文学論(上)(岩波文庫) 夏目漱石
¥500
【非常に良い】(非常に良い/良好/並) ≪5版≫2016/11/25発行 苦しいロンドン留学から帰国した漱石は帝大で文学を講じます。独特の口調(嫌味な痛快さ)で文学を語ります。漱石の講義録です。
朗読者(新潮文庫) ベルンハルト・シュリンク/松永美穂訳
¥50
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【並】(非常に良い/良好/並) 背表紙スレあり。経年ヤケあり。その他は良好な状態です。 ≪16版≫2009/6/15発行 第54回 毎日出版文化賞 特別賞受賞作品 ベルンハルト・シュリンクのベストセラー小説「朗読者」が映画化されました。1958年のドイツで、15歳のマイケルは36歳のハンナと恋に落ち、彼女に本を読んであげるようになります。ところが、ある日突然、ハンナは姿を消してしまいます。 時が経ち、ハンナは戦時中の罪で刑務所に入れられたと、マイケルは知ります。そこで彼女のために物語を読んだテープを刑務所に送り続けます。 映画化された「愛を読む人」の原作です。
世界の文学37 ヘッセ (中央公論社) ヘルマン・ヘッセ
¥50
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【良好】(非常に良い/良好/並) カバー、箱なし ハードカバー ≪初版≫1964/10/12発行 ヘルマン・ヘッセの自伝的小説とも言われている「車輪の下」が収録されています。 皆の期待を一身に背負って、ひたすら猛勉強し、神学校に合格したハンスの人生が描かれいている。風景描写が素晴らしい一冊です。 「車輪の下」 「デーミアン」 「聖母の泉」
愛についてのデッサン(筑摩文庫) 野呂邦展
¥50
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【非常に良い】(非常に良い/良好/並) ≪初版≫2021/6/10発行 再入荷しました 初の文庫化となる表題作「愛についてのデッサン」は、古本屋稼業に静かな情熱を燃やす若き店主、佐古啓介が謎めいた恋や絡みあう人間模様を、古書を通してそれぞれの事情を解き明かす異色の青春小説として根強い人気を誇る傑作。この他、現在は入手困難になっている短篇小説も収録し、編者・岡崎武志氏による解説を付す。夭折の芥川賞作家、「小説の名手」による貴重な作品集が待望の文庫化。(ちくま文庫より)
マディソン郡の橋(文春文庫) ロバート・ジェームズ・ウォラー/松村潔訳
¥320
【良好】(非常に良い/良好/並) ≪11版≫2019/9/25発行 屋根付きの橋を撮るため、アイオワ州の片田舎を訪れた写真家ロバート・キンケイドは、農家の主婦フランチェスカと出会う。漂泊の男と定住する女との4日間だけの恋。時間にしばられ、逆に時間を超えて成就した奇蹟的な愛―じわじわと感動の輪を広げ、シンプルで純粋、涙なくしては読めないと絶賛された不朽のベストセラー。ロバート・キンケイドと譜フランチェスカ・ジョンソンの話を書き進めていくうちに、わたしはキンケイドという人物にますます興味を持つようになったが、彼がどんな人間で、どんな一生を送ったのかについては、あまりにもわずかしかわからなかった。この本が印刷所にまわされる二、三週間前、わたしはシアトルに飛んで、彼についてもっとわからないかどうか、もう一度調べてみることにした。(あとがきより)
ちくま日本文学016 稲垣足穂 1900-1977(筑摩書房) 稲垣足穂
¥50
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【良好】(非常に良い/良好/並) ≪4版≫2017/4/20発行 宇宙の果てからやってきた、妖しくも切ない物語たち(筑摩書房より) (目次) 一千一秒物語 鶏泥棒 チョコレット 星を売る店 放熱器 フェヴァリット 死の館にて 横寺日記 雪ヶ谷日記 山ン本五郎左衛門只今退散仕る 空の美と芸術に就いて われらの神仙主義 似而非物語 タッチとダッシュ 異物と滑翔
好き好き大好き超愛してる(講談社文庫) 舞城王太郎
¥300
【良好】(非常に良い/良好/並) ≪7版≫2013/1/21発行 大学読書人大賞受賞作品(2009年) Love Love Love You I Love You 愛は祈りだ。僕は祈る。僕の好きな人たちに皆そろって幸せになってほしい。それぞれの願いを叶えてほしい。温かい場所で、あるいは涼しい場所で、とにかく心地よい場所で、それぞれの好きな人たちに囲まれて楽しく暮らしてほしい。最大の幸福が空から皆に降り注ぐといい。「恋愛」と「小説」をめぐる恋愛小説。(あらすじより) 幸せな気持ちになる一冊です。
星の子(朝日新聞出版) 今村夏子
¥400
【非常に良い】(非常に良い/良好/並) ≪7版≫2020/9/30発行 第39回野間文芸賞受賞作品 知らぬ間に宗教に入ってしまうことの怖さと、その家族の子どもが宗教というものへの認識のなさが、愛おしくも切ない。
離れがたき二人(早川書房) シモーヌ・ド・ボーヴォワール/関口涼子訳
¥50
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【非常に良い】(非常に良い/良好/並) ≪初版≫ 2021/7/15発行 ソフトカバー シモーヌ・ド・ボーヴォワール は、フランスの哲学者、作家、批評家、フェミニスト理論家・活動家。20世紀西欧の女性解放思想の草分けとされる『第二の性』執筆 ***** 20世紀初頭のパリ。 少女シルヴィーは、厳格な家庭で育ちながらも自分らしく自由を求めて生きる、ある少女と出会います。 たがいに強く惹かれ合う二人の友愛は、永遠に続くはずだったのです。 1954年に執筆されるも、発表されることのなかった幻の小説。 ***** ボーヴォワールがボーヴォワールになる までを描いている自伝的小説。 ボーヴォワールが書 いている他の本と筆致が違って、 少女同士の友愛 が、丁寧に、初々しく描かれていて、とってもいい のです。 原稿を読んだサルトルが出版しない方がいいと言っ て生前は発表されませんでした。 『第二の性 LE DEUXIEME SEXE』(駿河台出版) ※カテゴリー>海外文学>単行本 原書Le Deuxième Sexeの 序文のみを抜粋した書籍となり、 全文は掲載されておりません。 教科書ではありますが、特に問題の記載は無く 読み物としてお楽しみにいただけます。 日本語訳はありませんが、巻末に 難しい単語、表現に関する日本語訳あり
冗談(みすず書房) ミラン・クン・デラ/関根日出夫、中村猛訳
¥50
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【良好】(非常に良い/良好/並) ≪初版≫ 1992/6/17発行 ハードカバー ミラン・クンデラは、チェコスロバキア生まれのフランスの作家 絵葉書に冗談で書いた文章が、前途有望な青年の人生を狂わせるというストーリー。 十数年後、苦しみに耐え抜いたすえに男は復讐をもくろむみます。 政治によって歪められた1人の男の流転の人生と愛の悲喜劇を軸にして、4人の男女の独白が重層的に綾をなします。 ミラン・クンデラ(1929-)の最高傑作です。 『存在の耐えられない軽さ』 ミラン・クンデラが、パリ亡命時代に発表した傑作。「プラハの春」とその時代を背景に、ドン・ファンで優秀な外科医トマーシュと田舎娘テレザ、奔放な画家サビナが辿る、愛の悲劇―。究極の哲学的恋愛小説。 ※カテゴリー>海外文学>文庫本
風の歌を聴け(講談社) 村上春樹
¥700
【良好】(非常に良い/良好/並) 26版 1988/8/15発行 ハードカバー 群像新人賞受賞。 本書は1979年に村上春樹がデビューした作品です。この作品は、彼の独特な文体とテーマが初めて現れたもので、彼の文学の出発点となりました。物語は夏の思い出をテーマにしており、主人公が過ごした大学時代の日々を振り返ります。日常の小さな出来事が、後になってかけがえのない思い出となることや、年を重ねるごとに自分が変わっていくことを感じながらも、子どもの頃の大切な何かを守り続けたいという思いが描かれています。
だれも死なない日(河出書房新社) ジョゼ・サラマーゴ/雨沢泰訳
¥2,500
【非常に良い】(非常に良い/良好/並) (ほぼ新品) ≪初版≫ 2021/9/30発行 ハードカバー 2枚目の写真、矢印部分に7ミリほど表紙の破れがあります。 それ以外は新品同様、読んだ形跡がないため(ほぼ新品)といたしました。 ジョゼ・サラマーゴ 1922年ポルトガル生まれ。82年『修道院回想録』、84年『リカルド・レイスの死の年』で数々の文学賞を受賞。95年『白の闇』は世界各国で翻訳、映画化。 98年ノーベル文学賞受賞。2010年没。 ***** ある年の元旦、突然人が死ななくなる。 新年の始まり以降、この国ではだれも死ななくなった。 高齢で衰弱する皇太后陛下、成功確実な自殺者、交通事故で十二分に息絶えたはずの人体、致命的な墜落事故。 死(モルト)の活動停止を寿ぐ歓喜の高波の一方で、商売の材料を奪われた葬儀業界、死の不在によってベッドが不足する病院経営者、生と死の循環が滞った老人ホームなど、危機に陥る人々。 国境の村では、生死の需要と供給を補うためにマーフィアが暗躍し、死を求める人々を国外に運びだします。 悲喜こもごもの事態の中、テレビ局の会長の手元に紫色の封書が届いて。。。 どうなるのかと結末を急いでしまいます。 ノーベル賞作家の最高傑作を楽しんでください。
きれぎれ(文藝春秋) 町田康
¥50
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【並】(非常に良い/良好/並) ≪初版≫ 2000/7/10発行 ハードカバー 表紙にスレがありますが、そのほかは良好です。 2000年上半期芥川賞受賞作 バンドをやっている町田康さんならではの芸術的かつ音楽的な作品で、 テンポよくきれぎれに物語にはまってゆきます。 人間とは何か?という問いをずっと突き詰めてゆく感じ。 読後は妙にスラスラ読めてしまった、これでいいのか・と自分を疑いたくなる。 が、しかし、これが町田さんの術だと思う。 初期の代表的な作品です。
推し、燃ゆ(河出書房新社) 宇佐見りん
¥50
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【非常に良い】(非常に良い/良好/並) 45版 2021/3/20発行 ハードカバー 第164回芥川賞受賞作品 推しのアイドルによってちぐはぐな日常の埋め合わせをする、主人公のあかり。 感想を書くとネタばれになってしまいますが、 推しの居る人には理解できる現象だと思います。 ラスト2行に『推し、燃ゆ』のすべてが書かれているようで、 心にぐっと来ます。
ほしのこ(文藝春秋) 山下澄人
¥50
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【良好】(非常に良い/良好/並) ≪初版≫ 2017/8/25発行 ハードカバー わたしはひとりじゃない。 夜、見上げれば、わたしには わたしが生まれた あの赤い星の近くの星が見える。 子どもと、かつて子どもだった人へ贈る物語。 【出てくる人】 天――海辺の小屋で暮らす少女。父は大雨の日、山から星に帰ってしまった。 ルル――その冬はじめての雪が降った日、小屋にあらわれた女の子。 飛行機乗り――山に、飛行機が落ちてくる。飛行機乗りは、ケガをしている。 心がぽわーんと温かくなります! 人間ってこんなに温かいんだなぁと思える作品でした。
愛の生活(新潮文庫) 金井美恵子
¥860
4版 1976/9/30発行 古書のため経年劣化によるヤケあり(天、小口、地) 金井美恵子は1967年、19歳の時にの処女作『愛の生活』が太宰治賞候補となり、雑誌に掲載されたこの作品で注目を受けてデビューするという、非常に若くして幸福な出発をした作家であります。 詩人としても功名高く、現代詩手帖賞を受賞されています。 ***** 大学の教師だがまだそれほどの年齢ではないらしい夫のFと、小説みたいなものを書いているようだが、友人のデザインスタジオにその気になれば勤めることもできる技術があり、週刊誌のカットなどの仕事を少ししている若い「わたし」との生活が描かれている。 朝、夫のFがひとりで朝食をして、出勤してしまったあとに、「わたし」は十時にまだ床にいる。やがて起き出して顔を洗い、歯を磨いたりする。 このような始まりから物語の最後まで、夫Fと同席する場面がひとつも出てこない。 「わたし」とFとの生活に於いて何を描こうとしたのか?ありありとわかる生活ではなく、『愛』という文字が入っている生活なのであるから、行間に残る、つかめないけれどそういうこと、であるという、抽象的ですがまさに「愛の生活」が描かれています。 感想が難しいのですが、純文学の金字塔ではないだろうか! 目次 ・愛の生活 ・エオンタ ・自然の子ども
第二の性 LE DEUXIEME SEXE(駿河台出版) シモーヌ・ド・ボーヴォワール/木村信子編注
¥1,400
【非常に良い】(非常に良い/良好/並) 3版 2002/4/1発行 装丁:単行本(55ページ) 本書は教本であり全文フランス語です。 後半35ページから訳注の掲載あります。 小説ではありませんので、気を付けてください。 ***** 原書Le Deuxième Sexeの 序文のみを抜粋した書籍となり、 全文は掲載されておりません。 教科書ではありますが、特に問題の記載は無く 読み物としてお楽しみにいただけます。 日本語訳はありませんが、巻末に 難しい単語、表現に関する日本語訳あり 題名だけがひとり歩きしているかのような作品ですが, 実際にはどんなことが書かれているのか, じっくり味わってみて下さい. 初級文法を終えた方が, 辞書を手に十分読んでゆけます. ボーヴォワールの文章は 決して難しくありません. 各センテンスは短く,古典的です. その簡潔な文章の中で 作者が言おうとしていることは何か. notes はその読解 の手助けとなるよう配慮して付した. (駿河台出版社より)
83 4/1歳の素晴らしき日々(集英社) ヘンドリック・フルーン/長山さき訳
¥50
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【非常に良い】(非常に良い/良好/並) ソフトカバー ≪初版≫ 2018/10/10発行 匿名作家である。 この日記調小説は当初、文芸ウェブサイト上で連載された。のちに出版に至り、人口約1700万人のオランダで32万部のベストセラーとなる。本国ではテレビドラマ化された。物語の内容については『嘘の文はひとつもないが、すべての言葉が真実ではない』とのこと。 ****** 83歳、ケアハウス暮らし。人生はこれからが面白い! 高福祉国家オランダで空前のベストセラーを巻き起こした大ヒット老人小説。 オランダ、アムステルダムのケアハウスに暮らすヘンドリック83歳。 ただコーヒーを飲みながら死を待つ日々に嫌気がさした彼は、仲間とともに「オマニド(老いても死んでない)クラブ」を立ち上げる。遠足やカジノなどさまざまな催しを企画して、楽しく生きようと試みるヘンドリックたち。 他人事ではない私たち日本人にも教訓になるのかな、と思いました。 良い老後とは、人生とは何か。安楽死もある高福祉国家オランダを痛烈に皮肉る、笑いと涙、恋と友情の物語です。
恥辱(早川書房) J・M・クッツェー/鴻巣友季子訳
¥870
【並】(非常に良い/良好/並) ハードカバー 3版 2001/1/31発行 天、小口にヤケありますが、 読むには支障はありません。 作者は1940年、南アフリカ生まれです。 南アフリカ共和国出身のノーベル賞作家J・M・クッツェーの小説。 1999年に出版され、同年のブッカー賞を受賞した。 『恥辱』で前人未到の二度目のブッカー賞を受賞。 ブッカー賞とは、 その年に出版された最も優れた長編小説に与えられる、イギリスで最高の権威ある文学賞。イギリスの多国籍企業ブッカー・マコンネル者が1969年に設立したものです。 舞台はアパルトヘイト撤廃後の南アフリカ。離婚を2度経験している大学教授のデヴィッドは、若いころから奔放な性を楽しんできたが、52歳になった今でもその欲望は衰えを知らない。そんなある日、彼は20歳の女子学生に強烈に引かれ、歳の差も社会的な立場も考えずに彼女を追いまわすようになる。半ば強引に彼女と関係を持ったデヴィッドはセクハラで告発され、軽蔑されて憎まれて、追われるように大学を去る。娘が経営する自作農園に身を寄せて再生の道を模索するが、そこにはさらなる恥辱が待ち受けていた。 ***** 主人公は性欲という泥沼の中で哀しいくらいこっけいにもがいてみせる。職も名誉も失いながら、それでも性欲に振り回されてしまう情けなさ。新しい価値観と古い価値観がぶつかり合う混乱の中で暮らす不安と無力感。 あまりにみじめな主人公に怒りすら感じながらも、物語から目を離すことができない。 彼の弱さは人間(特に男性)そのものの弱さであり、彼が恥辱にまみれるとき、当方もまた堕ちていく感覚を味わうからです。 一読の価値アリです!
アウシュビッツを生きのびた「もう一人のアンネ・フランク」自伝(バンローリング株式会社) エディス・エヴァ・イーガー、エズメ・シュウォール・ウェイガント/服部由美訳
¥1,400
【非常に良い】(非常に良い/良好/並) ソフトカバー ≪初版≫ 2021/4/3発行 17歳、死の収容所で両親を亡くしても、草を食べて生き抜いた。22歳、低賃金の工場で働きながら、子どもを育てた。41歳、大学を卒業し、50歳で心理学博士に。93歳、現役の臨床心理士として、人を癒やし、人生を愛し、踊る!本書はアウシュヴィッツ生存者による類まれなメモワールであると同時に、「今、できることを選び続けた」女性が綴る、困難を超えて力強く生きるためのメッセージである。「BOOK」データベースより ****** 悲惨さを物語るわけでなく、もっと人間として根本的なものを伝えたいのだなと思います。収容所までの人生と、収容所内での人生、そこから出た人生。今一度、人間を考えさせられました。
約束(河出書房新社) イジー・クラトフヴィル/阿部賢一訳
¥50
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【非常に良い】(非常に良い/良好/並) ≪初版≫ 2017/1/30発行 ハードカバー 1940年ブルノ生まれ。11歳のときに父が亡命し、秘密警察の尋問を受けるなど恐怖に満ちた青春時代を過ごす。 60年代から短編執筆するも、共産党体制下では発表の機会を断たれ、90年に長編『熊の小説』でデビュー。 数多くの国内賞を受賞し、ミラン・クンデラ直系のチェコ作家として不動の地位を築きました。 ******* 本書の時代設定はナチス・ドイツの保護領時代です。共産党による独裁体制が強化されつつあった1950年代初頭のブルノという土地です。 主人公は暗い過去を持つ建築家のカミル。かつての栄光とは無縁の仕事をこなしていたが、秘密警察のラースカに付きまとわれていた。 カミルの唯一の理解者である妹エリシェカも反体制活動の疑惑をかけられて秘密警察の尋問を受けている間に命を落としてしまいます。 最愛の妹を失ったカミルは妹と交わした「約束」を果たすために、復讐を企てます。。。 時代が色濃く反映されています。 私たち日本人には無縁ですが、引き込まれてゆきました。 あらためてチェコ文学は面白いと感じる作品。
破局(早川書房) ダフネ・デュ・モーリア/吉田誠一訳
¥1,200
【非常に良い】(非常に良い/良好/並) ≪初版≫2006/5/31発行 ハードカバー ******* ダフネ・デュ・モーリア1907年ロンドン生まれ。家庭で教育を受けて育つ。 『レベッカ』の印象が強いですが、 本作品の短篇集も興味深いです。 デュ・モーリアの冷静な人間観察によって完成された六編です。 1964年に刊行された『異色作家短篇集』の一巻として発行されました。 今回は復刊版になります。 ダフネ・デュ・モーリアの短編集『破局』は、人間関係の複雑さや孤独感に焦点を当てた作品です。 たとえば、「青いレンズ」では、手術後に周りの人が動物の顔に見えるという奇妙な体験を通じて、不信感や孤立を感じさせます。 「アリバイ」では、誤解や期待が生む心のすれ違いが描かれ、読みながらハッとさせられることも。 人の心の奥深さやつながりの難しさを丁寧に描いていて、読み終えたあと、ふと自分の周りの人間関係について考えたくなる、そんな一冊です。
黄色い雨(ヴィレッジブックス) フリオ・リャマサーレス/木村榮一訳
¥50
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【良好】(非常に良い/良好/並) 3版 2007/10/18発行 ハードカバー フリオ・リャマサーレス 1955年、スペインのレオン地方の田舎町ベガミアンに生まれる。マドリッド大学法学部卒業後、弁護士となる。ほどなくジャーナリストに転身。 早くから詩人と知られていた。 「黄色い雨」は長編小説の2作目になります。各国で翻訳される。 ******* 廃村寸前の村に残された一人の老人の物語です。 死が迫ってくる様子は、死んだはずの家族の亡霊・飢え・毒蛇・崩れゆく家屋など、様々な姿になって迫って来ます。 老人にとってはこの村が唯一の世界のようで、他に選択肢がない故にこの一つの地に意地でも死ぬまでしがみついてやろうという執念が凄まじい。 自分の死イコール村の死で、村の死は老人にとっての全世界の死。 終盤に向かって「世界の終わり」を少しずつ受け入れてゆくわけですが、死の近づいたある日、すべての景色が黄色く見える、というシーンは絵画のようでした。
ロリータ(新潮文庫) ウラジーミル・ナボコフ/若島正訳
¥50
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【良好】(非常に良い/良好/並) ≪5版≫2008/6/10発行 ウラジーミル・ナボコフはロシア出身のアメリカの作家です。 「ロリータ、我が命の光、我が腰の炎。我が罪、我が魂。ロ・リー・タ。……」世界文学の最高傑作と呼ばれながら、ここまで誤解多き作品も数少ない。中年男の少女への倒錯した恋を描く恋愛小説であると同時に、ミステリでありロード・ノヴェルであり、今も論争が続く文学的謎を孕む至高の存在でもある。多様な読みを可能とする「真の古典」の、ときに爆笑を、ときに涙を誘う決定版新訳。注釈付。(あらすじより) ***** 現代のロリータの語源になった作品です。 いわゆる「ロリコン」や「ロリキャラ」あるいは「ゴスロリ」「ロリータファッション」などの「ロリ」というのは本書に登場する少女ドロレス・ヘイズの愛称「ロリータ」に由来しています。 「ロリコン」(ロリータ・コンプレックス)が、未熟な少女を恋愛対象にする成人男性の嗜好を表していることもあって、この『ロリータ』という作品は「いかがわしい作品」と思われていることでしょう。 「いかがわしい作品」というのは完全には否定できないのですが、本書はすぐれた文学作品としても多くの批評家・作家から賞賛を受けている作品でもあります。 沢山の伏線があるので、ミステリーとして読むのもアリです! 是非、楽しんでください。 巻末には大江健三郎さんの解説があります。