2025/05/16 12:23

こんにちは。
大阪も少しずつ暑さが増し、初夏の陽気が心地よい季節となりました。この時期、日差しが強くなると、少し外で過ごすのも楽しみになってきますよね。
そんな季節にぴったりのテーマを今日はお届けしたいと思います。

「書くこと」について考えてみたことはありますか?
 日々の生活の中で、何かを書きたいと思っても、なかなか思うように筆が進まない…。
そんな経験をしたことがある方も多いのではないでしょうか?

今日は、そんな「書くこと」に向き合い続けた作家たちの意外な習慣や、もしあなたが書くことに迷ったときに手に取ってほしい本を二冊ご紹介します。

 書きたいのに、書けない… そんな夜、ありませんか?

「何かを書きたいけれど、言葉が浮かばない」
「どうせ私には無理…」
そんなふうに感じたことがある方、いらっしゃるのではないでしょうか。
私も時々、そんな思いに襲われます。書きたいという気持ちはあっても、筆が進まない。ページを閉じてしまうことがあったりします。

しかくでも、「書くこと」って、ただ言葉を並べるだけではないんですよね。
どんな作家たちが、どんなふうに「書くこと」と向き合ってきたのか、少し覗いてみましょう。

書くために、生活そのものを整えた作家たち

それぞれの作家たちがどんなルーティンを持っていたのか、その意外な習慣に驚くかもしれません。

 ◎ 三島由紀夫

三島由紀夫は、毎日早朝5時に起き、午前中はひたすら執筆に集中し、午後は剣道やボディビルに励んだと言われています。
「書くために生きる」のではなく、「生きるために整える」という心持ちで、心身のバランスを大切にした日々を送っていました。心と体の両方を整えることで、より深い創作が生まれるという信念があったのでしょう。

 ◎ 村上春樹

村上春樹は、毎朝4時に起きて、10キロ走り、その後に書き始める習慣を持っています。身体を動かすことで、頭がリフレッシュし、リズムが生まれて言葉が自然と出てくるのだそうです。
走ることで「身体から整える」、そして「心を整える」ことで創作に入るという彼の習慣は、非常に実践的でありながら、深い意味を持っているように感じます。

 ◎ 太宰治

太宰治は、夜更けの静けさの中で書くことを好んでいました。寂しさや人恋しさを抱えながら、夜に筆を取ることで、自分の感情をそのまま文字にすることができたのでしょう。
自分をそのまま受け入れて書く」という姿勢が、太宰らしいと感じます。

どの作家も、日々の習慣を通じて、自然に創作のための環境を整えていたことがわかります。彼らのように、書くために生活そのものを見つめ直すことが、創作にとって大切なことだと気づかされます。

 書くことに向き合うあなたへ、そっと手渡したい二冊


「書くことに向き合いたいけれど、うまく言葉が出てこない」「何を書けばいいのか分からない」そんな時に手に取ってほしい本を二冊ご紹介します。

◆小説読本/三島由紀夫

三島由紀夫が、自らの小説の技法について語った一冊です。
ただの「技術書」ではなく、「なぜ人は書くのか?」という深い問いを、読者に投げかけてきます。小説を書くうえでの心構えや、言葉の選び方、テーマの設定などについて、彼の思想を感じることができる貴重な一冊です。

◆生きるための文学/坂口安吾編

坂口安吾が編纂したこの本には、生きることと書くことの間で揺れ動いた作家たちの言葉が並んでいます。
有島武郎の「小さき者へ」、宮本百合子の「生活のなかにある美について」、梶井基次郎の「Kの昇天」など、さまざまな作家が自らの人生や思いをつづった言葉が心に響きます。書くことが「生きること」そのものであることを再確認できる一冊です。

どちらの本も、書くことに迷った時、そして生きる力を見失いそうになった時に、あなたを支えてくれることだと思います。


 書くことは、上手に書くことじゃない

私は毎朝、ほんの一言だけでも日記を書いています。誰にも見せない、ただ自分のためだけの言葉(文章)で、それは寝ているときに見る夢や、頭に浮かんできたことや、今日やるべきことなど、何でもかんでもです。

時にはうまく書けないこともありますが、それでも書くことで気持ちが整理され、心が整います。
「今日もなんとかやってみようかな」と思える自分に出会えるのです。

書くことは、誰かに見せるためだけのものではありません。自分自身と向き合うための大切な時間でもあるのかもしれませんね。


書くことに迷ったら、そっとこの二冊を

もし「書きたい気持ち」が湧いてきたときに、手元にあると安心できる二冊をご紹介しますね。

「書くことの技術」を超えて、「なぜ書くのか」を見つめ直したくなる一冊です。

「書くことは、生きること」—その言葉が、あなたの心にそっと灯る一冊です。



本は、いつもあなたのそばにあります。
書きたいけれど、書けないとき。
言葉が遠く感じるとき。
どうぞ、そっと開いてみてくださいね。
『柚香の森』の本棚で、お待ちしています(^^♪