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立原正秋 珠玉短篇集二 辻が花(イディア総合研究所) 立原正秋

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≪初版≫ 1998/4/11 発行
ハードカバー
ISBN494412058C0093
天、地、小口に小さなシミあり
表紙(背)ヤケ
読むには問題なく、きれいな状態です。


『辻が花』は短編集の一つで、特に「鎌倉」を舞台にした物語が印象的なんです。
25歳の青年と33歳の人妻が織りなす恋愛模様。聞くだけで少し切ないような気持ちになりますね。
この物語には、不倫というタブーも描かれていますが、その中で見えてくる人間の心の機微や揺れ動く感情がとても繊細で、じんわりと胸に響いてきます。

そして何より、能楽の世界や鎌倉の美しい景色が物語に奥行きを与えていて、日本文学ならではの趣が感じられます。私は、この本を読んで「愛って、こんなにも複雑で、それでも美しいものなんだ」と思いました。 恥ずかしいコメントですが、実際にそんな感じを受けましたよ。

心の中に小さな花を咲かせるような、そんな一冊です。
ゆったりとした時間のお供にいかがですか?


<立原正秋さんについて>
立原正秋(1926年1月6日生まれ)さんは、朝鮮生まれの日本の小説家。父親の死後母親とともに日本へ渡り、早稲田大学専門部国文科に在籍するも中退しました。1947年に日本に帰化し、同年「立原正秋」のペンネームで創作活動を開始。「白い罌粟(けし)」で直木賞を受賞するなど、日本の古典文学や能楽に影響を受けた独自の世界観で知られます。編集者としても活躍し、多くの文学者を育成しました。1980年、食道癌で54歳の生涯を閉じました。

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