2025/10/27 12:14

こんにちは、柚香の森店主です。
毎年10月の終わりから始まる「読書週間」。
本好きな人はもちろん、普段あまり本を読まない方にも、ちょっと特別な2週間ですね。

2025年の読書週間は、10月27日(月)〜11月9日(日)まで。
この読書週間とは、いつから・なぜ始まったのか、その目的や、どんな取り組みがされてきたのかをご存じでしょうか?

今回は、「読書の秋」に合わせて、「読書週間」の由来・背景・イベントの意味を振り返りながら、心に響く本もご紹介していきます。


 読書週間とは?その歴史と目的


読書週間とは何か?
これは、1947年(昭和22年)、戦後間もない混乱期に始まりました。

当時のスローガンは──

「読書の力によって、平和な文化国家をつくろう」

これは、読書週間の目的として、今も根強く語り継がれています。
つまり、ただのキャンペーンではなく、「人の心を育み、社会を前向きに変える」ことを目指した国家的な文化活動だったのです。

当初は1週間でしたが、翌年からは現在のように2週間に拡大。
今では、全国の図書館や書店、学校でさまざまな読書週間のイベントが開催され、読書週間の取り組みとして広く親しまれています。


なぜ「読書の秋」なの?


「読書の秋」という言葉、すっかりおなじみになりましたよね。
この表現は、古代中国の詩人・韓愈の詩に由来するとされ、日本では明治時代から徐々に広まりました。

秋は、涼しく過ごしやすく、集中力が高まりやすい季節。
日が短くなることで自然と室内で過ごす時間も増え、本を開くにはうってつけです。

まさに「読書週間とは、読書の秋にぴったりの文化活動」といえます。


読書週間におすすめしたいテーマと本


読書週間2025では、「心を耕す読書」をテーマに、以下のような本がおすすめです。

* 自分と向き合える静かな物語
* 過去を振り返るエッセイや自伝
* 命や人生を考えさせてくれる文学

こうした本は、読書週間の目的である“心の成長”に寄り添ってくれます。


《柚香の森》の本棚から──店主おすすめの一冊たち

読書週間にあわせて、心にそっと寄り添ってくれる本を数冊ご紹介させてくださいね。

宇野千代さんのエッセイは、どんな時代を生きても「私らしく生きること」を教えてくれるようです。
読書週間というこの機会に、「生きること」そのものに正直であろうとする姿勢に、きっと心が揺れます。
小さな言葉のひとつひとつが、読む人の背中をそっと押してくれるような一冊です。

小さな交流が、日常のなかに灯りをともしていく──
特別なことは何も起きないのに、読み終えたあと心が少しあたたかくなる。
孤独や静けさに寄り添う、まさに秋の読書にぴったりの一冊です。

カポーティの短編集の中でも、心にじんわり染みてくる作品がそろっています。
人と人のあいだにある「やさしい距離感」や、「別れ」の先に残る思いが、静かに描かれています。
秋の夜長に、ひとりでページをめくりたい本です。

旅をしながら生きた、自由律俳句の詩人・山頭火の随筆集。
生と死、自然と孤独、人間の本質にじっと耳をすませるような言葉たちが並びます。
難しいことばではないけれど、何度も読み返したくなる不思議な力があります。

詩人のまなざしで綴られる読書のことばたち。
「読むことは、感じること」──そんな言葉が、やさしく胸に響いてきます。
読書週間の締めくくりにそっとおすすめしたい、心を耕す詩集です。


読書週間の取り組みとして


読書週間は、読む人それぞれの心の中で完結する静かな「イベント」でもあります。
読書会に参加するのも良いですし、SNSで読んだ本を紹介してみるのもひとつの**取り組み**。

あなたにとっての読書週間 イベントが、誰かの読書のきっかけになるかもしれません。

店主からのひとこと


私自身、心がざわざわするとき、必ず本の世界に戻ってきます。
読書には、”いまここにいる自分”に戻してくれる不思議な力があると思うのです。

そして、誰かの書いた言葉を通して、ほんの少しだけ他人の視点を持つことができたとき──
世界の見え方が、ほんの少しやさしくなります。

読書週間というこの機会に、心に灯りをともすような読書を、ぜひ味わってみてくださいね。

どうかこの秋、
心を耕す読書が、あなたの毎日にやさしい灯りとなりますように🌳

《柚香の森》店主より