2025/04/04 11:45
こんにちは!
桜が咲き、ぽかぽか春の日差しが気持ちよい季節ですね(^^)
さて、間もなく桜が満開を迎える頃、4月9日は詩人であり小説家の佐藤春夫さんのお誕生日です。
繊細で誠実な作品を数多く残した佐藤春夫さんには、文学史に名を残す、忘れがたい物語があります。
それは、親友・谷崎潤一郎さんの妻だった千代さんを巡る恋の顛末、世にいう「細君譲渡事件」です。
細君譲渡事件の背景
谷崎潤一郎は、妻である千代さんの妹、おせいに惹かれていました。しかし、谷崎が最初に心を奪われたのは、芸者のお初。お初が既婚者であったため、彼はその代わりに千代と結婚したという経緯があります。
しかし、結婚後も谷崎の心は揺れ動き、千代の妹であるおせいへの想いが募り、千代との関係は冷え切っていきます。
そんな中、佐藤春夫は、孤独を深める千代に同情するうちに、次第に恋心を抱くようになります。
複雑な人間関係の中、谷崎は一時的に佐藤春夫に千代を譲ると申し出ますが、その後、妹のせい子への求婚がうまくいかなかったため、谷崎は前言を撤回したんですよね。
これがきっかけとなり、佐藤春夫と谷崎の間には深い亀裂が走り、二人は絶交してしまいます。
その後、紆余曲折を経て、谷崎は千代と離婚。そして、佐藤春夫と千代は結ばれ、夫婦となりました。
この時の三人の共同声明があります。
”私たち3人は話し合って、千代が潤一郎と別れて、春夫と結婚することに決めました。”
この一連の顛末が「細君譲渡事件」というわけなんです。
当店では、佐藤春夫さんの書籍の取り扱いはございませんが、この事件の当事者である谷崎潤一郎さんの作品をご用意しております。
取扱中の谷崎潤一郎作品
・『乳野物語』
・『鍵・瘋癲老人日記』
・『犯罪小説集』
・『人魚の嘆き・魔術師』
・『お艶殺し』
「細君譲渡事件」の背景を知ってから谷崎作品に触れると、また違った深みを感じられるかもしれません。
今日も心に触れる一冊との出会いがありますように(^^♪
