2025/06/09 10:40

こんにちは、柚香の森です。

梅雨に入ると、心も空模様に引きずられるように、どこか曇りがちになりますよね。
 「やる気が出ない」「なんとなく気分が沈む」「人と会うのもしんどい」──そんな日こそ、本の出番なんです。
今回は、6月という静かな季節にぴったりの小説5冊をご紹介します。
 でもただ紹介するだけではありません。

「この本が、あなたにどう寄り添ってくれるのか」
「読み終えたとき、どんなふうに心が変化するのか」

そんな“読後のやさしさ”までを含めて、お伝えできたらと思っています。
少し長くなりますが、お付き合いくださいm(__)m

雨の日の読書は、どうして心を整えてくれるの?

まずは少しだけ、読書が持つ“癒しの力”についてお話させてください。

1. 雨音が心を静かに整えてくれる
窓の外で降り続く雨の音は、不思議なことに心のノイズをすーっと洗い流してくれます。静かで、リズムのある音に包まれると、自然と呼吸も深くなり、本の世界にゆっくりと入り込めるんですよね。

2. 曇り空は、感情をゆっくり浮かび上がらせてくれる
晴れの日のように外に意識が向かないぶん、自分の内側に目を向けやすくなるのが雨の日です。過去の記憶や、今の心の揺らぎ──そんなものを、ふっと思い出すこともあるかもしれません。

3. 読書は「何もしない自分」に許可を出してくれる
「今日は出かけられなかったな…」そんな日でも、本を1冊読んだだけで、“ちゃんと心を耕した日”になるんです。
 忙しさに追われる毎日だからこそ、雨の日は“自分をいたわる日”にしてもいいのかもしれません。

雨の日に読みたい小説5選

ではここからは、雨の日にこそ読みたくなる小説を、5冊に厳選してご紹介しますね。

1. 『今夜もそっとおやすみなさい』小手鞠るい(出版藝術社)
「がんばってるけど、疲れてしまった…」そんな夜にそっと寄り添ってくれる、やさしい短編集。
どの物語も数ページで読めるほど短くて、それでいて、言葉のひとつひとつが静かに心を撫でてくれます。

💡どんな人におすすめ?
・感情が揺れやすい梅雨時に、安心感がほしい方
・「今日は誰とも話したくない…」という夜にひとりでいたい方

 💭読後感は?
 深呼吸したあとに、「今日もよくがんばったね」と誰かに言ってもらえたような気持ちになります。

▶ 心にやさしい言葉がしみこむ読書体験を、ぜひ。
詳細ページはこちらです→『今夜もそっとおやすみなさい


2. 『雨の木を聴く女たち』大江健三郎(新潮文庫)
タイトルからして“雨の日に読むべき”一冊です。
深い内面世界が描かれていて、外の雨音とともにページをめくると、自分の心の奥底に降りていくような感覚になります。

💡どんな人におすすめ?
・日々の忙しさの中で、心の声を聴けなくなっている方
・少し哲学的な読書を楽しみたい方

💭 読後感は?
 言葉にならない思いを、静かに抱きしめてくれるような余韻が残ります。

▶ 心の深呼吸をしたい日に、静かに読んでみませんか?
詳細ページはこちらです→『雨の木を聴く女たち


3. 『ゼラニウムの庭』大島真寿美(ポプラ文庫)
植物のある暮らしと、女性たちのささやかな日常。
一見なんでもないような会話や風景が、読むほどにじんわり心にしみてきます。
 雨で湿った空気の中に、ゼラニウムの香りがふわりと漂うような一冊です。
💡どんな人におすすめ?
・家の中で静かに過ごしたい週末に
・生活の中にちょっとした“光”を見つけたい方

💭読後感は?
 ゆっくりと時が流れ、日常の中の幸せに気づけるようになります。

▶雨音と一緒に、植物と心を育てる時間を。
詳細ページはこちらです→『ゼラニウムの庭


4. 『影裏』沼田真佑(文藝春秋)
東北の川辺、降り続く雨、静かな会話──。
全体に湿り気を帯びたような空気感がありながらも、心のひだを深く掘り下げていく美しい作品です。

💡どんな人におすすめ?
孤独や静けさをポジティブに受け止めたい方
表面的なストーリーではなく、余韻を楽しむ方

💭読後感は?
 人とのつながりの不確かさと、そこに宿る真実を、静かに受け止められるようになります。

▶ 静寂の中にあるドラマを、味わってみてください。
詳細ページはこちらです→『影裏


5. 『むかし女がいた』大庭みな子(新潮文庫)
「むかし女がいた」──その一文から始まる短編が28篇。
それぞれの女性の人生が、しっとりと、そして時に切なく描かれています。雨の日に読むと、より深く沁みてくるんです。

💡どんな人におすすめ?
年齢を重ねた女性の人生に共感できる方
雨の日、静かに過去を思い返したい方

💭読後感は?
 “誰かの人生”を通して、“自分自身”をそっと見つめ直せるような読書になります。

▶ 一篇ずつ、雨音とともに読み進めてみてください。
詳細ページはこちらです→『むかし女がいた

雨の日の読書を、もっと心地よくするコツ


・湯気の立つお茶やコーヒーを傍らに置く
・静かな音楽や雨音だけをBGMにしてみる
・「今日は読書のためにある日」と決める
・途中で眠ってもOKと、自分にやさしく許す

そうやって、読むことそのものが“ご褒美”になるような時間にしていけたら素敵ですよね。

最後に:雨の日に本を読むということ

誰かと話す元気がなくても、本は静かに寄り添ってくれます。
6月という、少し不安定で、でもどこかやわらかな季節に──
 「本を読む時間」が、あなたの心を整える小さなきっかけになりますように。
 “読む”ことは、あなたを否定しない時間です。
▶ ひとつでも気になる本があれば、ぜひページを開いてみてください。
▶ どれも『柚香の森』のオンライン書店でお取り扱いしています。お声かけいただければ、心を込めてお包みします。

雨の日の読書時間が、あなたにとって静かでやさしい贈り物となりますように。
いつもありがとうございます。