そんななか、ひとつ名言がありました。 「今や彼女は失うものは何もはなくなった。彼女は自由だった。」 これはこの文章の通りなのですが、もはや何もかもなくなったのだから、彼女は自由であり、 自由とは選ぶ道が多岐に渡るということで、彼女にとって人生のチャンスになるのです。古臭いものを捨て去ると、そこに新しいものを入れることができるからです。 つまるところ本書は、男女間で行われる『11分間』の意味を描いています。 捉え方は人それぞれ。 単なるセックスの話ととるのか、娼婦の話ととるのか、価値観を覆すものとなるのか、読んでみなければわかりません。 それでいい。 みんな違うのだから…。 ラストはとても切なく響きました。
恋愛論(新潮文庫) スタンダール/大岡昇平訳
¥418
【良好】(非常に良い/良好/並) ≪55版≫ 2012/1/30 発行 スタンダール (1783-1842) 東南フランス、ドーフィネ地方のグルノーブルに生れる。 本名はアンリ・ベール。 1818年~1820年にかけて、スタンダールは生涯の大恋愛をしていました。 彼はナポレオンの没落と共に、軍人としての経歴を終わり、母の遺産から上がるわずかな年金で、イタリアのミラノに滞在し、気ままな生活を送っていた。 ミラノで土地の将軍の妻、メチルド・デンボースキーに恋をしたのです。 メチルドは二人の子供を連れて夫と別居中だった。スタンダールはその少し冷たい美貌と「不在の幸福」を想うような眼差しに憧れたが、なかなか反応はなかった。 そのころイタリアでは外国人が街中をうろうろ歩き回るのは厄介なことだった。スタンダールにとってますます身動きが取れず、思うように行動できない苛立ちから彼女への想いが募るのだった。 本書『恋愛論』は、 思い通りに動けないスタンダールが苦しい恋をしながら「頭がはっきりしたときに」書き散らした断片から成り立っているのです。 ***** ありとあらゆる国、土地、人、環境、時代などからの恋愛を織り交ぜながら、恋愛論を書いています。 膨大な恋愛の質のようなものを感じ、読み進めるのに時間がかかりますが、 この際、じっくりとスタンダールの恋愛論に向き合って、さらに自論を重ねて読み進めてはいかがでしょうか。
鍵・瘋癲老人日記(新潮文庫) 谷崎潤一郎
¥429
【非常に良い】(非常に良い/良好/並) ≪57版≫ 2020/5/5 発行 老夫婦の閨房日記を交互に示す手法で性の深奥を描く「鍵」 老残の身でなおも息子の妻の媚態に惑う「瘋癲老人日記」 晩年の二傑作。(新潮社より) ***** 『鍵』 お互いの本心を隠した夫婦の日記が交互に綴られており、下世話なのですがずんずんと引き込まれた。 懐疑や嫉妬という負の感情は昔から人の心のエネルギーだったんだな、と思い知らされました。 淡々とした日記の文章の裏に潜む妻の陰湿で獰猛な本性が艶かしくて怖ろしい。 『瘋癲老人日記』 「痴人の愛」の主人公がナオミを思い通りにしようとして敵わず最後は軍門に降ったのに対して、この作品の主人公の老人は最初から息子の嫁・颯子に振り回されるのを喜びと感じている。 この老人に嫌悪感を感じないどころか、なんだか親しみを感じます。 谷崎の足フェチを堪能できました。
大人のための残酷童話(新潮文庫) 倉橋由美子
¥347
SOLD OUT
再入荷です 【並】(非常に良い/良好/並) 7版 1999/3/25発行 経年によるヤケあり 読むには全く問題ありません 世界中の名作童話を縦横無尽にアレンジしており、物語の背後に潜む人間の邪悪な意思や淫猥な欲望を露骨に焙り出しています。 童話の最後に【教訓】が書かれています。 例えば、最初の「人魚の涙」だと、 「教訓:人は下半身には恋しないものです」 子供では理解できない毒が混じっています。 挿絵と教訓が残酷さを語っている大人のグリム童話になっています。 ぜひ、一読ください。 『目次』 人魚の涙 一寸法師の恋 白雪姫 世界の果ての泉 血で染めたドレス 鏡を見た王女 子供たちが豚殺しを真似した話 虫になったザムザの話 名人伝補遺 盧生の夢 養老の滝 新浦島 猿蟹戦争 かぐや姫 三つの指輪 ゴルゴーンの首 故郷 パンドーラーの壺 ある恋の物語 鬼女の島 天国へ行った男の子 安達ケ原の鬼 異説かちかち山 飯食わぬ女異聞 魔法の豆の木 人は何によって生きるのか 童話の最後に【教訓】が書かれている。 例えば、最初の「人魚の涙」だと、 「教訓:人は下半身には恋しないものです」 挿絵と教訓が残酷さを語っているグリム童話です!
外套・鼻(岩波文庫) ゴーゴリ/平井肇訳
¥265
SOLD OUT
【良好】(非常に良い/良好/並) ≪5版≫ 2009/6/15 発行 内容紹介 ある日、鼻が顔から抜け出してひとり歩きを始めた…写実主義的筆致で描かれる奇妙きてれつなナンセンス譚『鼻』。 運命と人に辱められる一人の貧しき下級官吏への限りなき憐憫の情に満ちた『外套』。 ゴーゴリ(1809‐1852)の名翻訳者として知られる平井肇(1896‐1946)の訳文は、ゴーゴリの魅力を伝えてやまない。 ***** 新調したばかりの外套を盗まれた下級官吏の絶望のなかに、ロシア人の無意識が顔を出します。 外套を探しまわる主人公は無意識にペテルスブルグの街を測量していました。けれど、そこには思想もなければ、崇高な理想もない。外套を盗まれたという現実だけが無意味に投げ出されているばかりです。 その現実に押しつぶされて幽霊になった下級官吏は永遠に外套に執着し続けるのです。 この下級官吏を笑いながら、わたしたちははふと気づきます。これはわたしのことだと。 ロシア文学の傑作なのでご一読あれ!
たったひとつの冴えたやりかた(早川書房) ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア/朝倉久志訳
¥453
【非常に良い】(非常に良い/良好/並) ≪27版≫ 2017/2/15 発行 やった!これでようやく宇宙に行ける! 16歳の誕生日に両親からプレゼントされた小型スペースクーペを改造し、連邦基地のチェックもすり抜けて、そばかす娘コーティーはあこがれの星空へ飛びたちます。 だが冷凍睡眠から覚めた彼女を、意外な驚きが待っていました。 頭の中に「イーア」というエイリアンが住みついてしまったのです。 しかし、ふたりは意気投合して探険にのりだします。 けれどこの脳寄生体には恐ろしい秘密がありました。。。 元気少女の愛と勇気と友情を描いたさわやかな感動が残りました。 その他、二作も宇宙に繰り広げられる壮大なドラマに、未知の経験をさせてくれました。 第一話:たったひとつの冴えたやりかた 第二話:グットナイト・スィートハーツ 第三話:衝突
かもめのジョナサン(新潮文庫) リチャード・バック/五木寛之訳
¥223
【並】(非常に良い/良好/並) ≪57版≫ 1999/6/5 発行 飛び立つ自由を追い求めるかもめのジョナサン。 この小説は、飛ぶことの喜びや自由の大切さを教えてくれます。 物語は、かもめのジョナサンが他のかもめたちとは異なる飛び方を追求し、新たな高みへと挑戦する姿を描いています。食べることよりも飛ぶことに生きるジョナサンの姿勢は、私たちも吸収すべきことがたくあります。 かもめのジョナサンは、リチャード・バックの名作。 五木寛之による見事な訳文で、原作の魅力をそのままに再現しています。この物語は自分自身の可能性に向かって突き進む勇気や、他者とのつながりを大切にする心を養ってくれると思います。 カモメの写真入りです。
あたしの一生 猫のダルシ―の物語 a CAT’S life(飛鳥新社) ディー・レディー/江國香織訳
¥584
【良好】(非常に良い/良好/並) ≪初版≫ 2000/7/19発行 ハードカバー 背表紙ヤケあり その他は良好です 猫のダルシ―が死ぬまでの17年間、人間に飼われながら思う事。 ひたすらぶれることなくダルシ―の本音、愛が語られている。 私たち人間のお手本であるダルシ―。 猫の生涯を全うしたダルシー。 あらすじも訳者の江國香織さんのあとがきもドンピシャとはまっている。 江國香織さんの訳だからこそダルシ―が活きたのかもしれない。 この深い感動を共有できると嬉しいと思います。
緩やかさ(集英社) ミラン・クンデラ/西永良成訳
¥1,393
【非常に良い】(非常に良い/良好/並) ≪初版≫ 1995/10/10 発行 ハードカバー パリ郊外の城で一夜を過ごすことになったクンデラと思しき作家夫妻。折しも城では国際昆虫学会が開催される。パリから集った男女、テレビクルー、政治家、解放後のチェコの学者もからんでの愛の非喜劇がくりひろげられ、夫妻は眠りを妨げられるのだが。―一方、200年の時空を超えて、18世紀のもっとも美しい短編小説「明日はない」の主人公の騎士がたちあらわれ、城館の貴婦人と愛の一夜を明かす。その振舞いの雅さに心奪われる作家は、朝霧のなかを立ちさる騎士の足どりの緩やかさのなかに、幸福のしるしを見る。なぜなら幸福はそれを味わい楽しむために、ひとを緩やかにするから。クンデラは、二つの世紀のヨーロッパの精神状況を、かろやかに、優雅に、重奏的かつ哲学的に描いた。さながらワトーの絵のように、またモーツァルトのように。本書はクンデラ初のフランス語執筆による小説。(集英社より) ***** クンデラの文学と哲学が混ざりあったという感じ。 1995年当時、クンデラは齢65才にしてこの作品を書いたことの意味を、読後に本を閉じてもなお探し続けている。