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花月幻想(立風書房) 稲垣足穂

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初版 1994/3/20発行
ハードカバー
ISBN4651680089
背表紙ヤケ

『花月幻想』は、天狗に攫われた少年・花月と、彼の父親が清水寺の桜の下で再会するという幻想的な物語です。足穂は、この物語を通じて、花月が天狗に連れられて日本の山々を飛ぶ体験を青いフィルムで映像化したいと考えていました。この作品は、まるで夢の中を彷徨うような感覚に陥る、不思議で美しい世界が広がっています。

現実と幻想の境界が曖昧になり、花月の飛翔を通じて、足穂は天体や飛行への憧れを巧みに表現しています。花月が天狗に連れられて飛ぶシーンは、ただの冒険にとどまらず、自由への憧れや無限の可能性を象徴しているように感じます。その中で浮かび上がるのは、人間の内面や心の中に秘めた望み、そしてその叶わぬ思いです。

この物語は、読むたびに新たな解釈を生む多層的な魅力を持っています。少年愛や美の儚さ、そして複雑な父子関係に触れ、足穂は人間の深層を描き出しています。また、三島由紀夫をはじめとする作家たちにも大きな影響を与え、日本文学史において重要な位置を占める作品と言えるでしょう。

もしまだ『花月幻想』に触れたことがなければ、ぜひその幻想的な世界を一度体験してみてください。足穂さんが描く夢のような物語が、心に残る深い印象を与えてくれると思います。


<稲垣足穂について>
稲垣足穂(1900年生まれ)は、モダニズム文学の作家で、飛行願望やエロティシズムをテーマにした作品を多く発表しました。代表作に『一千一秒物語』や『少年愛の美学』があります。晩年に再評価され、1969年に『稲垣足穂大全』が刊行されました。1977年10月25日、京都市東山区の京都第一赤十字病院で結腸がんと急性肺炎により76歳で死去しました。

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