恥辱(早川書房) J・M・クッツェー/鴻巣友季子訳
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3版 2001/1/31発行
天、小口にヤケありますが、
読むには支障はありません。
作者は1940年、南アフリカ生まれです。
南アフリカ共和国出身のノーベル賞作家J・M・クッツェーの小説。
1999年に出版され、同年のブッカー賞を受賞した。
『恥辱』で前人未到の二度目のブッカー賞を受賞。
ブッカー賞とは、
その年に出版された最も優れた長編小説に与えられる、イギリスで最高の権威ある文学賞。イギリスの多国籍企業ブッカー・マコンネル者が1969年に設立したものです。
舞台はアパルトヘイト撤廃後の南アフリカ。離婚を2度経験している大学教授のデヴィッドは、若いころから奔放な性を楽しんできたが、52歳になった今でもその欲望は衰えを知らない。そんなある日、彼は20歳の女子学生に強烈に引かれ、歳の差も社会的な立場も考えずに彼女を追いまわすようになる。半ば強引に彼女と関係を持ったデヴィッドはセクハラで告発され、軽蔑されて憎まれて、追われるように大学を去る。娘が経営する自作農園に身を寄せて再生の道を模索するが、そこにはさらなる恥辱が待ち受けていた。
*****
主人公は性欲という泥沼の中で哀しいくらいこっけいにもがいてみせる。職も名誉も失いながら、それでも性欲に振り回されてしまう情けなさ。新しい価値観と古い価値観がぶつかり合う混乱の中で暮らす不安と無力感。
あまりにみじめな主人公に怒りすら感じながらも、物語から目を離すことができない。
彼の弱さは人間(特に男性)そのものの弱さであり、彼が恥辱にまみれるとき、当方もまた堕ちていく感覚を味わうからです。
一読の価値アリです!
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